法令上の制限 用途規制 重要度 ★★★★☆


今回より6回に分けまして建築基準法をお送りしていきます。覚える範囲は広いですが2問ほどしか出題されません。少し割に合わない気もしますが、単純知識ですごく簡単ですので確実にマスターしておきましょう。

建築基準法とは、建築物の敷地、構造、設備、用途について最低の基準を定めた法律で、建築物の敷地等を規制することで、建築物の利用者自身や近隣住民の生命、健康、財産を保護しています。

建築基準法には、全国どこでも適用される
単体規定と、原則として都市計画区域および準都市計画区域内でのみ適用される集団規定とがあります。宅建試験で単体規定はほとんど出題されません。重要なのは集団規定と、建築基準法の規定に違反した建築物の建築を防止するための、建築確認と呼ばれる制度です。

集団規定から1問、建築確認から1問と考えてください。集団規定とは、用途規制、道路規制、建ぺい率・容積率・高さに制限を加える規制、その他の規制とあり、これらを5回に分けてお送りいたします。そして最後に建築確認についてお話し、建築基準法を終了いたします。集団規定5回分で1問はキツいかもしれませんが、正直簡単です。建築確認はもちろん、確実に2問取れるはずです。ではまずは、「用途規制」について見ていきましょう!

用途規制

都市計画法の2回目で、用途地域についてお話いたしました。住居系、商業系、工業系の12種類がありましたね。おさらいしておきましょう。

・住居系の用途地域

第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域

・商業系の用途地域

近隣商業地域
商業地域

・工業系の用途地域

準工業地域
工業地域
工業専用地域

これらの土地にどのような建物を建てて良いか、というのが用途規制です。ここはもう暗記です。ある程度の常識判断でパターン化できると思いますので、コツを掴んで覚えてしまってください。以下、宅建試験で問われているポイントです。

神社、寺院、教会等の宗教施設は、全ての用途地域で建築できる
保育所等の社会福祉施設は、全ての用途地域で建築できる
診療所、公衆浴場等の医療衛生施設は、全ての用途地域で建築できる
巡査派出所公衆電話等の近隣公共施設は、全ての用途地域で建築できる

住宅共同住宅寄宿舎下宿は、工業専用地域以外で建築できる
図書館、博物館、老人ホームは、工業専用地域以外で建築できる

幼稚園小・中・高等学校は、工業・工業専用地域以外で建築できる

大学高等専門学校は、第1・2低層住専、工業・工業専用地域以外で建築できる
病院は、第1・2低層住専、工業・工業専用地域以外で建築できる

飲食店は、第1低層住専、工業専用地域以外で建築できる

自動車教習所は、第1・2低層住専・中高層住専以外で建築できる

ボーリング場は、第1・2低層住専・中高層住専、工業専用以外で建築できる

カラオケボックスは、第1・2低層住専・中高層住専、第1住居以外で建築できる

パチンコ屋は、第1・2低層住専・中高層住専、第1住居、工業専用以外で建築できる

ホテル、旅館は、第1・2低層住専・中高層住専、工業・工業専用以外で建築できる

料理店(接待あり)は、商業、準工業でのみ建築できる

200u未満の映画館は、準住居、商業、近商、準工業で建築できる
200u以上の映画館は、商業、近商、準工業で建築できる

規制に引っかかる建築物であっても、
特定行政庁の許可があれば建築できるということは覚えておいてください。特定行政庁とは、建築主事を置く市町村の区域については市町村長をいい、その他の区域については都道府県知事をいいます。建築主事とは、建築基準法で定める建築確認等をつかさどる地方公務員をいい、都道府県や政令で指定する人口25万人以上の市には必ず設置されています。

また、建物の敷地が2以上の用途地域にまたがる場合は、敷地面積の
過半が属する地域の制限を受けるということも覚えておいてください。

建築基準法の補足

建築基準法が適用されない建築物について補足しておきます。出題可能性は低いですが、一読して頭の片隅に入れておいてください。

1.文化財保護法の規定により
国宝、重要文化財等に指定(仮指定)された建築物

2.特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定した、文化財保護法の規定により現状変更の規制および保存のための措置が講じられている保存建築物

3.特定行政庁が建築審査会の同意を得て、国宝、重要文化財等に指定されていた建築物の原形を再現するもの

集団規定の補足

集団規定は、原則として都市計画区域および準都市計画区域内でのみ適用されるとお伝えしましたが、あくまでも「原則として」です。この例外を覚えておいてください。

都市計画区域および準都市計画区域外であっても、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、
地方公共団体の条例で、敷地の接道、建ぺい率、容積率、建築物の高さ等に関する制限を定めることができます。

[ 平成7年 宅建試験 問22 ]
 建築物の用途制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。

1.第一種低層住居専用地域内においては、保育所を建築することができない。
2.第二種中高層住居専用地域内においては、水泳場を建築することができる。
3.第一種住居地域内においては、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が100uであるものを建築することができない。
4.近隣商業地域内においては、床面積の合計が 100uの料理店を建築することができる。


1 誤
:保育所は全ての用途地域内で建築できる
2 誤:水泳場はボーリング場と同じ(上記参照)
3 正:第1住専で建築できる工場は、作業場面積50u以下のものに限る
4 誤:面積に関係なく料理店は商業、準工業のみで建築できる

[ 平成12年 宅建試験 問23 ]
 建築物の用途制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。

1.病院は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。
2.老人ホームは、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。
3.図書館は、すべての用途地域内において建築することができる。
4.大学は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。


1 誤
:工業・工業専用以外に、第1・2低層住専でも不可
2 正:念のため、老人福祉センターと区別(600u以下なら全地域内で建築可)
3 誤:工業専用地域は不可
4 誤:工業・工業専用以外に、第1・2低層住専でも不可(小・中・高校と区別)

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