配偶者の居住権と短期居住権の改正問題

今回は『配偶者居住権』の改正問題を見ていきます。「出題されそうな問題」のみに絞っていますので、関連知識は当サイトの改正民法「配偶者居住権のページでチェックしておいてください。

配偶者居住権の改正問題

改正民法問題集の最終回です。
中~上級者向けの知識で少し難しかったかもしれませんが、お疲れさまでした。

ラスト「配偶者居住権と配偶者短期居住権」の比較を、これを機に覚えておいてください。新設規定なので、ひっかけ問題というより単純知識のシンプルな問題となります。


【問1】配偶者居住権と配偶者短期居住権は、どちらも被相続人の配偶者だけが、居住建物についてのみ、その権利を取得することができる。


【問2】配偶者居住権と配偶者短期居住権は、どちらも配偶者が、相続開始時に遺産に属する建物に居住していた場合は、当然に発生する。


【問3】ー


【問4】配偶者居住権と配偶者短期居住権は、どちらも原則として配偶者の終身の間は存続するが、別段の定めをすることもできる。


【問5】ー


【問6】配偶者居住権と配偶者短期居住権は、どちらも配偶者が、居住建物の所有者に対して居住権設定登記を備えるよう求めることができる。


【問7】ー


【問8】配偶者居住権と配偶者短期居住権は、どちらも配偶者は善管注意義務を負い、権利消滅時には原状回復義務を負う。


以下、解説です。


【1…〇】配偶者居住権も配偶者短期居住権も、被相続人の配偶者が、相続開始時(=被相続人の死亡時)に、遺産に属する建物に居住していた場合に取得する権利です。土地は対象となっていない点に注意。


【2…×】配偶者居住権は、遺産分割、遺贈、死因贈与契約をしたときに発生します。当然に発生する配偶者短期居住権と区別。


【3】ー


【4…×】配偶者居住権は「配偶者の終身の間は存続し、別段の定めがあればそれによることもできますが、配偶者短期居住権はその名の通り「短期」で終了します。配偶者を含む共同相続人の間で遺産分割を行う場合は「遺産分割により居住建物の帰属が確定した日または相続開始から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日」に、遺産分割を行わない場合は「居住建物取得者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6ヶ月を経過した日で終了となります。


【5】ー


【6…×】配偶者居住権は、居住建物の所有者が、配偶者に対して配偶者居住権の設定登記を備えさせる義務を負います(登記義務者は所有者)が、配偶者短期居住権における居住建物取得者に登記を備えさせる義務はありません(=配偶者短期居住権は登記不可)。


【7】ー


【8…〇】配偶者居住権も配偶者短期居住権も、どちらも配偶者は善管注意義務を負い、権利消滅時には原状回復義務を負います。善管注意義務違反は居住権の消滅原因となり、少し細かいですが、配偶者居住権は催告をした上で、配偶者短期居住権は催告不要で消滅させることができる点にも注意です。


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