履行追完請求や代金減額請求の改正問題

今回は『売買(契約不適合責任)』の改正問題を見ていきます。「出題されそうな問題」のみに絞っていますので、関連知識は当サイトの改正民法「売買契約」のページでチェックしておいてください。

売買(契約不適合責任)の改正問題

ここはとても重要です。
従来から頻出問題だった上に大きく変わっています。

ものすごく熱い改正ポイントなので確実に押さえておいてください!

以下、【売主Aと買主Bの土地または建物の売買契約が既に成立している状態】での問題となります。


【問1】ー


【問2】ー


【問3】引き渡された土地が品質に関して契約内容に適合しないものであるときは、Bは、自己に帰責事由がある場合でも、Aに対してその修補による履行の追完を請求することができる。


【問4】ー


【問5】ー


【問6】Aが引き渡した土地の面積が契約内容の面積より狭かった場合、Bは、その不適合を知ったときから1年以内にその旨をAに通知しなければ、不足分の代金減額請求をすることができなくなる。


【問7】AがBに建物を引き渡した場合において、引渡し時以後にAB双方の責めに帰することができない事由によってその建物が滅失したときは、Bは、代金の支払いを拒むことができる。



先に言ってしまいますが、ひっかけるとしたらこんな感じ…ということで全て誤りの問題となっています。すごく出題可能性の高いひっかけポイントです!(この7問を押さえておけば大丈夫です)

以下、解説です。



【1】ー


【2】ー


【3…×】引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約内容に適合しないものであるときは、「帰責事由のない買主」は、売主に対して目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しによる履行追完請求をすることができます。買主に帰責事由があれば追完請求は不可です。また、買主に不相当な負担を課するものでない場合、売主は、買主が請求した方法と異なる方法で履行を追完することができることも覚えておいてください。


【4】ー


【5】ー


【6…×】上記1~5全て重要ですが、ここもすごく重要ですね。売主の担保責任について買主が救済手段を行使するための期間要件は、「買主が不適合を知ったときから1年以内に売主に通知」となりました。不適合を知ったときから1年以内に通知しなければ、履行追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除ができなくなります。ただし、売主が引渡しのときにその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときはこの限りではありません。そしてこの場合の不適合は「種類または品質」に関するものだけに限定され「数量不足」には適用されません。つまり本問の「面積不足=数量不足」は担保責任の期間制限が適用されず、消滅時効の一般規定に従い「権利を行使できることを知ったときから5年、または権利を行使することができるときから10年」で時効消滅することとなります。数量不足に1年以内の通知は適用されない ← 激熱ポイントです。


【7…×】オマケの危険負担(深追い禁止)。目的物(売買の目的として特定したもの)引渡しに、その目的物が当事者双方の責任でなく滅失・損傷した場合、買主は、その滅失や損傷を理由として履行追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除はできず代金の支払いを拒むこともできません。改正民法により「危険負担」は債権者主義から原則として債務者主義に変わりましたが、目的物引渡し後の関係はこのようになります。何を言っているのか分からない、以前の解説(引渡し前)と矛盾している、と思われるかもしれませんが、それはそれで構いません。理解できる方だけ「引渡しによって目的物の滅失や損傷の危険が移転する」ということを頭の片隅に入れておいてください。ちなみに引渡し前で「代金の支払いと引換えに建物を引き渡す」ことになっていた場合に建物が滅失等したときは、改正後の原則通り債務者主義となり、つまり債権者は反対給付の履行を拒むことができ、それはつまり「売主は買主に対して代金の支払いを請求できない」となります。うーん、複雑。


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