悪意による不法行為など相殺の改正問題

今回は『相殺』の問題を見ていきます。「出題されそうな問題」のみに絞っていますので、関連知識は当サイトの改正民法「相殺」のページでチェックしておいてください。

相殺の改正問題

前回の弁済とは打って変わって改正点は少ないです。
チャチャッと覚えて出題されたら1点いただいておきましょう。


【問1】ー


【問2】AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して同種の債権を有している場合において、Aの債権がBの不法行為によって発生したものであるときには、Bは、自己の有する債権をもって相殺をすることができない。


【問3】AがBに対して100万円の金銭債権を有し、その支払い前にBの自動車がAの過失に基づく事故によって被害を受けた場合、B自身に怪我等の身体に関わる損害がなかったときは、Aは、当該損害賠償債務と売買代金債権とを相殺することができる。


【問4】ー



以下、解説です。



【1】ー


【2…△】相殺における改正点の目玉ですね。従来は不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権として相殺することはできないとされていましたが、改正民法によりこの不法行為が「悪意による不法行為」に限定されました。今後は「Bの悪意による不法行為によって発生したものであるときには、Bは、自己の有する債権をもって相殺をすることができない」=○という形で出題されるはずです。もちろん基本通り、被害者Aから相殺を主張することは許される(=不法行為による債権を自働債権)点は変わっていません。また、「悪意による不法行為」と共に人の生命または身体の侵害」に基づく損害賠償請求権も受働債権として相殺することは禁止されています。この2つは必ず覚えておいてください。また、これら2つの相殺が禁止された債権であっても、この債権を被害者が譲り渡した場合には相殺は禁止されません(=加害者は損害賠償請求権の譲受人と相殺可能)。ちょっと難問ですが、余裕があればここまで押さえておけばバッチリでしょう。


【3…○】上記の問2を踏まえて裏をかいた問題。このパターンでの出題可能性も大ですね。従来は不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺は一切できませんでしたが、改正民法により「悪意」「生命や身体を害する」場合のみ相殺不可となる点は上記2番で触れた通りです。そして本問はBの「生命や身体」に関わる損害はなく、Aの不法行為も「過失によるもの」ですので「Aは相殺することができる」となります。もちろん悪意の場合と同じく、生命や身体に関わる損害があっても(=もしもBが怪我をしていた場合でも)、Bから相殺を主張することは可能です。


【4】ー


改正民法問題集一覧ページに戻る
<<< 前のページ <<< >>> 次のページ >>>
弁済の改正問題 契約全般の改正問題