絶対効と相対効!連帯債権の改正問題

改正民法で新設された『連帯債権』の問題を見ていきます。「出題されそうな問題」のみに絞っていますので、関連知識は当サイトの改正民法「連帯債権」のページでチェックしておいてください(余裕があれば)。

連帯債権の改正問題

連帯債権は改正と言いますか、完全なる新規定ですね。

10年後か、5年後か、それとも今年か、そのうち出題されると思いますが、従来からある連帯「債務」の出題頻度も少ないので、こちらの出題可能性も低いでしょう。

出題可能性は低いですが覚えることはシンプルで簡単なので、重要度は少し高めとしておきます。もしも出題されたらラッキー!ということで取っておきましょう。

では、連帯債権で出題されるとしたらコレという問題を見ていきます。このたった5問が連帯債権の全てと言っても過言ではありません。ひっかけ問題もないので、ここは全問題を公開しておきます


【問1】連帯債権者は全債権者のために履行の請求ができ、債務者は全債権者のために履行することができる。


【問2】債務の免除があった場合、その連帯債権者が受ける予定だった部分について、他の連帯債権者は履行の請求をすることができない。


【問3】債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、他の連帯債権者に対してもその効力を生ずる。


【問4】債務者と連帯債権者の一人との間に混同があった場合、債務者は、弁済をしたものとみなされる。


【問5】原則として連帯債権者の一人の行為または一人について生じた事由は他の連帯債権者に対して効力を生じないが、他の連帯債権者の一人及び債務者が別段の意思表示をしたときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。


以下、解説です。

先に言ってしまいますが、全て正しい肢ですのでシンプルに覚えてしまってください


【1…〇】性質上可分な債権が当事者の意思表示によって不可分であるとされる場合に不可分債権とされていた従来の規定が「連帯債権」として生まれ変わっています。難しいことは置いといて、「連帯債権者は全債権者のために履行の請求ができ、債務者は全債権者のために履行することができる」とだけ覚えておいてください。連帯債権の出題はこのレベル、条文レベルでしょう。


【2…〇】免除または更改があった場合、その連帯債権者が受ける予定だった部分について、他の連帯債権者は履行の請求をすることができません。債権者の一人(=A)が債務者と免除や更改を行った場合、他の連帯債権者は、その債権が不可分であればAが受けるべきであった利益を返還し、可分債権であればAの取り分を除いた債権を行使すれば済む話です。説明するほどややこしくなりますね。正しい記述の問題文をそのまま覚えておけば大丈夫です。


【3…〇】連帯債権者の一人と債務者の相殺は絶対的効力となります。連帯債権者ABCと債務者Dがいて、DがAに対する債権を自働債権として相殺の意思表示をすると、BCにも効力が及び、その分の債権が消滅します。AからDに相殺の意思表示をした場合も同です。連帯債権における相殺は絶対効、ここが一番出題可能性高いかもしれません


【4…〇】債務者と連帯債権者の一人との間に混同があった場合、弁済があったものとみなし、その分の債権は消滅します。2~3番のオマケとして「免除・更改・相殺と混同は絶対効」と覚えておきましょう。


【5…〇】4番までに出てきた「免除・更改・相殺・混同」のみ絶対的効力が認められ、連帯債権の原則は相対的効力(相対効)となります。ただし、当事者間で別段の意思表示があればその意思に従う(=絶対効にできる)ことも可能です。3番に次いで出題可能性が高いところだと思います


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