宅建試験の税その他解説:「贈与税」についてお話します。出題可能性が低い割に複雑でなかなか難しいのが贈与税です。ここは深入り禁物ですので、一応重要と思われる箇所を箇条書きしておきます。軽く読み流して頭の片隅に入れておいてください。
- 贈与税の宅建解説
■贈与税とは
贈与税とは、個人から財産(土地や建物など)を贈与によりタダでもらった場合に、そのもらった個人に課される税金です。
■贈与税の課税方法
1.暦年課税(一暦年中に贈与を受けた全ての財産に対し、受贈者に課されるもの)
贈与者:制限なし
受贈者:制限なし
贈与税額:{1年間(1/1~12/31)の受贈財産合計額-年110万円基礎控除}×10%~50%
2.相続時精算課税(親から贈与を受けた財産に対し、相続と贈与を一体化して課すもの)
贈与者:60歳以上の親(住宅取得資金は年齢不問。贈与税の特例を参照)
受贈者:将来の相続人である子(20歳以上)
贈与税額:{1年間(1/1~12/31)の受贈財産合計額-累計2500万円の特別控除}×20%
相続時精算課税は暦年課税に代えて選択適用する課税方法で、その選択適用は、受贈者が贈与者である親ごとに行い、一度選択した場合は一生撤回することができなくなります。
■贈与税の特例
1.住宅取得資金の贈与の特例
親から住宅資金贈与を受けた場合に、親の年齢制限なしに相続時精算課税の適用が受けられる特例があります(直系尊属から贈与を受けるケースも少し注意↓下記3番)。
贈与者:父母(年齢制限なし、祖父母は対象外である点に注意)
受贈者:将来の相続人である子(20歳以上)
取得家屋:床面積50㎡以上(上限なし)、新築または築20年以内(耐火建築物は25年以内)などなど…
増改築の場合:増改築後の床面積50㎡以上、工事費用100万円以上
これらの要件に加え、床面積の2分の1以上を居住の用に供することが必要です。また、受贈者は過去にこの特例の適用を受けていたことがあっても構いません。
2.配偶者控除の特例
夫婦間で居住用不動産(その購入資金)を贈与した場合、配偶者控除の特例があります。
婚姻期間:20年以上
控除額:暦年課税110万円基礎控除+2000万円(=合計2110万円)
細かいですが、この特例の適用を受けるためには、当該不動産について贈与年の翌年3月15日まで居住の用に供し、その後も居住の用に供する見込みがあることが必要です。
3.住宅取得資金の贈与の特例比較70条の2特例 70条の3特例 20歳以上(※) 20歳以上(※) 直系尊属から(贈与者の年齢制限なし) 直系尊属から(贈与者の年齢制限なし) 住宅資金のみ 住宅資金のみ 50㎡以上240㎡以下 50㎡以上(上限なし) 受贈者の所得金額2,000万円以下 ー 非課税枠1,000万円(省エネ1,500万円) 非課税枠2,500万円
70条の3特例=住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例
※どちらも、受け取る者は住宅資金等資金の贈与を受けた日の属する年の1月1日において20歳以上の者であることを要します。
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