| 開発許可制 重要度 ★★★★★ |
| 都市計画法の3回目ということで「開発許可制」についてお話いたします。 今回で都市計画法は終了ですが、 この開発許可制は都市計画法で最も重要です。 宅建本試験で出題されない年はないと考えてください。 覚えることは多くて大変ですが、慣れてしまえば簡単です。 ポイントはちょっとした基本と「それが開発行為にあたるかどうか」です。 では順番に見ていきましょう! ■開発行為とは 開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う 土地の区画形質の変更をいいます。 条文通りだと分かりにくいですが、 つまり、建物の新築や移転等のために盛土や切土などを行うということですね。 これらの行為を行う場合、原則として都道府県知事の許可が必要となります。 この許可を開発許可と呼びます。 ちなみに特定工作物とは以下の2つをいいます。 1.第一種特定工作物:コンクリートプラントなど 2.第二種特定工作物:ゴルフコースや墓苑、1ha以上の運動・レジャー施設など また、例外として以下の5つは開発行為であっても許可が不要となります。 1.公益上必要な建築物 学校とは小・中・高等学校をいい、大学や専修学校等は含まれない点に注意してください。 今まで通り許可が必要ないもの→図書館、博物館、鉄道施設等 3.都市計画事業の施行として行うもの 都市計画事業の施行として行うもののほか、土地区画整理事業や市街地開発事業の施行 として行う場合は許可不要で、非常災害のため必要な応急処置や通常の管理行為等も 許可不要となります。 4.小規模開発 ここはすごく重要です。数字を正確に覚えておいてください。 市街化区域:1,000u未満の開発行為は許可不要 市街化調整区域:例外なしで許可必要 区域区分が定められていない都市計画区域:3,000u未満の開発行為は許可不要 準都市計画区域:3,000u未満の開発行為は許可不要 都市計画区域外:1ha未満の開発行為は許可不要 準都市計画区域外:1ha未満の開発行為は許可不要 5.農林漁業用建築物 農林漁業用建築物とは畜舎や温室、農林漁業者の住居等をいいます。 農林漁業用建築物を建てるために許可不要となるのは市街化調整区域等の場合で、 市街化区域にはこの例外は適用されず、原則通り許可が必要となるので注意してください。 ■開発許可の手続き ここも重要ですので確実に覚えておいてください。 許可申請:必ず書面で行う 申請書には開発区域、予定建築物等の用途、設計、工事施行者等を記載します。 また、以下の者の同意書または協議の経過を示す書面を添付しなければなりません。 開発行為に関係がある公共施設の管理者(=現在の管理者) ⇒協議をし、同意を得る(同意を得たことを証する書面を申請書に添付する) 設置される公共施設を管理することとなる者(=将来の管理者) ⇒協議をする(協議の経過を示す書面を申請書に添付する) また、土地等の権利者の相当数の同意を得ておく必要もあります。 ■許可・不許可処分 許可処分:都道府県知事が文書で通知する 不許可処分:都道府県知事が不許可の旨と不許可の理由を文書で通知する 不許可処分がなされ、その処分に対して不服がある者は、 開発審査会に対して審査請求をすることができます。 この審査請求に対する開発審査会の裁決を経た後でなければ、 裁判所に対して処分取消の訴えを提起することができません(不服申立前置主義)。 以下、許可処分の場合の流れです。 ここもまた重要ですので必ず覚えておいてください。 1.都道府県知事が、開発許可をした土地の一定事項を開発登録簿に登録する 2.工事の施行 3.検査のため、都道府県知事に工事が完了した旨を届け出る 4.都道府県知事が、検査済証を交付し工事完了の公告を行う 5.建物を建てることができる 開発登録簿は都道府県知事が保管し、誰でもこれを閲覧することができます。 また、その写しの交付を請求することもできます。 用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合、 都道府県知事は必要があると認められるとき、将来建築される建築物の建ぺい率や高さ、 壁面の位置などに関する制限を定めることができます。 この場合、これらの制限に違反する建物を建ててはならず、その制限に違反する建物を 建てたいときは、都道府県知事の許可を受けなければなりません(=許可があれば建築可)。 また、開発許可・不許可の判断基準となる技術的基準は、原則として全国一律です。 しかし、特定の地方によっては気候等により基準を上乗せ、緩和する必要もあります。 そこで地方公共団体は一定の場合、政令で定める基準に従い、政令で定める技術的細目で 定められた制限を条例で強化または緩和できる、ということも覚えておいてください。 ■開発許可後 1.許可を受けた者が変わった場合 一般承継(相続)による変更:当然に承継される 特定承継(地位の譲渡等)による変更:都道府県知事の承認が必要 2.開発行為の内容が変わった場合 原則:都道府県知事の許可が必要 例外:軽微変更・工事の廃止は都道府県知事への届出でよい ちなみに、開発許可が不要な開発行為への変更は、許可も届出も不要です。 また、開発行為により設置された公共施設(敷地)の帰属先も覚えておいてください。 公共施設:原則として所在市町村の管理に属する 公共施設の敷地:原則として公共施設の管理者に所有権が属する 例外として、協議により別段の定めをした場合等は他の者に帰属する場合もあります。 ■建築規制 1.開発許可を受けた開発区域内における建築規制 工事完了公告前:建築物や特定工作物の建築・建設不可 工事完了公告後:予定建築物・特定工作物以外の新築・新設・改築・用途変更不可 しかしこれには例外があり、この例外も結構重要です。 以下の場合は建築等を行うことができます。 工事完了公告前 ・当該工事のための仮設建築物・特定工作物の建築・建設 ・開発行為に同意していない土地所有者等の建築・建設 ・都道府県知事が支障ないと認めた場合 工事完了公告後 ・用途地域等が定められている場合 ・都道府県知事が許可した場合 2.開発許可を受けた開発区域以外の区域内における建築規制 市街化調整区域:都道府県知事の許可を受けなければ建築物の新築・改築等不可 市街化調整区域以外の区域:特に規制なし(建築基準法の用途規制はあり) ただし許可を要しない開発行為の場合、市街化調整区域でも知事の許可は不要となります。
1 正:青空駐車場は建築物とも特定工作物ともいえず、開発行為にあたらない 2 誤:非常災害のため必要な応急処置として行う開発行為は許可不要 3 誤:許可、不許可にかかわらず文書で通知される 4 誤:他の法律に基づくとき、または協議により別段の定めをしたときは別の者が管理する
1 誤:構造、設備、予定建築価額の記載は不要 2 誤:開発区域内の土地等権利者の相当数の同意があれば足り、所有権までは不要 3 正 4 誤:原則として審査請求に対する開発審査会の裁決を経た後でなければ提起できない 以上で3ページに渡ってお送りしてきた都市計画法は終了です。 確かに初めて目にする言葉ばかりでイヤになってしまうかもしれませんが、 慣れてしまえば単純知識ですごく簡単です。 では次ページより「建築基準法」に入っていきますので、 今回までの内容はしっかりマスターしておいてください! 実はかんたん法令制限ページに戻る 幸せに宅建に合格する方法TOPページ |