法令上の制限 事後届出制 重要度 ★★★★★


国土利用計画法の2回目ということで「事後届出制」についてお話いたします。

この事後届出制はすごく重要です。事前届出制は捨てる!…という方はいないと思いますが、事後届出制だけを覚えておけば国土法は大丈夫と言っても過言ではありません。事後届出制は完璧に覚えておいてください。ここで1点をゲットできる確率が高いです。では、順番に見ていきましょう!

事後届出制とは?

事後届出制とは、「一団の土地に関する権利を、対価を得て、移転・設定する売買等の契約を締結した場合、権利取得者は、都道府県知事に取引価格や土地の利用目的などを届け出なければならない」とする制度をいいます。条文通りでは何を言っているのかよく分かりませんね。

キーワードは、「
一団の土地に関する権利」「対価を得て」「移転・設定する売買等の契約」の3つです。この3つのキーワードについては以下で詳しく解説いたしますので、まずここでは、事後届出は「権利取得者が都道府県知事に届け出る」ということを覚えておいてください。また、事後届出制の主な目的は合理的な土地利用を図ることにあります。地価の上昇を抑制することが目的の事前届出制と区別しておいてください。

一団の土地に関する権利

一見すると面積要件に満たない土地取引であっても、処分される
全体の面積を基準として届出が必要かどうか判断されます。「全体の面積を基準」とは、物理的な一体性計画的な一体性から判断され、つまり隣接する土地の計画的取引であれば、売主が複数であったり契約時期がずれていたとしても一団の土地と判断されます。

また、届出を要する面積要件とは以下の通りです。
市街化区域:
2,000u以上
市街化区域以外の都市計画区域内:
5,000u以上
都市計画区域外:
10,000u以上
この数字は正確に覚えておいてください。

街づくりを行う場所のことを都市計画区域といいます。そして既に市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を市街化区域といいます(つまり建物が立ち並んでいる街です)。また、「一団の土地」といえるかどうかは
権利を取得する者を基準に判断されるということも必ず覚えておいてください。

土地に関する「権利」ですが、
所有権(予約も含む)、地上権賃借権(設定の対価がある場合)と、これらの権利の取得を目的とする権利をいいます。譲渡担保設定契約、代物弁済予約も土地に関する権利に含まれますが、抵当権や不動産質権は含まれないという点に注意しておいてください。

対価を得て

届出が必要となるのは、対価を得て行われる土地取引に限られます。したがって、贈与、
相続、遺産分割、法人の合併、信託は含まれません。しかし信託の場合、受託者(信託された者)から信託財産を有償で取得する場合は届出が必要となりますので注意してください。

同様に地上権や賃借権の設定も、設定に対価がある場合のみ届出が必要となります。ちなみに地上権や賃借権の設定における対価とは、
権利金などの一時金をいいます。

移転・設定する契約

届出が必要とされるのは、土地に関する権利を移転・設定する「契約」を締結した場合に限られます。

「契約」ですので、当事者がお互いに意思表示をすることが必要となります。したがって、買戻権や予約完結権の行使などの一方的意思表示は契約にはあたりません。しかし、
買戻権や予約完結権そのものを取得する場合は「契約」にあたります。これは大切ですので、少し細かい知識ですが頭に入れておいてください。

届出手続き

事後届出は、
権利取得者が行います。以下、届出の流れです。あまり本試験で出題されることはありませんので一読しておいてください。

1. 権利取得者が、対価の額や土地の利用目的などを示し、契約締結後2週間以内に市町村 を経由して都道府県知事に届け出る

2.都道府県知事が利用目的について審査(
対価の額は審査対象ではない点に注意)
→ 3週間以内に勧告がなければ契約どおり or
→ 助言がなされる or
→ 問題があれば3週間以内に土地利用審査会の意見を聴いて勧告がなされる

事後届出制の例外

事後届出該当要件に当てはまる場合でも、以下の場合は届出は不要となります。

1.
契約当事者の一方または双方が国や地方公共団体である場合
2.民事調停法に基づく調停により土地売買等の契約が締結された場合
3.
農地法3条1項の許可を要する土地を取引する場合

[ 平成11年 宅建試験 問16 ]
 国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.土地売買等の契約を締結した場合には、当事者双方は、その契約を締結した日から起算して2週間以内に、事後届出を行わなければならない。
2.一団の造成宅地を数期に分けて不特定多数の者に分譲する場合において、それぞれの分譲面積は事後届出の対象面積に達しないが、その合計面積が事後届出の対象面積に達するときは、事後届出が必要である。
3.事後届出においては、土地に関する権利の移転等の対価の額を届出書に記載しなければならないが、当該対価の額が土地に関する権利の相当な価額に照らし著しく適正を欠くときでも、そのことをもって勧告されることはない。
4.事後届出に係る土地の利用目的について勧告を受けた場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わなかったときは、その旨及びその勧告の内容を公表されるとともに、罰金に処せられることがある。


1 誤
:事後届出は権利取得者のみが行えばよく、当事者双方が行う必要はない
2 誤:それぞれの面積が権利取得者を基準に判断して、事後届出の対象面積に達しなければ届出は不要
3 正:土地の利用目的については勧告を受けることがあるが、対価の額は審査対象ではない
4 誤:勧告を受けた者が勧告に従わない場合、公表されることはあるが罰則はない

[ 平成17年 宅建試験 問17 ]
 国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.Aが,市街化区域において,Bの所有する面積3,000uの土地を一定の計画に基づき1,500uずつ順次購入した場合,Aは事後届出を行う必要はない。
2.Cは,市街化調整区域において,Dの所有する面積8,000uの土地を民事調停法に基づく調停により取得し,その後当該土地をEに売却したが,この場合,CとEはいずれも事後届出を行う必要はない。
3.甲県が所有する都市計画区域外に所在する面積12,000uの土地について,10,000uをFに,2,000uをGに売却する契約を,甲県がそれぞれF,Gと締結した場合,FとGのいずれも事後届出を行う必要はない。
4.事後届出に係る土地の利用目的について,乙県知事から勧告を受けたHが勧告に従わなかった場合,乙県知事は,当該届出に係る土地売買の契約を無効にすることができる。


1 誤
:権利取得者が一定の計画に基づき合計で3000uの土地を取得するには届出必要
2 誤:DC間の取引は民事調停法に基づく調停によるため届出不要だが、Eは届出必要
3 正:当事者の一方または双方が国や地方公共団体の場合は届出不要
4 誤:勧告を受けた者が勧告に従わない場合、公表されることはあるが無効となることはない

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