税・その他 不当景表法 重要度 ★★★★★


今回は「不当景表法」についてお話いたします。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といいますが、不当景表法という略称の方がメジャーですのでこちらを覚えておいてください。

ここは得点源です!
絶対に落とせません!
確実に1点ゲットです!

難しい文章もありませんのでどんどん覚えていってください。理屈抜きで暗記勝負です(理屈的にも分かりやすいですが)。では順番に見ていきましょう!!

不当景表法とは

不動産取引において最初に重要なこと、売る側、買う側にとってまずは何を頼りにするか…はい、広告ですね。不動産をコンビニやデパートに置くわけにはいきません。そこで販売側としては、効率よく販売するため広告に頼らざるを得ません。一般消費者も実際に現地を確認する前にいろいろな広告を比較するでしょう。

この広告に誤った情報や誤解されるような表現があれば、一般消費者に損害を及ぼしてしまうかもしれません。そこで不動産広告には「不当景表法」が適用され、不当な景品や表示を規制しています。

不当な景品:顧客を誘引するため事業者が取引に附随して相手方に提供する物品や金銭等
不当な表示:一般消費者に誤認させることによって顧客を誘引する行為

ここで本試験において出題されるポイントは以下の2点です。

1.宅建業者は、宅地・建物の取引に際して下記の額を超えない景品類を提供できる

・懸賞により提供する景品類:
取引価額の20倍または10万円のいずれか低い額を超えない場合(景品類の総額が取引予定総額の100分の2以内)

・懸賞によらず提供する景品類:
取引価額の10分の1または100万円のいずれか低い額を超えない場合

取引価額の20倍?3000万円の不動産だと6億…そんなことあるの?と考えてしまうかもしれませんが(それ以前に10万円や取引総額の100分の2以内ですが)、これは不動産専用の法律ではなく、あくまでも不当景表法ですので懸賞等全般に適用されます。

2.内閣総理大臣による制限、禁止、排除

内閣総理大臣は、不当な景品類の提供を制限したり、禁止することができます。

また、不当な表示を行っている事業者に対しては
措置命令を行い、不当表示の差止め、訂正広告、その他再発防止のために必要な措置を行います。この措置命令は、既に違反行為がなくなっている場合でもすることができます。これは特に重要です。

また、内閣総理大臣は措置命令の対象となる事業者に対して、原則として
弁明の機会を与えるということも覚えておいてください。平成22年度法改正により、公正取引委員会→内閣総理大臣、排除命令→措置命令となりましたので注意です。

宅建業者の義務、表示基準

ここからは広告を出す際の宅建業者の必要事項、違反事項を一気に見ていきます。

宅建業者が物件の広告表示をする場合、広告主、物件内容、物件価格等の取引条件、交通などの利便や環境等に関する事項について、見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字によって分かりやすい表現で明瞭に表示しなければなりません。かなり量は多いですが、単純知識ばかりで簡単です。本試験までにのんびりと着実に覚えていってください。

・宅地の造成または建築に関する工事完了前においては、宅建業法33条に規定する許可等の処分があった後でなければ原則として広告表示をすることができない(建築条件付土地取引等、一定の要件に適合するものについてはこの限りではない)

・建物の建築経過年数または建築年月日について、実際のものより優良であると誤認されるおそれのある表示をしてはならない

・二重価格表示(販売物件よりも高い比較対照価格を付すこと)をする場合、事実に違反する広告表示または実際のものや競争事業者のものよりも有利であると誤認させるおそれのある広告表示をしてはならない

・宅建業者は、比較広告をする場合において次に該当する表示をしてはならない

1.実証されていない、実証できない事項を挙げての比較
2.一般消費者にとって
重要でないものを重要であると強調しての比較
3.競争事業者またはその事業者が扱っている商品を
誹謗中傷しての比較
(客観的、具体的な事実に基づき、その事実に関する
データを保有している場合は可)

・宅建業者は、次に該当する表示をしてはならない(
おとり広告の禁止

1.物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
2.物件は存在するが、実際には取引の対象とはなり得ない物件に関する表示
3.物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

・徒歩による所要時間は、道路距離
80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示する(1分未満の端数が生じたときは1分

・自動車による所要時間は、道路距離を明示して、
走行に通常要する時間を表示する(有料道路を通行する場合はその旨を明示するが、高速道路など有料であることが周知の事実である場合は表示する必要はない)

・新築とは、
建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう

・新発売とは、
新たに造成された宅地または新築住宅について、初めて購入の申込みの勧誘を行うことをいう(申込み期間を設ける場合、その期間内における勧誘)

・建物を改装または改築したことを表示する場合、その改装等の
内容および時期を明らかにして表示しなければならない

・土地の価格は、原則として
1区画あたりの価格を表示しなければならない(分譲宅地で全ての価格を表示することが困難な場合は最低価格と最高価格を表示すればよい。ただし物件数が10以上のときは最多価格帯とその価格帯に属する販売区画数も表示する。建物価格も同様。また、1区画あたりの敷地面積を明らかにしてこれを基礎として算出する場合は1uあたりの価格で表示することも可)

・管理費や共益費、修繕積立金については、原則として1戸あたりの月額を表示しなければならない(各戸ごとの金額が異なり全ての表示が困難な場合は最低額と最高額のみ)

・建物の
保温・断熱性・遮音性健康安全性、その他の居住性能について、実際のものよりも優良であると誤認させるおそれのある表示をしてはならない

・建築基準法28条の規定に適合していないため居室とは認められない納戸その他の部分については、「
納戸等」と表示しなければならない

・市街化調整区域に所在する土地については、原則として「
市街化調整区域。宅地の造成および建物の建築はできません」と明示しなければならない

・建築基準法42条に規定する道路に2m以上接していない土地等については、原則として「
再建築不可」または「建築不可」と明示しなければならない

・建築基準法42条2項の規定により
セットバックを要する部分(=道路とみなされる部分) を含む土地については、その旨を表示し、その面積がおおむね10%以上である場合は その旨も明示しなければならない

古家、廃屋等が存在する土地については、その旨を明示しなければならない

・土地の有効利用が阻害される
著しい不整形画地、区画の地盤面が2段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨を明示しなければならない

・土地の全部または一部が
高圧線下にある場合、その旨およびおおむねの面積を表示し、建物その他の工作物の建築が禁止されている場合はその旨も明示しなければならない

・地下鉄の線路を敷設する場合等、
区分地上権が設定されているときはその旨を明示し、土地の利用に制限が加えられているときはその旨も明示しなければならない

・道路法または都市計画法に基づく道路予定地を含む土地については、その旨を明示しなければならない

・建築工事着手後に工事を相当期間に渡り中断していた新築住宅または新築分譲マンションについては、建築工事の着手時期および中断期間を明示しなければならない

・新設の路線は、現に利用できるものと併せて表示する場合に限り表示することができる(新設予定駅等は
当該路線の運行主体が公表したものに限り新設予定時期を明示し表示可)

・デパート等の商業施設は、現に利用できるものを物件までの
道路距離を明らかにして表示することができる(新設予定施設は整備予定時期を明らかにして表示可)

・宅地または建物の写真は、取引するものの写真を用いて表示しなければならない(未完成物件や写真を用いることができない事情がある場合は、当該建物と規模、形質が同一の建物の内部写真および外観が同一の他の建物の外観写真を用いることができるが、他の建物である旨を
写真に接する位置に明示しなければならない)

・割賦販売による支払条件の金利についての金利は、実質年率を表示する(
アド・オン方式による利率のみの表示は不当表示)

アド・オン方式:元金に単純に利率と期間を掛けて全期間の利息総額を算出し、元金に利息総額を加えたものを返済回数で割り均等に分割返済する利息計算方式。 実質金利よりも低く表示されます。


最後に、宅建業者は広告代理業者などに委託して広告を作成させた場合でも、それが不当表示であれば
不当景表法の規制を受けるということも覚えておいてください。

また、以上の表示規定に違反した場合は公正取引協議会から一定の警告を受け、50万円以下の違約金や、更に警告に違反した場合は500万円以下の違約金が課されるなどの措置を受けるということも頭の片隅に入れておいて損はないかもしれません。

[ 平成10年 宅建試験 問49 ]

 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.分譲共同住宅の広告について、広告スペースの関係からすべての住宅の価格を表示することが困難であるときは、最低価格、最高価格、最多価格帯及びそれらの戸数が表示してあれば、不当表示となることはない。
2.建築基準法第42条に規定する道路に適法に接していない宅地を販売するときは、「道路位置指定無」と表示していれば、「再建築不可」又は「建築不可」の表示をしていなくても、不当表示となることはない。
3.売約済みの物件の広告を行い、顧客に対しては別の物件を勧めたとしても、売約済みの物件が実際に存在するのであれば、不当表示となることはない。
4.窓その他の開口部が建築基準法第28条(居室の採光及び換気)の規定に適合しない納戸について、その床面積が一定規模以上であるときは、居室として表示しても、不当表示となることはない。


1 正
:販売区画数が10未満であれば最多価格帯の表示を省略できる点に注意
2 誤:「再建築不可」「建築不可」と表示しなければならない
3 誤:おとり広告(取引の対象となり得ない)
4 誤:採光や換気のための窓等が建築基準法28条に適合していなければ「納戸等」

[ 平成11年 宅建試験 問47 ]

 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.不動産の販売広告において、自己の販売する物件の価格等の取引条件が競争事業者のものより有利である旨表示し、一般消費者を誘引して顧客を獲得しても、その取引条件の有利性についての表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有し、具体的かつ客観的な根拠を広告に示していれば、不当表示となるおそれはない。
2.不動産の販売広告に係る甲物件の取引を顧客が申し出た場合に、甲物件に案内することを拒否したり、甲物件の難点を指摘して取引に応じることなく顧客に他の物件を勧めたときでも、甲物件が存在していれば、その広告は不当表示となるおそれはない。
3.新聞の折込広告において、分譲住宅40戸の販売を一斉に開始して1年経過後、売れ残った住宅30戸の販売を一時中止し、その6ヵ月後に一般日刊新聞紙の紙面広告で当該住宅を「新発売」と表示して販売したときでも、広告媒体が異なるので、不当表示となるおそれはない。
4.市街化調整区域内に所在する土地(開発許可を受けた開発区域内の土地その他の一定の土地を除く)の販売広告においては、「市街化調整区域」と表示し、このほかに「現在は建築不可」と表示さえすれば、市街化区域への区分の変更が行われる予定がないとしても、不当表示となるおそれはない。


1 正
:客観的、具体的根拠があり、表示内容を裏付ける資料を現に有しているので例外として不当表示とならない
2 誤:おとり広告(実際に取引する意思がない)
3 誤:広告媒体は関係なく、新発売とは新築等で購入申込受付期限内のものを指す
4 誤:「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません」と表示する。「現在は」という表現が将来的に建築可能となるようで期待を持たせるため不当表示

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