独立行政法人住宅金融支援機構法 重要度 ★★★★★


今回は「独立行政法人住宅金融支援機構法」についてお話いたします。

住宅金融公庫法に代わって平成19年より施行された法律です。

独立行政法人住宅金融支援機構(以下、機構)の目的は、

1.一般の金融機関による
資金融通の支援
2.一般の金融機関による
資金融通の補完
3.良質な住宅の建設等を促進するための
情報の提供

となっています。これだけではどういった役割があるのかいまいちイメージが沸かないと思いますので、本試験で出題可能性のある機構の業務内容を見ていきましょう。なお、
5点免除対象科目ですので登録講習を受講された方は勉強する必要はありません。

では、順番に見ていきます!

住宅金融支援機構の主な業務

1.証券化支援業務

証券化支援業務とは、一般金融機関が長期・固定金利の
住宅ローンを提供することを機構(住宅金融公庫)が支援する業務です。

一般金融機関の住宅ローンを機構(住宅金融公庫)が買い取った上で証券化を行うことで、一定のリスクを
投資家に転嫁します。これにより、従来、住宅金融公庫が直接融資業務によって提供していた長期・固定金利の住宅ローンが、一般金融機関によって提供することが可能となりました。

この証券化支援が機構のメイン業務です。それまでの住宅金融公庫が直接融資業務を中心としてきたのと区別しておいてください。つまり「独立行政法人住宅金融支援機構」とは「証券化支援を主たる業務とする
政府全額出資の組織」というわけです。

証券化支援業務を分かりやすくまとめますと、

・一般金融機関が行う住宅の建設や購入に必要な資金の
貸付債権の譲受け
・上記貸付債権を担保とする
債券などに係る債務保証

となります。この、住宅ローン利用者や一般金融機関、投資家を取り込んだ機構の証券化支援業務は「
フラット35」と呼ばれおり、一般金融機関と住宅金融公庫が提携して実現した長期固定金利(最長35年)の安心して借りられる住宅ローンとなっています。

2.融資保険業務

機構が中小金融機関をはじめとする一般住宅ローンについて保険を行うことで、その円滑な供給を促進します。

3.住情報提供業務

住宅の建設・購入・移転・改良をしようとする一般消費者または住宅建設等に関する事業者に対して、必要な資金を調達するための
情報を提供します。また、良質な住宅の設計やその他建設等に関する情報提供、相談などの援助を行います。

4.直接融資業務

これまで住宅金融公庫が行っていた直接融資業務は、
民間だけでは対応が困難な災害関連融資などに限定して実施されます。住宅金融公庫がこれまで融資を行った個人向け住宅ローンなどは、機構が債券を引き継ぐので、住宅金融公庫から融資を受けた方はこれまでと同様に機構に返済を続けることができる点には注意です。

以下、機構が直接融資を行うことができるケースです。

・災害で家をなくした人が新しい家を建設、購入する場合
・災害で家が壊れた人が家を補修する場合
・阪神淡路大震災に対処するための法律の規定による貸付
・高齢者や子供に適した良好な住宅性能を有する賃貸住宅を建設する場合
・高齢者に適した良好な住宅性能を有する住宅に改良する場合
・マンションの共用部分の改良に必要な場合

とりあえずこの6個を覚えておけば大丈夫でしょう。というより、この6個は確実に覚えておいてください。機構と、前身である住宅金融公庫との一番の違いは「一般の個人に対して直接融資をするかどうか」と言っても過言ではないでしょう。

5.既往債権の管理、回収業務

住宅金融公庫が貸し付けた資金の管理、回収を行います。

業務の実施

機構は、業務の実施にあたり一般金融機関と適切な役割分担を図り、国民が住宅の建設等に必要な長期の資金融通が円滑に行われるよう努めなければなりません。また、住宅の質の向上を図るため、貸付債権の譲受け、債務の保証、資金の貸付条件の適切な設定など、国や地方公共団体が行う
施策について協力する必要があります。

業務の委託

過去の宅建試験において「住宅金融公庫の業務委託」はよく出題されていました。よってここは要注意です。機構は、次の者に対して業務を委託することができます。

・一定の
金融機関
・法律に規定する
債権回収会社
地方公共団体等の一定の法人

しかし、上記業務の3番
「情報の提供・相談」は他に委託することができません。これは特に重要です。

その他

以下、重要度は低いですが、一応出題可能性のあるポイントをまとめておきます。

・長期借入金および住宅金融支援機構債券

機構は、その業務に必要な費用に充てるため、
主務大臣の認可を受けて長期借入を行い、または機構債券を発行することができます。

・貸付債権の信託

機構は、機構債券に係る債務の担保に供するため、主務大臣の認可を受けて貸付債権の一部を信託会社に信託することができます。

・みなし公務員

機構の役員および職員は、刑法その他の罰則の適用について、
公務に従事する職員とみなされます。

・貸金業の規制等に関する法律

機構が貸金業の規制等に関する法律に規定する貸金業者から貸付債権を譲り受ける場合、
貸金業法の規定は適用されません

・宅建業法との関係

住宅金融公庫が宅建業法の適用から除外されていたのに対し、機構は宅地建物の取引を内容とする業務を定めていないため、宅建業法を適用除外とする条項はありません。


[ 平成19年 宅建試験 問46 ]

 平成19年4月1日に住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)は廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が設立された。機構の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.機構は、住宅の建設、購入、改良若しくは移転(以下この問において「建設等」という。)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し、必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供、相談その他の援助を業務として行う。
2.機構は、子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行う。
3.機構は、事業主又は事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付に係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し、財形住宅貸付業務を行う。
4.機構は、公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けのうち、機構の設立から半年以内に実行するものに限り、資金の貸付けを業務として行う。


1 正

2 正
3 正:細かい知識ですが、その通り
4 誤:機構は住宅金融公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けを業務として行うことになり、半年以内という制限はない

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