宅建過去問と解説(令和7年-2025年)

とても役立つ年度別の解説付き宅建過去問。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら令和7年(2025年)の宅建過去問を見ていきましょう。

令和7年の宅建過去問と解説
令和7年の宅建士試験問題
1.権利関係の問題 問1~14
 2.宅建業法の問題 問26~45
  3.法令制限の問題 問15~22
 4.税その他の問題 問23~25
5.税その他の問題 問46~50



【宅建過去問 令和7年-問1】所有者AがBに甲土地を売却し、その後にBがCに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、Cは背信的悪意者ではないものとする。

1 甲土地の所有権登記がAの名義のままであったとしても、Bは、Cに甲土地を売却した後は、Aに対して自己に甲土地の所有権移転登記をするよう請求することはできない。
2 Cは、甲土地の所有権移転登記を備えなければ、Aに対して自己が所有者であることを主張することができない。
3 AB間の売買契約が、BC間の売買契約締結よりも前にAにより解除されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にAにより解除された場合のいずれの場合であっても、Cは、甲土地の所有権移転登記を備えれば、Aに対して自己の所有権を主張することができる。
4 AB間の売買契約が、BC間の売買契約よりも前にBの強迫を理由として取り消されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にBの強迫を理由として取り消された場合のいずれの場合であっても、Cは、Bの強迫につき善意でかつ過失がなければ、Aに対して自己の所有権を主張することができる。

⇒ 正解(3)
1:売主は、買主に対して登記や登録その他売買の目的である権利の移転について対抗要件を備えさせる義務を負います。
2:買主は、前々の売主に対しても登記なくして自己の所有権を主張することができます。
4:AとCの関係は二重譲渡の対抗問題となり、先に登記を備えた者が優先する(強迫はひっかけ)。



【宅建過去問 令和7年-問2】個人であるAが、①賃貸人Bと賃借人Cとの間の期間を2年とする居住用甲建物の賃貸借契約に基づくCの一切の債務の連帯保証契約をBと締結した場合、②売主Dと買主Eとの間の居住用乙建物の売買契約に基づく代金支払債務の保証契約をDと締結した場合、に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 ①の連帯保証契約は書面によってしなければ無効であるのに対し、②の保証契約は書面によらず、口頭で契約を締結しても有効である。
2 ①のBがAに対して連帯保証債務の履行を請求してきた場合には、AはまずCに請求するように主張できるのに対し、②のDがAに対して保証債務の履行を請求してきた場合には、AはまずEに請求するように主張することはできない。
3 ①の連帯保証契約は保証の限度額である極度額を定めなければ無効であるのに対し、②の保証契約は極度額を定める必要はない。
4 ①も②もAが主たる債務者C及びEの委託を受けて保証した場合において、Aが債権者B及びDに対して主たる債務の履行状況に関する情報を提供するよう請求したときは、①のBは、これらの情報を、遅滞なく、Aに提供しなければならないのに対し、②のDは、守秘義務を理由にこれらの情報の提供を拒否することができる。

⇒ 正解(3)正解肢が少し細かいですが、消去法で取れる問題です。
1:どちらも書面が必要(電子交付も可)。
2:問題文は逆で、連帯保証人に催告の抗弁権はない
4:どちらも債務者の委託を受けた保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対して遅滞なく主たる債務の履行状況に関する情報を提供しなければなりません。



【宅建過去問 令和7年-問3】意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であるが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知らなければ、知らないことにつき過失があっても、当該意思表示は有効となる。
イ 相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、第三者がその虚偽表示につき善意であっても、過失があれば、当該第三者にその無効を対抗することができる。
ウ 意思表示は、当該意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、無効であるが、その錯誤につき善意でかつ過失がない第三者には、その無効を対抗することができない。
エ 詐欺による意思表示は取り消すことができるが、その詐欺につき善意でかつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗することができない。

⇒ 正解(3)誤っているものはアイウ
ア:相手方が真意ではないことを知り、または知ることができたときは、その意思表示は無効となる。
イ:通謀虚偽表示による無効は善意の第三者に対抗することができず、第三者は、善意であれば過失があっても保護される。
ウ:無効ではなく取消事由となり、錯誤による取消しは、善意無過失の第三者には対抗することができない。
エ:詐欺による取消しは、善意無過失の第三者には対抗することができない。



【宅建過去問 令和7年-問4】AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、本件契約におけるAの債務を担保するために、Aが所有する不動産に対し、Bのために、抵当権を設定することはできるが、質権を設定することはできない。
2 Aが本件契約に基づく債務の弁済を怠ったときに、BがAから預かっている動産を占有している場合には、Bは当該動産の返還時期が到来しても弁済を受けるまでその動産に関して留置権を行使することができる。
3 Aが本件契約に基づく債務の弁済を怠った場合には、BはAの総財産に対して先取特権を行使することができる。
4 Aが、期限が到来しているBの悪意による不法行為に基づく金1,000万円の損害賠償請求債権をBに対して有している場合、Aは本件契約に基づく返還債務をBに対する当該損害賠償請求債権で相殺することができる。

⇒ 正解(4)マイナー問題だらけですが、正解肢はズバリ分からなくてはいけません。
1:不動産質権の設定も可能です。
2:その物自体に関して生じた債権でなければ留置権を行使することはできません。
3:単なる消費貸借に基づく債権について先取特権は認められません。
4:悪意による不法行為に基づく損害賠償債務の債権者(被害者)からは相殺可能です(悪意ある不法行為によって生じた債権を受働債権として相殺することは不可)。



【宅建過去問 令和7年-問5】Aの子がBであり、Bの子がCであり、CがAの直系卑属である場合において、民法の規定によれば、次のアからエまでの記述のうち、Aが死亡した際にCがBを代襲してAの相続人となるときを全て掲げたものはどれか。

ア Aが死亡する以前にBが死亡したとき
イ Bが相続に関するAの遺言書を偽造して相続権を失ったとき
ウ BがAによって相続人から廃除されて相続権を失ったとき
エ Bが相続放棄をしたとき

⇒ 正解(4)代襲相続ができるのはアイウ
エ:相続人の子や兄弟姉妹が相続開始前に死亡、相続欠格、廃除により相続権を失ったときは、その者の直系卑属(兄弟姉妹はその子まで)がこれを代襲して相続人となれるが、相続放棄は対象外



【宅建過去問 令和7年-問6】Aが所有している甲土地についての物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bが甲土地をAに無断でCに売却し、その後、BがAから甲土地を購入した場合、Cは、Bから甲土地を購入した時点に遡って甲土地の所有権を取得する。
2 Dが甲土地につき、Aに無断でDへの虚偽の所有権の移転の登記をした上で、甲土地をEに売却してその旨の登記をした場合において、その後、AがFに甲土地を売却したときは、Fは、Eに対し、甲土地の所有権を主張することができる。
3 Gが甲土地の所有権を時効取得した場合、Gはその後にAを単独相続したHに対して、登記を備えていなくても、甲土地の所有権を主張することができる。
4 Aが甲土地上の立木の所有権を留保して甲土地をJに売却し、その後、JがKに甲土地及びその上の立木を売却した場合には、Aは、Kに対し、立木の所有権の留保につき登記又は明認方法を備えない限り、立木の所有権を主張することができない。

⇒ 正解(1)
1:他人物売買の売主が所有権を取得したときに、買主は所有権を取得する。
4:立木とは土地の一部であり独立して取引対象とはならないが、登記または明認方法を備えれば、独立して取引の対象とすることができる。宅建試験では珍しい立木問題。司法書士試験などではそこそこ出題されますので、宅建試験でも今後ちょこちょこ出題されるかもしれません。頭の片隅に入れておきましょう。



【宅建過去問 令和7年-問7】Aは自己の所有する甲建物を事務所としてBに賃貸し、その後、本件契約の期間中に甲建物の屋根に雨漏りが生じたため、CがBから甲建物の屋根の修理を請け負い、Cによる修理が完了した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 BがCに修理代金を支払わないまま無資力となり、賃料を滞納して本件契約が解除されたことにより甲建物はAに明け渡された。この場合、CはAに対して、事務管理に基づいて修理費用相当額の支払を求めることはできない。
2 BがCに修理代金を支払ったとしても、本件契約において、Aの負担に属するとされる甲建物の屋根の修理費用について直ちに償還請求することができる旨の特約がない限り、契約終了時でなければ、BはAに対して償還を求めることはできない。
3 BがCに修理代金を支払わない場合、Cは、Bが占有する甲建物につき、当然に不動産工事の先取特権を行使することができる。
4 BがCに修理代金を支払わないまま無資力となり、賃料を滞納して本件契約が解除されたことにより甲建物はAに明け渡された。本件契約において、BがAに権利金を支払わないことの代償として、甲建物の修理費用をBの負担とする旨の特約が存し、当該屋根の修理費用と権利金が相応していたときであっても、CはAに対して、不当利得に基づいて修理費用相当額の支払を求めることができる。

⇒ 正解(1)正解肢は難しくありませんが…少し難問。
1:請負契約の範疇であり、事務管理は成立していません。
2:必要費は直ちに償還請求ができます。
3:不動産工事の先取特権の対象は「設計・施工・監理」によって生じた不動産価格の増加分であり、修理は含まれません(修理=保存)。
4:他人の財産または労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした受益者は、その利益の存する限度において返還する義務を追いますが、そもそも修理費用はBの負担であり、AはCの行為により利益を受けているとはいえません。



【宅建過去問 令和7年-問8】A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。

1 甲土地につき無権利のDが、自己への虚偽の所有権移転登記をした場合には、Aは、単独で、Dに対し、その所有権移転登記の抹消を求めることができる。
2 Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。
3 Aが死亡し、E及びFが相続した場合には、B及びCは、Aの遺産についての遺産分割がされる前であっても、E及びFに対して共有物分割の訴えを提起することができる。
4 AがB及びCに無断で甲土地を占有している場合であっても、Bは、Aに対し、当然には自己に甲土地を明け渡すように求めることができない。

⇒ 正解(2)3番が細かいですが、正解肢が一目瞭然ですね。
2:共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属する。



【宅建過去問 令和7年-問9】連帯債務者の一人について生じた次の事由のうち、民法の規定によれば、他の連帯債務者に対して効力が生じないものとして正しいものはどれか。なお、この問において、連帯債務者の一人について生じた事由が他の連帯債務者に対して効力が生じる旨の別段の意思表示はないものとする。

1 債権者がした連帯債務者の一人に対する履行の請求
2 連帯債務者の一人と債権者との間の混同
3 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者がした相殺の援用
4 連帯債務者の一人と債権者との間の更改

⇒ 正解(1)
1:連帯債務の絶対効=弁済、相殺、更改、混同を覚えておいてください。



【宅建過去問 令和7年-問10】Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の契約不適合責任に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅建業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bは、甲土地の引渡しの日から11年が経過した時点で甲土地の土壌汚染を発見し、発見した時点から1年以内にAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅建業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
2 甲土地の引渡しの日から3年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Bが引渡しの日から4年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅建業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
3 甲土地の引渡しの日から1年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Aは甲土地に土壌汚染があることを売買契約締結時点で知っていて告げていなかった。Bが引渡しの日から3年が経過した時点で当該土壌汚染を発見して直ちにAに通知した場合、Aが宅建業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
4 売主は契約不適合責任を一切負わない旨の特約があり、Bは引渡しの日から1年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅建業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。

⇒ 正解(3)
1:損害賠償請求権は引渡しから10年で時効消滅しています。
3:Aが宅建業者でない場合、民法の適用により売主が「知って告げなかった事実」について特約の効力は認められず、引渡しから3年後でも損害賠償を請求することができる。Aが宅建業者である場合、通知期間を引渡しから1年以内とする特約は無効となり、引渡から3年を経過していても、契約不適合を知ってから1年以内に通知すれば損害賠償を請求することができる。
4:Aが宅建業者でない場合、特約は有効となり、Bは損害賠償を請求することができない。Aが宅建業者である場合、買主に不利な特約として無効となり、Bは損害賠償を請求することができる。



【宅建過去問 令和7年-問11】AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物の所有を目的として一時使用目的ではない賃貸借契約を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 甲土地にBが賃借権の登記をしなくても、Bの配偶者であるCを所有者として登記されている建物が甲土地上に存在する場合には、甲土地がAからDに売却されても、BはDに対して甲土地に賃借権を有していることを主張できる。
2 本件契約の存続期間が50年であり、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がない旨を定める場合、一定期間地代を減額せず、その期間は地代の減額請求ができない旨の特約を有効に定めることができる。
3 本件契約が専らBの事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間が50年である場合、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がない旨、並びにBが借地借家法の規定による建物の買取りの請求をしない旨の特約を書面で有効に定めることができる。
4 本件契約が公正証書によって行われていれば、専らBの居住の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を20年と定めていても、Aは正当事由があれば、20年が経過した時点で遅滞なく異議を述べて更新を拒絶することができる。

⇒ 正解(3)
1:借地権者本人が土地上に登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2:増額しない旨の特約は有効だが、減額しない旨の特約は無効
3:事業の用に供するとありますが、これは一般の定期借地権(=居住用・事業用を問わない)の問題です。
4:公正証書は関係なく、居住の用に供するとあるので事業用でもなく、通常の借地権でも最短30年以上となるので、そもそも存続期間を20年と定めることができません。



【宅建過去問 令和7年-問12】Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約及び一時使用目的の建物の賃貸借契約を除く)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 本件契約が期間の定めがないものである場合において、A又はBから相手方に対して解約の申入れをしたときは、当該申入れの日から6か月を経過することによって、本件契約は終了する。
2 本件契約が期間を2年とするものである場合において、A及びBのいずれも期間の満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知をしなかったときは、本件契約は、期間を2年として、従前の契約と同一の条件で更新されたものとみなされる。
3 AB間において、造作買取請求権は行使しない旨の特約があった場合、この特約は有効である。
4 本件契約が借地借家法に規定する取壊し予定の建物の賃貸借であり、甲建物を取り壊すこととなる時に本件契約が終了する旨の特約を定める場合、本件契約は、公正証書によってしなければならない。

⇒ 正解(3)正確な知識が問われると思ったら、正解肢が簡単すぎました。
1:期間の定めがない建物賃貸借で解約申入れがあった場合、賃貸人からの申入れは6ヶ月後賃借人からの申入れは3ヶ月後に終了する。
2:従前の契約と同一の条件で更新されたものとみなされるが、その期間は「定めがない」ものとなる。
4:取壊し予定の建物賃貸借は書面(電子交付も可)で行うが、公正証書による必要はありません。



【宅建過去問 令和7年-問13】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 共用部分は、原則として区分所有者全員の共有に属するが、規約で別段の定めをすることを妨げず、管理者であっても、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
2 共用部分の持分の割合について、各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、その有する専有部分の床面積の割合による。
3 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならず、当該議事録には議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならないとされているが、当該議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者全員がこれに署名しなければならない。
4 区分所有者が、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

⇒ 正解(3)
3:議長及び集会に出席した区分所有者の2人が署名します。



【宅建過去問 令和7年-問14】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 登記官は、一筆の土地の一部が別の地目となったときであっても、職権でその土地の分筆の登記をすることができない。
2 登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。
3 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
4 建物の合併の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。

⇒ 正解(1)正しい肢もそのまま覚えておきましょう。
1:原則として分筆登記は表題部所有者または所有権の登記名義人が申請しますが、地図を作成する必要があるときは、登記官が職権でその土地の分筆登記をすることができます。



【宅建過去問 令和7年-問15】都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区であり、当該地区内における建築物の建築について、政令の定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
2 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区である。
3 近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域である。
4 生産緑地地区は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地区である。

⇒ 正解(4)
4:これは田園住居地域の定義。生産緑地地区=市街化区域内にある農地等を計画的に保全し、都市環境の維持や形成を図るため都市計画に定める地区。



【宅建過去問 令和7年-問16】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1 市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域において行う、学校教育法に規定する学校の新築については、都道府県知事の許可が不要である。
2 開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいい、ゴルフコースの建設は開発行為にはあたらない。
3 区域区分が定められていない都市計画区域において、商業施設の建築の用に供する目的で行う4,000㎡の開発行為は都道府県知事の許可が不要である。
4 自己の居住の用に供する住宅の建築を目的として行う開発行為以外の開発行為にあっては、原則として開発区域内に建築基準法に規定する災害危険区域内の土地を含んではならない。

⇒ 正解(4)
1:学校は開発許可が不要となる公益上必要な建築物に該当しません。
2:ゴルフコースは面積不問で特定工作物に該当します。
3:区域区分が定められていない都市計画区域=3,000㎡以上の開発行為で開発許可が必要。



【宅建過去問 令和7年-問17】建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 建築主は、建築確認が必要な建築物を建築しようとする場合は、当該建築物の計画を建築基準法令の規定に適合させるだけでなく、建築基準法令の規定以外の宅地造成及び特定盛土等規制法などの建築基準関係規定にも適合するものであることについて確認を受ける必要がある。
2 建築主は、2階建ての木造住宅を新築しようとする場合は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認を受け、確認済証の交付を受ける措置が必要となるが、当該住宅の大規模の修繕をしようとする場合には、当該措置は不要である。
3 延べ面積が1,000㎡を超える木造建築物は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければならない。
4 高さ1m以下の階段の部分には、手すりを設けなくてもよい。

⇒ 正解(2)
2:令和7年法改正により木造と木造以外の区別がなくなり階数2以上または延べ面積200㎡超の大規模建築物において新築・増築・改築・移転・大規模修繕・模様替えを行う場合は建築確認が必要となります(増改築移転は、防火・準防火地域で10㎡以内なら確認不要)
4:床面から1mを超える階段には両側に側壁または手すりを設け、幅3m超の階段には中間にも手すりを設置する。



【宅建過去問 令和7年-問18】次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 都市再生特別地区内においては、建築物の容積率、建蔽率及び建築面積は当該地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならないが、その高さは法第56条の高さの制限に関する規定に適合させる必要がある。
2 2階建てかつ床面積1,000㎡の飲食店は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、工業専用地域及び田園住居地域に建築することができない。
3 特定行政庁による認可を受けて公告された建築協定は、その後、当該協定の土地の所有者等の全員で合意したときに限り、その公告のあった日以後において当該建築協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても効力が及ぶこととなる。
4 建築物のエネルギー消費性能の向上のため必要な外壁等に関する工事を行う場合、公益性が高いことから特定行政庁の許可を受けることなく、法第52条の規定による容積率の限度を超えることができる。

⇒ 正解(2)
1:高さも都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合させる。
3:合意は不要で公告日以後の土地所有者等に対しても効力が及ぶ。
4:容積率の限度を超えるには特定行政庁の許可が必要。「~だから」など理由付けしている問題はほぼ誤りですね。



【宅建過去問 令和7年-問19】宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考盧しないものとする。

1 工事主は、特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する政令で定める規模の工事の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主又は工事施行者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。
3 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のために必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対して、擁壁等の設置等の必要な措置をとることを勧告することができる。
4 宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた工事主は、当該許可に係る土地の見やすい場所に、主務省令で定めるところにより、氏名又は名称その他の主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

⇒ 正解(2)
2:土地の所有者・管理者・占有者は、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。



【宅建過去問 令和7年-問20】土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 個人施行者は、その者以外に換地計画に係る区域内の宅地を所有する者(当該宅地の所有権について施行者に対抗することができない者を除く)がある場合においては、換地計画について認可を申請しようとするときは、これらの者の同意を得なければならない。
2 国又は地方公共団体の所有する土地以外であって道路の用に供している土地については、土地区画整理事業の施行により当該道路に代わるべき道路が設置され、その結果、当該道路が廃止される場合等においては、換地計画において、当該土地について換地を定めないことができる。
3 従前の宅地の所有者及びその宅地について使用収益権を有する者が、仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用し、又は収益することができなくなったことにより損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
4 仮換地の指定があった日後、土地区画整理事業の施行による施行地区内の土地及び建物の変動に係る登記がされるまでの間は、登記の申請人が確定日付のある書類によりその指定前に登記原因が生じたことを証明した場合を除き、施行地区内の土地及び建物に関しては他の登記をすることができない。

⇒ 正解(4)
4:換地処分の公告があった日後は、土地区画整理事業の施行による登記がされるまで原則として施行地区内の土地及び建物に関して他の登記をすることができないのであって、仮換地の指定以後の登記が制限されるわけではありません。



【宅建過去問 令和7年-問21】農地に関する次の記述のうち、農地法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 市街化区域外にある農地の転用の申請に係る事業が住宅の用に供される土地の造成だけを目的としている場合、申請に係る農地の全てを住宅の用に供することが確実と認められないときには、法第4条又は法第5条の許可を受けることができない。
2 仮設工作物を設置するため、市街化区域外にある農地の所有権を取得しようとする場合には、法第5条第1項の許可を受けることができない。
3 農地の賃貸借は、その登記がなくても、農地の引渡しがあったときは、これをもってその後その農地について所有権を取得した第三者に対抗することができる。
4 法人の代表者が、その法人の業務に関し、法第4条又は法第5条の規定に違反して農地の転用をした場合には、その代表者が罰せられるほか、その法人も300万円以下の罰金刑が科せられる。

⇒ 正解(4)初出題の細かい肢が混ざっていますが、正解肢は簡単です。
4:法人への罰金は1億円です。



【宅建過去問 令和7年-問22】国土利用計画法第23条の事後届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 市街化区域内においてAが所有する面積3,500㎡の土地について、Bが2,000㎡、Cが1,500㎡とそれぞれ分割して購入した場合、B及びCはともに事後届出を行わなければならない。
2 都市計画区域外においてDが所有する面積12,000㎡の土地について、Eが担保権の実行による競売を通じて所有権を取得した場合、Eは事後届出を行わなければならない。
3 Fが、自ら所有する市街化調整区域内の7,000㎡の土地について、宅建業者Gと売買契約を締結した場合には、Gは契約を締結した日から1か月以内に事後届出を行う必要がある。
4 市街化区域内に所在する一団の土地である甲土地(面積1,200㎡)と乙土地(面積1,300㎡)について、甲土地については売買によって所有権を取得し、乙土地については対価の授受を伴わず賃借権の設定を受けたHは、事後届出を行う必要はない。

⇒ 正解(4)
1:事後届出が必要なのは市街化区域内で2,000㎡以上の土地を取得したBのみ。
2:担保権の実行による競売での土地取得は事後届出不要
3:事後届出は契約締結日から2週間以内に行う。
4:賃借権の設定に事後届出は不要で、対象は甲土地のみ(市街化区域で2,000㎡未満なので届出不要)。



【宅建過去問 令和7年-問23】土地の売買による所有権の移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 この税率の軽減措置は、地目が雑種地となっている土地の売買による所有権の移転登記についても適用される。
2 この税率の軽減措置の適用対象となる土地は、その価額が1,000万円未満のものに限られる。
3 この税率の軽減措置は、法人が土地の売買による所有権の移転登記を受ける場合には適用されない。
4 この税率の軽減措置の適用対象となる土地は、その面積が1,000㎡未満のものに限られる。

⇒ 正解(1)
1:この軽減措置の適用に土地の地目は関係なし。
2:この軽減措置の適用に価格要件の定めなし。
3:この軽減措置は法人にも適用される。
4:この軽減措置の適用に面積要件の定めなし。



【宅建過去問 令和7年-問24】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 住宅用地のうち小規模住宅用地(200㎡以下)に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額である。
2 市町村長は、納税義務者等の求めに応じ、法令で定めるところにより固定資産課税台帳を閲覧に供しなければならない。ただし、当該部分に記載されている住所が明らかにされることにより人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれがある場合、当該住所を削除する等の措置を講じたもの又はその写しを閲覧に供することができる。
3 市町村は、土地、家屋又は償却資産に対して課する固定資産税額が、土地にあっては30万円、家屋にあっては20万円、償却資産にあっては150万円に満たない場合においては、原則として固定資産税を課することができない。
4 固定資産税は、固定資産の所有者として、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者に対して課されるため、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡している場合、固定資産課税台帳に新たな所有者が登録されていなければ何人に対しても固定資産税を課することはできない。

⇒ 正解(2)
1:6分の1
3:免税点は「税額」ではなく「課税標準」で判断する。
4:固定資産税の納税義務者は、土地または家屋については、登記簿・土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に「所有者」として登記または登録がされている者だが、当該所有者が賦課期日前に死亡しているときは、同日において当該土地または家屋を「現に所有している者」が納税義務者となる。



【宅建過去問 令和7年-問25】不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。

1 価格形成要因のうち個別的要因とは、一般経済社会における不動産のあり方及びその価格の水準に影響を与える要因をいい、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。
2 収益還元法は、賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効な手段であり、自用の不動産であっても賃貸を想定することにより適用される。
3 原価法における減価修正の方法としては、耐用年数に基づく方法と、観察減価法の2つの方法があり、これらは併用するものとする。
4 対象建築物に関する工事が完了していない場合でも、当該工事の完了を前提として鑑定評価を行うことがある。

⇒ 正解(1)史上初の3年連続鑑定評価
1:これは一般的要因の定義。個別的要因=不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因。



【宅建過去問 令和7年-問26】宅建業者A(消費税課税事業者)及び宅建業者B(消費税課税事業者)が受領した報酬に関するアからウの記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものを全て掲げたものは1から4のうちどれか。なお、代理、媒介に当たり、広告の依頼は行われていないものとする。

ア 宅建業者Aが単独で貸主と借主の双方から店舗用建物の貸借の媒介の依頼を受け、1か月の借賃24万円(消費税等相当額を含まない。)、権利金1,400万円(権利設定の対価として支払われるもので、返還されないものをいい、消費税等相当額を含まない。)の賃貸借契約を成立させ、依頼者の双方からそれぞれ52万8,000円を報酬として受領したことは、宅建業法に違反する。
イ 現に長期間にわたって居住の用、事業の用その他の用途に供されておらず、かつ将来にわたり居住の用、事業の用その他の用途に供される見込みがない宅地(1か月の借賃5万円。消費税等相当額を含まない。)について、宅建業者Aは貸主から代理を依頼され、宅建業者Bは借主から代理を依頼され、賃貸借契約が成立したので、Aは貸主から4万円を、Bは、代理の依頼を受けるに当たって、報酬が借賃の1.1か月分を超えることについて借主から承諾を得たうえで、借主から7万円を報酬として受領したことは、宅建業法に違反しない。
ウ 宅建業者Aは売主から媒介の依頼を、宅建業者Bは買主から媒介の依頼を、それぞれ受けて、代金200万円(消費税等相当額を含み、土地代金は90万円である。)の土地付建物の売買契約を成立させた場合に、依頼者と宅建業者との間であらかじめ報酬の額を定めていなかったときは、売主はAに対して少なくとも10万4,500円、買主はBに対して少なくとも10万4,500円を支払わなければならない。

⇒ 正解(4)全て誤り
ア:居住用建物ではないのでみなし計算が可能で、(1,400万円×3%+6万円)×1.1=52万8,000円。
イ:長期の空家等の特例が適用される場合、貸主から借賃1ヶ月分の2.2倍を受領できるが、借主からは上限1.1ヶ月分(=5.5万円 R7法改正)。
ウ:800万円以下の低廉な空家等の特例が適用される場合、費用を勘案して報酬上限33万円(R7法改正)。



【宅建過去問 令和7年-問27】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、説明の相手方は宅建業者ではないものとする。

1 宅建業者は、区分所有建物の売買の媒介を行う場合に、当該一棟の建物及びその敷地の管理が法人に委託されているときは、その委託を受けている法人の商号又は名称及び主たる事務所の所在地を説明しなければならない。
2 宅建業者は、自身が売主となる場合に、重要事項説明書の交付に当たり、専任の宅建士をして当該書面に記名させなければならず、また、買主にも当該書面に記名させなければならない。
3 宅建業者は、重要事項を説明する際には、宅建業者の事務所において行わなければならない。
4 宅建業者は、自身が売主となる場合であっても、買主に対して、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。

⇒ 正解(1)
2:記名は宅建士であれば専任である必要はなく、買主の記名も不要。
3:重要事項の説明場所に制限なし。
4:天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めは、全契約における37条書面の任意的記載事項



【宅建過去問 令和7年-問28】宅建業者の業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 自ら売主として販売する宅地又は建物の広告に取引態様の別を明示しなかった場合は、罰則の対象とはならないが監督処分の対象となり、宅地又は建物の規模について著しく事実に相違する表示をした場合は、罰則の対象にも監督処分の対象にもなる。
イ 自ら売主として土地付建物の売買契約を締結しようとする場合、当該土地上に建てようとする建物が建築確認申請前であっても、広告することはできるが、建築確認を受けるまで、契約を締結することはできない。
ウ 宅建業者は、自ら売主として、宅建業者である買主との間で、自ら所有しない造成前の宅地の売買契約を締結するためには、法第41条の規定による手付金等の保全措置を講じ、かつ、売主である宅建業者が当該宅地を取得する契約を締結しなければならない。
エ 宅建業者は、宅地の売買の専属専任媒介契約を締結した場合、当該媒介契約締結の日から5日以内(休業日を除く)に、当該宅地について指定流通機構に所定の事項を登録しなければならない。

⇒ 正解(2)正しいものはアエ
ア:広告関連で罰則の対象となるのは誇大広告の禁止違反のみ!
イ:売買においては建築確認前に契約も広告も不可(貸借であれば契約なら可)。
ウ:買主も宅建業者なので8種規制の適用なし。



【宅建過去問 令和7年-問29】宅建業者Aが、宅建業法第37条の規定により交付すべき37条書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅建業者Aが媒介により事業用宅地の賃貸借契約を成立させた場合、37条書面を交付しなければならないが、契約の当事者Bが宅建業者であるときは、交付する必要はない。
2 宅建業者Aが自ら売主としてCと既存の建物の売買契約を締結した場合、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を37条書面に記載しなければならない。
3 宅建業者AがDを売主としEを買主とする宅地の売買契約を媒介した場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがないときは、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
4 宅建業者Aが自ら売主としてFと建物の売買契約を締結した場合、代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合における当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置については、37条書面に記載する必要はない。

⇒ 正解(2)
1:37条書面は契約の両当事者に交付し、相手方が宅建業者でも例外なし
3:すぐ上に同じような問題があった気もしますが・・天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めは、全契約における37条書面の任意的記載事項。
4:代金または交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合において、あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置は、売買交換における37条書面の任意的記載事項



【宅建過去問 令和7年-問30】いずれも宅建業者であるA社、B社及びC社の売主らが、分讓マンションを共同で建築、販売することとなり、建築確認を受けた後、工事完了前にその一室を5,000万円で宅建業者ではない個人である買主に売却しようとする場合に関する次の記述のうち、宅建業法に違反するものはいくつあるか。

ア 売主らは、共同する全社が各個に重要事項説明を実施すると、かえって買主を混乱させると考え、買主の了解を得た上で、A社1社を幹事社とし、宅建業者A社の宅建士が単独で重要事項説明書に記名のうえ、買主に交付し説明を行った。
イ 売主らは、宅建業者A社の事務所において買主から買受けの申込みを受け、売買契約を締結したが、売主らは当該売買契約には法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフの適用はないと判断し、クーリング・オフについて買主に告げる書面の交付は行わなかった。
ウ 売主らは、当該物件については、重要事項説明の時点では共用部分に関する規約が案であるので、買主の了解を得た上で、契約締結後に決定した規約を交付することとし、重要事項説明書への記載は省略した。
エ 売主らは買主から手付金500万円を受領することとしたが、手付金の保全措置を講じる必要はないと判断し、手付金保全措置の概要について重要事項説明書への記載は省略した。

⇒ 正解(3)宅建業法違反はアウエ
ア:複数の宅建業者が関与する場合に1つの宅建業者が代表して重要事項説明書の交付や説明を行うことは問題ないが、全ての宅建業者の宅建士による記名は必要
イ:宅建業者の事務所はクーリング・オフの適用外なので、書面の交付も必要なし。
ウ:区分所有建物の売買交換において、「共用部分に関する規約の定めがあるときは、その内容」は重要説明事項であり、その案を含む
エ:未完成物件で手付金の額が売買代金の5%(250万円)を超えているため保全措置を講ずる必要があり、手付金保全措置の概要について重要事項説明書に記載する必要がある。



【宅建過去問 令和7年-問31】次の記述のうち、宅建業法により禁止されている行為が含まれているものはいくつあるか。

ア 宅建士が、マンション販売の勧誘を電話で行うにあたり、まず、契約締結について勧誘する目的である旨を告げたうえで、自分の名前は名乗らず、自身の勤務する宅建業者の名称及び免許番号を伝えたうえで勧誘を行った。
イ 宅建業者が、賃貸マンションの媒介で入居申込者から申込みを受け付けたところ、当該マンションのオーナーからの審査回答待ちとなった。その後、入居申込者が、申込みを撤回したい旨電話で伝えたところ、当該宅建業者の従業員から声を荒げ「撤回をするなら、とりあえず事務所まで来てくれないと困る」と怒鳴られ、面会を強要された。申込者はその言動に不安を覚えたため、事務所に赴いて、申込みの撤回を申し出たところ、申込みの撤回が了承された。
ウ 宅建業者が、一時的にアルバイトを雇って、マンション販売の広告チラシの配布を行わせることとしたほか、契約書の作成業務も補助的に行わせるため、従業者証明書をその者に発行し、それらの業務を行わせた。ただし、そのアルバイトはマンション販売の広告チラシの配布の際には、従業者証明書を携帯していなかった。
エ マンションの販売の勧誘における説明において、宅建士は、日当たりのよいマンションの購入希望者に対して、「マンション南側の月極駐車場は出来たばかりであり、将来にわたりそこにマンションなどの高層の建物が建つ予定は全くない」と説明し、購入希望者から購入申込みを受け付けた。

⇒ 正解(4)全て当然のように宅建業法違反のサービス問題
ア:宅建業者の商号または名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘の目的を告げます。
イ:契約が締結されたかどうかは関係なく、威迫行為自体が禁止です。
ウ:一時的でも従業者証明書を携帯させず宅建業務を行わせてはいけません。
エ:契約の誘引に際し、断定的判断の提供は禁止されています。



【宅建過去問 令和7年-問32】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者ではないBとの間でマンション(代金4,000万円)の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。

1 宅建業者Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際にBから手付金200万円を受領し、さらに建築工事中に200万円を中間金として受領した後、当該手付金と中間金について法第41条に定める保全措置を講じた。
2 宅建業者Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、法第41条の2に定める保全措置を講じることなくBから手付金400万円を受領した。
3 宅建業者Aは、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結する際にBから手付金500万円を受領したが、Bに債務不履行がないにもかかわらず当該手付金500万円を返還して、契約を一方的に解除した。
4 宅建業者Aは、建築工事完了後のマンションの売買契約を締結する際に、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,000万円とする特約を定めた。

⇒ 正解(2)
1:未完成物件で売買代金の5%を超えていない(200万円ちょうど)ため手付金の受領時に保全措置を行う必要はなく、中間金の受領時に手付金とまとめて保全措置を講じればよいが、その保全措置は中間金を受領する「」に行う。
2:完成物件で売買代金の10%以下なので保全措置不要
3:宅建業者が自ら売主となる解約手付として、手付倍返し(1,000万円)が必要
4:宅建業者が自ら売主となる損害賠償額の予定は、代金額の10分の2(800万円)を超えること不可



【宅建過去問 令和7年-問33】宅建業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。

ア 建物の賃貸借の媒介をする宅建業者Aは、当該建物の引渡しの時期について、重要事項説明書に記載して説明する必要はないが、37条書面には記載しなければならない。
イ 宅建業者Aは、自ら売主として建物を売却する場合、重要事項説明書に記載しなければならない契約の解除に関する事項については、契約に定めがなくても37条書面に全て記載しなければならない。
ウ 宅建業者Aは、売主を代理して、抵当権が登記されている建物を売却する場合、買主に交付する37条書面だけでなく、売主に交付する37条書面についても、当該抵当権の内容を記載しなければならない。
エ 建物の賃貸借の媒介をする宅建業者Aは、37条書面を交付するに当たり、宅建士をして、その内容を説明させなければならない。

⇒ 正解(3)誤っているものはイウエ
イ:契約解除の定めの内容は全契約における重要説明事項であり、37条書面の任意的記載事項
ウ:宅地建物の上に存する登記された権利の種類や内容等は全契約における重要説明事項だが、37条書面には記載不要
エ:37条書面の交付で説明不要。



【宅建過去問 令和7年-問34】宅建業の免許に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア A社の政令で定める使用人Bは、威力業務妨害の罪により、拘禁2年、執行猶予2年の刑に処せられた後、A社を退任し、新たにC社の政令で定める使用人に就任した。Bの執行猶予期間が満了していない場合に、C社が免許を申請しても、免許を受けることができない。
イ D社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、宅建業法の規定による廃業の届出をした。その廃業に相当の理由がなかった場合、当該公示の日の40日前にD社の取締役を退任したEは、当該届出から5年経過しなければ、免許を申請しても免許を受けることができない。
ウ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、現場助勢の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなくても、Fは免許を申請すれば免許を受けることができる。
エ H社の政令で定める使用人Jは、裁判所へJ自身の破産申し立てを行った後、H社を退任し、裁判所から破産手続の開始決定を受けるまでの間に、新たにK社の政令で定める使用人に就任した。その後、Jが復権を得た場合、その日から5年を経過しなくても、K社が免許を申請すれば、免許を受けることができる。

⇒ 正解(3)正しいものはアイエ
ウ:暴行や脅迫、背任等と同じく、現場助勢罪による罰金刑も免許欠格事由に該当する(ちょっと意地悪問題)。
エ:破産をしても復権を得れば直ちに免許取得可能。



【宅建過去問 令和7年-問35】宅建業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業保証協会の社員ではないものとする。

1 免許の有効期間満了の際、宅建業者Aが営業保証金を取り戻そうとする場合には、供託した営業保証金につき還付を受ける権利を有する者に対し、6か月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を官報に公告しなければならない。
2 宅建業者Aが営業保証金を供託する場合において、金銭と有価証券を併用して供託することができるが、従たる事務所を設置したときの営業保証金については、金銭のみをもって供託しなければならない。
3 宅建業者Aは、事業の開始後新たに乙県に従たる事務所を設置したときは、従たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託し、その供託物受入の記載のある供託書の写しを添付して、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
4 宅建業者Aの設置した支店においてAと宅建業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、500万円を限度としてその債権の弁済を受ける権利を有する。

⇒ 正解(1)
2:支店の設置も有価証券で供託可。
3:支店の設置時も主たる事務所の最寄りの供託所に供託する。
4:本店も含み、宅建業者が供託した営業保証金額について弁済を受けられる。



【宅建過去問 令和7年-問36】宅建業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、禁止されているものはいくつあるか。

ア 宅建業者Aの従業者は、電話によりBに投資用マンションの購入の勧誘を行った際、Bから「Aから購入する意思は一切無いので、今後電話を含め勧誘はしないでほしい。」と告げられたが、その翌日、Bに対し、再度の勧誘を行った。
イ 建物の購入希望者から「契約の締結についてしばらく考えさせてほしい。」という申し出があったので、宅建業者Aの従業者は、他に買い手がいないにもかかわらず、「他に買い手がいるので、今日中しか契約の締結はできない。」と当該購入希望者に告げた。
ウ 宅建業者Aの従業者は、建物の購入希望者に対して、長時間にわたり契約の締結をするための勧誘を行い、当該購入希望者を困惑させた。
エ 建物の売買を媒介している宅建業者Aの従業者は、手持ち資金がない購入希望者に対して「手付金は当社が貸し付けるので後から返してくれれば構わない。」と告げて、契約の締結を誘引したが、契約には至らなかった。

⇒ 正解(4)全て当然のように宅建業法違反のサービス問題パート2
エ:手付の貸付けによる信用の供与は宅建業法違反。



【宅建過去問 令和7年-問37】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅建業者ではないものとする。

1 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が都市計画法の準防火地域内にあり、建築基準法に基づく建物の構造に係る制限があるときは、その概要を説明しなければならない。
2 マンションの分譲を行う場合、建物の区分所有等に関する法律に規定する専用部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めが案の段階であるときは、説明する必要はない。
3 建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に授受される金銭の額、授受の目的及び保管方法を説明しなければならない。
4 鉄筋コンクリート造の既存の共同住宅の販売を行う場合、宅建業法に規定する建物状況調査を1年6か月前に実施したときは、建物状況調査を実施したこと、その結果の概要について説明しなくてはならない。

⇒ 正解(4)
1:都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別に応じて政令で定めるものに関する事項の概要は、売買交換における重要説明事項(貸借では不要)。
2:区分所有建物の全契約において、専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めの内容は重要説明事項であり、その案を含む
3:借賃以外に授受される金銭の額とその授受の目的は重要説明事項だが、保管方法の説明は不要。
4:原則1年だが、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等は2年以内の実施で説明を要する。



【宅建過去問 令和7年-問38】宅建業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 宅建業者Aは、宅地又は建物の売買に関する広告をする際に取引態様の別を明示した場合、当該広告を見た者から売買に関する注文を受けたときは、改めて取引態様の別を明示する必要はない。
イ 宅建業者Aは、宅地の売買に関する広告をするに当たり、当該宅地の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした場合、当該宅地に関する注文がなく、売買が成立しなかったときであっても、監督処分及び罰則の対象となる。
ウ 宅建業者Aは、複数の区画がある宅地の売買について、数回に分けて広告をする予定でいる場合、最初に行う広告に取引態様の別を明示すれば足り、それ以降は明示する必要はない。
エ 宅建業者Aは、建物の貸借の媒介において、依頼者の依頼によらない広告をした場合、国土交通大臣の定める報酬限度額となる媒介報酬のほか、当該広告の料金に相当する額を受領できる。

⇒ 正解(3)誤っているものはアウエ
ア:広告をするときや注文を受けたとき、その都度、取引態様の別を明らかにします。
ウ:数回に分けて広告を行う場合も、その都度、取引態様の別を明らかにします。
エ:依頼者の依頼による特別な広告費以外を報酬と別に受領することはできません。



【宅建過去問 令和7年-問39】宅建業者Aが、BからB所有の中古住宅の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者AがBとの間で専属専任媒介契約を締結し、Bから「売り出し中であることを秘密にしておきたいので指定流通機構への登録はしないでほしい」旨の申出があった場合、Aは、そのことを理由に登録をしなかったとしても法に違反しない。
2 宅建業者Aは、Bとの間で有効期間を1か月とする専属専任媒介契約を締結する際、「Bが媒介契約を更新する旨を申し出ない場合は、有効期間満了により自動更新するものとする」旨の特約は有効である。
3 宅建業者AがBと一般媒介契約を締結したときは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、宅建士をして記名させなければならない。
4 宅建業者AがBとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、Aは、当該中古住宅の取引の申込みの受付に関する状況を指定流通機構に登録しなければならない。

⇒ 正解(4)
1:依頼者からの申出があっても指定流通機構への登録を拒むこと不可。
2:専任媒介契約の有効期間の更新は、依頼者の申出によってのみ可能(自動更新の特約不可)。
3:媒介契約書面には宅建業者(従業者も可)が記名押印する。



【宅建過去問 令和7年-問40】宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者Bの媒介により、宅建業者ではない買主Cとの間で宅地の売買契約を締結した場合、宅建業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア Cは、宅建業者Bの事務所で買受けの申込みを行い、その3日後に、Cの自宅近くの喫茶店で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。
イ 宅建業者AとCの間で、クーリング・オフによる契約の解除に関し、Cは契約の解除の書面をクーリング・オフの告知の日から起算して8日以内にAに到達させなければ契約を解除することができない旨の特約を定めた場合、当該特約は無効である。
ウ Cは、宅建業者Bからの提案によりCの自宅で買受けの申込みを行ったが、クーリング・オフについては告げられず、その10日後に、Aの事務所で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。
エ クーリング・オフについてCに告げる書面には、宅建業者Aの商号又は名称及び住所並びに免許証番号を記載しなければならないが、宅建業者Bの商号又は名称及び住所並びに免許証番号の記載は必要ない。

⇒ 正解(3)正しいものはアイエ
ア:契約の申込みが事務所等であれば、契約締結が事務所等以外でもクーリング・オフ不可。
イ:申込みの撤回等は、買主が解除の書面を発したときに効力を生じ、買主に不利な特約は無効。
ウ:宅建業者から申し出た買主の自宅は事務所等に該当せず、クーリング・オフをすることができる。
エ:売主である宅建業者Aの商号等を記載し、媒介業者であるBの情報は不要。



【宅建過去問 令和7年-問41】宅建業の免許に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者A(甲県知事免許)が免許を受けてから1年以内に事業を開始しないときは、甲県知事は免許を取り消さなければならない。
2 宅建業者B(甲県知事免許)が株主総会の決議により解散した場合、Bを代表する役員であった者は、その旨を当該解散の日から60日以内に甲県知事に届け出なければならない。
3 宅建業者ではないCが甲県に本店を、乙県に支店をそれぞれ有する場合で、乙県の支店のみで新たに宅建業を営もうとするときは、Cは乙県知事の免許を受けなければならない。
4 宅建業者D(甲県知事免許)は、甲県の事務所を廃止し、乙県内で新たに事務所を設置して宅建業を営もうとする場合、甲県知事へ廃業の届出を行うとともに、乙県知事への免許換えの申請を行わなければならない。

⇒ 正解(1)
1:免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、または引き続いて1年以上事業を休止したときは必要的免許取消事由。
2:清算人が解散から30日以内に届け出る。
3:支店で宅建業を行う場合、宅建業を営んでいない他県の本店も宅建業の事務所となるので、国土交通大臣免許が必要。
4:免許換えを行えば廃業の届出は不要。



【宅建過去問 令和7年-問42】宅建士に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において、宅建士は、事務の禁止の処分を受けていないものとする。

ア 二つ以上の都道府県において宅建試験に合格した者は、当該試験を行った都道府県のうち試験日が遅い都道府県知事の登録以外を受けることができない。
イ 宅建士は、その登録している勤務先の名称に変更があった場合、登録を受けている都道府県知事に、変更の登録の申請とあわせて、宅建士証の書換え交付を申請しなければならない。
ウ 宅建士は、宅建士証が効力を失ったときは、速やかに、宅建士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
エ 宅建士は、登録を受けている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事しているときは、登録の移転の申請をすることができる。

⇒ 正解(2)正しいものはウエ
ア:合格した試験地の知事であれば順序は問いません。
イ:宅建士証の書換えが必要なケースは、宅建士の氏名と住所のみを覚えておきましょう。



【宅建過去問 令和7年-問43】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅建業者ではないものとする。

ア 自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、相手方に金融商品取引法に規定する目論見書を交付し、宅建業法第35条の規定に基づき説明すべき事項のすべてが当該目論見書に記載されているときは、重要事項説明書の交付及び説明を省略することができる。
イ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前のものであるときは、その完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。
ウ 建物の貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。
エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法の規定による制限の概要について説明しなければならない。

⇒ 正解(4)全て正しい
ア:35条書面の交付や説明が不要となる3つの例外、①信託受益権の売買契約締結1年以内に当該契約と同一内容の契約について書面を交付して説明していた場合、②相手方が金融商品取引法に規定する特定投資家である場合、③相手方に対して金融商品取引法に規定する目論見書を交付している場合の一つですね。



【宅建過去問 令和7年-問44】宅建業者は、犯罪による収益の移転防止に関する法律の特定事業者に該当するが、宅建業者Aの行為に関する次の記述のうち、同法に違反するものはどれか。

1 宅建業者Aは、土地付建物の売買を行うに際して、当該売買契約の相手方である買主が自然人であったので、氏名、住居、生年月日、取引を行う目的及び職業について、確認した。
2 宅建業者Aは、価額が5,000万円の土地付建物の売買を行ったとき、直ちに、一定の方法により、当該売買契約の相手方である買主の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の事項に関する記録を作成して保存していたが、当該取引の行われた日から5年経過したので、当年度末に当該記録を廃棄した。
3 宅建業者Aは、土地付建物の売買契約の相手方である買主から収受した代金について犯罪により得た収益であるとの疑いがあったので、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出た。
4 宅建業者Aは、取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を的確に行うため、顧客と実際に接する営業担当者に対する教育訓練を実施した。

⇒ 正解(2)過去に一度だけ肢の1つで出題された犯収法が初の丸々1問で登場
1:本人特定事項(氏名、住居、生年月日)、取引を行う目的、職業の確認を行う。
2:取引の行われた日から7年間保存する。
3:速やかに政令で定める事項を行政庁に届け出る。
4:取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保ち、教育訓練の実施等を講ずるように努める。



【宅建過去問 令和7年-問45】特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅建業者は、基準日から3週間を経過する日までの間において、当該基準日前15年間に自ら売主となる売買契約に基づき宅建業者ではない買主に引き渡した新築住宅(保険契約に係る新築住宅を除く)について、保証金の供託をしていなければならない。
2 宅建業者は、自ら売主となる売買契約に基づき新築住宅を引き渡す場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、保証金の供託又は保険契約の締結をしなければならない。
3 保険契約を締結している宅建業者は、新築住宅を引き渡した時から10年間、構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ当該保険契約に係る保険金を請求することができる。
4 保険契約を締結している宅建業者及び当該業者が売主となっている新築住宅の買主は、指定住宅紛争処理機関に特別住宅紛争処理の申請をすることにより、当該新築住宅の売買契約に関する宅建業者と買主との間の紛争について、あっせん、調停又は仲裁を受けることができる。

⇒ 正解(4)
1:15年ではなく10年
2:宅建業者が自ら売主となる売買契約に基づき新築住宅を引き渡す場合に限る。
3:構造耐力上主要な部分雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵。



【宅建過去問 令和7年-問46】独立行政法人住宅金融支援機構に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。
2 機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。
3 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。
4 機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。

⇒ 正解(2)
2:譲受け対象となるのは、自ら居住する住宅または親族が居住する住宅を建設・購入する者への貸付けに係るものに限り、賃貸住宅は対象外。



【宅建過去問 令和7年-問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 団地(一団の宅地又は建物)と駅との間の道路距離は、取引する区画のうち駅から最も近い区画(マンション及びアパートにあっては、駅から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値又は駅から最も遠い区画(マンション及びアパートにあっては、駅から最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値のいずれかを表示しなければならない。
2 新築分譲マンションを販売するに当たり、住戸により管理費の額が異なる場合であって、その全ての住宅の管理費を表示することが困難であるときは、最高額のみで表示することができる。
3 物件の近くに新設される予定の駅等又はバスの停留所については、当該路線の運行主体が公表していれば、現に利用できるものではなくても新設予定時期を明示して表示することができる。
4 道路距離80mにつき1分間を要するものとして、賃貸物件から最寄りの駅までの徒歩による所要時間を算出したところ15分50秒であった。この場合、当該所要時間を15分と表示してよい。

⇒ 正解(3)
1:その施設から最も近い区画(マンション及びアパートは最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値+その施設から最も遠い区画(マンション及びアパートは最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値を表示する。
2:管理費の額が異なり全ての管理費を示すことが困難な場合、最低額+最高額のみで表示することができる。
4:16分。切り捨てや四捨五入ではなく、繰り上げで15分05秒でも16分。



【宅建過去問 令和7年-問48】次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 年次別法人企業統計調査によれば、令和5年度における不動産業の営業利益は7兆円を超えているが、前年度に比べ減少した。
2 建築着工統計調査報告によれば、令和6年の新設住宅着工戸数は、持家、分譲住宅のいずれにおいても前年に比べ減少した。
3 令和7年地価公示によれば、令和6年1月以降の1年間の地価変動率は、三大都市圏平均では住宅地、商業地ともに上昇となったものの、地方圏平均では住宅地、商業地ともに下落となった。
4 令和7年版土地白書によれば、土地取引について、売買による所有権の移転登記の件数でその動向を見ると、令和6年の全国の土地取引件数は200万件を超えており、前年に比べ大きく増加した。

⇒ 正解(ー)統計問題は受験年の最新情報を覚えておいてください。



【宅建過去問 令和7年-問49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 川沿いの低地に堆積している川が運んだ土砂は、重い構造物を支持できる。
2 砂州や砂丘には、粒径のそろった砂が堆積しており、地下水位が浅い箇所では、液状化しやすくなる。
3 丘陵地は、山地ほど斜面の勾配がきつくなく、山地に比べ斜面崩壊は生じ難いといえる。
4 台地は低地より古い時代に形成された地盤であり、一般に構造物を支持できる強度を有している。

⇒ 正解(1)例年通りの簡単な土地
1:川沿いの低地に堆積している川が運んだ土砂は、どう考えても軟弱。



【宅建過去問 令和7年-問50】建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど、軟質で強度が小さい。
2 鋼材は、熱に弱く、さびやすいので、耐火や防錆の処理を施す必要がある。
3 鋼材は、強度が高く、粘りがあり、比較的小さな断面部材で荷重に耐えることができる。
4 鋼材の素材の鋼の密度は、木材やコンクリートに比べて大きい。

⇒ 正解(1)例年より正解しやすい建物
1:炭素量が多いものほど硬質で、強度が大きくなる


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令和6年の宅建過去問