2022年(令和4年)の宅建法改正情報

令和4年の宅建士法改正情報

令和4年(2022年)の宅建試験で出題される最新の法改正情報をお送りします。

★は重要度で、最高で★5つです。


権利関係の法改正

1.未成年者★★★★★
民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

宅建試験対策に限らず世間で話題となった成年年齢の引き下げですね。婚姻による成年擬制がなくなりました。権利関係だけでなく、宅建士登録や専任宅建士にも関わってきますので、これは絶対に覚えておいてください。

また宅建試験での重要度はガクッと下がりますが、成年年齢の引き下げという大きすぎる法改正にちなんで、

・婚姻は「男女共に18歳」にならなければすることができない
(=未成年者の婚姻がなくなり、父母の同意制度がなくなった
・養子縁組において養親となれるのは「20歳に達した者

この2点は頭の片隅に入れておいても良いかもしれません。

2.弁済★★★★
弁済者は、受取証書(領収書)の交付または電子的な受取証書の提供のいずれかを選択して請求することができる。

ただし、電子的記録の提供請求に直ちに対応することが困難で、不相当な負担を課される小規模事業者や消費者は、電子的記録の提供義務を負う必要はありません

簡単な例外まで押さえておきましょう。

3.区分所有法★★★
書面で作成した集会議事録には、議長および集会に出席した区分所有者の2人以上の署名押印が必要でしたが、押印が不要となりました。

今年5月に施行され来年の宅建試験から怒涛の出題が始まるであろう各書面の電子化に先立ち、一足早く施行された規定ですが、出題は来年以降かな・・という気もします。しかし簡単なので一読して押さえておきましょう。


宅建業法の法改正

1.専任宅建士★★★★★
宅建業者の事務所には業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任宅建士を設置し、専任宅建士は事務所に常駐することが必要とされていましたが、「しっかりと環境を整えていれば常駐の必要なし」とされました。環境とはオンラインの業務体制・・テレワークですね。コロナ禍での特例でしたが、平時でも継続するとされました。タイムリーな話題なので出題可能性は高いと思います。

2.35条書面記載事項
下記の3つが重要説明事項に追加されました。
・雨水貯留浸透施設の管理協定の承継効(★)
・貯留機能保全区域内の土地における盛土、塀の設置等の届出(★★)
浸水被害防止区域における特定開発行為および特定建築行為の制限★★★

開発許可や建築確認後でなければ広告開始や契約締結ができないという制限に、浸水被害防止区域における特定開発行為および特定建築行為の制限も加わっていますので、3つめは要注意です。

3.住宅瑕疵担保履行法★★★★
新築住宅を引き渡したときに課される資力確保措置に関する届出の基準日が、3/31+9/30の年2回から「3月31日の年1回」となりました。シンプルに重要です。

4.事故物件のガイドライン★★★
宅建業法自体の改正ではなく、あくまでも新設されたガイドラインなので出題は未知数、出題が増えるのは少し変わった事例が出てきた数年後かな・・という気もしますが、簡単な上に出題可能性も十分にありますので軽く押さえておきましょう。

宅建業者は、取引の対象不動産が事故物件である場合、35条書面に「告知事項あり」と記載して取引の相手方に告げなければなりません

以下、出題ポイントです。

対象不動産で発生した「自然死・日常生活の中での不慮の死」は、経過時間に関わらず告知しなくてよい対象不動産と通常使用する共用部でこれ以外の死、特殊清掃等が行われた自然死や日常生活の中での不慮の死については、3年が経過するまで告知を要する)。対象不動産の隣や通常使用しない共用部においては、上記の死以外でも、特殊清掃等が行われた死でも、経過時間に関わらず告知する必要はありません

ただし例外として、上記の告知義務がないケースでも事件性・周知性・社会に与える影響等が特に高い事案、取引の判断に重要な影響を及ぼすと思われる場合は告げる必要があるとされています(問われたら正直に回答する)。

最後に「今年の」宅建試験では最も出題可能性が高い点として、当該規定は「居住用」に限り、3年の告知期間は「貸借」のみの規定であることを覚えておいてください(店舗等は告知不要。売買で告知義務がある場合は3年を過ぎても告知の必要あり)。ひとまずこの基本の出題可能性が今年は高いと思います。


法令上の制限の法改正

1.災害レッドゾーンにおける開発行為(★★)
開発行為を行うのに適当ではない区域(=災害レッドゾーン)に「自己の業務の用に供する施設」が追加されました。これに伴い、災害レッドゾーン内で開発行為を行うことができるのは「自己の居住の用に供する住宅のみ」となりました。

2.市街化調整区域における開発行為(★★)
市街化調整区域でも特例的に一定の開発行為が可能ですが、開発行為が可能となる「地方公共団体が条例で指定した区域」に災害レッドゾーンおよび浸水ハザードエリア等を原則として含めてはならないこととなりました。

3.開発許可の特例(★★)
災害レッドゾーンからの移転を促進するため、市街化調整区域内の災害レッドゾーンに存する住宅等を、用途や規模が同様の建築物であることなどを条件に、同一の市街化調整区域の災害レッドゾーン以外の土地に移転することができる特例が新設されました。

どれもマイナー知識ですので、深追いせず頭の片隅に入れておいてください。


税その他の法改正

住宅ローン控除に関して様々な改正がありました。

・所得要件が合計所得金額3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げ(★★)
・控除率が1.0%から0.7%に縮減(★★)
・控除期間=新築住宅13年、既存住宅10年(★)

他にも細かい改正や特例措置の適用制限の延長がありますが、税法はこのくらいにしておきましょう。


令和4年度 宅建試験法改正の例題

【例題1】法人である宅建業者A社の従業者であり、宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する18歳未満の宅建士は、A社の役員であるときを除き、A社の専任の宅建士となることができない。

【例題2】弁済をした債務者は電子的な受取証書の提供を請求することができ、債権者はこれを拒否することができない。

【例題3】集会の議事録を書面で作成した場合、当該書面には、議長および集会に出席した区分所有者の2人以上が署名押印することを要する。

【例題4】宅建業者の事務所には業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任宅建士を設置し、専任宅建士は事務所に常駐することを要する。

【例題5】宅建業者は、浸水被害防止区域における特定開発行為に係る許可を必要とする宅地の分譲をする場合、当該許可を受ける前であっても、許可申請中である旨を表示して分譲の広告をすることができる。

【例題6】自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に引き渡した宅建業者は、毎年3月31日の基準日ごとに、当該基準日に係る資力確保措置について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。


【1…〇】未成年者でも婚姻をすれば成年とみなされ専任宅建士となることできましたが、婚姻年齢が男女共に18歳(=そもそも成年)となり、成年擬制の制度はなくなりました。よってこの未成年者がA社の専任宅建士となるには役員になるしかありません(宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、自ら宅建業者となるか、法人業者の役員になることで専任宅建士となれます)。

【2…×】弁済者は、受取証書(領収書)の交付または電子的な受取証書の提供のいずれかを選択して請求することができ、電子的記録の提供請求に直ちに対応することが困難で、不相当な負担を課される小規模事業者や消費者は、電子的記録の提供義務を負う必要はありません

【3…×】書面で作成した集会議事録には、議長および集会に出席した区分所有者の2人以上の署名押印が必要でしたが、押印が不要となりました。

【4…×】しっかりと環境(オンライン)を整えていれば常駐の必要はなくなりました

【5…×】「浸水被害防止区域における特定開発行為および特定建築行為の制限」が重要説明事項として追加され、そして広告開始時期や契約締結時期の制限にも加わっています

【6…〇】基準日が年1回(3月31日)となりました。基準日から3週間以内に届け出る点にも注意。


ラクに得点を稼ぐことができますので★3以上は確実に押さえておいてください!


⇒ 宅建法改正一覧ページに戻る
<<< 前のページ <<< >>> 次のページ >>>
令和3年の法改正情報