心裡留保や錯誤の改正

意思の不存在の改正

今回は「意思の不存在」に関する改正民法を見ていきます。


相手方が、意思表示が表意者の真意でないことを知り、または知ることができたときは、その意思表示は無効となる。

心裡留保の規定ですね。元々判例や通説で認められていたことが明文化されただけです。

「真意ではない」ことを知っていた相手方は保護されません(=有効だと言えない)。
「真意」までを知っている必要はないという点がポイントです。

ただし、この無効は善意の第三者には対抗することができません
=冗談を言った表意者は、善意の第三者に無効を主張することができない。

この但し書きの方が重要ですね。第三者に無過失までは要求されていない点に注意。


表示内容または動機の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

「動機の錯誤」が明文化され、錯誤=無効だったのが取消事由となりました。

錯誤があっても当然に無効ではなく、取り消すことができるに過ぎないということです。錯誤=取消事由、改正民法の目玉と言ってもいいほど重要です。無効は誰でも主張することができますが、取消しができるのは取消権者のみです。他にも追認の可否など大きく異なってきます。無効と取消しの違いは今後お伝えしていきますが、気になる方は分かりやすい民法解説の「無効と取消の総まとめ」で先に確認しておいてください。

以下、宅建試験に出題されてもおかしくないポイントをインプリ風にまとめておきます。

・動機の錯誤は、動機が相手方に明示されているときに限り取り消すことができる!

・表意者の重過失による錯誤は、次の場合に限り取り消すことができる!
 1.相手方が表意者に錯誤があることを知り、または重過失により知らなかったとき
 2.相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき

・錯誤による取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない!

心裡留保の無効と異なり、錯誤取消による第三者保護は善意+無過失まで要求されます。


詐欺または強迫による意思表示は取り消すことができる。

ここでの重要改正点は、詐欺に関する次の2点です。

1.第三者が詐欺を行った場合、相手方が知りまたは知ることができたときに限り、本人はその意思表示を取り消すことができる。

2.詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない。

第三者による詐欺は相手方が悪意のときに限り取り消すことができましたが、悪意(知っていた)だけでなく「知ることができた」ときも取消対象となりました。そして、従来は善意であれば保護されていた第三者に「無過失」まで要求されています。

詐欺について善意であっても、過失がある第三者は保護されません。


以上、錯誤が取消事由となった、
錯誤と詐欺の第三者は善意無過失が必要ということは必ず覚えておいてください!


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