| 無効と取消の総まとめ 重要度 ★★★★★ |
| 契約が無効となる場合 公序良俗違反 原始的不能 意思無能力 心裡留保 虚偽表示 錯誤 契約が取り消しうる場合 行為無能力 詐欺 強迫 前ページまででこれらの解説をしてきました。 これからも代理などで無効や取消がでてきますが、少し難しくなってきますので、 とりあえずここでひとまず区切り、前ページまでの総まとめをしたいと思います。 しっかり基本を身につけておいてください。 ■無効と取消の比較 主張できる者 無効:原則的に誰からでも主張可(例外として錯誤無効) 取消:取消権者(下記2で解説)のみ主張可 効果 無効:そもそも無効である(下記3で解説) 取消:契約締結時に遡って無効となる(下記4で解説) 消滅の有無 無効:放っておいても無効は無効 取消:放っておくと取消権が時効消滅し、有効で確定してしまう(下記6で解説) 第三者保護規定 無効:原則なし(例外として虚偽表示の善意の第三者) 取消:原則なし(例外として詐欺取消前の第三者) ■取消権者 ・制限行為能力者(意思能力があるときにかぎり、単独で取り消すことができる) ・瑕疵ある意思表示をした者(=詐欺、強迫を受けた者) ・上記2つの代理人(=親権者、後見人) ・上記2つの承継人(=相続人) ■無効の基本的効果 無効は無効なので、履行の請求はできません。 すでに履行がなされてしまっていた場合は、その返還を請求できます。 双務契約の無効で、当事者双方がお互いに返還義務を負う場合、 両者の返還義務は同時履行の関係となります。 ■取消の基本的効果 法律行為が取り消されると、それは初めから法律効果が生じなかったものとされます。 つまり、初めから何もなかったことになるのです。 すでに履行がなされてしまっていた場合は、その返還を請求できます。 双務契約が取り消され、当事者双方がお互いに返還義務を負う場合、 両者の返還義務は同時履行の関係となります。(無効と同じ) 一つ問題となるのは、行為無能力により契約が取り消された場合です。 未成年者等の無能力者の返還義務は、 「その行為によって現に利益を受ける範囲」に減縮されます。 いわゆる「現存利益(げんぞんりえき)」と呼ばれるものです。 これは法律界ではよく聞く言葉なので覚えておいてください。 現存利益とは、現に存在する利益です。 意味が分かりませんね。 未成年者AがBさんから30万円を借りたとします。 この30万円を、Cさんへの借金の返済20万円、食費5万円、パチンコ5万円に充てたとします。 このうち、借金20万円と食費5万円は必要費ですね? Bさんからお金を借りなくても使うべきお金です。 逆にパチンコの5万円は単に浪費したお金です。 この必要費25万円が現存利益です。 本来使うべき自分のお金の支出を免れたため、利益の現存があると言えます。 つまり未成年者Aは、Bさんに25万円を返還すれば義務を免れます。 (しかもこれは、Aの善意悪意を問わないということも覚えておいてください) ■無効と取消の二重効 無効と取消の両方の要件が具備している場合、当事者は自由に選択して主張できます。 前回の詐欺と錯誤以外の例を挙げますと、 例えば幼稚園児が親の承諾を得ずに重要な財産の売買契約を行った。(有り得ない?) 両親は、幼稚園児であることを理由に意思無能力による無効を主張してもよいですし、 未成年であることを理由に行為無能力による取消を主張してもよいのです。 ■取消権の消滅 法律行為が取り消される可能性のある状態ということは、 相手方や第三者の地位を不安定にしています。 いつ取り消されるか分からないのはドキドキです。 そこで法律関係の安定を図るため、一定期間の経過によって取消権は消滅してしまいます。 追認をすることができるときから5年 行為のときから20年 このどちらかが先に経過した時点で、取消権は消滅いたします。 行為のときとは、まさに法律行為が行われたときです。 強迫を受けたときから20年間は、その契約を取り消すことができます。 さてここで、「追認(ついにん)」という言葉が出てきました。 これは後からその契約を認め、確定的に有効とするための行為なのですが、 少し細かくなるので次ページで詳しく解説いたします。 当ページは民法の基本でとても重要ですので、繰り返し復習しておいてください。 分かりやすい民法解説ページに戻る 幸せに宅建に合格する方法TOPページ |