宅建業法 宅建免許証の効力  重要度 ★★★★★


宅建業を営むには、宅建業の免許が必要です。

前ページでは、免許の申請方法および免許を受けることができない者の基準をお話しました。そこで今回は「免許の有効期間」「変更の届出」「免許換え」「廃業等の届出」についてお話いたします。

どのような場合に免許の変更の届出が必要になるのか?変更の届出と免許換えの違いは?少し紛らわしいので、きちんと頭の中を整理して正確に覚えておいてください。では、順番に見ていきましょう!

免許の有効期間

宅建業の免許の有効期間は
5年です。後にお話しますが、宅建試験に合格した者が行う「取引士登録」の効力は、登録の消除がされない限り一生有効であるという点と混同しないように注意してください。

では、5年の期間満了後も引き続き宅建業を営もうとする場合はどうすれば良いのでしょうか?ここで登場するのが「免許の更新」です。ここは本試験でよく問われるポイントです。免許更新の申請は、免許有効期間満了の
90日前から30日前までに行います。この90日前から30日前という数字は必ず覚えておいてください。

また補足として、この期間内に更新の申請をしておけば、免許権者が更新を認めるかどうか決定するまでに有効期間が過ぎてしまったとしても、その決定まで免許の効力は持続する、期限切れでも持続する、ということも頭の片隅に入れておいてください。

そして有効期間満了後に更新が認められた場合でも、新しい免許の有効期間は、従前の免許の有効期間満了日の翌日から5年となります。更新が認められた日から5年ではありません。これも出題可能性ありです。

変更の届出

免許権者は、宅建業者に免許を与えた場合、免許証を交付するとともに「
宅地建物取引業者名簿」というものに、一定事項を登載しなければなりません。免許権者とは前回お話しましたが、都道府県知事または国土交通大臣ですね。基本の基本ですごく重要ですので、あれ?と思った方はしっかり復習しておいてください。宅地建物取引業者名簿に登載する事項は以下の8つです。

1.免許証番号・免許の年月日
2.
商号・名称
3.宅建業者が法人である場合は、その
役員および政令で定める使用人の氏名
4.宅建業者が個人である場合は、その
個人および政令で定める使用人の氏名
5.
事務所の名称・所在地
6.事務所ごとに置かれている
成年者の専任取引士の氏名
7.指示処分・業務停止処分の年月日・その内容
8.宅建業以外に兼業している場合は、その事業の種類

これら1〜8の事項に変更があった場合、宅建業者は変更の届出を行います(免許の申請と同様、国土交通大臣免許を受けている宅建業者は、
主たる事務所を管轄する都道府県知事を経由して届け出ます)。全てを覚える必要はありませんが、最低限23(4)56番は覚えておいてください。よく出題されます。

そして、これは重要です。上記事項に変更があった場合、宅建業者は変更の届出を行いますが、この届出は、変更から
30日以内に行わなければなりません。この期間は覚えておいてください。

補足ですが、
変更の届出が義務付けられているのは、上記2〜6番だけです。178番は必ずしも届け出る必要はありません。細かい知識ですので出題可能性は低いです。2〜6が出たら30日以内に必ず変更の届出が必要、と覚えておいてください(逆に、178番で「変更の届出を行わなければならない」などと出題されたら誤りです)。

また、変更の届出を怠ったり、虚偽の届出をした場合、宅建業者は
50万円以下の罰金に処せられます。3番の役員に監査役も含まれるという点も大穴として頭の片隅に!

免許換え

宅地建物取引業者名簿の登載事項に変更があった場合、宅建業者は変更の届出を行いますが、事務所を廃止・移転・新設し、現在の免許が不適当となる場合は、「免許換え」というものを行います。免許の変更と混同しやすく、後の取引士でお話する「登録の移転」や「変更の登録」とグチャグチャになりますので、少しずつ確実に頭の中を整理していってください。

都道府県知事免許に免許換えする場合は、直接、免許換えを申請します。国土交通大臣免許に免許換えする場合は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して免許換えを申請します。そして新たな免許権者は、従前の免許権者に対して遅滞なくその旨を通知します。ここは事例で見ていきましょう!

・A県+B県→B県の事務所を廃止しA県のみ(国土交通大臣免許→A県知事免許)
 直接
A県知事に申請、A県知事は国土交通大臣に通知

・A県→B県に移転(A県知事免許→B県知事免許)
 直接
B県知事に申請、B県知事はA県知事に通知

・A県(本店)+B県にも新設(A県知事免許→国土交通大臣免許)
 
A県知事を経由して国土交通大臣に申請、国土交通大臣はA県知事に通知

以下、本試験出題ポイントです。

免許換え後の免許有効期間は、
免許換えのときから5年です。
免許換えと同時に変更の届出も必要な場合、
変更の届出は不要です。
免許換えが必要なのに免許換えをしない場合、その免許は取り消されます。
個人の宅建業者が法人となる場合、改めて免許を受ける必要があります。

廃業等の届出

免許権者から免許取消処分を受けた場合、個人の宅建業者が死亡した場合、法人の宅建業者が破産した場合・・・などなど、宅建業者は宅建業を営むことができなくなります。このような場合、「廃業等の届出」をしなければなりません。廃業等の届出が必要な場合とは?誰が届け出るのか?重要です。

尚、変更の届出と同様に届出先は免許権者で、国土交通大臣免許の場合は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に届け出ます。

1.死亡:相続人
2.合併消滅:消滅した会社の代表社員であった者
3.破産:破産管財人
4.解散:清算人
5.廃業:廃業した個人または法人の代表役員

ここは引っかけ問題の宝庫です。

例えば、破産によって・・・と出題された場合、届け出るのは
破産管財人です。しかし、破産または合併以外の理由により解散・・・と出題されたら清算人です。正確な知識が問われますので、騙されないようにしてください。

そしてこの届出は、
廃業等の事実が発覚した日から30日以内に上記の者が申請しますが、死亡の場合だけは、相続人が死亡を知った日から30日以内ですので、その引っかけにも注意してください。

また、免許が失効する時期ですが、
1番と2番は届出を待たずに、死亡、合併のときに免許の効力はなくなります。3〜5番は届出時に失効です。ここも注意ですね。

最後に廃業等の届出の補足です。免許が失効すると宅建業者ではなくなりますが、それでは取引中の相手がいた場合、その相手方が困ってしまいます。そこで免許が失効した場合でも、一定の者は、
その継続中の取引が終了するまでは、当該取引の範囲内では宅建業者とみなされます。これは一応覚えておいてください。ちなみに一定の者とは、宅建業者でなくなった本人や相続人、新設会社や存続会社です。

[ 平成6年 宅建試験 問38 ]
 宅地建物取引業者Aが事務所の廃止、新設等を行う場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1.甲県知事の免許を受けているA(事務所数1)が、甲県の事務所を廃止し、乙県に事務所を新設して、引き続き宅地建物取引業を営もうとする場合、Aは、直接、乙県知事に免許換えの申請をしなければならない。
2.甲県知事の免許を受けているA(事務所数1)が、事務所を廃止し、又は甲県内で増設した場合、Aは、甲県知事に、それぞれ、廃業の届出又は変更の届出をしなければならない。
3.国土交通大臣の免許を受けているA(事務所数2)が、甲県の従たる事務所を廃止し、乙県の主たる事務所だけにした場合、Aは、甲県知事を経由して、乙県知事に、免許換えの申請をしなければならない。
4.国土交通大臣の免許を受けているA(事務所数2)が、甲県の主たる事務所を従たる事務所に、乙県の従たる事務所を主たる事務所に、変更した場合、Aは、国土交通大臣に変更の届出をしなければならない。


1 正
2 正:注意→変更の届出は、増設で免許換えが不要な場合(廃止は免許換え必要)
3 誤:乙県知事に直接申請する
4 正:主たる事務所と従たる事務所の入れ替えは「事務所の名称・所在地」の変更にあたる

[ 平成2年 宅建試験 問43 ]
 宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.甲県知事の免許を受けている宅地建物取引業者Aが死亡した場合、Aの一般承継人は、Aが締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において、なお宅地建物取引業者とみなされる。
2.国土交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者B社と乙県知事の免許を受けている宅地建物取引業者C社が合併し、C社が消滅した場合、C社を代表する役員であった者は、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
3.国土交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者D法人が設立許可の取り消しにより解散した場合、D法人の清算人は、当該解散の日から60日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4.丙県知事の免許を受けている宅地建物取引業者Eが破産した場合、Eの免許は、当該破産宣告のときから、その効力を失う。


1 正
:一般承継人=相続人など
2 誤:C社の免許権者は乙県知事なので、乙県知事に届け出る
3 誤:30日以内
4 誤:破産管財人が届け出たときから

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