絶対役立つ宅建業法 報酬に関する規制 重要度 ★★★★★


今回は「報酬に関する規制」についてお話いたします。

難しくはないのですが、宅建業法の中では取っつきにくい方ですかね。理屈よりも慣れでしょう。過去問を何度か回して計算に慣れてしまってください。逆に引っかけパターンは少ないので、コツを掴めれば確実に正解できる得点源となります。

例によって前提知識は かんたん宅建業法 報酬に関する規制1 報酬に関する規制2 をご覧ください。ではとりあえず、絶対役立つ「報酬に関する規制」を理屈で見ていきましょう。要領を掴んだら過去問を多めにこなしてみてください!

以下、宅建業者Aは消費税の課税事業者、宅建業者Bは消費税の免税事業者、甲は売主や貸主、乙は買主や借主となり、Aは甲から、Bは乙から依頼を受けています。


【問1】宅建業者は、媒介した売買契約が不成立に終わったときは報酬を受けることができず、媒介により支出した必要経費についても依頼者に請求することができない。

【問2】宅建業者Aが自ら売主となり、買主である宅建業者Bと売買契約を締結した場合でも、国土交通大臣の定める報酬限度内であれば、Aは報酬を受領することができる。

【問3】宅建業者は、国土交通大臣の定める報酬限度を超える報酬を受領してはならないが、依頼者からの特別の依頼によって行った広告の費用は請求することができる。

【問4】居住用以外の建物貸借の媒介において権利金の授受があった場合、宅建業者は、依頼者の承諾があるときに限り当該権利金の額を売買にかかる代金額とみなして報酬計算をすることができる。

【問5】使用貸借契約では借賃が発生しないため、仮に目的物が賃貸されたと想定し、その通常の借賃の額を基準として報酬計算をすることができる。

【問6】宅建業者Aと宅建業者Bが共同して、甲所有の事業用宅地と建物を乙に売却する契約を成立させた場合において(消費税込みの価額は土地1,080万円、建物2,160万円)、Aの報酬限度額は1062,720円、Bの報酬限度額は1015,488円となる。

【問7】貸主甲の居住用建物を権利金300万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)、1月当たりの借賃30万円で乙が借り受ける賃貸借の媒介において、宅建業者Aの報酬限度額は162,000円、宅建業者Bの報酬限度額は154,800円となる。

【問8】宅建業者Aが、甲乙双方から店舗用建物の賃貸借契約の媒介を単独で依頼された場合、Aは、甲乙それぞれから借賃1月分の報酬を受けることができる。

【問9】宅建業者Aは貸主甲から、宅建業者Bは借主乙から媒介を依頼され、AB共同で店舗用建物の賃貸借契約を成立させた場合、Aは甲から、Bは乙から、それぞれ借賃1月分の報酬を受けることができる。

【問10】宅建業者Aは貸主甲から代理を依頼され、宅建業者Bは借主乙から媒介を依頼され、AB共同で店舗用建物の賃貸借契約を成立させた場合、Aは甲から、Bは乙から、それぞれ借賃1月分の報酬を受けることができる。

【問11】宅建業者Aが、甲乙双方から店舗用建物の賃貸借契約の媒介を単独で依頼され、1月当たりの借賃50万円、権利金1,000万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の契約を成立させた場合、甲乙双方から受領できる報酬額は、合計して54万円が限度額となる。



問6の売買が出題されたら簡単です。計算式に当てはめてチャチャッと正解してください。問7〜11の貸借が出題された場合、勉強不足だと混乱してしまいますね。

居住用か居住用以外か?媒介か代理か?
居住用の媒介なら原則半月分ずつで居住用以外なら合わせて1月分で…。
依頼者の承諾がある場合や代理の場合も合わせて1月分で…。
居住用以外なら権利金が返還されるものかされないものか、みなし計算できるか…。

慌てず冷静に、順番に確認していってください。
尚、出題確率は売買30%、貸借70%くらいです。その計算式に問1〜5のような単純知識が織り交ぜられ、また、ごくまれに「交換」も出題されます。交換は、高い方の価額を基準として売買と同じ計算をするだけです。

では、解答を見ていきましょう。



【1…〇】報酬は成功報酬で、支出した必要経費を請求することもできません。

【2…×】宅建業者が報酬を受領することができるのは、宅地建物取引の媒介・代理により契約を成立させたときだけです。そもそも本肢のAは誰に報酬を請求するつもりだったのでしょうか。本試験でも、このような意味不明な問題が出題されますので冷静に!

【3…〇】何度出題されたか分からない頻出問題ですね。依頼者から依頼のあった特別な広告費と、遠隔地への調査費は報酬と別に請求できる!必ず覚えておきましょう。

【4…×】居住用以外の建物貸借の媒介において権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の授受があった場合、宅建業者は、依頼者の承諾の有無に関係なく当該権利金の額を売買にかかる代金額とみなして報酬計算をすることができます(=売買と同じ報酬計算ができる)。宅建業者は、借賃1月分を基準としても、権利金を基準としても、どちらでも自由に選択することができ、低い方が報酬限度額となるなどと出題されたら誤りとなります。

【5…〇】使用貸借では、仮に目的物が賃貸されたと想定し、その通常の借賃の額を基準として報酬額を計算します。

【6…〇】報酬計算をするには、まず本体価格を算出します。宅地は消費税の課税対象とはならず、1,080万円が本体価格となり、建物は2,160÷1.082,000万円が本体価格となり、よって合計3,080万円が本体価格となります。3,080万×3%+6万=984,000円に、課税事業者Aは1.08、免税事業者Bは1.032を乗じた額が報酬限度額となります。尚、代理の場合は媒介の2倍複数の宅建業者が関与した場合も全業者を合計して媒介の2倍(=代理と同額)が報酬限度額となります。

【7…〇】居住用建物の媒介なので権利金のみなし計算はできず借賃の半月分が報酬限度額となり、Aは甲から15万×1.08162,000円、Bは乙から15万×1.032154,800円を限度で受領することになります。尚、依頼者から依頼時に承諾があればABが甲乙から合計で1月分居住用以外であれば原則として合計で1月分、例外として権利金の額を売買代金とみなして算定することができます(解答4)。ここだけ複雑なので、少し練習をしておきましょう ↓

【8…×】甲乙双方から受領できる報酬額の合計が、借賃の1月分です。

【9…×】複数の宅建業者が関与した場合でも、合計して借賃1月分が限度額となります。つまり、複数の宅建業者が関与した場合、Aが受領した報酬額次第で、Bは一切報酬を受領できないということも有り得ます。

10…×】片方が代理でも同じです。複数の宅建業者が関与した場合、合計して借賃1月分が限度額となります。媒介と代理で異なるのは、居住用建物の原則報酬が、媒介は一方から半月分ずつで、代理は双方から合計して1月分という点だけです。

11…×】居住用以外の建物貸借の媒介において権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の授受がある場合、権利金を売買代金とみなして報酬計算をすることができます。1,000万×3%+6万円=36万円。双方から依頼を受けているため2倍して72万円。これに消費税で777,600円が報酬限度額となります。


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