宅建業法のひっかけ問題:宅建業者が宅建業を行うにあたっての、義務、禁止事項、制限である「宅建業者の業務規制」のひっかけ問題を見ていきます。 丸々2問以上+肢でちょこちょこ出題されますのでボリュームはありますが、ものすごく簡単です。何回か読み返せば単純知識やパターン化されたひっかけ問題ばかりであることに気付くはずです。保全措置だけはやや複雑ですが、それでも間違える所ではないでしょう。 前提知識は「かんたん宅建業法」業務規制・8種規制をご覧ください。
- 宅建ひっかけ問題!手付や保全措置
【問1】宅建業者は、営業保証金を供託した供託所に関する説明を、宅建士ではない従業者に口頭で行わせることができる。
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【問3】宅建業者は、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならないが、被害者が訴えない限り、違反した場合でも罰則に処せられることはない。
【問4】ー
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【問6】宅建業者は、当初提示した手付金の額を減額するとして、売買契約の締結を誘引してはならない。
【問7】宅建業者は、手付金につき銀行との間で金銭貸借のあっせんをして、売買契約の締結を誘引してはならない。
【問8】宅建業者は、新築住宅の分譲代理業務に関する帳簿を、その閉鎖後5年間保存しなければならない。
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【問10】ー
【問11】ー
【問12】ー
【問13】ー
【問14】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、買主が手付を放棄して売買契約を解除しようとしたが、既に売主として履行に着手していたときは、当該契約解除を拒否することができる。
【問15】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、宅建業者が保全措置を講じた後は、買主は手付を放棄して契約を解除することができない。
【問16】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者である買主Bと売買契約を締結した場合において、Aが種類・品質に関する契約不適合責任を負わないとする特約は有効である。
【問17】宅建業者が自ら売主として、解除条件付きで取得する契約を締結した建物を、宅建業者ではない者に売却する行為は宅建業法の規定に違反しない。
【問18】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者である買主Bと売買契約を締結した場合において、損害賠償額の予定として代金額の20%を定め、これとは別に違約金として代金額の10%を定めたときは、2/10を超える部分について違約金等の定めは無効となる。
【問19】ー
【問20】ー
【問21】ー
前回お伝えしたクーリング・オフ+問8以降は、宅建業者間では適用のない「8種規制」「自ら売主制限」と呼ばれるものです。宅建業者間であれば、2割を超える手付を保全措置なしで受領したり、契約不適合責任期間を引渡しから6ヶ月としたりするなどやりたい放題することができます。まずは必ず「宅建業者自らが売主で、買主が宅建業者ではない」かどうかを確認してから問題を解くようにしてください。
☆必ず覚える!宅建業者間では適用されない8つの制限 ⇒ 1クーリング・オフ 2保全措置 3手付の額 4契約不適合責任に関する特約 5他人物売買 6損害賠償額の予定 7割賦販売 8割賦販売契約の解除
↓ では、少し濃い目に解答です ↓
【1…〇】供託所等に関する説明は、口頭で行ってもよく、宅建士が行う必要もありません 。 契約成立前に、契約の両当事者に説明することを要します(宅建業者には説明不要)。
【2】ー
【3…〇】被害者が告訴をしなければ、秘密保持義務違反の罰則(罰金50万円)は適用されません(=親告罪)。もちろん、宅建業法違反として監督処分の対象とはなります。刑法や訴訟法の知識なので深追いする必要はありませんが、名誉棄損や親族間の窃盗など、事実が公になることで被害者に更なる不利益となるおそれがあるために、被害者の告訴をもって初めて罪に問われる犯罪を親告罪と言います。
【4】ー
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【6…×】手付金の貸付けその他信用の供与により契約締結を誘引することは禁じられていますが、単なる減額は買主に不利とはならず、宅建業法違反にはなりません。貸付以外の信用の供与とは、手付金の立替、分割受領、支払期日の延期などがあります。不動産自体の代金を分割払いとすることは宅建業法に違反しませんので混同しないように(キャッシュで不動産を買う人のほうが珍しく、当然ですね)。尚、手付貸与等の禁止規定は宅建業者間でも適用され、買主が宅建業者であっても、手付の貸与等により契約を誘引することは宅建業法違反となる点にも注意です。
【7…×】宅建業者が手付金を貸すことはできませんが、銀行との間であっせんするだけなら宅建業法違反となりません。このようなひっかけパターンも出題可能性ありですね。
【8…〇】「自ら売主となる新築住宅」にかかる帳簿は閉鎖後10年の保存が必要ですが、それ以外の帳簿は5年の保存となります。新築=10年と早とちりに注意!(本肢は単なる代理)
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【14…〇】相手方が履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を償還することにより契約を解除することができます。つまり履行に着手していれば、相手方からの解約手付による契約解除を拒むことができます。
【15…×】宅建業者が保全措置を講じるのは宅建業法上の義務であって、履行の着手には該当しません。よって買主は、手付放棄により契約を解除することができます。
【16…〇】契約不適合責任を負う期間は、原則として「買主が不適合を知ったときから1年(以内に通知)」(←特約が無効のときは、この規定が適用されます。1年以内に通知をしなかったときは消滅時効の原則通り、買主が不適合を知ったときから5年 or 引渡しから10年で消滅)で、これより買主に不利な特約は無効となります。買主に不利でも唯一有効となる例外が「通知期間を引渡しから2年以上」とする特約ですが、これらは宅建業者間では適用されません。宅建業者間であれば、契約不適合責任を負う期間を半年にしても、負わないとしても有効です(契約不適合責任を負わない特約をしていても、不適合を知りながら告げなかったときは原則通り責任を負います)。
【17…〇】宅建業者は、宅建業者でない者との間で「自己の所有に属さない物件」の売買契約を締結することを禁止されています(=宅建業者間なら他人物売買も可)。自己の所有に属さない物件とは文字通り他人所有の物件の他、停止条件が付いた物件などを言い、解除条件付きや売買契約の予約がなされた物件など、「将来的に所有権を取得することが確実な物件」は、自己の所有に属する物件となります。尚、取得する契約を締結していれば、代金の支払いや物件の引渡し等が完了している必要はありません。
【18…×】損害賠償の予定額と違約金の額を合算して、代金額の2割を超えることは禁止されています(超えた場合は超えた部分について無効。売買契約自体が無効というひっかけに注意)。しかし、これも宅建業者間では適用されず、30%でも40%でも有効となります。宅建業法では、このように間違い探しのような問題が多く出題されます。どこに落とし穴があるのか1ワードずつ確認していってください。
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