宅地造成等規制法の宅建過去問

宅建過去問:「宅地造成等規制法」の重要過去問を見ていきます。宅地造成に伴うがけ崩れや土砂の流出を防止するための法律で、居住者が危害を受けないように措置することを目的としています。がけ崩れなどが起こりそうな危険な場所を宅地造成規制区域に指定し、その中で様々な取り決めを行うことで宅地造成に伴う災害防止に努めます。簡単ですのでガッチリ1点を確保しておきましょう。尚、令和6年宅建試験より「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」に改称されます(改正点を含め夏頃に修正します)

宅地造成等規制法の宅建過去問

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。(2010年の宅建過去問 問-20)

【問】宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。

宅地造成とは、「宅地以外の土地を宅地にするため」に「宅地において行う土地形質の変更で一定の規模を超えるもの」(宅地以外を宅地、宅地を宅地)をいいます。よって、宅地を宅地以外の土地にするために行う土地形質の変更は宅地造成に該当せず、正しい肢となります。もちろん、宅地以外を宅地以外も宅地造成に当たらず許可不要となります。

【問】宅地造成工事規制区域内の宅地において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

宅地造成工事規制区域内の宅地において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日の14日前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません。よって、工事に着手する日までとする本肢は誤りとなります。

【問】宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。

宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者(造成主と異なる場合も同様)、管理者または占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければなりません。よって正しい肢となります。都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すこともできます。


宅地造成等規制法に規定する宅地造成工事規制区域(以下この問において「規制区域」という。 )に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法の指定都市等にあっては、それぞれの指定都市等の長をいうものとする。(2003年の宅建過去問 問-24)

【問】規制区域内の宅地において行われる切土による土地の形質の変更に関する工事で、当該宅地に高さ1.5メートルのがけが生じ、かつ、その面積が600㎡のときには、造成主は、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。

宅地において行われる切土で、切土をする土地の面積が500㎡を超えるものは宅地造成に該当し、原則として都道府県知事の許可が必要となります。許可が必要な「一定規模の形質変更」とは、1.高さ2mを超える崖を生ずる切土、2.高さ1mを越える崖を生ずる盛土、3.切土・盛土を同時にする場合で2mを超える崖を生ずるもの(盛土部分の高さ1m以下)、4.1~3に該当しなくても土地面積が500㎡を超えるものです。本肢は4番に該当し、正しい肢となります。

【問】新たに指定された規制区域内において、指定の前にすでに着手されていた宅地造成に関する工事については、その造成主はその指定があった日から21日以内に、都道府県知事の許可を受けなければならない。

新たに指定された規制区域内において、指定の前にすでに着手されていた宅地造成に関する工事については、その造成主はその指定があった日から21日以内に、都道府県知事に届け出なければなりません。許可を受ける必要はなく、誤りとなります。宅地造成工事の許可を受けた者が、当該工事の計画を変更しようとするときは軽微変更を除いて都道府県知事の許可が必要(軽微変更=工事施行者の変更などは届出でOK)な点と比較。


宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあっては、その長をいうものとする。(2004年の宅建過去問 問-23)

【問】都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事についての許可に、当該工事の施行に伴う災害の防止その他良好な都市環境の形成のために必要と認める場合にあっては、条件を付することができる。

都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事についての許可に、当該工事の施行に伴う災害の防止のために必要と認める場合にあっては、条件を付することができます。良好な都市環境の形成のための条件を付することはできません。よって誤りです。

【問】宅地以外の土地を宅地にするための切土であって、当該切土を行う土地の面積が400平方メートルであり、かつ、高さが1mのがけを生ずることとなる土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。

切土部分の高さが2mを超えず、面積も500㎡を超えていないため宅地造成に該当しません。よって正しい肢となります。

【問】宅地以外の土地を宅地にするための盛土であって、当該盛土を行う土地の面積が1,000平方メートルであり、かつ、高さが80cmのがけを生ずることとなる土地の形質の変更は、宅地造成に該当する。

盛土部分の高さは1mを超えていませんが、面積が500㎡を超えているため宅地造成に該当します。よって正しい肢となります。


宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。(2007年の宅建過去問 問-23)

【問】都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内においても、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者に危害を生ずるもの(以下この問において「災害」という。)の発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができる。

都道府県知事は、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができます。しかし、造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域内において重ねて指定することができません。よって誤りです。


宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。(2008年の宅建過去問 問-22)

【問】都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、宅地造成工事規制区域又は造成宅地防災区域の指定のため測量又は調査を行う必要がある場合においては、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる。

都道府県知事は、宅地造成工事規制区域や造成宅地防災区域指定のため、測量または調査の必要がある場合は、必要限度において他人の占有する土地に立ち入ることができ、土地の占有者や所有者は、正当な理由がない限りこの立ち入りを拒むことができません(立入により損害を与えた場合は、通常生ずべき損失を補償します)。よって正しい肢となります。

【問】都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、宅地造成に伴う災害で、相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの防止のため必要があると認める場合は、その造成宅地の所有者のみならず、管理者や占有者に対しても、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。

都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、宅地造成に伴う災害で、相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの防止のため必要があると認める場合は、その造成宅地の所有者、管理者、占有者に対し、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができます。よって正しい肢となります。また都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地において行われている工事の状況について、その工事が宅地造成に関する工事であるか否かに関わらず、当該宅地の所有者、管理者、占有者に対して報告を求めることができます。


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