単体規定と建築協定の宅建過去問

宅建過去問:「単体規定と建築協定」の重要過去問を見ていきます。単体規定とは、都市計画区域の内外を問わずに適用される規定ですね。まだ出題されたことはありませんが出題されてもおかしくない規定が多くありますので、実はかんたん法令制限ページの単体規定も押さえておいてください。簡単なので出題された場合は確実に得点できるようにしておきましょう。

単体規定と建築協定の宅建過去問

次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。(2000年の宅建過去問 問-22)

【問】住宅は、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除き、その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。

法改正により当規定は削除されています。住宅の居室には採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して1/7以上としなければならない(換気のためには1/20以上の開口部が必要)という点を覚えておいてください。よって誤りです。尚、50ルクス以上の照明設備の設置等の措置が講じられているときは、10分の1以上までの範囲内とすることもできます

【問】高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。

高さ20mを越える建築物には、原則として避雷設備を設ける必要があります。よって正しい肢となります。

【問】高さ25mの建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。

高さ31mを越える建築物には、原則として非常用昇降機を設ける必要があります。本肢は25mなので誤りです。


建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2013年の宅建過去問 問-17)

【問】一室の居室で天井の高さが異なる部分がある場合、室の床面から天井の一番低い部分までの高さが2.1m以上でなければならない。

居室の天井の高さは、2.1m以上とする必要があります(天井の高さが異なる場合は平均の高さが2.1m以上)。一番低い部分とする本肢は誤りとなります。

【問】3階建ての共同住宅の各階のバルコニーには、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁等を設けなければなりません。各階(1階を含む)とする本肢は誤りとなります。

【問】石綿以外の物質で居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質は、ホルムアルデヒドのみである。

居室(居住用住宅に限らず居室を有する建築物全て)内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質には、石綿(アスベスト)、ホルムアルデヒド(接着剤)、クロルピリホス(シロアリ駆除剤)があります。よって誤りです。居室において石綿は飛散・発散による衛生上の支障がないよう注意しても使用することができませんが、ホルムアルデヒドとクロルピリホスは衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について一定の技術的基準に適合させることで使用することができる点にも少し注意。


建築基準法の建築協定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1993年の宅建過去問 問-24)

【問】建築協定を締結するには、当該建築協定区域内の土地(借地権の目的となっている土地はないものとする。)の所有者の、全員の合意が必要である。

建築協定の締結・変更には、土地所有者等全員の合意が必要です(廃止は過半数の合意)。よって正しい肢となります。

【問】建築協定は、当該建築協定区域内の土地の所有者が1人の場合でも、定めることができる。

他に土地所有者等がいない場合、所有者は一人で当該土地の区域を建築協定区域とする建築協定を定めることができます(認可の日から3年以内に協定区域内の土地に2人以上の土地所有者等が存することとなったときから通常の建築協定となる)。よって正しい肢となります。

【問】建築協定は、建築物の敷地、位置及び構造に関して定めることができるが、用途に関しては定めることができない。

建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠、建築設備に関する基準について定めることができます。よって誤りです。

【問】建築協定は、特定行政庁の認可を受ければ、その認可の公告の日以後新たに当該建築協定区域内の土地の所有者となった者に対しても、その効力が及ぶ。

建築協定について認可の公告があった場合、その公告日以後に当該建築協定区域内の土地所有者等となった者に対しても建築協定の効力が及びます。よって正しい肢となります。ちなみに建築協定の拘束力は借主にも及び、建築物の借主も土地の所有者等とみなされます


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