相続の民法大改正

相続の改正

今回は「相続」の改正点についてお送りします。

すごく重要ですが、簡単です。得点源です!


共同相続における対抗要件

1.遺言で相続分の指定や遺産分割方法の指定があった場合でも、法定相続分を超える部分については、登記や登録等の対抗要件を備えておかないと第三者に対抗できなくなりました

この点について従来は特に規定がありませんでした。遺言が強すぎたのです。

Aが死亡し、BCが相続人(相続分は各2分の1)だったケースを例に見てみると、AがB1人に特定不動産を相続させる遺言を残したにも関わらず、Cが当該不動産をDに譲渡してDが登記をした場合 → 従来のBは登記なしでDに対抗できました。

これでは遺言の存在を知らなかったDが可哀想すぎます。そこで改正民法では、「法定相続分を超える部分」についてBとDは対抗関係となり、先に登記を備えた方が勝つこととなりました。

2.承継対象の権利が「債権」である場合も少し変わっています

再度Aが死亡し、BCが相続人(相続分は各2分の1)だったケースを例に見てみると、Aが甲銀行に有していた1000万円の預金債権をB1人に相続させる遺言を残していた場合→ 従来はBCが共に甲銀行に通知することで、BがCの法定相続分を承継できました。

これではCも面倒ですし、相続人が多い場合は手続きが煩雑になりすぎます。そこで改正民法では、Bのみが遺言内容を明らかにした上で通知することで、相続人全員が通知したものとみなされることとなりました。

2つめは難問対策で、1つめは必ず覚えておいてください。

また、遺言により相続分が指定されていても、債権者は、法定相続分に従って相続債務の履行を求めることができるようになった点も頭の片隅に入れておいてください。


婚姻期間が長い夫婦の相続分

婚姻期間が20年以上の夫婦の一方(被相続人)が他の一方(相続人)に対して、居住用の建物または敷地を遺贈・贈与した場合、当該建物や敷地は遺産分割の計算対象から除外されることとなりました。

長年連れ添った配偶者は、今まで以上に多くの相続分を確保できるようになったということです。

「20年以上」の婚姻期間で「居住用」限定です。確実に覚えておきましょう。


遺産分割前に処分された遺産

遺産分割前にその財産が処分された場合、共同相続人は、その全員の同意により、処分された財産を遺産分割の対象として扱うことができます。

ちょっと分かりにくいので例を挙げますと、被相続人が死亡した直後、遺産分割が行われる前に、相続人ABCのうちAが遺産となるはずだった預金を使い込んでしまった場合などです。この場合、ABC3人の同意により当該預金を遺産として扱うことができます。

ABCの相続分が平等で、預金1000万円、不動産2000万円の遺産があった場合、Aの取り分はもうなくなったということですね。

遺産を使い込んだ張本人Aの同意が得られない場合は、BCのみの同意でも構いません


遺産の一部分割

改正民法により、一部のみの遺産分割も認められました。

遺言で禁止されている場合を除き、共同相続人間の協議により、いつでも一部分割が可能となります。

協議が調わないときは家庭裁判所に分割請求をすることもできますが、一部分割により他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合に分割請求は認められません。


以上、とても簡単な相続に関する改正点でした。どれも覚えやすいと思いますが、特に「遺言があっても法定相続分を超える部分は対抗関係」「一部遺産分割が可能となった」点は絶対に押さえておきましょう!


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