宅建まちがい探し(債権譲渡と債務引受)

宅建まちがい探し:今回は「債権譲渡と債務引受」のまちがい探し問題を見ていきます。たまに出題されたときは難問扱いの債権譲渡、改正民法で重要度は上がりましたが令和6年試験で出題されたばかりの債務引受…よって優先度は低めです。

宅建まちがい探し!債権譲渡と債務引受

【問1】ー

【問2】譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡を受けた第三者は、その意思表示の存在を知らなかったことにつき重大な過失がある場合、当該債権を取得することができない。

【問3】ー

【問4】債権者Aが債務者Bに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合、Bが異議をとどめない承諾をしても、Bは譲受人Cに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。

【問5】債権者Aが、債務者Bに対する貸金債権をC及びDに譲渡し、Cへは10月10日付、Dへは10月11日付のそれぞれ確定日付のある証書によってBに通知した場合で、いずれの通知もBによる弁済前に到達したとき、Bへの通知の到達の先後にかかわらず、CがDに優先して権利を行使することができる。

【問6】ー

【問7】ー

【問8】第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者と引受人となる者との契約締結時に、その効力が生ずる。


債権譲渡と債務引受の宅建試験問題
易しめの問題でも債権譲渡はややこしいですね…これでズバリ正解できたらラッキーというスタンスで十分、消去法でも対応できなかったら周りも解けない捨て問題です。

債務引受は短いサイクルでの連続出題も有り得ますので、できる限り分かりやすい民法解説の「債務引受」もご覧になっておいてください。

以下、解説(全て×)です!


1:ー

2:譲渡制限の意思表示がされた債権も譲渡の対象となり譲受人が悪意であり、または重過失がある場合でも債権譲渡は有効となります。この場合、債務者は譲受人に対して債務の履行を拒むことができます(=特約を譲受人が過失なく知らなかったときは履行を拒むこと不可)。ここは改正民法によりガラリと変わっていますので要注意です(譲渡制限特約がされた金銭債権の債務者は、債権が譲渡された場合に供託も可能となっています → 遅滞なく譲渡人と譲受人の双方に通知)。キーワードは「重大な過失」となります。

3:ー

4:上記3番の通り、債権譲渡の対抗要件は、譲渡人から債務者への通知 or 債務者による承諾という2つの方法があります。譲渡人Aが発送した債権譲渡の通知は債務者Bに到達していませんが、Bは債権譲渡について承諾をしていますよって譲受人Cは債権譲渡の対抗要件を備え、債権譲渡をBに対抗することができ、Bは譲受人Cに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができない、となります。条文知識を色々とひっくり返した応用問題で、キーワードは「承諾」となります。本試験ではこのような出題も多いので頭を柔らかく柔らかく…そして「異議をとどめない」も何も関係なく、余計な文章をくっつけるのも最近の宅建試験の出題パターンとなっています。

5:譲受人が複数いる場合ですね。複数の譲受人が正常に対抗要件(確定日付のある証書による通知 or 債務者の承諾)を有している場合、その優劣は通知の日付ではなく通知が到達した先後によって決せられます。キーワードは「通知の到達の先後にかかわらず」となります。

・確定日付ある通知と確定日付ない通知 → 確定日付ある通知の勝ち
・どちらも確定日付ある通知      → 先に到達した通知の勝ち
・確定日付ある通知が同じ日に到達   → 各譲受人は債務者に対して全額を請求できる(債務者は誰か一人に弁済すれば免責される)

6:ー

7:ー

8:第三者(引受人)が債務を負担し、従前の債務者は債務を免れる債務引受=免責的債務引受ですね。免責的債務引受の契約パターンとして、

・債権者と債務者と引受人で契約 = 契約締結時に効力発生
・債権者と引受人で契約     = 債権者が債務者に通知したときに効力発生
・債務者と引受人で契約     = 債権者が引受人に承諾したときに効力発生

となります。よって本肢の効力発生時期は債権者からの通知時で、キーワードは「契約締結時」となります。併存的債務引受と免責的債務引受の効力発生時期6パターンは確実に区別できるようにしておいてください。


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