宅建まちがい探し:今回は「契約不適合責任」のまちがい探し問題を見ていきます。売主の担保責任ですね。買主に移転した権利や目的物が、種類または品質(数量)に関して契約内容に適合しない場合に、買主に対して売主が負う責任となります。
- 宅建まちがい探し:契約不適合責任
以下、前提として「売主A、買主B、売買目的物甲に不適合=欠陥があった場合」とします。
【問1】A所有の甲土地にAが気付かなかった欠陥があり、Bもその欠陥に気付いておらず、かつ、気付かなかったことに過失がない場合、Aは担保責任を負う必要はない。
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【問4】Bに引き渡された目的物甲に欠陥があった場合、目的物を修補するか、または代替物を引き渡すかは、売主の選択によることになる。
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【問7】Bは、甲の欠陥を知らないまま契約を締結した場合、契約締結から1年以内に担保責任の追及を行わなければ、Aに対して担保責任を追及することができなくなる。
【問8】AがBとの間で締結した中古住宅甲の売買契約において、Aが甲について種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合であってもその不適合を担保すべき責任を負わないこととする特約を定めた場合、その特約は無効となる。
以前はややこしいところでしたが、改正民法により債務不履行として統一され覚えやすくなっていますね。宅建業法とも絡み重要なところですのでしっかり押さえておきましょう。
以下、解説(全て×)です!
1:契約不適合担保責任は、売主が負う無過失責任です。BはAの帰責事由を証明する必要すらありません。更に改正民法により買主の過失の有無も不問となりましたのでご注意ください(買主が悪意=不適合を知って買っているなら契約内容に適合しないとは言えず責任追及不可となります)。よって買主Bは売主に責任を追及することができ、間違いキーワードは「気付かなかったことに過失がない」となります。
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4:目的物に契約不適合がある場合、目的物を修補するか、代替物の引渡し(数量不足であれば不足分の引渡し)を求めるかは買主の選択によります。キーワードは「売主の選択」となります(買主に不相当な負担を課するものでなければ売主が変更することも可能)。尚、買主が相当期間を定めて履行の追完を催告し、その期間内に履行がない場合は代金減額請求が可能となります(追完不能、追完拒絶の明確な意思表示、定期行為は催告不要)。
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7:契約不適合担保責任を追及するには、「不適合を知ったとき」から「1年以内」に売主に「通知」する必要があります。契約締結時ではなく不適合を知ったときから、2年ではなく1年以内に、責任追及ではなく通知で足ります。この「 」内は3つともひっかけポイントなので正確に覚えておいてください。不適合を知ったときから1年以内に通知さえしておけば、担保責任の追及自体は消滅時効が成立するまで(不適合発見から5年、引渡しから10年)に行えばよいことになります。また売主が不適合について悪意または重過失ある場合は1年という期間制限も無くなります。キーワードは「契約締結から1年以内に担保責任の追及」となります。
8:担保責任の内容は当事者間で自由に軽減・加重でき、担保責任を一切負わないとする特約も有効となります。ただし、売主が知っていて告げなかった事実については免責されません。キーワードは「特約は無効」となります。尚、売主が宅建業者である場合、このような特約は無効となりますのでご注意ください。
宅建業法(宅建業者が自ら売主)での主な注意点として次の3つが挙げられます。
・民法よりも買主に不利な特約は不可
・通知期間が不適合を知ったときから1年以内ではなく「引渡しから2年以上」も有効
・相手方も宅建業者であるときは宅建業法の独自ルールは適用されない
めちゃくちゃ出題されますので、(当然ですが)宅建業法も力を入れておいてください!
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