行為能力と意思表示の改正問題

大きく改正された民法が過去問だとどうなるのか?「改正民法問題集」スタートです。空欄の問題を含む完全版は、宅建インプリご注文者様への付属とさせていただいております

行為能力と意思表示の改正問題

(2021年1月のメルマガより)皆さんこんにちは、杉山です。

今回より本格的に「改正民法問題集」スタートです。

詳しく解説した昨年の改正民法情報よりも軽く、過去の問題が改正民法でどう変わったかをメインにオリジナル問題も交えて見ていきます。

昨年の詳しい解説よりもだいぶ覚えやすいと思います。重要問題をパパッと見ていきますので軽くついてきてください。しかしあくまでも中~上級者用の練習問題となりますので、まずは分かりやすい民法解説や昨年の改正民法解説を先に少し読んでから、前提知識を少し把握してからご覧ください。

1週間か2週間に一度、土曜日か日曜日に配信いたします。

ではまずは1回目、意思能力…はあっさりしすぎますので行為能力と意思表示の問題から見ていきます!



【問1】AB間の売買契約が、Aが泥酔して意思無能力である間になされたものである場合、Aは、酔いから覚めて売買契約を追認するまではいつでも売買契約を取り消すことができ、追認を拒絶すれば、その時点から売買契約は無効となる。


【問2】ー


【問3】表意者Aが自分の真意ではないと認識しながら行った意思表示について、相手方がAの真意を知っていたか、または知ることができたときに限り、Aは当該意思表示の無効を主張することができる。


【問4】A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている場合において、AB間の契約がAの重要な錯誤によるものだった場合でも、重大な過失がないAは、AB間の契約の無効を主張し、Cに対して所有権を主張することができる。


【問5】A所有の土地をBに売り渡すAB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。


【問6】ー


【問7】ー


以下、解答と解説です。


【1…×】意思能力を欠く状態で意思表示を行った場合、当該法律行為は当初から無効なります。取り消すまでもなく、追認の対象にもなりません。元々誤りの肢でしたが、改正民法により明文化されましたので一応載せておきます。制限行為能力者が行った行為は一部の例外を除いて取消し対象となりますので比較しておいてください。


【2】ー


【3…×】意思表示=表意者が真意ではないことを知っていても原則として冗談では済まされず有効でしたね(心裡留保)。そして従来は相手方が「表意者の真意」を知っていた(知ることができた)場合に無効となりました。これが改正民法では「表意者の真意ではないこと」を知っていた(知ることができた)場合に無効となります。真意まで分からなくても真意でないことに気づいていれば十分となり、表意者は無効を主張しやすくなっています。この無効は善意の第三者に対抗できない点も押さえておいてください。


【4…×】改正前は無効となった錯誤ですが、改正により錯誤は「取消し」の対象となっています。重要な錯誤があり、重過失がなければ取り消すことができますが、この取消しは善意無過失の第三者には対抗することができません(心裡留保の無効は善意の第三者に対抗できず、第三者に無過失まで要求されていない点と比較)。また、改正民法により要素の錯誤」という言葉が条文から消えて「その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき」という長い文言に変わっていますが、便宜上重要な錯誤」とさせていただきます。


【5…×】動機の錯誤における動機が「法律行為の基礎とされていることが表示」されていれば取り消すことができますが、取消権者は錯誤に陥ったBです。取消権者=表意者のこれは重要です。また、出題時の錯誤は無効対象でしたので、取り消すことができるという点でも誤りの肢でした。


【6】ー


【7】ー


以上、改正民法の例題と解説でした。

昨年こまごまと見てきた改正民法も問題形式にすると覚えやすそうですね。こんな感じで、解説は少し詳しめにサクサクと見ていきたいと思います。


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