不動産鑑定評価基準の宅建過去問

宅建過去問:「不動産鑑定評価基準」の重要過去問を見ていきます。文字通り、不動産の鑑定評価を行うにあたり拠りどころとする基準ですね。条文通りの長文に細かい箇所を少し変えてひっかけてきますので、下手に文章を簡略化するよりも条文通り覚えてしまってください。出題パターンは決まっています。本試験直前に合格レベルに達していない方は、ここは捨てるのも賢明と言えます。「地価公示法」とどちらかが100%出題されます。

不動産鑑定評価基準の宅建過去問

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1999年の宅建過去問 問-29改題)

【問】不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、不動産の再調達原価に着目する原価法、不動産の取引事例に着目する取引事例比較法及び不動産から生み出される収益に着目する収益還元法に大別される。

条文通り。不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、不動産の再調達原価に着目する原価法、不動産の取引事例に着目する取引事例比較法、不動産から生み出される収益に着目する収益還元法に大別されます。よって正しい肢です。

【問】原価法における再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいうので、積算価格を求めるには、再調達原価について減価修正を行う必要がある。

条文通り。原価法における再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいうので、積算価格を求めるには、再調達原価について減価修正(=耐用年数に基づく方法と観察減価法を併用して修正する)を行う必要があります。よって正しい肢です。

【問】取引事例比較法における取引事例は、原則として近隣地域又は同一需給圏内の類似地域に存する不動産に係るものから選択し、必要やむを得ない場合には、近隣地域の周辺の地域に係るものからも選択できる。

条文通り。取引事例比較法における取引事例は、近隣地域または同一需給圏内の類似地域に存する不動産に係るものから選択し、必要やむを得ない場合には、近隣地域の周辺の地域に係るものからも選択できます。よって正しい肢です。

【問】収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であり、対象不動産の収益価格は、総費用を控除する前の総収益を還元利回りで還元して求められる。

収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であり、対象不動産の純収益は、総収益から総費用を控除して求められます。総収益を還元利回りで還元とする本肢は誤りです。


不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2001年の宅建過去問 問-29)

【問】不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別されるが、鑑定評価に当たっては、案件に即してこれらの三手法のいずれか1つを適用することが原則である。

不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、当該案件に即して適切に適用すべきですが、地域分析および個別分析により把握した対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映した複数の鑑定評価の手法を適用すべきです(複数の鑑定評価の手法の適用が困難な場合でも、できるだけ参酌するよう努める)。よって誤りです。

【問】取引事例比較法とは、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である。

条文通り。取引事例比較法とは、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法です。よって正しい肢です。

【問】収益還元法は、学校、公園等公共又は公益の目的に供されている不動産も含めすべての不動産に適用すべきものであり、自用の住宅地といえども賃貸を想定することにより適用されるものである。

収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものすべてに適用すべきものであり、すべての不動産に適用すべきとする本肢は誤りです。自用の住宅地についても賃貸を想定することにより適用されるという点は正解。


不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。(2010年の宅建過去問 問-25)

【問】不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因を価格形成要因といい、一般的要因、地域要因及び個別的要因に分けられる。

不動産の効用、相対的稀少性、不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因を価格形成要因といい、一般的要因、地域要因、個別的要因に分けられます。よって正しい肢です。

【問】正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。

正常価格とは、合理的な市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。よって正しい肢です。

【問】取引事例に係る取引が特殊な事情を含み、これが当該取引事例に係る価格等に影響を及ぼしているときは、適正に補正しなければならない。

条文通り。取引事例等に係る取引が特殊な事情を含み、これが当該取引事例等に係る価格等に影響を及ぼしているときは、適正に補正しなければなりません。よって正しい肢です。


不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。(2007年の宅建過去問 問-29)

【問】再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。

条文通り。再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいいます。よって正しい肢です。


不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1995年の宅建過去問 問-33改題)

【問】不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、これを最有効使用の原則という。

条文通り。不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)を前提として把握される価格を標準として形成され、これを最有効使用の原則といいます。よって正しい肢です。

【問】市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合または不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念のもとにおいて形成されるであろう市場価格と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格を特殊価格という。

市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合または不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念のもとにおいて形成されるであろう市場価格と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格を限定価格といいます。特殊価格とする本肢は誤りです。尚、不動産の性格により一般的に市場性を有しない不動産の経済価値を適正に表示した価格を特殊価格といいます。

【問】対象不動産の属する地域であって、居住、商業活動等人の生活と活動とに関し、ある特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを示している地域を同一需給圏という。

対象不動産の属する地域であって、居住、商業活動等人の生活と活動とに関し、ある特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを示している地域を近隣地域といいます。同一受給圏とする本肢は誤りです。尚、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域を同一需給圏といいます。


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