地価公示法の宅建過去問

宅建過去問:ここでは「税その他」の頻出過去問、重要過去問をピックアップして解説していきます。基礎知識は「意外とかんたん税その他」のページをご覧ください。まずは「地価公示法」の重要過去問を見ていきます。後ほどお送りします「不動産鑑定評価基準」とどちらかが毎年1問出題されますが、地価公示法の方が簡単ですので、こちらが出題されたら確実に1点を確保しておきましょう。一般の人が土地の適正価格を判断するのは難しいため、売主にも買主にも偏らない客観的な市場価格を正常価格として公示する制度=地価公示法が設けられています。

地価公示法の宅建過去問

地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2000年の宅建過去問 問-29)

【問】地価公示は、土地鑑定委員会が、公示区域内の標準地について、毎年1月1日における単位面積当たりの正常な価格を判定し、公示することにより行われる。

地価公示は、土地鑑定委員会が、公示区域内の標準地について、毎年1回2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価(個別に鑑定評価書を提出。連名不可。前年と同じでも提出の省略不可)を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日(1月1日)における単位面積当たりの正常な価格を判定し、公示することにより行われます。より詳しく書きましたが、正しい肢です。

【問】地価公示の標準地は、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定される。

地価公示の標準地は、自然的および社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定します(=都市計画区域外などでもOK。「類似」で「通常」であればよく、特に近接であったり良好な土地である必要はありません)。よって正しい肢となります。

【問】標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行われる。

標準地の鑑定評価は、不動産鑑定士が、1.近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、2.近傍類地の地代等から算定される推定の価格、3.同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を「総合的に勘案」して行います。よって正しい肢となります。いずれかを用いる、いずれかを勘案すると出題されたら誤りですので注意(よく出るひっかけ)。

【問】都道府県知事は、土地鑑定委員会が公示した事項のうち、当該都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面及び当該標準地の所在を表示する図面を、当該都道府県の事務所において一般の閲覧に供しなければならない。

関係市町村の長は、土地鑑定委員会が公示した事項のうち、当該都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面および当該標準地の所在を表示する図面を、当該市町村の事務所において一般の閲覧に供しなければなりません。よって、都道府県知事とする本肢は誤りです。


地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1990年の宅建過去問 問-32)

【問】標準地の単位面積当たりの正常な価格が判定されたときは、国土交通大臣は、その価格所在地等について官報で公示し、関係市町村に所要の図書を送付しなければならない。

公示区域内の標準地について単位面積当たりの正常な価格が判定されたときは、土地鑑定委員会は、その単位面積あたりの価格(総額でない点に注意)や基準日、所在地、形状、利用現況等について官報で公示し、関係市町村の長に所要の図書を送付しなければなりません(→ 市町村の長が一般の閲覧に供する)。よって、国土交通大臣とする本肢は誤りです。

【問】地価公示は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資することを目的とするものである。

条文通り。地価公示は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、および公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資することを目的とするものです。よって正しい肢となります。


地価公示法に係る次の記述のうち、正しいものはどれか。(2009年の宅建過去問 問-25)

【問】地価公示において判定を行う標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に、当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。

標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に、当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が「存しない」ものとして通常成立すると認められる価格をいいます(=地上権等が存する土地でも標準値に選定できるということです)。よって誤りです。


地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1996年の宅建過去問 問-33)

【問】都市及びその周辺の地域において土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を規準として取引を行わなければならない。

都市およびその周辺の地域において土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を「指標」として取引を行うよう努めなければなりません。「取引を行わなければならない」ではなく、「取引を行うように努めなければならない」という努力義務である点にも注意してください。よって、規準とする本肢は誤りです。


地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2011年の宅建過去問 問-25)

【問】土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならない。

土地収用法等により土地収用事業を行う者が公示区域内の土地を取得する場合、公示価格を規準として取得価格を定めなければなりません(公示価格を規準とする=当該対象土地と類似する利用価値を有する標準地との比較を行ない、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせること。最も近い標準地ではありません。公示価格と同額である必要もありませんので注意)。よって正しい肢となります


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