不動産登記法とは?

宅建権利関係解説:ではここより「分かりやすい民法解説」のオマケとして、民法以外の権利関係科目を一気に見ていきます!あくまでもオマケとして重要なポイントだけとさせていただきますが、逆に言えばものすごく重要なポイントですので、最低限ここでご紹介したものだけは必ず覚えておいてください。それだけでも得点できる確率が大きく変わってくると思います。では、「不動産登記法」について見ていきましょう!!

不動産登記法

不動産の所有権取得等は、登記をしなければ第三者に対抗することができない!

そもそも「登記」とは、不動産の所有権取得等についての勝ち負けの基準です。先に不動産を買っても登記をしなければ、後から買って先に登記をした者がその不動産所有権を取得します。これを「対抗問題」といいます。

不動産の取得以外にも、抵当権や地上権、地役権等を移転・設定した場合にも、それを第三者に主張するためには登記が必要となります。


登記は、登記官が登記記録を登記簿に記録することで行う!

登記記録とは、一筆の土地または一個の建物ごとに、表題部および権利部に区分して作成される電磁的記録をいいます。表題部とは、不動産の表示に関する登記が記録される部分をいい、表示とは、土地や建物の物理的な概況をいいます。権利部とは、所有権や抵当権等の権利に関する登記が記録される部分をいい、さらに甲区乙区に分けられます。

甲区には所有権に関する事項
乙区には所有権以外(抵当権や賃借権等)の権利に関する事項を記載します。


表示に関する登記には、所有者に申請義務がある!

表示に関する登記とは、土地を取得したり建物を建てた場合などに、表題部に記録される登記をいいます。建物を新築したり建物が滅失した場合は、それから1ヶ月以内に、所有者は表示に関する登記を申請しなければなりません。権利に関する登記については、申請義務がないことと比較しておいてください。


権利に関する登記が2つ以上ある場合、その権利の順位は、登記の先後による!

建物を新築した場合など、その不動産について最初に行う登記を所有権保存登記といいます。この登記は表題部所有者等が単独で申請するという点にご注意ください。そしてここから所有権移転登記や抵当権設定登記など、様々な登記が行われていくわけですが、それらの権利の優先順位は、原則として登記の先後によって決定します。


仮登記を本登記に改めると、本登記は仮登記の順位によることとなる!

仮登記とは、本登記の順位を保全するために、仮にしておく登記をいいます。つまり、後日仮登記を本登記に改めますと、仮登記のあと本登記の間までにその不動産について登記をした者よりも優先することができるのです。

仮登記から本登記の間にその不動産が第三者に移転されていた場合は、本登記に際してその移転登記を抹消することになりますが、その場合、仮登記権利者(本登記を申請する者)は、利害関係人である第三者の承諾情報を提供して抹消登記を申請します。また、第三者が承諾をしてくれない場合は、裁判の謄本(=コピー)を添付しても構いません。そして、登記官の職権により第三者の登記は抹消されることとなります。


登記は、原則として申請主義によってなされる!

登記は、当事者の申請または官庁・公署の嘱託によってなされます。例外として、不動産の表示に関する登記等は登記官の職権による登記が認められます。

登記を申請する者は、その物権変動の当事者です(共同申請主義)。たとえば売買契約においては、登記によって利益を得る買主を登記権利者、所有権を失うなど不利益を被る売主を登記義務者として、買主と売主が共同で申請します。共同申請主義の例外として、当事者の一方が単独で申請できる登記を5つ覚えておいてください。

保存登記
登記名義人変更登記
相続登記
登記手続を命ずる判決による登記(確認判決でないことに注意!)
仮登記義務者の承諾情報が提供された仮登記

また、登記の申請は、必ず電子情報処理組織を使用する方法または申請情報を記載した書面(磁気ディスクでも可)を提出する方法により行う必要があります。


登記申請には、一定の情報を提供しなければならない!

先に不動産を買っても登記をしなければ、後から不動産を買い登記をした者が優先するというお話をしました。それほど登記は強力で重要なのです。よって、登記を申請するには信用のために一定の情報を提供する必要があります。

申請情報:不動産を識別する事項や申請人の氏名等
登記原因証明情報:権利に関する登記を申請する場合に提供する
登記識別情報:登記義務者が本人であることを証明するための情報
住所証明書:登記権利者が本人であることを証明するための住民票
代理権限証書:司法書士に対する委任状

登記識別情報が提供できないときは、登記官は、登記申請があった旨、およびその申請が真実である旨を申し出るよう登記義務者に対し通知する必要があります。これを事前通知制度といいます。また、資格者代理人等が本人である旨を確認した場合は、事前通知は必要ありません。


登記簿は、誰でも見ることができる!

登記官に対して手数料を納付して、登記事項証明書(登記記録に記録されている事項の全部または一部を証明した書面)または登記事項要約書(登記記録に記録されている事項の概要を記録した書面)の交付を請求することができます。また、登記所に備えられている地図(公図)も、手数料を納付すれば誰でも見ることができるという点も覚えておいてください。


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【宅建試験問題 平成2年ー問15】不動産登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.一筆の土地の一部について地目の変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、土地の分筆の登記及び表示の変更の登記を申請しなければならない。
2.所有権の登記のある二筆の土地の合筆の登記を申請する場合、申請情報と併せて、合併前の双方の土地の所有権の登記の登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。
3.法改正により削除
4.所有権の登記のない土地と所有権の登記のある土地との合筆の登記は、申請することができない。
1 正:一筆の土地の一部について地目の変更があった場合、土地の分筆登記と表示変更登記を行う
2 誤:合併前のいずれか一筆の土地所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる
3 ー
4 正:相互に接続していない土地、地目・地番区域が相互に異なる土地、表題部所有者または所有権登記名義人が異なる土地、表題部所有者または所有権登記名義人が持分を異にする土地、所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地、所有権の登記以外の権利(地役権を除く)に関する登記がある土地は、合筆登記をすることができない
【宅建試験問題 平成7年ー問16】Aが一戸建ての建物を新築して建物の表題登記をし、これをBに売却したが、その後にAが死亡し、Cが相続した。この場合の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば正しいものはどれか。

1.Cは、申請情報と併せて相続を証する情報を提供して、建物の表題部所有者をCとする変更の登記を申請することができる。
2.Bは、申請情報と併せてCの承諾を証する情報を提供して、建物の表題部所有者をBとする変更の登記を申請することができる。
3.Cは、申請情報と併せて相続を証する情報を提供して、C名義の所有権の保存の登記を申請することができる。
4.Bは、申請情報と併せてCの承諾を証する情報を提供して、B名義の所有権の保存の登記を申請することができる。
1 誤:表題部所有者から他の者に所有権が移転した場合、所有権保存登記をした上で所有権移転登記を行う
2 誤:1番と同じ
3 正:所有権の保存登記は、表題部所有者またはその相続人その他の一般承継人、所有権を有することが確定判決によって確認された者、収用によって所有権を取得した者がすることができる
4 誤:3番の所有権保存登記ができる者に該当しないので、表題部所有者の相続人C名義で保存登記をした後、所有権移転登記を行う