絶対役立つ宅建業法 宅建業者の業務規制 重要度 ★★★★★


今回は「宅建業者の業務規制」についてお話いたします。

宅建業者が宅建業を行うにあたっての、義務、禁止事項、制限ですね。丸々2問以上+肢でちょこちょこ出題されますのでボリュームはありますが、ものすごく簡単です。何回か読み返せば単純知識やパターン化された引っかけ問題ばかりであることに気付くはずです。保全措置だけはやや複雑ですが、それでも間違える所ではないでしょう。

例によって前提知識は かんたん宅建業法 業務規制 8つの制限 をご覧ください。では、宅建業者の業務規制について、軽くマスターしていきましょう!


【問1】宅建業者は、営業保証金を供託した供託所に関する説明を、取引士ではない従業者に口頭で行わせることができる。

【問2】宅建業者が保証協会の社員である場合、売買契約成立までに社員である旨や当該協会の名称などを説明すれば、供託所等に関する説明は行う必要がない。

【問3】宅建業者は、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならないが、被害者が訴えない限り、違反した場合でも罰則に処せられることはない。

【問4】宅建業者は、その業務に関して過失により相手方に不実の事実を伝えた場合、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられ、またはこれらを併科される。

【問5】宅建業者は、不当に高額の報酬を要求した場合、実際に受領した額が国土交通大臣の定める報酬限度内であったとしても、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処せられ、またはこれらを併科される。

【問6】宅建業者は、当初提示した手付金の額を減額するとして、売買契約の締結を誘引してはならない。

【問7】宅建業者は、新築住宅の分譲代理業務に関する帳簿を、その閉鎖後5年間保存しなければならない。

【問8】宅建業者が自ら売主として、未完成建物について宅建業者でない者との間で代金4,000万円の売買契約を締結した場合、契約締結時に手付金200万円を受領し、当該建物の移転登記時に中間金として250万円を受領するには、450万円について保全措置が必要となる。

【問9】宅建業者が自ら売主として、未完成建物について宅建業者でない者との間で代金4,000万円の売買契約を締結した場合、契約締結時に手付金200万円を受領し、当該建物の移転登記後、引渡しまでに中間金として250万円を受領するには、450万円について保全措置が必要となる。

【問10】宅建業者が自ら売主として、未完成建物について宅建業者でない者との間で代金4,000万円の売買契約を締結した場合、契約締結時に手付金200万円を受領し、預り金とし250万円を受領するには、当該預り金が後日建物の代金に充当されるものでないときでも、450万円について保全措置が必要となる。

【問11】未完成物件については、保証委託契約または保証保険契約による保全措置を講じなければならず、指定保管機関による手付金等の寄託契約によって保全措置を講じることはできない。

【問12】宅建業者が手付金の返還債務について信託会社との間で保証委託契約を締結する場合、当該保証契約は、宅建業者が受領した手付金全部の返還債務を保証するものでなければならない。

【問13】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、買主が手付を放棄して売買契約を解除しようとしたが、既に売主として履行に着手していたときは、当該契約解除を拒否することができる。

【問14】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、宅建業者が保全措置を講じた後は、買主は手付を放棄して契約を解除することができない。

【問15】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者である買主Bと売買契約を締結した場合において、Aが瑕疵担保責任を負わないとする特約は有効である。

【問16】宅建業者が自ら売主として、解除条件付きで取得する契約を締結した建物を、宅建業者ではない者に売却する行為は宅建業法の規定に違反しない。

【問17】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者である買主Bと売買契約を締結した場合において、損害賠償額の予定として代金額の20%を定め、これとは別に違約金として代金額の10%を定めたときは、2/10を超える部分について違約金等の定めは無効となる。

【問18】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、損害賠償額の予定を定めていなかったときは、実際の損害額を証明して2/10超える額の賠償を請求することができる。

【問19】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と売買契約を締結した場合において、割賦金の支払いが遅延したときは30日以上の期間を定めて口頭で催告し、当該期間内に割賦金の支払いがなければ契約を解除することができるとする特約は無効となる。

【問20】宅建業者が自ら売主として、宅建業者ではない買主と締結した甲建物の売買契約が割賦販売契約である場合、代金の10分の3の支払いを受けるまで、宅建業者が担保目的で甲建物を譲り受けるとする特約は無効となる。



前回お伝えしたクーリング・オフ+問8以降は、宅建業者間では適用のない「8つの制限」「自ら売主制限」などと呼ばれるものです。宅建業者間であれば、2割を超える手付を保全措置なしで受領したり、瑕疵担保責任期間を引渡しから6ヶ月としたりとやりたい放題することができます。まずは必ず、「宅建業者自らが売主で、買主が宅建業者ではない」かどうかを確認してから問題を解くようにしてください。

☆必ず覚える!宅建業者間では適用されない8つの制限

クーリング・オフ 2保全措置 3手付の額 4瑕疵担保責任に関する特約
他人物売買 6損害賠償額の予定 7割賦販売 8割賦販売契約の解除

↓ では、少し濃い目に解答です ↓



【1…〇】供託所等に関する説明は、口頭で行ってもよく、取引士が行う必要もありません契約成立前に、契約の両当事者に説明することを要します(宅建業者には説明不要)。

【2…×】社員である旨などの説明の他、供託所およびその所在地について説明する必要があります。

【3…〇】被害者が告訴をしなければ、秘密保持義務違反の罰則(罰金50万円)は適用されません(=親告罪)。もちろん、宅建業法違反として監督処分の対象とはなります。刑法の知識なので深追いする必要はありませんが、名誉棄損や強制わいせつなど、事実が公になると被害者にも不利益が生じるおそれがあるために、被害者の告訴をもって初めて罪に問われる犯罪を親告罪と言います。

【4…×】宅建業者が「故意に」事実を告げず、または不実の事実を告げた場合に、罰則が適用されます。

【5…〇】実際に受領したかどうかは関係なく、不当に高額の報酬を「要求」すること自体が宅建業法違反となります。

【6…×】手付金の貸付けその他信用の供与により契約締結を誘引することは禁じられていますが、単なる減額は買主に不利とはならず、宅建業法違反にはなりません。貸付以外の信用の供与とは、手付金の立替、分割受領、支払期日の延期などがあります。ただし、代金を分割払いとすることは宅建業法に違反しません(キャッシュで不動産を買う人のほうが珍しく、当然ですね)。尚、手付貸与等の禁止規定は宅建業者間でも適用され、買主が宅建業者であっても、手付の貸与等により契約を誘引することは宅建業法違反となります

【7…〇】「自ら売主となる新築住宅」にかかる帳簿は閉鎖後10の保存が必要ですが、それ以外の帳簿は5年の保存となります。新築=10年と早とちりに注意!

【8…×】移転登記や引渡しと同時に授受される金銭については保全措置の対象とはなりません。よって、保全措置の対象は手付金200万円だけとなり、未完成物件で代金額の5%も1,000万円も超えていませんので保全措置は不要となります。

【9…×】物件引渡し前でも、移転登記が完了していれば保全措置は不要です。

10…×】保全措置が必要な手付金等とは、契約締結日から物件引渡し日までに授受され、後日代金に充当されるものを言います。後日代金に充当されない預り金について保全措置は不要です。契約締結前に授受された申込み証拠金等も保全措置の対象とはなりません(契約締結後に代金に充当される場合は、充当時に保全措置の対象となります)。

11…〇】指定保管機関による手付金等の寄託契約によって保全措置を講じることができるのは、完成物件の場合のみです。

12…〇】保証委託契約は、宅建業者が受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものである必要があります。

13…〇】相手方が履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を償還することにより契約を解除することができます。つまり、履行に着手していれば、解約手付による契約解除を拒むことができます。

14…×】宅建業者が保全措置を講じるのは宅建業法上の義務であって、履行の着手には該当しません。よって買主は、手付放棄により契約を解除することができます。

15…〇】瑕疵担保責任を負う期間は、原則として「買主が瑕疵を知ったときから1年」(←特約が無効のときは、この規定が適用されます)で、これより買主に不利な特約は無効となります。買主に不利でも唯一有効となる例外が「引渡しから2年」とする特約ですが、これらは宅建業者間では適用されません。宅建業者間であれば、瑕疵担保責任を負う期間を半年にしても、負わないとしても有効です(瑕疵担保責任を負わない特約をしていても、瑕疵を知りながら告げなかったときは原則通り責任を負います)。

16…〇】宅建業者は、宅建業者でない者との間で「自己の所有に属さない物件」の売買契約を締結することを禁止されています(=宅建業者間なら他人物売買も可)。自己の所有に属さない物件とは文字通り他人所有の物件の他、停止条件が付いた物件などを言い、解除条件付きや売買契約の予約がなされた物件など、「将来的に所有権を取得することが確実な物件」は、自己の所有に属する物件となります。尚、取得する契約を締結していれば、代金の支払いや物件の引渡し等が完了している必要はありません

17…×】損害賠償の予定額と違約金の額を合算して、代金額の2割を超えることは禁止されています(超えた場合は超えた部分について無効。売買契約自体が無効という引っかけに注意)。しかし、これも宅建業者間では適用されず、30%でも40%でも有効となります。

18…〇】宅建業者は、損害賠償額の予定を定めていなかったときは、実際の損害額を証明して、その額の賠償を請求することができます

19…〇】割賦販売の支払い催告は、30日以上の期間を定めて書面で催告することを要します。口頭催告からの契約解除は買主に不利な特約となり、無効となります。

20…×】割賦販売にかかる宅地または建物を買主に引渡し、かつ、代金の10分の3を超える支払いを受けた後は、担保目的で当該宅地建物を譲り受けることはできませんが、代金の10分の3の支払いを受けるまでの特約ですので、有効となります。


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