宅建勉強法~基本書は軽いインプット:宅建の基本テキストは、広く浅くを繰り返す!
- 宅建基本書の効果的な読み方
理解に重点を置いてじっくりと基本書を読み、必死に過去問を解き解説を熟読する・・。この漠然とした勉強方法=スタンダードな宅建勉強法と言えるでしょう。途中で挫折せず、しっかり時間をかければ、きっと「いつか」は宅建試験に合格できると思います。
しかし皆さん、もっと効率良くラクに宅建試験に合格できればいいな、と思いませんか?勉強ができる方、宅建試験にスムーズに合格する方は、「全体的に広くざっくり」123・・と覚えて本番で8割を取ります。長時間勉強したのに宅建試験に落ちる方は、「最初から順に狭くじっくり」123・・と覚えようとして30点ほどしか取れない結果となってしまいます。
イメージとしては、勉強ができる人は薄く薄く「渦を巻く」ように全体を取り込み、少しずつ知識を膨らませていく形となります。
宅建の勉強を始めよう!と思い立ち、
1ページ目から順々に基本書を読んでいく人は、落ちてしまう可能性が高い人です。合格する人 =大きなキャンバス全体に広く薄く色を塗り濃くしていく人
落ちてしまう人=大きなキャンバスの端から順に少しずつ色を塗っていく人
ここに宅建基本書の効果的な読み方をまとめておきますので、是非参考にしてみてください。
大きく流れを掴み、少しずつ理解する!
これが宅建の勉強を進める上での鉄則です。まずは「全体像」を意識するよう心掛けてください。
■宅建基本書の選び方
世の中には同じような宅建教材が数多く存在します。その中から皆さんが「これだ!」と見極め、年に一度しかない大切な試験の合否を託す基本書とするポイントはどこでしょうか?
あらゆる宅建教材に目を通してきましたが、初心者用の入門書でもない限り、「一応」「やる気さえあれば」「大半のテキストで」「合格はできる」と言えます。しかし、テキスト次第で必要な努力の度合いや勉強のストレスが大きく変化します。
浅すぎる教材は論外ですが、解説が細かすぎる基本書も良い基本書とは言えません。出題可能性のある箇所を片っ端から載せておくことはすごく簡単です。「細かすぎる」=逆にペラペラです。効率良く合格していただくための「情報の取捨選択こそが教材作成側の腕の見せ所」と考えています。
文章で分かりやすく説明した上で間違えやすい箇所は比較表にして、更に整理しやすいまとめ表や理解を助ける事例での解説など、様々な【角度】から視点を変え【繋がり】を意識してバランス良く覚えられる基本書をお選びください。
インプリで意識していることですが…「角度を変えた見方」「繋がり・比較(ひっかけ対策)」がストレスなく記載され、「小回りの利いた復習」がスムーズにできる宅建教材を使用してください。
■基本書はまず20~30%の理解でOK
基本書をじっくり読み、初めから順に全てを理解しようとする・・。一見普通の宅建勉強法ですが、実はこれが大問題です。時間が経てば前に覚えたはずの箇所を忘れてしまっています。
効率の悪い勉強法の典型で、毎日何時間もの勉強時間を要してしまいます。そして長時間の勉強の割には理解もついてきていません。目標は「理解」ではなく「宅建合格」のはずです。
初手から完璧を目指すのは絶対にやめてください。
基本書を読んでいて分からない箇所があると、そこから先に進まない律儀な人がいます。これは、宅建試験の受験対策上とても損なことです。先に進んで全体を見渡せば、なぜそんなところで悩んでいたのか気付くケースが多々あります。もしくは捨ててもいい難問ポイントかもしれません。
基本書に記載してある「ここ」と「ここ」の違いが分からないなどといった疑問は解消すべきですが、基本書に記載されていない「これはなぜそうなる」「ではこの場合はどうなる」といった+アルファの疑問は労力の浪費です。必要であれば記載してあるはずです。質の低い宅建教材でない限り、説明がないということは出題可能性が低いということです。「説明が薄くて気になる」ではなく「そこは重要ではないんだな」と思うようにしてください。
分からないままで構いませんので、とりあえず先に進んでみてください。最初から全てを覚えようとせず、理解できない部分はパスして、どんどん先に進んでください。休みの日にまとめて数時間ではなく、毎日軽くでいいので、広く浅くなるべく早い復習を繰り返してください。
まずはふんわり流し読む → 要点を意識して流し読む → 細部を意識して流し読む
いきなり内容を理解しようとしないでください。全体像を掴み、要点を意識し、そして初めて理解に繋げていってください。早い復習を重ねるごとに「自然と」読み方も深まっていくはずです。
休みの日にまとめて何時間も勉強するより、毎日少しずつ早い復習を繰り返したほうがはるかに効果的です。「覚えること」そして「知識の定着」に最も大切なのは『素早い復習』です。詳しくは「記憶のメカニズムを知って効率的に覚えよう」をご覧ください。
■科目ごとの特徴に合わせて勉強をする
・権利関係(出題14問:目標8~10点)
一言で言えば、「難しい」。闇雲に覚えようとしないことです。お手持ちの宅建テキストが細かく分厚い場合は、特に要注意です。項目ごとに重要なポイントがありますので、そこを重点的に勉強してください。単純な暗記ばかりでなく、事例に則して理解することも大切です。一度「考え方」を理解できれば、他の暗記科目より忘れにくい科目とも言えます。当サイトの「分かりやすい民法解説」も活用していただければと思います。(理解6:暗記4)
・宅建業法(出題20問:目標18~20点)
権利関係とは逆に、一言で言えば「簡単」です。宅建試験の合格者がもっとも得点を稼ぐ科目です。ここで得点を稼げないと宅建合格が厳しくなります。過去問で繰り返し出題されているパターン化した問題がほとんどですので、早い復習で正確な知識を得るように心がけてください。簡単ですが、紛らわしいひっかけ問題に注意が必要です。「かんたん宅建業法」と「絶対役立つ宅建業法」で満点を目指してください。(理解3:暗記7)
・法令上の制限(出題8問:目標6~7点)
・税その他 (出題8問:目標5~6点)
宅建試験の合否を分ける科目と言えます。基本的には簡単なのですが、難しい知識も多少出題されます。と言うより、見慣れない言葉が多く、その単語のせいで難しいという錯覚に陥ってしまいます。これらの科目を苦手としている宅建受験生は多く、合格できない原因となっています。しかし、慣れてさえしまえば宅建業法以上に単純な暗記科目です。覚えては忘れ、早い復習を繰り返してモノにしてください。「実はかんたん法令制限」「意外とかんたん税その他」「絶対役立つ法令制限」で苦手意識を取り除きましょう。(理解1:暗記9)
宅建業法で20点近く確保することができれば、残り30問で半分ほど取れば35点前後となります。2問に1問も間違えていいのに、ほぼ合格ラインに到達です・・が、残りの30問も、農地法や開発許可など確実に取る10問を知っていれば宅建業法と合わせて30点です。残りの20問がグダグダでも5問を取れば35点です。4択なので確率的に知識0でも取れる点数です(知識0ということもないでしょう)。
近年は更に2~3点上乗せしたいところですが、効率良く勉強し、「取るべき問題を確実に取る」ことで合格へのハードルを大幅に下げることができます。
■法律の制定理由を考える
理解とは少し違いますが、分野分野ごとに何故このような決まりがあるのか?という根本的な事情を意識しておくと知識が入ってきやすくなります。
例えば、信号機の並びが「赤黄青」「青黄赤」どちらが正解か分かりますか?よく車に乗っている人でなければ間違えてしまうかもしれません。ここで答えを知っても、またすぐに忘れてしまうかもしれません。
しかし「木などがあることが多いのは歩道側で、最も木に隠れてはいけない色は赤」という根本的な事情を知っていれば「青黄赤」が正解であることが分かり、そしてもうなかなか忘れないでしょう。歩行者信号も同じです。なるべく見えているべきは赤、トラックなど大きめの車に隠れる可能性が高いのは下の方、つまり「上が赤、下が青」となります。もう忘れませんね。
このような覚え方ができる箇所が宅建試験にも多々あります。この法律が何のためにあるのか?誰のためにあるのか?を意識しながら勉強をしてみてください。
■基本書を自分だけのものにする
基本書を自分だけのオリジナルに育てます。基本書を何度か読んだら、重要と思える箇所に自分なりの色を塗るなど、まっさらな状態から汚い宅建テキストに育てていってください。汚さのクセも記憶に繋がります(あまりゴチャゴチャとカラフルでも覚えにくく、人間がストレスなく「見やすい」「覚えやすい」と感じるのは3色までのようです)。
基本書の要点をノートにまとめる方がいますが、これはおすすめとは言えません。時間がかかりすぎます。ノート作成が目的となってしまい、「勉強をしたつもり」になってしまう危険性もあります。基本書の要点を丸写しするだけのノート作成は絶対にやめてほしい宅建勉強法と言えます。
記述式の試験であれば書き写しや要点のまとめも良い練習となり理解にも繋がりますが、宅建試験のような択一式の試験は「読む」を繰り返してパターンを掴むことの方が重要です(手を動かすことで覚えやすくもなるので、線を引いたりメモ書きは有効です)。
どうしてもノートを作りたい方は、3回読んで少し理解した上で「自分の言葉でまとめた」ノートを作ってください。それならば割と効率よく覚えることができます。しかしやはり、理解し、整理し、再配置するという作業は高度なものと言えます。本当にその作業で効果を得ることができる人は少数と思ってください。大半の方は「頑張った感じ」に満足して勘違いの達成感にすり替わって時間を浪費してしまいます。
綺麗なノートを作るのではなく、ペンを片手にとにかく早い復習を繰り返してください。塗り潰しながら、線を引きながら、チェックを入れながら、ちょっとメモをしながら、軽く何度も読み返してください。
↑結局これが最強です
ノート作成よりも「勉強をしたつもり」に陥る危険性は低いですが、もちろん線を引いただけで満足せず、その部分を意識して勉強を進めていってください。
■頭の中で宅建試験問題を作成する
ある程度の知識ができたら、後は自問自答する癖をつけながら基本書を読んでみてください。宅建試験の問題を作成するつもりで基本書を読むと「何が問題になりうるのか」を意識することになります。
↑最強の宅建勉強法part2です
その際のコツは第三者に出題するつもりで「間違えさせてやれ」の精神をもって問題を作成することです。こんな問題が出たらイヤだなぁ・・間違えるかも・・と意識することで大幅なレベルアップが見込めます。
ここまで考えることができるようになれば、宅建合格はもう目の前です!
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