売主の担保責任で押さえる過去問

宅建過去問:「売主の担保責任」の重要過去問を見ていきます。売買契約の目的物に問題があった場合に、買主が損害を受けないよう、売主に課せられた特別な責任をいいます。契約が約束通り守られない場合の約束事ですね。複雑ですが、ここはとにかく慣れです。何度も読み返し、パターンを掴んでおいてください。

売主の担保責任の宅建過去問

■AからBが建物を買い受ける契約を締結した場合(売主の担保責任についての特約はない)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(1999年の宅建過去問 問-10)

【問】この建物がCの所有で、CにはAB間の契約締結時からこれを他に売却する意思がなく、AがBにその所有権を移転することができない場合でも、AB間の契約は有効に成立する。

他人物売買も有効に締結することができ、売却する意思がない場合も同様です。売主は権利を取得し、買主に移転する義務を負います。よって正しい肢となります。

【問】Aが、この建物がAの所有に属しないことを知らず、それを取得してBに移転できない場合は、BがAの所有に属しないことを知っていたときでも、Aは、Bの受けた損害を賠償しなければ、AB間の契約を解除することができない。

善意悪意に関わらず、売主は権利を取得して買主に移転する義務を負います。移転できない場合は債務不履行責任となり、履行遅滞、履行不能、債権者に帰責事由があるか・・などの問題となります。よって誤りです。

【問】AがDに設定していた抵当権の実行を免れるため、BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合で、BがAB間の契約締結時に抵当権の存在を知っていたとき、Bは、Aに対し、損害の賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はすることができる。

抵当権の目的不動産の第三取得者は、売買契約締結時に抵当権の存在を知っていても、売主に対して損害賠償の請求をすることができます。よって誤りです。

【問】Bが、この建物の引渡し後、建物の柱の数本に、しろありによる被害があることを発見した場合は、AがAB間の契約締結時にこのことを知っていたときでないと、Bは、Aに損害賠償の請求をすることはできない。

瑕疵担保責任は無過失責任です。よってBは損害賠償請求ができ、誤りとなります。改正民法により、隠れたる瑕疵についても無過失責任ではなく、その不適合が「契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるとき」は損害賠償請求ができないことがあります。よって、この問い方では一概に正誤判断はできなくなりました。


■土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。(1989年の宅建過去問 問-4)

【問】その土地に隠れた瑕疵があって、買主がそのことを知らなかったときは、買主は、その事実を知ったとき、瑕疵の程度に関係なく、契約を解除することができる。

上記解説の通り、債務不履行の問題となります。買主の善意悪意は問わず、目的不達成時~といった条件もなくなりました。よって誤りです。

【問】その土地に権利を主張する者がいて、買主が買い受けた土地の所有権の一部を失うおそれがあるときは、買主は、売主が相当の担保を提供しない限り、その危険の限度に応じて代金の一部の支払いを拒むことができる。

問題文の通り、売主が相当の担保を提供しない限り、買主はその危険の程度に応じて代金の全部または一部の支払いを拒むことができます。よって正しい肢となります。

【問】その土地に抵当権が設定されていて、買主がそのことを知らなかったときは、買主は、その事実を知ったとき、抵当権行使の有無に関係なく、契約を解除することができる。

買主は、抵当権消滅請求の手続きが終わるまで代金支払いを拒むことができ、費用を支出して所有権保存登記をしたときは、その費用の償還を売主に請求することができます。抵当権が実行されて所有権を失った場合~という条件はなくなりました。よって誤りです。


■AがBからBの所有地を買い受ける契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、Aがその善意悪意に関係なく、契約を解除することができるものは、どれか。(1991年の宅建過去問 問-11)

【問】その土地の一部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができず、残りの土地だけではAが買うことができないとき

【問】その土地の全部が他人のものであって、BがAに権利を移転することができないとき

【問】その土地に隠れた瑕疵があり、契約の目的を達成することができないとき

【問】その売買が実測面積を表示し、単価を乗じて価格が定められている場合において、その面積が著しく不足していたとき

一部他人物でも、全部他人物でも、隠れたる瑕疵でも、数量不足でも、悪意でも善意でも、全て債務不履行の問題となります。履行追完請求や代金減額請求、催告の必要性の有無など、それぞれのケースについて下記の解説で確認しておいてください。


■Aが 1,000㎡の土地について数量を指示してBに売却する契約をBと締結した場合の、売主Aの担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。(1993年の宅建過去問 問-8)

【問】その土地を実測したところ 700㎡しかなかった場合、Bは、善意悪意に関係なく、代金の減額を請求することができる。

引き渡された目的物の種類、品質、数量に関して契約内容に不適合がある場合、買主は、目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しを請求することができます(無理なら代金減額や解除、損害賠償の問題となる)。

【問】その土地のうち 300㎡がCの所有地で、AがBに移転することができなかった場合、Bは、善意悪意に関係なく、代金の減額を請求することができる。

売主は権利を取得して買主に移転する義務を負う。無理なら債務不履行の問題。

【問】その土地のすべてがDの所有地で、AがBに移転することができなかった場合、Bは、善意悪意に関係なく、契約を解除することができる。

1つ上の一部他人物と同様です。権利を取得して移転できなければ追完請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求。

【問】その土地にEが登記済みの地上権を有していて、Bが利用目的を達成することができなかった場合、Bは、善意のときに限り、契約を解除することができる。

目的物について権利を主張する者があることその他の事由により、買主が権利の一部または全部を取得することができず、または失うおそれがある場合、その危険の程度に応じて代金の全部または一部の支払いを拒むことができます。


■Aは、B所有の土地建物をBから買い受け、その際「Bは瑕疵担保責任を負わない」旨の特約を結んだが、その土地建物に隠れた瑕疵が存在して、契約をした目的を達成することができなくなった。なお、Bは、その瑕疵の存在を知っていた。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。(1992年の宅建過去問 問-5)

【問】特約を結んだ以上、Aは、Bに対し、契約の解除をすることができない。

売主が瑕疵担保責任を負わないとする特約も原則として有効ですが、売主が目的物の瑕疵を契約前から知っていたにもかかわらず、それを買主に告げなかった場合は無効となります。よって本肢の特約は無効となり、誤りとなります。

【問】特約があっても、Aは、瑕疵の存在を知ったときから1年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。

特約は無効ですので、買主は「不適合を知ったときから1年内に通知」をすることで契約解除が可能となります。よって改正民法により誤りです。

【問】特約があっても、Aは、瑕疵の存在を知ったときから2年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。

買主は、不適合を知ったときから1年内に通知しなければなりません。よって誤りです。

【問】特約があっても、Aは、土地建物の引渡しを受けたときから2年間は、Bに対し、契約の解除をすることができる。

買主は、不適合を知ったときから1年内に通知しなければなりません。よって誤りです。「引渡しから2年は可」というのは宅建業者の瑕疵担保責任で出てくる特約ですね。


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