地上権や先取特権などの重要過去問

宅建過去問:出題可能性の低い「その他の物権」の問題をまとめて見ていきます。ほとんど出題されませんが、とても簡単ですので軽く読んで頭に入れておいてください。留置権は少し重要です。

その他の物権の宅建過去問

地上権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。(1988年の宅建過去問 問-5)

【問】地上権は、不動産に関する物権の一つであるから、その設定及び移転は、登記をしなければ、効力を生じない。

登記は第三者に対する対抗要件にすぎず、物権の設定および移転は、当事者の意思表示によって効力を生じます。よって誤りです。

【問】地上権者は、土地の所有者の承諾がなくても、その土地を他に転貸することができる。

地上権は物権ですので、土地の転貸に所有者の同意は不要で、賃貸借との違いに注意です。よって正しい肢となります。

【問】地上権は、抵当権の目的とすることができる。

地上権や永小作権は抵当権の目的とすることができます。よって正しい肢となります。

【問】土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地のみに抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなされる。

抵当権で学習した通り、1.抵当権設定当時、土地の上に建物が存在している、2.抵当権設定当時に土地と建物とが同一所有者に属している、3.競売の結果、土地と建物とが別の人の所有となったこと、という法定地上権の成立要件を満たすため、正しい肢となります。


地上権又は地役権に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1981-4)

【問】地下又は空間は地上権の目的とすることができない。

地下でも空中でもその範囲を定めて、地上権の目的とすることができます。よって誤りです。


担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(2007年の宅建過去問 問-7)

【問】建物の建築工事の費用について、当該工事の施工を行った者が先取特権を行使するためには、あらかじめ、債務者である建築主との間で、先取特権の行使について合意しておく必要がある。

先取特権は法定担保物権であり、先取特権を行使するために、あらかじめ合意しておく必要はありません。よって誤りです。


留置権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(2013年の宅建過去問 問-4)

【問】建物の賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除された後に、賃借人が建物に関して有益費を支出した場合、賃借人は、有益費の償還を受けるまで当該建物を留置することができる。

債務不履行により賃貸借契約を解除されたにも関わらず、賃借人が建物を不法占拠する間に有益費を支出しています。不法行為による占有で留置権は成立しません。よって誤りです。

【問】建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできない。

建物について生じた必要費で敷地を留置することはできません。また必要費を償還すべき建物賃貸人と引渡請求権を有する敷地所有者も別人です。二重で留置権を行使できず、正しい肢となります。


留置権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(2020年の管理業務主任者過去問 問-4)

【問】AB間で建物甲(以下、本問において「甲」という。)につき売買契約が締結されたが、買主Bが代金を支払わずに甲をCに転売し、Cへの登記を済ませた場合においては、Aは、Cからの甲の所有権に基づく引渡請求に対し、甲について留置権を主張することができる。

物権である留置権は債務者だけではなく、目的物の譲受人に対しても主張することができます。よって正しい肢となります。

【問】AB間で甲につき売買契約が締結され、売主Aが買主Bへの登記を済ませたが、代金の支払いがなされていなかった場合において、Bへの引渡し前に甲が火災により焼失したときは、Aは、売買代金を確保するため、Bが取得する火災保険金請求権に対し、留置権に基づく物上代位をすることができる。

留置権は目的物を留置するだけの権利であり、留置権に物上代位性はありません。よって誤りです。

【問】Aが、Bに甲を譲渡し、その後、Cにも甲を譲渡した場合において、CがBより先に登記を備えたときは、Bは、Aに対する履行不能に基づく填補賠償請求権を保全するため、甲について留置権を主張することができる。

第一の買主Bは登記を備えた第二の買主Cに対抗することはできません(=Bは履行不能を理由とする売主に対する損害賠償債権に基づいて留置権を主張することはできない)。よって誤りです。

【問】AB間における甲の賃貸借契約が終了し、賃借人Bが賃貸人Aに対して造作買取請求権を行使した場合においては、Bは、その造作代金債権を保全するため、甲について留置権を主張することができる。

造作買取請求権による代金は造作に関した債権であり、建物に関して生じた債権とはいえないため、建物について留置権を主張することはできません。よって誤りです。


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