宅建まちがい探し:法令上の制限の得点源第6位、「土地区画整理法」のまちがい探しを見ていきます。前回の建築確認は簡単なので出題されたら取るべき1問、今回の土地区画整理法は面倒ですが取りたい1問となります。出題可能性は土地区画整理法の方が遥かに「上」です。土地区画整理法が出題されない年はないと思ってください。
- 宅建まちがい探し!土地区画整理法
【問1】土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
【問2】土地区画整理組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、5人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。
【問3】ー
【問4】組合施行事業の施行地区内において、当該事業の施行の障害となるおそれのある建築物の新築を行おうとする者は、土地区画整理組合の許可を受けなければ行うことができない。
【問5】個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
【問6】ー
【問7】ー
【問8】地方公共団体施行の場合、施行者が仮換地を指定して、従前地に存する建築物等を移転し、または除却するときは、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
【問9】ー
【問10】ー
【問11】ー
【問12】換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事がすべて完了した後でなければすることができない。
【問13】ー
【問14】ー
【問15】換地処分に係る公告後、従前の宅地について存した抵当権は消滅するので、換地に移行することはない。
【問16】土地区画整理事業の施行より設置された公共施設は、換地処分の公告があった日の翌日において、原則として施行者の管理に属する。
以下、解答(全て×)です。
全て誤り(=×)の問題となっています。
重要な補足たっぷりです。
法令制限でトップクラスに面倒なところですので、ここは気合で頑張りましょう!
更に詰めたい方は「実はかんたん法令制限」をご参照ください。
1:土地区画整理事業とは、都市計画区域内において行われる、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るための土地区画形質の変更、公共施設の新設・変更に関する事業をいいます。民間施行であれば市街化調整区域内でも施行可能ですが、公的施行の場合は都市計画事業として施行(=都市計画で定められた施行区域内に限る)され、市街化区域または非線引区域に限定されますのでご注意ください。間違いキーワードは「都市計画区域外」となります。
2:土地区画整理組合を設立しようとする者は、7人以上共同して、定款等を定め、施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者(所有権者・借地権者)の2/3以上の同意を得て、設立について都道府県知事の認可を受ける必要があります。この所有権者には一部を承継した者も含まれ、借地権者には未登記の借地権者も含まれる点に注意してください。キーワードは「5人」となります。ほとんど出題されたことはありませんが、組合を解散する場合は都道府県知事の認可+借入金がある場合は債権者の同意が必要となります。
3:ー
4:組合施行の土地区画整理事業において、設立認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までに、施行地区内において土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更もしくは建築物その他の工作物の新築・改築・増築を行い、または政令で定める移動の容易でない物件の設置・堆積を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。キーワードは「土地区画整理組合の許可」となります。これ頻出問題です。尚、建築制限に違反した場合、都道府県知事等は、相当の期間を定めて土地の原状回復や建築物等の移転・除却を命ずることができます。
5:保留地の定めに土地区画整理審議会の同意が必要となるのは公的施行の場合で、そもそも民間施行で土地区画整理審議会は設置されません。公的施行による土地区画整理事業については、事業ごとに土地区画整理審議会が置かれます。キーワードは「個人施行者」となります。尚、保留地の購入者は、その使用・収益権を獲得するため自由に建築物の新築等を行うことができ、施行者等の承諾も不要となります。購入者がいない場合の保留地は、換地処分の公告があった日の翌日において施行者が取得します。
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8:従前の宅地や公共施設の用に供する土地に存する建築物等の移転・除却が必要となったときは、施行者がこれらの建築物等を移転・除却することができ、土地区画整理審議会の意見を聴く必要はありません。キーワードは「土地区画整理審議会の意見」となります。尚、都道府県知事による施行地区内における建築行為等の許可には施行者の意見聴取が必要となり、こちらも土地区画整理審議会の意見聴取ではありません。公的施行にひっかけた土地区画整理審議会の意見聴取とする問題がちょこちょこ出題されますので注意してください。
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12:土地区画整理事業の工事が完了すると、換地処分がなされます。換地処分は、原則として換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後に行われますが、規準・規約・定款・施行規程に別段の定めがある場合、全部の工事が完了する以前においてもすることができます。キーワードは「すべて完了した後」となります。換地処分は、換地計画に係る区域の全部についてしなければならない点も頭の片隅に入れておきましょう。
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15:換地について定められた抵当権等の目的となるべき宅地は、公告があった日の翌日から従前の宅地について存した抵当権等の目的である宅地とみなされます。ちょっと分かりにくいですが、従前の宅地に存した抵当権は、換地上に存続するということです。キーワードは「従前の宅地について存した抵当権は消滅する」となります。尚、換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利(+行使する利益がなくなった地役権)は、公告があった日が終了した時において消滅します。
16:土地区画整理事業の施行により設置された公共施設は、原則として、換地処分の公告のあった日の翌日に、公共施設の所在する市町村の管理に属します(管理すべき者について他の定めがあればそちらが優先する)。キーワードは「施行者」となります。尚、土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分に係る公告があった日の翌日において、その公共施設を管理すべき者に帰属します。
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