宅建まちがい探し:今回は「借地借家法」のまちがい探し問題を見ていきます。権利関係のまちがい探しもついに最終回です。覚えることが多く難易度も低くありませんが、確実に2問が出題されますので最後にもうひと踏ん張りがんばりましょう。
- 宅建まちがい探し:借地借家法
(問1~10は建物賃借権、問11~20は借地権の問題となります)
【問1】建物の賃貸借においては、その存続期間の最長限度に制限はなく、存続期間を1年未満とすると、その期間は1年とするものとみなされる。
【問2】Aが所有する建物をBに対して3年間賃貸する旨の契約をした場合において、AがBに対し、賃貸借契約の期間満了の1年前に更新をしない旨の通知をしていれば、AB間の賃貸借契約は期間満了によって当然に終了し、更新されない。
【問3】期間の定めのない建物賃貸借契約において、賃貸人が解約の申入れを行い、その通知に正当事由がある場合は、解約の申入れの日から3月を経過した日に契約は終了する。
【問4】ー
【問5】貸主A及び借主B間の建物賃貸借契約においてBが賃料減額請求権を行使したが、AB間の協議が調わない場合、賃料減額の裁判の確定時点から将来に向かって賃料が減額されることになる。
【問6】ー
【問7】ー
【問8】ー
【問9】AがBに対し、A所有の建物を3年間賃貸する旨の契約をする場合において、契約の更新がない旨を定めるには、公正証書による等書面によって契約すれば足りる。
【問10】AがBに対し、A所有の建物を3年間賃貸する旨の契約をする場合において、契約の更新がない旨を定めたとき、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。
【問11】Aが所有している土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有を目的とするCに貸す場合、AB間の土地賃貸借契約の期間は、AB間で60年と合意すればその通り有効であるのに対して、AC間の土地賃貸借契約の期間は、上限が50年となる。
【問12】ー
【問13】借地権の存続期間が満了する際、借地権者の契約の更新請求に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する。
【問14】借地権の存続期間が満了する前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を建築した場合、借地権設定者が異議を述べない限り、借地権は建物が築造された日から当然に20年間存続する。
【問15】ー
【問16】ー
【問17】ー
【問18】ー
【問19】借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
【問20】ー
大ボリュームとなりましたが、これで「2点」を確保できますのでコツコツと覚えていってください。民法上の賃貸借と借家権、そして借地権をしっかり区別することが大切です。
以下、解説(全て×)です!
1:民法上の賃貸借契約の存続期間は上限が50年となりますが、借地借家法上の建物賃貸借契約については、存続期間の最長限度に制限はありません。逆に最短期間として、契約期間を1年未満と定めた場合、期間の定めのない賃貸借とみなされます。間違いキーワードは「その期間は1年とするものとみなされる」となります。以下、「民法上の賃貸借契約」と「借地借家法上の建物賃貸借・借地権」は意識して区別していってください。尚、後述する定期建物賃貸借は1年未満の契約期間も有効となります。ちなみに厳密には借家権というものは存在せず、借地権と分かりやすく区別するために、建物賃借権が便宜上「借家権」と呼ばれています。
2:期間満了時に契約を終了させるには、期間の満了の1年前から6ヶ月前までの間に、相手方に対して更新拒絶通知をする必要があります。この更新拒絶通知は、賃借人からは正当事由が不要、賃貸人からは正当事由が必要な点は必ず覚えておいてください。賃借人が引越しをするのは自由ですが、賃貸人から理由なく出ていけと言われても困りますよね。更に賃貸人が正当事由ある更新拒絶の通知を行ったとしても、期間満了後に賃借人が建物の使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ契約は更新されます(=法定更新)。ここも重要です。キーワードは「当然に終了し、更新されない」となります。尚、契約が法定更新された場合は従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされますが、その期間は定めがないものとなります。
3:期間の定めがある上記2番に対し、期間の定めがない場合は「解約」という形で賃貸借契約は終了します。賃借人からの解約申入れは正当事由が不要で、申入れから3ヶ月後に契約は終了し、賃貸人からの解約申入れは正当事由が必要で、申入れから6ヶ月後に契約は終了します。正当事由の必要性の有無、3ヶ月と6ヶ月、シンプルですが正確に覚えておいてください。キーワードは「3月」となります。
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5:増額する協議が調わない場合、賃借人は、増額を正当とする裁判が確定するまで自己が相当と認める額の賃料を支払えば足り、減額する協議が調わない場合、賃貸人は、減額を正当とする裁判が確定するまで自己が相当と認める額の賃料を請求することができます。そして裁判確定後、不足額または超過額に年1割の利息を付して支払いまたは返還することを要します。家賃増減請求の意思表示が相手方に到達した時点でひとまず家賃は増減することになり、キーワードは「裁判の確定時点から将来に向かって」となります。尚、普通建物賃貸借においては増額しない旨の特約は有効、減額しない旨の特約は無効となりますが、定期建物賃貸借においては不増額特約も不減額特約も有効となりますので注意してください。
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9:契約の更新がない旨を定める建物賃貸借=定期建物賃貸借ですね。定期建物賃貸借は公正証書等の書面による必要があり(電磁的記録も可)、あらかじめ契約前に、契約の更新がなく期間満了で終了する旨を、書面を交付して説明する必要があります(賃借人の承諾があれば電磁的記録も可)。定期建物賃貸借は1年未満の定めも可能なこと、書面であれば公正証書である必要はないこと、説明も必要で、契約書面と説明書面は別々の文書である必要があること、この3つがひっかけポイントとなりますので意識しておいてください。キーワードは「書面によって契約すれば足りる」となります。尚、取壊し予定建物賃貸借も書面が必要(電磁的記録も可)ですが、公正証書である必要はありません。
10:建物賃貸人は、契約期間が1年以上の定期建物賃貸借においては、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、賃借人に対して契約が終了する旨の通知を行う必要があります。期間内に通知を怠った場合でも、終了の通知をすればそこから6ヶ月後に契約は終了します。いずれにせよ定期建物賃貸借において契約更新という概念はありません。キーワードは「従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる」となります。尚、普通建物賃貸借は中途解約権を留保する特約がない限り中途解約をすることはできませんが、定期建物賃貸借は床面積200㎡未満の居住用建物でやむを得ない事情があるときは中途解約も可能となります(申入れの1ヶ月後に契約終了)。
11:借地借家法が適用される借地権とは、建物所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいます。平置きの駐車場用地として賃貸借=民法上の賃貸借の存続期間は上限が50年となり、それより長い期間を定めた場合は存続期間が50年となります。建物所有を目的とする賃貸借=借地権の存続期間は最短期間が30年となり、上限に制限はありません。つまり借地権は、30年以下と定めたら30年、30年より長い期間はその期間、期間を定めなかった場合は30年となりますね。キーワードは「60年が有効」「上限が50年」となります。
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13:借地権の当初の存続期間満了時に借地権者が契約更新を請求した場合、建物がある場合に限り、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされます(法定更新)。そして借地権設定者は、借地権者が契約更新を請求してきた場合、遅滞なく、正当事由ある異議を述べることで更新を拒むことができます。異議を述べるには正当事由が必要で、キーワードは「当然に終了」となります。尚、従前の契約と同一条件となる法定更新でも存続期間は初回20年以上、2回目以降は10年以上となりますのでご注意ください。
14:借地権の当初の存続期間中に建物が滅失した場合でも借地権は存続し(一方から解約申入れ不可)、借地権設定者の承諾の有無に関わらず、借地権者は建物を再築することができ、残存期間は借地権を活用できます。まずはこれが大前提です。そして借地権の存続期間満了前に建物が滅失した場合において、借地権設定者の承諾を得れば、借地権は築造された日または承諾の日から20年存続します(借地権者の通知に対して借地権設定者が2ヶ月以内に異議を述べなかった場合も承諾があったものとみなされます)。借地権設定者の承諾を得られなかった場合は、通常通り残存期間の満了時に上記13番の法定更新の問題となります。20年の存続には借地権設定者の承諾が必要で、キーワードは「借地権設定者が異議を述べない限り」となります。
尚、当初の存続期間中ではなく更新期間中に建物が滅失した場合は、借地権者から一方的に解約が可能で、残存期間を超えて存続する建物を再築するには借地権設定者の承諾or裁判所の許可が必要で、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続する建物を再築した場合、借地権設定者は解約の申入れをすることができます。また契約の更新や建物の再築に関して借地権者に不利となる特約は無効となることも覚えておいてください。
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19:借地条件の変更において当事者間の協議が調わない場合、借地権の譲渡や借地契約更新後の建物再築等で借地権設定者の承諾が得られない場合など、一定の場合は裁判所に対して許可を申し立てることができます。借地権設定者の承諾に代わる裁判所の許可は、建物譲渡により借地権が譲渡転貸される場合は借地権者が、競売により借地権が譲渡される場合は建物買受人が申立権者となります。この2つは覚えておきましょう。よってキーワードは「第三者の申立て」となります。また重要度は下がりますがその他の許可制度として、
・借地条件の変更=借地権者または借地権設定者が申立て
・増改築=借地権者が申立て
・契約更新後の建物再築=借地権者が申立て
の3つを頭の片隅にいれておいてください。尚、借家権(建物賃借権)の譲渡や建物転貸で裁判所の許可制度はありませんので注意してください。
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