区分所有法で押さえる重要過去問

宅建過去問:「区分所有法」の重要過去問を見ていきます。区分所有法は、権利関係で深追い禁止科目ナンバー1です。勉強量に対する得点効率を考えると、深追い禁止科目として「抵当権」なども挙げられると思いますが、中でも区分所有法はぶっちぎりです。正直、複雑で覚えることが多すぎます。区分所有法を勉強する時間で、宅建業法や法令制限の確実性を少しでも高めたほうが良いでしょう。しかし、民法の難化に反比例するように、近年の区分所有法は易化傾向です細かい問題に固執せず、何度も出題されている重要問題を解けるようにしておけば、高確率で1点を拾えます。

区分所有法の宅建過去問

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1994年の宅建過去問 問-14)

【問】敷地利用権が数人で有する所有権の場合、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して、処分することができる。

敷地利用権と専有部分は分離して処分することができないのが原則ですが、規約で分離処分することができる旨を定めることができます。原則と例外が逆で、誤りとなります。

【問】共用部分は、区分所有者全員の共有の登記を行わなければ、第三者に対抗することができない。

規約により専有部分を共用部分とした規約共用部分は登記をしなければ第三者に対抗することができませんが、法定共用部分は登記がなくても第三者に対抗することができます。よって誤りです。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2013年の宅建過去問 問-13)

【問】一部共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのではなく、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。

共用部分は区分所有者全員の共有に属し、一部共用部分はそれを共用する区分所有者の共有に属します(共用部分の持分は、規約に別段の定めがある場合を除き、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積の割合による)。よって正しい肢となります。更に、規約の定めで特定の区分所有者の所有とすることも可能という点まで押さえておいてください。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1996年の宅建過去問 問-14)

【問】区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べ、自己の議決権を行使することができる。

区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項について利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができますが、議決権は認められていません。よって誤りです。規約や集会の決議は、区分所有者の「特定承継人」に対しても効力を生じる点、専有部分が共有の場合、議決権を行使することができるのは1人だけである点も合わせて覚えておきましょう。

【問】共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべき場合は、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼす場合、変更の規模を問わず、その専有部分の所有者の承諾を得なければなりません。よって正しい肢となります。


建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1998年の宅建過去問 問-13)

【問】区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は、規約によって減ずることができる。

条文通り。よって正しい肢となります。規約によって定数を減ずることはできますが、増やすことはできないので注意。(集会の招集は重要なので下で詳しくもう1問)

【問】その形状または効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については、規約に別段の定めがない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で決することができる。

その形状または効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更(=軽微変更)については、区分所有者および議決権の各過半数による集会の決議で決することができます。よって正しい肢となります。

【問】占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。

区分所有建物の占有者は、建物またはその敷地もしくは附属施設の使用方法について、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負います。よって正しい肢となります。

【問】区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議が集会においてなされた場合、決議に反対した区分所有者は、決議に賛成した区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

建替え決議が集会においてなされた場合、決議に賛成した区分所有者は、決議に反対した区分所有者に対し、区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すよう請求することができます。反対者からの買取請求は認められず、誤りとなります。尚、大規模滅失による復旧は、反対者からの買取請求が認められるので注意です。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1995年の宅建過去問 問-14)

【問】共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を行うためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、議決権については規約で過半数まで減ずることができる。

重大変更は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要で、区分所有者の定数は規約で過半数まで減ずることができますが、議決権については減ずることができません。よって誤りです。

【問】区分所有建物の一部が滅失し、その滅失した部分が建物の価格の2分の1を超える場合、滅失した共用部分の復旧を集会で決議するためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数が必要であり、規約で別段の定めをすることはできない。

建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会決議で復旧することができ、これは規約で別段の定めをすることはできません。よって正しい肢となります。

【問】共用部分の保存行為を行うためには、規約で別段の定めのない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議が必要である。

共用部分の保存行為は、規約で別段の定めがない限り各共有者が単独ですることができます。よって誤りです。ちなみに共用部分の管理費用は、規約に別段の定めがない限り持分に応じて負担します。

【問】規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で、その区分所有者の承諾を得られないときは、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議を行うことにより、規約の変更ができる。

規約の設定・変更・廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行いますが、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合は、その区分所有者の承諾を得なければなりません。よって誤りです。


建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1997年の宅建過去問 問-13)

【問】建物の価格の3分の1に相当する部分が滅失したときは、規約に別段の定め又は集会の決議がない限り、各区分所有者は、自ら単独で滅失した共用部分の復旧を行うことはできない。

建物価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約に別段の定めまたは集会の決議がない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分および自己の占有部分を単独で復旧することができます。よって誤りです。尚、建物価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議または一括建替え決議があったときは、復旧することができなくなります。復旧や建替えが決まった後の共用部分に勝手なことするなということですね。

【問】区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議は、規約で別段の定めをすれば、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数により行うことができる。

建替え決議は、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要であり、規約で別段の定めをすることはできません。よって誤りです。


区分所有者の共同の利益に反する行為をした者に対する措置に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。(1991年の宅建過去問 問-14)

【問】区分所有者が区分所有法第6条第1項に規定する共同の利益に反する行為をした場合、管理組合法人は、同法第57条の当該行為の停止等を請求する訴訟及び第58条の使用禁止を請求する訴訟を提起できるが、当該区分所有者の区分所有権の競売を請求する訴訟は提起できない。

管理組合法人は、行為の停止等の請求(区分所有者および議決権の各過半数)、使用禁止の請求(各4分の3以上)、競売請求訴訟の提起(各4分の3以上)をすることができます。よって誤りです。

【問】占有者が区分所有法第6条第1項に規定する共同の利益に反する行為をした場合、管理組合法人は、当該占有者の専有部分の引渡しを請求する訴訟を提起することはできない。

管理組合法人は、専有部分の使用収益を目的とする契約の解除および専有部分の引渡しを請求する訴訟の提起(各4分の3以上)をすることができます。よって誤りです。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2001年の宅建過去問 問-15)

【問】管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集(招集通知は会日より少なくとも1週間前に会議の目的たる事項を示して各区分所有者に発し、この期間は規約で伸縮可能。この通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受け取る場所をあらかじめ通知した場合には、管理者はその場所にあててすれば足りる)しなければなりませんが、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができます。よって正しい肢となります。上述の通り、区分所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有するものは、管理者に対して会議の目的事項を示して集会の招集を請求することができ、この定数は規約で減ずることが可能な点にも注意。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2013年の宅建過去問 問-13)

【問】区分所有者の請求によって管理者が集会を招集した際、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者が集会の議長となる。

規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除き、管理者が選任されている場合は管理者が、管理者が選任されていない場合は集会を招集した区分所有者の1人が議長となります。管理者が集会を招集したとある本肢は管理者が選任されていますので、管理者が議長となり正しい肢となります。ちなみに管理者は、自然人でも法人でも区分所有者でも区分所有者でなくても誰でもなることができ、管理者の任期に制限はありません

【問】管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

管理者は、毎年1回集会において事務に関する報告をしなければなりません。よって正しい肢となります。集会において議事録が書面で作成された場合、議長及び集会に出席した区分所有者の2人が署名押印しなければならない点も覚えておきましょう。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2007年の宅建過去問 問-15)

【問】最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる。

最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、規約共用部分に関する定め規約敷地の定め敷地利用権の分離処分ができる旨の定め敷地利用権の持分割合に関する定めを設定することができます。よって正しい肢となります。

【問】規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。

利害関係人の請求があった場合、正当理由がある場合を除いて規約の閲覧を拒むことはできません(閲覧拒絶は20万円以下の過料)。よって正しい肢となります。

【問】規約の保管場所は、各区分所有者に通知するとともに、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

規約や集会議事録は建物内の見やすい場所に掲示する必要がありますが、通知は必要ありません。よって誤りです。


建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2008年の宅建過去問 問-15)

【問】区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。

区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議によって管理者を選任・解任することができます(集会の決議による場合、区分所有者及び議決権の各過半数)。よって正しい肢となります。

【問】規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で理事会又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

規約は管理者が保管します。管理者がないときは、建物を使用している区分所有者またはその代理人で規約または集会の決議で定めるものが保管します。よって誤りです。


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