固定資産税の宅建過去問

宅建過去問:「固定資産税」の重要過去問を見ていきます。不動産を保有していること自体に課される税金ですね。次回お伝えする「不動産取得税」とどちらかが出題されると考えてください(まれに両方出題されない年もありましたが、ここ10年ほどは必ずどちらかの出題となっています)。税法の中では覚えやすいところなので、出題されたら確実に1点を確保しておきましょう。

固定資産税の宅建過去問

固定資産税に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(1997年の宅建過去問 問-26)

【問】固定資産税の課税客体は、土地、家屋及び償却資産である。

固定資産とは、土地、家屋および償却資産(事業用機械など)をいいます。よって正しい肢となります。

【問】固定資産税の標準税率は、100分の0.3である。

固定資産税の標準税率は、100分の1.4です(市町村が議会において納税義務者の意見を聞くことで、条例により税率を変更することも可能)。よって誤りです。

【問】固定資産税と都市計画税とは、あわせて賦課徴収することができる。

都市計画税の賦課徴収は、特別の事情がある場合を除いて固定資産税の賦課徴収とあわせて行います。よって正しい肢となります。

【問】固定資産課税台帳に登録された事項に関する審査の申出は、固定資産評価審査委員会に対して行うことができる。

固定資産税の納税者は、固定資産課税台帳に登録された価格に不服がある場合、一定期間内に文書をもって、固定資産評価審査委員会に審査の申出を行うことができます。よって正しい肢となります。不服申し立てができるのは価格に不服がある場合だけですので注意。


地方税に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1992年の宅建過去問 問-30)

【問】固定資産税は、特別の場合を除き、その課税標準となるべき額が土地にあっては30万円、家屋にあっては20万円に満たない場合は、課することができない。

固定資産税は、課税標準となるべき額が土地30万円、家屋20万円に満たない場合は課税されません。よって正しい肢となります。

【問】面積が200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該住宅用地の課税標準となるべき価格の6分の1の額である。

面積が200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該住宅用地の課税標準となるべき価格の6分の1の額(200㎡超は1/3)となります。よって正しい肢となります。


固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1999年の宅建過去問 問-27)

【問】家屋に係る固定資産税は、建物登記簿に登記されている所有者に対して課税されるので、家屋を建築したとしても、登記をするまでの間は課税されない。

固定資産税の課税対象である固定資産の所有者とは、土地登記簿や建物登記簿に登録されている者だけではなく、土地補充課税台帳や家屋補充課税台帳に登録されている者も含まれます。よって誤りです。

【問】固定資産税の納税通知書は、遅くとも、納期限前10日までに納税者に交付しなければならない。

条文通り。固定資産税の納税通知書は、遅くとも、納期限前10日までに納税者に交付しなければなりません(納期は4月、7月、12月及び2月中において市町村の条例で定めることとされていますが、特別の事情がある場合はこれと異なる納期を定めることも可能)。よって正しい肢となります。

【問】新築住宅に対しては、その課税標準を、中高層耐火住宅にあっては5年間、その他の住宅にあっては3年間その価格の3分の1の額とする特例が講じられている。

新築住宅に係る固定資産税の特例は、中高層耐火住宅にあっては5年間、その他の住宅にあっては3年間、120㎡までの居住部分について、固定資産税額の2分の1に相当する額を減額するというものです。課税標準が3分の1ではなく、税額が2分の1となり、誤りとなります。


固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2003年の宅建過去問 問-28)

【問】年度の途中において土地の売買があった場合の当該年度の固定資産税は、売主と買主がそれぞれその所有していた日数に応じて納付しなければならない。

固定資産税の納税義務者は、原則として賦課期日(1月1日)現在の固定資産の所有者であって、年度途中に土地売買があった場合でも納税義務者は変わりません(質権または100年より永い存続期間の定めのある地上権が設定されている土地については、所有者ではなくその質権者または地上権者が納税義務者)。よって、売主と買主が所有していた日数に応じて納付するわけではなく、誤りとなります。

【問】固定資産税における土地の価格は、地目の変換がない限り、必ず基準年度の価格を3年間据え置くこととされている。

固定資産税における土地の価格は、原則として基準年度の価格を3年間据え置くこととされていますが、地目の変換や市町村の廃置分合などがあった場合には、当該土地に類似する土地の基準年度の価格に比準する価格で土地課税台帳等に登録されたものとされます。よって誤りです。

【問】固定資産税の納税義務者は、常に固定資産課税台帳に記載されている当該納税義務者の固定資産に係る事項の証明を求めることができる。

市町村長は、固定資産税の納税義務者(納税義務者から同意を受けた者や賃借人なども可)から請求があったときは、固定資産課税台帳に記載されている当該納税義務者の固定資産に係る事項の証明書を交付しなければなりません。よって正しい肢となります。

【問】固定資産税の徴収方法は、申告納付によるので、納税義務者は、固定資産を登記した際に、その事実を市町村長に申告又は報告しなければならない。

固定資産税の徴収方法は、申告納付ではなく普通徴収(送られてきた納税通知書で金融機関に納付する)の方法によります。よって誤りです。固定資産税を滞納し、督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、市町村の徴税吏員は滞納者の財産を差し押さえる必要があります。


固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2005年の宅建過去問 問-28)

【問】質権者は、その土地についての使用収益の実質を有していることから、登記簿にその質権が登記されている場合には、固定資産税が課される。

質権の目的となっている土地については、その質権者に対して固定資産税が課されます。よって正しい肢となります。

【問】固定資産税を既に全納した者が、年度の途中において土地の譲渡を行った場合には、その所有の月数に応じて税額の還付を受けることができる。

固定資産税の納税義務者は、原則として賦課期日(1月1日)現在の固定資産の所有者であって、年度途中に土地売買があった場合でも納税義務者は変わりません。よって、所有の月数に応じて税額の還付を受けることはなく、誤りとなります。


固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(2008年の宅建過去問 問-28)

【問】固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災等によって不明である場合には、その使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。

条文通り。市町村は、固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災等によって不明である場合、その使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができます。よって正しい肢となります。

【問】固定資産税の課税標準は、原則として固定資産の価格であるが、この価格とは「適正な時価」をいうものとされており、固定資産の価格の具体的な求め方については、都道府県知事が告示した固定資産評価基準に定められている。

固定資産評価基準を定め、告示するのは総務大臣です。よって誤りです。超細かいですが、国会議員と地方団体の議会議員は固定資産評価員になれないという点も頭の片隅に…。

【問】市町村長は、毎年3月31日までに固定資産課税台帳を作成し、毎年4月1日から4月20日又は当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間、納税義務者の縦覧に供しなければならない。

市町村長は、固定資産評価員または固定資産評価補助員に固定資産の状況を毎年少なくとも一回調査させ、毎年3月31日までに土地価格等縦覧帳簿および家屋価格等縦覧帳簿を作成し、それらを毎年4月1日から4月20日または当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間、納税義務者の縦覧に供しなければなりません。固定資産課税台帳を作成するとする本肢は誤りとなります。縦覧帳簿の縦覧は毎年4月1日から4月20日または第1期納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間に限られますが、固定資産課税台帳はいつでも閲覧可能です。


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