令和2年-2020年12月の宅建士試験問題と解説

とても役立つ年度別の解説付き宅建士試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら令和2年(2020年)12月の宅建通し過去問を見ていきましょう。

令和2年12月の宅建試験問題と解説
令和2年12月の宅建士試験問題
1.権利関係の問題 問1~14
 2.宅建業法の問題 問26~45
  3.法令制限の問題 問15~22
 4.税その他の問題 問23~25
5.税その他の問題 問46~50


【問1】不法行為(令和2年4月1日以降に行われたもの)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 建物の建築に携わる設計者や施工者は、建物としての基本的な安全性が欠ける建物を設計し又は建築した場合、設計契約や建築請負契約の当事者に対しても、また、契約関係にない当該建物の居住者に対しても損害賠償責任を負うことがある。
2 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を与え、第三者に対してその損害を賠償した場合には、被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができる。
3 責任能力がない認知症患者が線路内に立ち入り、列車に衝突して旅客鉄道事業者に損害を与えた場合、当該責任無能力者と同居する配偶者は、法定の監督義務者として損害賠償責任を負う。
4 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しない場合、時効によって消滅する。

⇒正解(3)4番以外は判例問題。
3:同居している配偶者だからといって責任無能力者を監督する法定の義務を負うべき者とは言い切れません。いきなり細かい判例問題から始まりましたが、消去法で取っておきたい問題。



【問2】AがBに対して、A所有の甲土地を売却する代理権を令和2年7月1日に授与した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Bが自己又は第三者の利益を図る月的で、Aの代理人として甲土地をDに売却した場合、Dがその目的を知り、又は知ることができたときは、Bの代理行為は無権代理とみなされる。
2 BがCの代理人も引き受け、AC双方の代理人として甲土地に係るAC間の売買契約を締結した場合、Aに損害が発生しなければ、Bの代理行為は無権代理とはみなされない。
3 AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うことはない。
4 Bが、Aから代理権を授与されていないA所有の乙土地の売却につき、Aの代理人としてFと売買契約を締結した場合、AがFに対して追認の意思表示をすれば、Bの代理行為は追認の時からAに対して効力を生ずる。

⇒正解(1)
2:あらかじめ本人と相手方の許諾がない双方代理は、損害発生の有無に関わらず無権代理とみなされます。
3:相手方が代理権消滅の事実を過失なく知らなかった場合は表見代理が成立し、Aは引き渡す必要があります。
4:無権代理行為の追認は、別段の意思表示がない限り契約時に遡って効力を生じます。



【問3】親族に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 姻族関係は、離婚した場合及び夫婦の一方が死亡した場合、当然に終了する。
2 離婚に当たり、相手方に有責不法の行為がなければ、他の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができない。
3 未成年者に対して親権を行う者がないときは、家庭裁判所は、検察官の請求によって、親族の中から未成年後見人を選任する。
4 夫婦間で婚姻の届出前に別段の契約をしなかった場合、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。

⇒正解(4)宅建試験では珍しい身分法絡みの出題ですが、正解肢は常識的に当然ですね。
1:離婚の場合は当然に終了しますが、一方が死亡した場合は生存配偶者の意思表示により終了します。
2:相手方の責任の有無等に関わらず、離婚をするならば財産分与の請求ができます。
3:未成年被後見人または親族その他の利害関係人の請求によって未成年後見人を選任します。



【問4】債務不履行に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、債務は令和2年4月1日以降に生じたものとする。

1 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限が到来したことを知らなくても、期限到来後に履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
2 債務の目的が特定物の引渡しである場合、債権者が目的物の引渡しを受けることを理由なく拒否したため、その後の履行の費用が増加したときは、その増加額について、債権者と債務者はそれぞれ半額ずつ負担しなければならない。
3 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に、当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。
4 契約に基づく債務の履行が契約の成立時に不能であったとしても、その不能が債務者の責めに帰することができない事由によるものでない限り、債権者は、履行不能によって生じた損害について、債務不履行による損害の賠償を請求することができる。

⇒正解(2)一見難しそうですが、正解肢は簡単ですね。
1:不確定期限がある場合の債務の履行は、期限到来後に履行の請求を受けたとき、または期限到来を知ったときのいずれか早い方から遅滞責任を負います。
2:債権者が債務の履行を拒んだことによる履行費用の増加分は、債権者の負担となります。



【問5】時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、時効の対象となる債権の発生原因は、令和2年4月1日以降に生じたものとする。

1 消滅時効の援用権者である「当事者」とは、権利の消滅について正当な利益を有する者であり、債務者のほか、保証人、物上保証人、第三取得者も含まれる。
2 裁判上の請求をした場合、裁判が終了するまでの間は時効が完成しないが、当該請求を途中で取り下げて権利が確定することなく当該請求が終了した場合には、その終了した時から新たに時効の進行が始まる。
3 権利の承認があったときは、その時から新たに時効の進行が始まるが、権利の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことを要しない。
4 夫婦の一方が他方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は、時効が完成しない。

⇒正解(2)やや細かめの改正時効問題ですが、これまた正解肢は簡単です。
2:請求を途中で取り下げて権利が確定することなく当該請求が終了した場合、その終了のときから6ヶ月を経過するまで時効は完成しません(時効の更新は生じません)。



【問6】AはBにA所有の甲建物を令和2年7月1日に賃貸し、BはAの承諾を得てCに適法に甲建物を転貸し、Cが甲建物に居住している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。
2 Cの用法違反によって甲建物に損害が生じた場合、AはBに対して、甲建物の返還を受けた時から1年以内に損害賠償を請求しなければならない。
3 AがDに甲建物を売却した場合、AD間で特段の合意をしない限り、賃貸人の地位はDに移転する。
4 BがAに約定の賃料を支払わない場合、Cは、Bの債務の範囲を限度として、Aに対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負い、Bに賃料を前払いしたことをもってAに対抗することはできない。

⇒正解(1)
1:賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人の債務不履行に基づく合意解除を転借人に対抗することができます。



【問7】Aを売主、Bを買主として、令和2年7月1日に甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 甲土地の実際の面積が本件契約の売買代金の基礎とした面積より少なかった場合、Bはそのことを知った時から2年以内にその旨をAに通知しなければ、代金の減額を請求することができない。
2 AがBに甲土地の引渡しをすることができなかった場合、その不履行がAの責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、BはAに対して、損害賠償の請求をすることができる。
3 Bが売買契約で定めた売買代金の支払期日までに代金を支払わなかった場合、売買契約に特段の定めがない限り、AはBに対して、年5%の割合による遅延損害金を請求することができる。
4 本件契約が、Aの重大な過失による錯誤に基づくものであり、その錯誤が重要なものであるときは、Aは本件契約の無効を主張することができる。

⇒正解(2)
1:数量不足で担保責任の通知期間制限は適用されません
3:改正民法により最初の法定利率は年3%となりました(変動制)。
4:改正民法により錯誤は取消対象となっています。また、表意者に重要な錯誤があっても、重大な過失があるときは原則として取り消すことができません



【問8】1億2,000万円の財産を有するAが死亡した場合の法定相続分についての次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものの組み合わせはどれか。

ア Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。
イ Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。
ウ Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。
エ Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。

⇒正解(3)正しいのはイウ
アイ:長男1/2、次男1/2から代襲してBCは各1/4(=各3,000万円)、Dは1/2(=6,000万円)
ウエ:直系尊属EFGの相続分は等しく各1/3(=各4,000万円)



【問9】地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。
2 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。
3 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。
4 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。

⇒正解(1)
1:地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効取得することができます。



【問10】不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。
2 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
3 共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。
4 共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。

⇒正解(4)
4:共有者の一人が死亡して相続人がいない場合、その持分は他の共有者に帰属します。



【問11】次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 借地権者が借地権の登記をしておらず、当該土地上に所有権の登記がされている建物を所有しているときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができるが、建物の表示の登記によっては対抗することができない。
2 借地権者が登記ある建物を火災で滅失したとしても、建物が滅失した日から2年以内に新たな建物を築造すれば、2年を経過した後においても、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。
3 土地の賃借人が登記ある建物を所有している場合であっても、その賃借人から当該土地建物を賃借した転借人が対抗力を備えていなければ、当該転借人は転借権を第三者に対抗することができない。
4 借地権者が所有する数棟の建物が一筆の土地上にある場合は、そのうちの一棟について登記があれば、借地権の対抗力が当該土地全部に及ぶ。

⇒正解(4)
1:賃借権の登記を備えるか、借地権者が借地上に登記されている建物を所有していることで、借地権を第三者に対抗することができます。
2:土地上の見やすい場所に一定事項を掲示し、建物が滅失した日から2年以内に新たな建物を築造し、その建物の登記をすることで2年経過後も借地権を第三者に対抗することができます。
3:土地賃借人が登記ある建物を所有して第三者に対抗力を有している場合、自らは対抗力を備えていない転借人も、賃借人の賃借権を援用して転借権を第三者に対抗することができます。



【問12】賃貸人Aと賃借人Bとの間で令和2年7月1日に締結した居住用建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 当該建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらずAが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは自ら修繕をすることができる。
2 BがAに無断でCに当該建物を転貸した場合であっても、Aに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除することができない。
3 賃貸借契約に期間を定め、賃貸借契約を書面によって行った場合には、AがBに対しあらかじめ契約の更新がない旨を説明していれば、賃貸借契約は期間満了により終了する。
4 Bが相続人なしに死亡した場合、Bと婚姻の届出をしていないが事実上夫婦と同様の関係にあった同居者Dは、Bが相続人なしに死亡したことを知った後1月以内にAに反対の意思表示をしない限り、賃借人としてのBの権利義務を承継する。

⇒正解(3)
3:定期建物賃貸借契約を書面によって行う場合、賃貸人が、あらかじめ契約の更新がなく期間満了により賃貸借は終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。



【問13】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
2 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
3 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。
4 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を解任することができる。

⇒正解(3)
3:規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても効力を生じます。
4:区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議で管理者を選任・解任することができます。



【問14】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
2 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。
3 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
4 登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

⇒正解(2)
2:抵当権等の担保物権が付着していたとしても、担保権者には不可分性があるため分筆をされても不利益は生じません。
4:土地所在図書は利害関係がなくても閲覧できるということを頭の片隅に…。



【問15】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。
2 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。
3 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。
4 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

⇒正解(2)
1:必要なものは道路、病院、下水道ではなく、道路、公園、下水道です。
2:市街地開発事業を定めることができるのは、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域内です。
3:都市計画区域は、原則として都道府県が、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴き、国土交通大臣に協議し、同意を得て指定します。
4:準都市計画区域内には高度地区等の地域地区を定めることができます。



【問16】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1 市街化調整区域において、非常災害のため必要な応急措置として8,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 市街化区域において、社会教育法に規定する公民館の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
3 区域区分が定められていない都市計画区域において、店舗の建築の用に供する目的で行われる2,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
4 市街化調整区域において、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行われる100㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の詐可を受けなくてよい。

⇒正解(2)
1:市街化調整区域での土地の区画形質変更は面積に関係なく開発許可が必要ですが、非常災害のため必要な応急措置として行う場合は許可不要です。
2:市街化区域で1,000㎡以上の土地の区画形質変更は開発許可が必要ですが、公民館等の公益上必要な建築物の建築であれば許可不要です。
3:区域区分が定められていない都市計画区域内で開発許可が必要となるのは3,000㎡以上の開発行為です。
4:1番の解説の通り、市街化調整区域において面積規模で許可不要となる例外はありません。公益上必要な建築物、農林漁業用建築物、応急措置、都市計画事業の施行として行うもの…など開発許可全般の例外として許可が不要となるだけです。本肢が単に「自己の居住の用」ではなく「農業を営む者が自己の居住の用に…」という問題でしたら許可不要(面積はひっかけ)となる良い問題でした。



【問17】建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について、敷地の属する面積が大きい方の地域内の建築物に関する規定を適用する。
2 倉庫の用途に供する建築物で、その用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が500㎡であるものは、耐火建築物としなければならない。
3 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。
4 高さ1m以下の階段の部分には、手すりを設けなくてもよい。

⇒正解(1)2秒で解ける超サービス問題。
1:全部について厳しい方(防火地域)の規定が適用されます。
2:倉庫の用途に供する建築物で3階以上部分の床面積が200㎡以上の場合は耐火建築物とする必要があります。
3:高さ20m超の建築物には原則として避雷設備が必要です。
4:階段には原則として手すりが必要ですが、高さ1m以下部分には不要です。



【問18】次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 建築物の壁又はこれに代わる柱は、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものを除き、壁面線を越えて建築してはならない。
2 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
3 都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、防火地域内にある耐火建築物については、法第53条第1項から第5項までの規定に基づく建蔽率に関する制限は適用されない。
4 田園住居地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。

⇒正解(4)うーん…?と思っていたら4番が二度見レベルの簡単さ。
4:北側斜線制限は、第一第二低層住専、田園住居、第一第二中高層住専で適用されます(第一第二中高層住専で日影規制の対象となる建築物は、北側斜線制限の適用はありません)。



【問19】宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 宅地造成工事規制区域は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地になろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事につき規制を行う必要があるものについて、国土交通大臣が指定することができる。
2 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、宅地造成に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。
3 都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)は、宅地造成工事規制区域の指定のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
4 宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可を受けた宅地造成に関する工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を受けなければならない。

⇒正解(1)
1:頻出問題である正しい記述が並んでいて騙されそうになりますが、宅地造成工事規制区域を指定するのは原則として都道府県知事(指定都市等ではそれぞれの長)です。
2:高さ5m超の擁壁設置または切土盛土をする土地面積が1,500㎡超の土地における排水施設の設置は、有資格者の設計によらなければなりません。



【問20】土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 市町村が施行する土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、従前の宅地に存する建築物について賃借権を有する者に対して支払わなければならない。
2 施行者は、仮換地を指定した時に、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。
3 換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。
4 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るために宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合は、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小宅地とならないように換地を定めることができる。

⇒正解(3)
1:従前の宅地に存する建築物について賃借権を有する者に対してではなく、公告日における従前の宅地所有者や、当該宅地において地上権や賃借権等その他使用収益できる権利を有する者に対して支払います。
2:仮換地指定時ではなく、換地処分の公告があった場合に確定した清算金を徴収し、または交付します
4:本肢のように換地を定めることができるのは、施行者が都道府県や市町村、国土交通大臣等の公的施行である場合のみで、組合や個人等の民間施行で宅地地積の適正化を図ることはできません。



【問21】農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 山林を開墾し、農地として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林であれば、法の適用を受ける農地に該当しない。
2 親から子に対して、所有するすべての農地を一括して贈与する場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
3 耕作を目的として農業者が競売により農地を取得する場合であっても、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。
4 市街化区域以外の区域に存する4haを超える農地を転用する場合には、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。

⇒正解(3)
1:登記簿上の地目に関係なく、農地として耕作されている土地は農地です。
2:相続や特定遺贈は3条許可不要(農業委員会への届出は必要)ですが、贈与による権利移動は許可が必要です。
4:農林水産大臣の許可が必要なケースはだいぶ前の法改正でなくなりました。現在は3条許可は農業委員会4条許可と5条許可は原則として知事(例外として指定市町村長)が許可権者となっています。



【問22】国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。

1 都道府県知事は、事後届出に係る土地の利用目的及び対価の額について、届出をした宅建業者に対し勧告することができ、都道府県知事から勧告を受けた当該宅建業者が勧告に従わなかった場合、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
2 事後届出が必要な土地売買等の契約により権利取得者となった者が事後届出を行わなかった場合、都道府県知事から当該届出を行うよう勧告されるが、罰則の適用はない。
3 国が所有する市街化区域内の一団の土地である1,500㎡の土地と500㎡の土地を個人Aが購入する契約を締結した場合、Aは事後届出を行う必要がある。
4 個人Bが所有する都市計画区域外の11,000㎡の土地について、個人CがBとの間で対価を支払って地上権設定契約を締結した場合、Cは事後届出を行う必要がある。

⇒正解(4)
1:事後届出に関する勧告は利用目的のみについて行われます(事前届出は対価の額も勧告対象)。
2:事後届出を行わなかった場合、6月以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
3:当事者の一方または双方が国等の場合に事後届出は不要です。
4:都市計画区域外において10,000㎡以上で対価支払のある地上権設定は事後届出が必要です。



【問23】住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 この税率の軽減措置の適用を受けるためには、やむを得ない事情がある場合を除き、その住宅用家屋の取得後1年以内に所有権の移転登記を受けなければならない。
2 この税率の軽減措置は、住宅用家屋を相続により取得した場合に受ける所有権の移転登記についても適用される。
3 この税率の軽減措置に係る登録免許税の課税標準となる不動産の価額は、売買契約書に記載されたその住宅用家屋の実際の取引価格である。
4 過去にこの税率の軽減措置の適用を受けたことがある者は、再度この措置の適用を受けることはできない。

⇒正解(1)細かい肢が並んでいますが、正解肢はズバリ正解できますね。
2:売買または競落による取得にのみ適用されます。
3:実際の取引価格ではなく、登記申請日の属する前年の12月31日または申請日の属する1月1日の固定資産台帳に登録された価額(=固定資産税評価額)を基礎として政令で定める額によります。
4:過去に適用を受けた者も再度受けることができます。



【問24】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 固定資産税を既に全納した者が、年度の途中において土地の譲渡を行った場合には、その譲渡後の月数に応じて税額の還付を受けることができる。
2 固定資産税の税率は、1.7%を超えることができない。
3 固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定めることとされているが、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
4 200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、課税標準となるべき価格の2分の1の額とする特例措置が講じられている。

⇒正解(3)これまた少し細かめですが、正解肢は易しめです。
1:固定資産税の納税義務者は、賦課期日(年度初日が属する年の1月1日)における所有者で、年度途中で譲渡があっても納税義務者は変わりません。
2:固定資産税の標準税率は1.4%ですが、市町村は議会において納税義務者の意見を聞くことで、条例により1.7%を超える税率に変更することもできます。
4:200㎡以下は1/6200㎡超は1/3の額が課税標準となります。



【問25】地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 土地鑑定委員会は、その土地に地上権が存する場合であっても、標準地として選定することができる。
2 土地鑑定委員会は、標準地について、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めるものとし、当該2人以上の不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価書を連名で提出しなければならない。
3 土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を判定したときは、標準地の単位面積当たりの価格のほか、当該標準地の価格の総額についても官報で公示しなければならない。
4 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、標準地として選定されている土地を取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格と同額としなければならない。

⇒正解(1)
1:土地に建物その他の定着物または地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存する場合でも、標準地として選定することができます。
2:鑑定評価書の提出は個別に行う必要があり、連名で提出することはできません。
3:標準地の単位面積当たりの価格は公示しますが、総額を公示する必要はありません。
4:公示価格を規準としますが、同額である必要はありません。



【問26】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者は、建物の売買に際し、買主に対して売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引してはならない。
2 宅建士は、自ら役員を務める宅建業者が宅建業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅建士の登録を消除されることとなる。
3 宅建業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結してはならない。
4 宅建業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。

⇒正解(2)
1:売買代金の貸借のあっせんによる契約締結の誘引は、手付貸与の禁止に該当しません。
3:自ら貸借は宅建業に該当しません。
4:帳簿は事務所ごとに備え付ける必要がありますが、案内所には不要です。



【問27】宅建業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。
2 宅建業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。
3 宅建業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。
4 テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。

⇒正解(3)
1:損害発生の有無に関わらず、誇大広告を行うこと自体が監督処分の対象となります。
2:建築確認を受けた後でなければ、建築確認申請中である旨を表示しても売買の広告を行うことはできません。
4:テレビやインターネットを利用して行う広告も、新聞や配布用のチラシによる広告も同様の扱いとなります。



【問28】宅建業者Aが、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「専任媒介契約」とは、専属専任媒介契約ではない専任媒介契約をいうものとする。

ア 宅建業者AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、Bの要望により当該宅地を指定流通機構に登録しない旨の特約をしているときを除き、Aは、当該契約締結日から7日以内(Aの休業日を含まない。)に、当該宅地の所在等を指定流通機構に登録しなければならない。
イ 宅建業者AがBとの間で専任媒介契約を締結した場合、AはBに対して、当該契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければならない。
ウ 宅建業者AがBとの間で一般媒介契約を締結し、当該契約において、Bが他の宅建業者に重ねて依頼するときは当該他の宅建業者を明示する義務がある旨を定める場合、Aは、Bが明示していない他の宅建業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を宅建業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。
エ 宅建業者AがBとの間で一般媒介契約を締結した場合、AがBに対し当該宅地の価額について意見を述べるときは、不動産鑑定士に評価を依頼して、その根拠を明らかにしなければならない。

⇒正解(1)正しいのはウのみ
ア:専任媒介契約において指定流通機構への登録は必須で、登録しない旨の特約は無効です。
イ:2週間に1回以上で足ります(専属専任媒介は1週間に1回以上)。
エ:宅地価額について意見を述べる場合に根拠を明らかにする必要はありますが、不動産鑑定士への依頼は不要です。



【問29】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者(甲県知事免許)が、乙県内に新たに事務所を設置して宅建業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行い、その免許を受けたときは、国土交通大臣から、免許換え前の免許(甲県知事)の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする免許証の交付を受けることとなる。
2 宅建士(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事することとなったため、乙県知事に登録の移転の申請とともに宅建士証の交付の申請をしたときは、乙県知事から、有効期間を5年とする宅建士証の交付を受けることとなる。
3 宅建士(甲県知事登録)が、乙県に所在する建物の売買に関する取引において宅建士として行う事務に関し不正な行為をし、乙県知事により事務禁止処分を受けたときは、宅建士証を甲県知事に提出しなければならない。
4 宅建業者(甲県知事免許)は、乙県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買の契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場合、国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。

⇒正解(3)
1:免許換え=有効期間を5年とする新たな免許証の交付を受ける
2:登録の移転=従前の宅建士証の残存期間を有効期間とする新たな宅建士証の交付を受ける
4:案内所の設置で免許換えは不要です。



【問30】宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 本店と3つの支店を有する宅建業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。
2 保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
3 保証協会に加入している宅建業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。
4 保証協会の社員(甲県知事免許)と宅建業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。

⇒正解(2)
1:本店60万+支店30万×3=150万円の弁済業務保証金分担金が必要です。
3:保証協会に加入している宅建業者は、重ねて他の保証協会に加入することはできません
4:知事ではなく、保証協会の認証を受ける必要があります。



【問31】宅建業の免許に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者が、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許が取り消され、その後5年を経過していない場合は、免許を受けることができない。
2 免許を受けようとしている法人の政令で定める使用人が、破産手続開始の決定を受け、復権を得てから5年を経過していない場合、当該法人は免許を受けることができない。
3 免許権者は、免許に条件を付することができ、免許の更新に当たっても条件を付することができる。
4 宅建業者の役員の住所に変更があったときは、30日以内に免許権者に変更を届け出なければならない。

⇒正解(3)
1:免許を受けてから1年以内に事業を開始しないと免許が取り消されますが、再度の免許取得に5年の経過が必要なのは刑罰関連や免許の不正取得等に限られます。
2:復権を得ればただちに免許を受けることができます。
4:役員・政令で定める使用人・成年者である専任宅建士の氏名が変わった場合は届出を要しますが、それらの住所は宅建業者名簿の登載事項ではありません(事務所の所在地は登載事項である点と比較)。



【問32】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅建業者ではないものとする。

ア 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
イ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。
ウ 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。
エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。

⇒正解(4)全て正しい。難問とも言えますが、似たような3肢+貸借ということで正解できた人の方が多いと思います。
アイエ:災害関連は全契約で説明が必要と覚えておけば大丈夫でしょう。
ウ:これは細かいですね…30年以上ぶりの出題でしょうか。有償で譲渡する場合は重要説明事項となります。



【問33】宅建業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅建業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。
2 宅建業者は、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
3 宅建業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
4 免許権者は、宅建業者が宅建業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内に届出がないときは、当該宅建業者の免許を取り消すことができる。

⇒正解(4)
1:支店(従たる事務所)を設置した場合、本店(主たる事務所)の最寄りの供託所に供託し、免許権者に届け出ます。
2:保管換えができるのは金銭で供託しているときのみで、本肢では新たな供託が必要となります(本肢のような二重供託と保証協会の社員となった場合は従前の営業保証金は公告なしで取り戻せる)。
3:免許を取り消された場合(死亡や破産など)免許を更新せず失効した場合一部の事務所を廃止した場合の取戻しは公告が必要です。
4:任意取消しである点に注意。



【問34】宅建業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 宅建業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。
2 宅建業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅建業法違反となる。
3 宅建業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。
4 宅建業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。

⇒正解(4)
3:居住用建物以外なので配分は自由です。
4:依頼者の依頼によらない広告費を報酬額に合算して受領することはできません。



【問35】宅建業者Aが行う媒介業務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、宅建業法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。

ア 宅建業者Aが建物の売買契約を成立させた場合においては、37条書面を買主に交付するに当たり、37条書面に記名押印した宅建士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。
イ 宅建業者Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅建業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。
ウ 宅建業者Aが建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。
エ 宅建業者Aが事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅建業者であっても、宅建士をして37条書面に記名押印させなければならない。

⇒正解(3)正しいのはアウエ
イ:物件の引渡し時期、売買と交換における所有権移転登記の申請時期代金や借賃の支払時期は37条書面の必要的記載事項ですが、賃借権設定登記の申請時期は記載事項ではありません。



【問36】宅建業者の守秘義務に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者は、依頼者本人の承諾があった場合でも、秘密を他に漏らしてはならない。
2 宅建業者が、宅建業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。
3 宅建業者は、裁判の証人として、その取り扱った宅地建物取引に関して証言を求められた場合、秘密に係る事項を証言することができる。
4 宅建業者は、調査の結果判明した宅建業法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。

⇒正解(3)
13:依頼者本人の承諾・裁判の証人としての証言=正当理由に基づく秘密の開示と言えます。
2:宅建業者でなくなった後も、正当理由なくして業務上知りえた秘密を漏らしてはなりません。
4:依頼者の希望があっても、重要説明事項に該当すれば説明することを要します。



【問37】宅建業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。
2 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
3 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
4 宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。

⇒正解(1)234が明らかに誤りですが、グレーな問題となっています。
1:既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項は、既存住宅の売買と交換における37条書面の必要的記載事項ですので、確認した事項がない場合はその旨を記載する必要がありますが、本肢は貸借(=記載不要)の可能性もありますのでグレーな問題ですね…。
2:代金または交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めは37条書面の任意的記載事項なので、定めがなければ記載不要です。
3:損害賠償額の予定または違約金に関する定めは37条書面の任意的記載事項なので、定めがなければ記載不要です。
4:宅地または建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めは37条書面の任意的記載事項なので、定めがなければ記載不要です。



【問38】宅建士に関する次の記述のうち、宅建業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 宅建業者は、事務所に置く唯一の専任の宅建士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅建士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅建士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
イ 未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅建業者の事務所に置かれる専任の宅建士となることができる。
ウ 宅建士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅建業者である場合、相手方から宅建士証の提示を求められない限り、宅建士証を提示する必要はない。
エ 成年被後見人又は被保佐人は、宅建士として都道府県知事の登録を受けることができない。

⇒正解(1)正しいのはウのみ
ア:2週間以内に補充して30日以内に届出です。逆です。
イ:法定代理人の同意があっても未成年者は専任宅建士となることはできません(未成年者が専任宅建士となれるのは、成年擬制または未成年者である宅建士自身が個人の宅建業者である場合や法人宅建業者の役員である場合)。
ウ:相手方が宅建業者である場合、35条書面は交付だけで足り説明は不要ですので、相手方から求められない限り宅建士証の提示は不要です。ちょっと間違えそうになる良い問題ですね。
エ:法改正ホヤホヤ問題。単に成年被後見人や被保佐人というだけでは欠格事由とならず、心身の故障により宅建士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものに該当しない限り、宅建士登録を受けることができます。



【問39】宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅建業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、2日後、Aの事務所で契約を締結した上で代金全額を支払った。その5日後、Bが、宅地の引渡しを受ける前に当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは代金全額が支払われていることを理由に契約の解除を拒むことができる。
2 Bは、自らの希望により自宅近くの喫茶店において買受けの申込みをし、売買契約を締結した。当該契約に係るクーリング・オフについては、その3日後にAから書面で告げられた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
3 Bは、Aの仮設テント張りの案内所で買受けの申込みをし、Aの事務所でクーリング・オフについて書面で告げられ、その日に契約を締結した。この書面の中で、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間を14日間としていた場合、Bは、当該契約の締結日から10日後であっても契約の解除をすることができる。
4 Bは、売買契約締結後に速やかに建物建築工事請負契約を締結したいと考え、自ら指定した宅建業者であるハウスメーカー(Aから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼は受けていない。)の事務所で買受けの申込み及び売買契約の締結をし、その際、クーリング・オフについて書面で告げられた。その6日後、Bが当該契約について解除の書面を送付した場合、Aは契約の解除を拒むことができない。

⇒正解(1)
1:事務所等以外で契約申込が行われていますので、売主から書面によりクーリング・オフができる旨の告知を受けていない限り、物件の引渡し+代金全額の支払いが終了するまではいつでも契約解除ができます。
2:契約締結から10日後であっても、書面による告知から8日以内であれば契約解除ができます。
3:契約解除期間を14日間とする特約は、買主に有利なため有効です。
4:代理や媒介依頼を受けていないハウスメーカーの事業所=事務所等以外となり、書面による告知から8日以内であれば契約解除ができます。



【問40】宅建業法に規定する業務に関する禁止事項についての次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅建業者が、マンション販売の勧誘をするに際し、相手方から購入を希望しない旨の返事があった後に、当該勧誘を継続することは宅建業法に違反しない。
2 宅建業者は、契約の相手方に対して資金不足を理由に手付の貸付けを行ったが、契約締結後償還された場合は宅建業法に違反しない。
3 宅建業者は、契約の締結の勧誘をするに際し、理由の如何を問わず、相手方に対して当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。
4 宅建業者は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘したとしても、宅建業法に違反しない。

⇒正解(4)3番が少し細かいですが、正解肢が簡単ですね。
1:不当勧誘の禁止規定違反。
2:契約締結後に償還されても、手付の貸付による契約誘因は宅建業法違反となります。
3:正当な理由があれば拒むことができます。
4:単なる売買代金の値下げ(買主がお得なだけ)は手付貸与の禁止規定違反とはなりません。



【問41】宅建業法第49条に規定する帳簿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 宅建業者は、本店と複数の支店がある場合、支店には帳簿を備え付けず、本店に支店の分もまとめて備え付けておけばよい。
2 宅建業者は、宅建業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を帳簿に記載しなければならない。
3 宅建業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならないが、自ら売主となり、又は売買の媒介をする新築住宅に係るものにあっては10年間保存しなければならない。
4 宅建業者は、帳簿の記載事項を、事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンターを用いて明確に紙面に表示する場合でも、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができない。

⇒正解(2)正解肢は細かいですが、消去法で楽勝です。
1:帳簿は事務所ごとに備えます。案内所等に帳簿は不要ですが、支店も宅建業の事務所であれば帳簿が必要です。
3:宅建業者が自ら売主となる新築住宅にかかるもののみが10年の保存を要します(媒介は5年)。
4:パソコン等に記録して必要に応じ明確に紙面に表示させることができるのであれば、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができます。



【問42】宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅建業者ではないものとする。

1 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項により指定された歴史的風致形成建造物である建物の売買の媒介を行う場合、その増築をするときは市町村長への届出が必要である旨を説明しなくてもよい。
2 既存の建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。
3 区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。
4 建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならない。

⇒正解(1)全体的に簡単ですが、35書面記載事項が細かい試験となりましたね。消去法で正解したい問題。
1:歴史的風致形成建造物の増改築移転または除却は、その着手する日の30日前までに一定事項を市町村長に届け出る必要があり、その旨は重要説明事項となります。



【問43】宅建業法に規定する宅建士及びその登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 登録を受けている者が精神の機能の障害により宅建士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。
2 甲県知事の登録を受けている宅建士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅建士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。
3 宅建士が、事務禁止処分を受け、宅建士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。
4 宅建士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。

⇒正解(4)3番が少し細かいですが、正解肢が簡単です。細かい肢を混ぜ、正解には辿り着ける問題が多いですね。
1:皆さん問38-エと一緒に覚えていたはずの法改正ホヤホヤ問題。心身故障者となった場合、本人、法定代理人、同居の親族が届け出ます。
2:登録の移転により交付される宅建士証の有効期間は従前の宅建士証の残存期間となり、新たに講習を受ける必要はありません。
3:宅建士証の提出義務違反は10万円以下の過料です。



【問44】宅建業法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 宅地には、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、将来的に建物の敷地に供する目的で取引の対象とされる土地も含まれる。
イ 農地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであっても、宅地には該当しない。
ウ 建物の敷地に供せられる土地であれば、都市計画法に規定する用途地域外に存するものであっても、宅地に該当する。
エ 道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであれば宅地に該当する。

⇒正解(2)正しいのはアウ
イエ:用途地域内の土地は、道路や公園、河川等その他公共施設の用に供せられるもの以外は宅地となります。



【問45】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によれば、正しいものはどれか。

1 宅建業者Aが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。
2 宅建業者Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。
3 宅建業者Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。
4 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡した宅建業者Aが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。

⇒正解(4)これまた細かい肢が混ざっていますが、正解肢は基本問題。
1:床面積55㎡以下の新築住宅が2戸をもって1戸と計算することができます。
2:このような規定はありません。
3:給水設備やガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害は、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の保険対象とはなりません。



【問46】独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 機構は、地震に対する安全性の向上を主たる目的とする住宅の改良に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
2 証券化支援事業(買取型)における民間金融機関の住宅ローン金利は、金融機関によって異なる場合がある。
3 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。
4 証券化支援業務(買取型)において、機構による譲受けの対象となる住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権には、当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金は含まれない。

⇒正解(4)消去法で正解したい問題。
4:「含まれます」としか説明できません…。もしも含まれないのであれば「当該住宅の購入に付随する改良に必要な資金は含まれない」と載せているテキストも多いはずです。しっかり勉強したことが前提ですが、それでも知らない知識=適当に作られた誤りの肢である可能性が高いというテクニックも身に着けておきましょう。



【問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、セットバックを要する旨及びその面積を必ず表示しなければならない。
2 取引態様については、「売主」、「貸主」、「代理」又は「媒介(仲介)」の別を表示しなければならず、これらの用語以外の「直販」、「委託」等の用語による表示は、取引態様の表示とは認められない。
3 インターネット上に掲載している賃貸物件について、掲載した後に契約済みとなり実際には取引できなくなっていたとしても、当該物件について消費者からの問合せがなく、故意に掲載を継続していたものでなければ、不当表示に問われることはない。
4 新築分譲住宅を販売するに当たり、販売価格が確定していないため直ちに取引することができない場合、その取引開始時期をあらかじめ告知する予告広告を行うことはできない。

⇒正解(2)
1:セットバックを要する部分を含む土地については、セットバックを要する旨を表示し、その面積がおおむね10%以上である場合は併せて面積も表示します。
2:取引態様の別=「売主」「貸主」「代理」「媒介(仲介)」の別
3:問い合わせ等に関係なく、掲載(を継続)すること自体が不当表示で違反行為となります。
4:予告広告である旨および価格が未定である旨を表示すれば予告広告も可能です。



【問48】次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築着工統計(令和2年1月公表)によれば、平成31年1月から令和元年12月までの新設住宅着工戸数は約90.5万戸となり、3年ぶりに増加に転じた。
2 令和2年版国土交通白書(令和2年6月公表)によれば、平成31年3月末における宅建業者数は12万4,000を超えている。
3 令和2年版土地白書(令和2年6月公表)によれば、平成30年の住宅地、工業用地等の宅地は約196万haあるが、前年に比べて大きく減少した。
4 平成30年度法人企業統計調査(令和元年9月公表)によれば、不動産業について、平成30年度の売上高営業利益率及び売上高経常利益率は、いずれも10%以下となっている。

⇒正解(2)統計問題は試験年の最新情報を覚えておいてください。



【問49】土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 山地は、地形がかなり急峻で、大部分が森林となっている。
2 低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。
3 埋立地は、一般に海面に対して数mの比高を持ち、干拓地に比べ自然災害に対して危険度が高い。
4 台地は、一般に地盤が安定しており、低地に比べ自然災害に対して安全度が高い。

⇒正解(3)いつもの簡単な土地問題。
3:埋立地は平均海面に対して数mの比高を持ち、水面以下の場合が多い干拓地と比べて高潮や洪水などの自然災害に対して危険度が低くなっています。



【問50】建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。
2 木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。
3 鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。
4 近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。

⇒正解(3)例年よりも正解しやすい建物問題。
1:底部で建物を沈下や傾斜から守るため、基礎は硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要があります。
3:鉄骨造は不燃構造で靭性も大きいですが、錆による浸食を防ぐため防錆処理は必要です。


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