平成22年-2010年の宅建試験問題と解説

とても役立つ年度別の解説付き宅建試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら平成22年(2010年)の通し問題を見ていきましょう。

平成22年(2010年)宅建試験問題と解説
平成22年(2010年)宅建試験問題
1.権利関係の問題 問1~14
 2.宅建業法の問題 問26~45
  3.法令制限の問題 問15~22
 4.税その他の問題 問23~25
5.税その他の問題 問46~50


【問 1】 制限行為能力者に関する次の記述うち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。
(2)成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには、家庭裁判所の許可が必要である。
(3)被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
(4)被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の許可が必要である。

⇒正解(2)
2:成年後見人が、成年被後見人が居住している建物や土地について売却や賃貸、抵当権の設定などを行うには家庭裁判所の許可が必要です。
3:日用品の購入ならば、成年被後見人でも同意不要ですね。



【問 2】 AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述うち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

(1)Aが死亡した後であっても、BがAの死亡の事実を知らず、かつ、知らないことにつき過失がない場合には、BはAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。
(2)Bが死亡しても、Bの相続人はAの代理人として有効に甲土地を有効に売却することができる。
(3)18歳であるBがAの代理人として甲土地をCに売却した後で、Bが18歳であることをCが知った場合には、CはBが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことができる。
(4)Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。

⇒正解(4)
1:代理人が知らなかったとしても、本人の死亡により代理権は消滅します。
2:代理人の死亡、破産、後見開始により代理権は消滅し、相続等により引き継がれることはありません。
3:代理人は行為能力者であることを要せず(後に後見開始がされた場合は代理権消滅事由)、未成年者が行った代理行為も有効に成立し、相手方から未成年を理由に契約を取り消すことはできません。
4:原則として双方代理は禁止ですが、当事者双方が許諾していれば認められます。



【問 3】 所有権及びそれ以外の財産権の取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)土地の賃借権は、物権ではなく、契約に基づく債権であるので、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在したとしても、時効によって取得することはできない。
(2)自己の所有と信じて占有している土地の一部に、隣接する他人の土地の筆の一部が含まれていても、他の要件を満たせば、当該他人の土地の一部の所有権を時効によって取得することができる。
(3)時効期間は、時効の基礎たる事実が開始された時を起算点としなければならず、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。
(4)通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

⇒正解(1)
1:所有権以外の財産権の取得時効も認められます。



【問 4】 AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名のるCがAに対して連絡してきた。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)CもBから甲土地を購入しており、その売買契約書の日付とBA間の売買契約書の日付が同じである場合、登記がなくても、契約締結の時刻が早い方が所有権を主張することができる。
(2)甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には、BA間の売買契約の時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。
(3)Cが時効により甲土地の所有権を所得した旨主張している場合、取得時効の進行中にBA間で売買契約及び所有権移転登記がなされ、その後に時効が完成しているときは、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。
(4)Cは債権者の追及を逃れるために売買契約の実態はないのに登記だけBに移し、Bがそれに乗じてAとの間で売買契約を締結した場合には、CB間の売買契約が存在しない以上、Aは所有権を主張することはできない。

⇒正解(3) ちょっとややこしい難問。正確な知識が必要です。
1:契約締結時期ではなく、登記の先後で決する。
2:取消し後にBA間の売買契約が締結されていた場合は登記が必要。
4:Aが通謀虚偽表示について善意ならば、所有権を主張することができます。



【問 5】 AはBから2,000万円を借り入れて土地とその上の建物を購入し、Bを抵当権者として当該土地及び建物に2,000万円を被担保債権とする抵当権を設定し、登記した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)AがBとは別にCから500万円を借り入れた場合、Bとの抵当権設定契約がCとの抵当権設定契約より先であっても、Cを抵当権者とする抵当権設定登記の方がBを抵当権者とする抵当権設定契約より先であるときは、Cを抵当権者とする抵当権が第1順位となる。
(2)当該建物に火災保険が付されていて、当該建物が火災によって焼失してしまった場合、Bの抵当権は、その火災保険契約に基づく損害保険金請求権に対しても行使することができる。
(3)Bの抵当権設定登記後にAがDに対して当該建物を賃貸し、当該建物をDが使用している状態で抵当権が実行され当該建物が競売された場合、Dは競落人に対して直ちに当該建物を明け渡す必要はない。
(4)AがBとは別に事業資金としてEから500万円を借り入れる場合、当該土地及び建物の購入代金が2,000万円であったときには、Bに対して500万円以上の返済をした後でなければ、当該土地及び建物にEのために2番抵当権を設定することはできない。

⇒正解(4)
4:被担保債権の有無に関わらず2番抵当権を設定することは自由です。



【問 6】 両当事者が損害の賠償につき特段の合意をしていない場合において、債務の不履行によって生ずる損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)債権者は、債務の不履行によって通常生ずべき損害のうち、契約締結当時、両当事者がその損害発生を予見していたものに限り、賠償請求できる。
(2)債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。
(3)債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の時効を請求し得る時からその進行を開始する。
(4)債務の不履行に関して債権者に過失があったときでも、債務者から過失相殺する旨の主張がなければ、裁判所は、損害賠償の責任及びその額を定めるに当たり、債権者の過失を考慮することはできない。

⇒正解(3) 正解肢は易しいですが、難問の部類に入るでしょう。
1:債務の不履行について債務者に帰責事由があれば、予見の有無に関わらず賠償請求ができます。
2:予見すべきであったときに賠償請求ができます。
4:債務者の主張がなくても、裁判所が職権で過失相殺をすることができます



【問 7】 民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)債務者が既に自らの権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。
(2)未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保存登記手続を行うことができる場合がある。
(3)建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占拠者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
(4)抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占拠者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。

⇒正解(1)
1:債務者が既に権利を行使している場合、債権者の代位行使はできません。



【問 8】 保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)保証人となるべき者が、主たる債務者と連絡を取らず、同人から委託を受けないまま債権者に対して保証したとしても、その保証契約は有効に成立する。
(2)保証人となるべき者が、口頭で明確に特定の債務につき保証する旨の意思表示を債権者に対してすれば、その保証契約は有効に成立する。
(3)連帯保証ではない場合の保証人は、債権者から債務の履行を請求されても、まず主たる債務者に催告すべき旨を債権者に請求できる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又は行方不明であるときは、この限りでない。
(4)連帯保証人が2人いる場合、連帯保証人間に連帯の特約がなくとも、連帯保証人は各自全額につき保証責任を負う。

⇒正解(2) 細かい肢もありますが2番が明らかに誤り。
1:保証契約は債権者と保証人との契約であって、主たる債務者の委託がなくても保証契約は成立します
2:保証契約は書面でしなければ効力を生じません
4:連帯でない保証人には分別の利益があり、頭数で割った額の義務を負うことと区別してください。



【問 9】 契約の解除に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)
同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった2個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。

(1)同一当事者間で甲契約と乙契約がなされても、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていないのであれば、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除できるわけではない。
(2)同一当事者間で甲契約と乙契約なされた場合、甲契約の債務が履行されることが乙契約の目的の達成に必須であると乙契約の契約書に表示されていたときに限り、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。
(3)同一当事者間で甲契約と乙契約がなされ、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていても、そもそも甲契約を解除することができないような付随的義務の不履行があるだけでは、乙契約も解除することはできない。
(4)同一当事者間で甲契約(スポーツクラブ会員権契約)と同時の乙契約(リゾートマンションの区分所有権の売買契約)が締結された場合に、甲契約の内容たる屋内プールの完成及び供用に遅延があると、この履行遅延を理由として乙契約を民法第541条により解除できる場合がる。

⇒正解(2) 時間はかかりますが、よく読むとすごく簡単な国語の問題。



【問 10】 遺言に関する次の記述うち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)自筆証書遺言は、その内容をワープロ等で印字していても、日付と氏名を自書し、押印すれば、有効な遺言となる。
(2)疾病によって死亡の危急に迫った者が遺言をする場合、代理人が2名以上の証人と一緒に公証人役場に行けば、公正証書遺言を有効に作成することができる。
(3)未成年であっても、15歳に達した者は、有効に遺言をすることができる。
(4)夫婦又は血縁関係がある者は、同一の証書で有効に遺言をすることができる。

⇒正解(3)
1:自筆証書遺言は全文を自書する必要があります(添付する財産目録は自筆である必要なし)。
2:証人が3人必要です。
4:夫婦や血縁関係があっても同一証書で遺言をすることはできません。



【問 11】 借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であれば、従業員の社宅として従業員の居住の用に供するときであっても、事業用定期借地権を設定することができる。
(2)存続期間を10年以上20年未満とする短期の事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によらなくても、書面又は電磁的記録によって適法に締結することができる。
(3)事業用定期借地権が設定された借地上にある建物につき賃貸借契約を締結する場合、建物を取り壊すこととなるときは建物賃貸借契約が終了する旨を定めることができるが、その特約は公正証書によってしなければならない。
(4)事業用定期借地権の存続期間の満了によって、その借地上の建物の賃借人が土地を明け渡さなければならないときでも、建物の賃借人がその満了を1年前までに知らなかったときは、建物の賃借人は土地の明渡しにつき相当の期限を裁判所に許与される場合がある。

⇒正解(4)
1:従業員の社宅であっても事業の用に供する建物とはいえません。
2:事業用定期借地権の設定は公正証書で行います
3:書面(電子交付可)で行う必要はありますが、公正証書による必要はありません。



【問 12】 Aは、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間2年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)をBと締結して建物の引渡しを受けた。この場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)本契約期間中にBが甲建物をCに売却した場合、Aは甲建物に賃借権の登記をしていなくても、Cに対して甲建物の賃借権があることを主張することができる。
(2)AがBとの間の信頼関係を破壊し、本件契約の継続を著しく困難にした場合であっても、Bが本件契約を解除するためには、民法第541条所定の催告が必要である。
(3)本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約であって、造作買取請求権を排除する特約がない場合、Bの同意を得てAが甲建物に付加した造作については、期間満了で本件契約が終了するときに、Aは造作買取請求権を行使できる。
(4)本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約であって、賃料の改定に関する特約がない場合、契約期間中に賃料が不相当になったと考えたA又はBは、賃料の増減額請求権を行使できる。

⇒正解(2)正解肢が細かいので消去法で取りたい問題。
2:賃貸借契約は当事者の信頼関係で成り立っています。



【問 13】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)専有部分が数人の共有に属するときは、規約で別段の定めをすることにより、共有者は、議決権を行使すべき者を2人まで定めることができる。
(2)規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。
(3)敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約で別段の定めのあるときを除き、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができる。
(4)集会において、管理者の選任を行う場合、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

⇒正解(4)
1:2人ではなく1人を定めます
2:区分所有者の特定承継人に対しても効力を生じます(占有者は、建物などの使用方法につき区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う点と比較)。
3:原則として分離して処分できず、規約に別段の定めがあれば分離して処分することができます。



【問 14】 不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求をすることもできる。
(2)登記事項証明書の交付の請求をするに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
(3)登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記載されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することができる。
(4)送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。

⇒正解(1)
1:交付請求ができるのは、書面で作成された登記事項証明書に限ります。正しい3つの肢も押さえておきましょう。



【問 15】 国土利用計画法第23条の都道府県知事への届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)宅建業者Aが、自ら所有する市街化区域内の5,000㎡の土地について、宅建業者Bに売却する契約を締結した場合、Bが契約締結日から起算して2週間以内に事後届出を行わなかったときは、A及びBは6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる場合がある。
(2)事後届出に係る土地の利用目的について、甲県知事から勧告を受けた宅建業者Cは、甲県知事に対し、当該土地に関する権利を買い取るべきことを請求することができる。
(3)乙市が所有する市街化調整区域内の10,000㎡の土地と丙市が所有する市街化区域内の2,500㎡の土地について、宅建業者Dが購入する契約を締結した場合、Dは事後届出を行う必要はない。
(4)事後届出に係る土地の利用目的について、丁県知事から勧告を受けた宅建業者Eが勧告に従わなかった場合、丁県知事は、その旨及びその勧告の内容を公表しなければならない。

⇒正解(3)
1:事後届出を要するのは権利取得者Bのみ
3:当事者が地方公共団体の場合は届出不要
4:公表することができる(=任意)。



【問 16】 都市計画法に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
(2)準都市計画区域は、都市計画区域以外の区域のうち、新たに住居都市、工業都市その他の都市として開発し、及び保全する必要がある区域に指定するものとされている。
(3)区域区分は、指定都市、中核市及び特例市の区域の全部又は一部を含む都市計画区域には必ず定めるものとされている。
(4)特定用途制限区域は、用途地域内の一定の区域のおける当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定めるものとされている。

⇒正解(1) 細かい肢に惑わされず、1番を見た瞬間に自信を持って正しいと判断できるかが分かれ目。
2:これは都市計画区域の説明。
3:区域区分を必ず定める必要があるのは、三大都市圏と政令指令都市を含む都市計画で、本肢の場合は任意。
4:これは特別用途地区の説明。



【問 17】 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。また、各選択肢に掲げる行為は、都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業及び防災街区整備事業の施行として行うもの、公有水面埋立法第2条第1項の免許を受けた埋立地で行うもの並びに非常災害のため必要な応急措置として行うものを含まない。

(1)区域区分が定められていない都市計画区域内において、20戸の分譲住宅の新築を目的として5,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする場合は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
(2)市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、土地の区画形質の変更を伴わず、床面積が150㎡の住宅の全部を改築し、飲食店としようとする場合には、都道府県知事の許可を受けなければならない。
(3)開発許可を受けた開発区域内において、当該区域内の土地の所有権を有し、かつ、都市計画法第33条第1項第14号に規定する同意をしていない者は、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があるまでの間は、その権利の行使として建築物を建築することができる。
(4)開発許可申請者以外の者は、開発許可を受けた開発区域内のうち、用途地域等の定められていない土地の区域においては、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があった後は、都道府県知事の許可を受けなくても、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を新築することができる。

⇒正解(4)
2:市街化調整区域において開発許可を受けた開発区域以外の区域内で建築物を建築するには、原則として知事の許可が必要です。面積等の記載は関係ありません。
4:原則として、予定建築物以外の建築物は建築できません。例外…知事が支障なしと許可した場合、用途地域に合った建築物を建築する場合



【問 18】 3階建て、延べ面積600㎡、高さ10mの建築物に関する次の記述うち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)当該建築物が木造であり、都市計画区域外に建築する場合は、確認済証の交付を受けなくとも、その建築工事に着手することができる。
(2)用途が事務所である当該建築物の用途を変更して共同住宅にする場合、確認を受ける必要はない。
(3)当該建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。
(4)用途が共同住宅である当該建築物の工事を行う場合において、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事を終えたときは、中間検査を受ける必要がある。

⇒正解(4) 中間検査を問う正解肢は細かいので、消去法で正解できればラッキー。
1:大規模建築物は確認済証の交付を受けるまで工事に着手することができません
2:特殊建築物(用途に供する部分200㎡超)は、新築、増改築、移転、大規模修繕(模様替え)、用途変更のどれでも建築確認が必要です。
3:避雷設備を要する建築物は高さ20m超の建築物です。



【問 19】 建築物の用途規制に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域地区等の指定及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。

(1)建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において、当該敷地の過半が工業地域内であるときは、共同住宅を建築することができる。
(2)準住居地域においては、原動機を使用する自動車整備工場で作業場の床面積の合計が150㎡を超えないものを建築することができる。
(3)近隣商業地域内において映画館を建築する場合は、客席の部分の床面積の合計が200㎡未満となるようにしなければならない。
(4)第一種低層住居専用地域内においては、高等学校を建築することはできるが、高等専門学校を建築することはできない。

⇒正解(3)
3:映画館で面積制限があるのは準住居地域で、近隣商業地域の映画館に面積制限はありません。



【問 20】 宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。

(1)宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。
(2)宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事は、擁壁、排水施設の設置など、宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置が講ぜられたものでなければならない。
(3)宅地造成工事規制区域内の宅地において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(4)宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。

⇒正解(3)
3:排水施設の除却等の工事を行う場合、工事着手の14日前までに届出が必要です。



【問 21】 土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)施行地区の土地についての土地区画整理事業は、都市計画事業として施行されることから、これを土地収用法第3条各号の一に規定する事業に該当するものとみなし、同法の規定を適用する。
(2)宅地について所有権を有する者は、1人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地及び一定の区域の宅地以外の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
(3)宅地について所有権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
(4)国交通大臣は、施行区域の土地について、国の利害に重大な関係がある土地区画整理事業で特別の事情により急施を要すると認められるもののうち、国土交通大臣が施行する公共施設に関する工事と併せて施行することが必要であると認められるものについては自ら施行することができる。

⇒正解(1) 意味不明な1番は置いておいて、消去法で対応したい問題。
1:土地区画整理事業が都市計画事業として施行される場合(必ずではない)に限り、土地収用法の対象事業となります。



【問 22】 農地法(以下この問において「法」という。)についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)農地を相続した場合、その相続人は、法第3条第1項の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
(2)宅地に転用する目的で市街化区域外の農地を購入する場合は、農地の権利移動に係る法第3条第1項の許可のほか、農地転用に係る法4条第1項の都道府県知事の許可を受ける必要がある。
(3)会社の代表者が、その会社の業務に関し、法の規定に違反し転用行為をした場合は、その代表者が罰せられるのみならず、その会社も1億円以下の罰金刑が科せられる。
(4)賃貸借の存続期間については、民法上は2050年を超えることができないこととされているが、農地の賃貸借については、50年までの存続期間が認められる。

⇒正解(2) 法改正箇所が連発された農地法問題。これを機に正しい肢も覚えておきましょう。
2:宅地に転用目的で農地の権利移動をするには農地法5条の許可のみで足ります。



【問 23】 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能にする措置)に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)60歳未満の親から住宅用家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。
(2)父母双方から住宅取得のための資金の贈与を受けた場合において、父母のいずれかが60歳以上であるときには、双方の贈与ともこの特例の贈与を受けることはできない。
(3)住宅取得のための資金の贈与を受けた者について、その年の所得税法に定める合計所得金額が2,000万円を超えている場合でも、この特例の適用を受けることができる。
(4)相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の合計額が2,500万円以内であれば、贈与時には贈与税は課されないが、相続時には一律20%の税率で相続税が課される。

⇒正解(3)
1:相続時精算課税の特例が適用されるには、資産一般であれば60歳以上の親や祖父母、住宅取得等資金であれば親や祖父母に年齢制限はありません。本肢は住宅取得等資金ではなく住宅用家屋そのものの、60歳未満の親からの贈与ですので、適用を受けることはできません。
2:父母それぞれ別で適用される上に、住宅取得等資金なので年齢制限もなく、特例を受けることができます。
3:相続時精算課税の特例適用に所得制限はありません
4:贈与財産の合計額が2,500万円以内なので贈与時には非課税ですが、相続税は相続財産の額によって異なります。



【問 24】 不動産取得税に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)生計を一にする親族から不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。
(2)交換により親族から不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。
(3)法人が合併により不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。
(4)販売用に中古住宅を取得した場合、不動産取得税は課されない。

⇒正解(3) 不動産取得税の勉強をしていなくても常識判断消去法で正解できそうですね。
1:遺贈含む相続による取得なら不動産取得税は課税されませんが、親族というだけでは非課税になりません。



【問 25】 不動産の鑑定評価に関する次の記述うち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。

(1)原価法は、求めた再調達原価について減価修正を行って対象物件の価格を求める手法であるが、建設費の把握が可能な建物のみに適用でき、土地には適用できない。
(2)不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因を価格形成要因といい、一般的要因、地域要因及び個別的要因に分けられる。
(3)正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。
(4)取引事例に係る取引が特殊な事情を含み、これが当該取引事例に係る価格等に影響を及ぼしているときは、適切に補正しなければならない。

⇒正解(1)
1:対象不動産が土地でも、再調達原価を適切に求めることができるときは原価法が適用できます。



【問 26】 宅建業の免許(以下この問において「免許」という。)に関するの次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)農地所有者が、その所有する農地を宅地に転用して売却しようとするときに、その販売代理の依頼を受ける農業協同組合は、これを業として営む場合であっても、免許を必要としない。
(2)他人の所有する複数の建物を借り上げ、その建物を自ら貸主として不特定多数の者に反復継続して転貸する場合は、免許が必要となるが、自ら所有する建物を貸借する場合は、免許を必要としない。
(3)破産管財人が、破産財団の換価のために自ら売主となり、宅地又は建物の売却を反復継続して行う場合において、その媒介を業として営む者は、免許を必要としない。
(4)信託業法第3条の免許を受けた信託会社が宅建業を営もうとする場合、免許を取得する必要はないが、その旨を国土交通大臣に届け出ることが必要である。

⇒正解(4)
1:宅建業の免許が不要となる国や地方公共団体、信託会社、破産管財人に、農業協同組合は含まれません。
2:自ら貸借は宅建業に該当しません
3:破産管財人から媒介依頼を受けた者まで免許が不要とはなりません。
4:信託会社は、免許を受けなくても国土交通大臣に届け出れば宅建業を営むことができます。



【問 27】 宅建業の免許(以下この問において「免許」という。)に関するの次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)法人Aの役員のうちに、破産手続開始の決定がなされた後、復権を得てから5年を経過しない者がいる場合、Aは、免許を受けることができない。
(2)法人Bの役員のうち、宅建業法の規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Bは、免許を受けることができない。
(3)法人Cの役員のうちに、刑法第204条(傷害)の罪を犯し懲役1年の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を経過したが、その経過の日から5年を経過しない者がいる場合、Cは免許を受けることができない。
(4)法人Dの役員のうち、道路交通法の規定に違反したことにより、科料に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、Dは、免許を受けることができない。

⇒正解(2)
1:破産者は復権したらすぐに免許可
2:宅建業法違反の罰金刑については5年の経過を要します。罰金刑で免許欠格要件となるものとして、宅建業法違反、暴行罪、傷害罪、背任罪、暴力団関連あたりを押さえておきましょう。
3:執行猶予期間が満了すればその翌日から免許可
4:道路交通法違反は禁固以上でなければ欠格事由に該当しません。



【問 28】 次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)免許を受けている個人Aが死亡した場合、相続人にAの免許は承継されないが、相続人は、Aが生前に締結した契約に基づく取引を結了するための業務を行うことができるので、当該業務が終了した後に廃業届を提出すればよい。
(2)免許を受けている法人Bが免許を受けていない法人Cとの合併により消滅した場合、Cは、Bが消滅した日から30日以内に、Bを合併した旨の届出を行えば、Bが受けていた免許を承継することができる。
(3)免許を受けている個人Dが、自己の名義をもって個人Eに宅建業法を営ませる行為は、Eが免許を受けているとしても、宅建業法第13条で禁止する名義貸しに該当する。
(4)免許を受けている法人Fが、宅建業保証協会の社員でない場合は、営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出た後でなければ事業を開始してはならないので、当該届出前に宅建業法を営む目的で広告をした行為は、宅建業法第12条で禁止する無免許事業に該当する。

⇒正解(3)
1:前段は正しいですが、相続人が死亡の事実を知った日から30日以内に廃業の届出をすることに変わりはありません。
2:常識的に考えて、合併消滅した法人の免許を継承するということはありませんね(消滅したBを代表する役員が廃業の届出を行う)。
3:宅建免許を持っている者に対しても名義貸しに該当します。
4:前段は正しいですが、無免許というわけではありません。なぞなぞのようなひっかけ問題ですね。



【問 29】 次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、「事務所」とは、同法第15条に規定する事務所等をいう。

(1)宅建業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、免許証及び国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。
(2)宅建業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備える義務を怠った場合、監督処分を受けることはあっても罰則の適用を受けることはない。
(3)宅建業者は、各事務所の業務に関する帳簿を主たる事務所に備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積等の事項を記載しなければならない。
(4)宅建業者は、その事務所ごとに一定の数の成年者である専任の宅建士を置かなければならないが、既存の事務所がこれを満たさなくなった場合は、2週間以内に必要な措置を執らなければならない。

⇒正解(4)
1:標識を掲げる必要はありますが、免許証を掲げる必要はありません。
2:従業者名簿を備えなかった場合、監督処分+罰則の適用もあり得ます。
3:主たる事務所だけではなく、事務所ごとに帳簿を備えます。
4:専任の宅建士の法定数が欠如した場合、2週間以内に補充しなければなりません。



【問 30】 宅建士の登録(以下この問において「登録」という。)及び宅建士証に関する次の記述のうち、民法及び宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)婚姻している未成年者は、登録実務講習を終了しても、法定代理人から宅建業を営むことについての許可を受けなければ登録を受けることができない。
(2)登録を受けている者は、宅建証の交付を受けていない場合は、その住所に変更があっても、登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請する必要はない。
(3)宅建士証を亡失し、その再交付を申請している者は、再交付を受けるまでの間、宅建業法第35条に規定する重要事項の説明をする時は、宅建士証に代えて、再交付申請書の写しを提示すればよい。
(4)甲県知事から宅建士証の交付を受けている者が、宅建士としての事務を禁止する処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請により登録が消除された場合は、その者が乙県で宅建士資格試験に合格したとしても、当該期間が満了しないときは、乙県知事の登録を受けることはできない。

⇒正解(14)
1:成年擬制がなくなったことで、上記打消し線により1番も正しい肢となっています。
2:宅建士証の交付の有無に関係なく、宅建士資格登録簿登載事項(氏名、住所、本籍、勤務先である宅建業者の商号・名称・免許証番号)に変更があれば、変更の登録が必要です。
3:宅建士証が再交付されるまで重要事項の説明不可。
4:登録の欠格要件に該当する者は、他県でも登録を拒否されます。



【問 31】 宅建業者の営業保証金に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、「還付請求者」とは、同法第27条1項の規定に基づき、営業保証金の還付を請求する権利を有する者をいう。

(1)宅建業者は、宅建業に関し不正な行為をし、情状が特に重いとして免許を取り消されたときであっても、営業保証金を取り戻すことができる場合がある。
(2)宅建業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
(3)宅建業者は、一部の支店を廃止したことにより、営業保証金の額が政令で定める額を超えた場合、還付請求者に対し所定の期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかったときに、その超過額を取り戻すことができる。
(4)宅建業者は、宅建業保証協会の社員となった後において、社員となる前に供託していた営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。

⇒正解(2)
2:公告をし、その期間内に還付の申出がなかった場合に営業保証金を取り戻すことができます。公告不要で営業保証金を取り戻すことができるのは次の3点だけです。主たる事務所の最寄りの供託所が変わったとき(保管替え)、保証協会の社員となったとき、営業保証金の取戻し事由発生から10年が経過したとき



【問 32】 宅建業者Aがその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 宅建業者Aが行う広告については、実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないが、誤認させる方法には限定がなく、宅地又は建物に係る現在又は将来の利用の制限の一部を表示しないことにより誤認させることも禁止される。
イ 宅建業者Aがテレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり宅建業法の規制の対象とならない。
ウ 宅建業者Aが行う広告については、実際のものより著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示であっても、誤認による損害が実際に発生しなければ、監督処分の対象とならない。

⇒正解(1) 正しいのはアだけで、広告の媒体に制限はありません。イウも説明不要の易しさですね。



【問 33】 宅建業者Aが、Bから自己所有の宅地の売買の媒介を依頼された場合における当該媒介に係る契約に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)宅建業者Aは、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、宅建士に宅建業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面の記載内容を確認させて上で、当該宅建士をして記名押印させなければならない。
(2)宅建業者Aは、Bとの間で有効期間を2月とする専任媒介契約を締結した場合、Bの申出により契約を更新するときは、更新する媒介契約の有効期間は当初の契約期間を超えてはならない。
(3)宅建業者Aは、Bとの間で一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結する際、Bから媒介契約の有効期間を6月とする旨の申出があったとしても、当該媒介契約において3月を超える有効期間を定めてはならない。
(4)宅建業者Aは、Bとの間で締結した媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかにかかわらず、宅地を売買すべき価格をBに口頭で述べたとしても、宅建業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に当該価額を記載しなければならない。

⇒正解(4)
1:媒介契約書を交付するのは宅建業者で、宅建士ではありません。
2:専任媒介は3ヶ月以内であれば当初の有効期間より更新後の有効期間が長くても問題ありません。
3:一般媒介に有効期間の制限はありません
4:一般媒介でも口頭で述べていても、売買価額は必ず記載すべき事項です。



【問 34】 次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)宅建業者が建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に金銭の授受があるときは、その額及び授受の目的について、宅建業法第35条に規定する重要事項を記載した書面に記載しているのであれば、宅建業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に記載する必要はない。
(2)宅建業者が区分所有建物の貸借の媒介を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する特約の内容について、37条書面に記載する必要はないが、売買の媒介を行う場合は、当該内容について37条書面に記載する必要がある。
(3)土地付建物の売買契約において、買主が金融機関から住宅ローンの承認を得られなかったときは契約を無条件で解除できるという取り決めがある場合、当該売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、自ら住宅ローンのあっせんをする予定がなくても、37条書面にその取り決めの内容を記載する必要がある。
(4)宅建業者Aが、宅建業者でないBから建物の売却の依頼を受け、AとBとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、Aが探求した相手方以外の者とBとの間で売買契約を締結したときの措置について、AとBとの間で取り決めがなければ、Aは宅建業法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載する必要はない。

⇒正解(3)
1:35条書面に記載したからといって37条書面への記載は免れません。
2:損害賠償額の予定または違約金に関する特約の内容は、貸借でも売買でも37条書面の任意的記載事項です。
3:契約の解除に関する事項は、自らあっせんする予定がなくても37条書面の任意的記載事項です。
4:専属専任媒介契約では、取り決めがなくても、媒介依頼を受けた宅建業者が探索した相手方以外と契約した場合の措置について記載する必要があります。



【問 35】 宅建業法第35条に規定する重要事項の説明を宅建士が行う場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)建物の売買の媒介の場合は、建築基準法に規定する建蔽率及び容積率に関する制限があるときはその概要を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。
(2)宅地の売買の媒介の場合は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の場合は説明する必要はない。
(3)建物の売買の媒介の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介場合は説明する必要はない。
(4)建物の売買の媒介の場合は、私道に関する負担について説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。

⇒正解(2)
2:土砂災害に関する事項は、貸借においても説明すべき事項です。



【問 36】 宅建業法第35条に規定する重要事項の説明を宅建士が行う場合における次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。

(1)中古マンションの売買の媒介において、当該マンションに係る維持修繕積立金については説明したが、管理組合が保管している維持修繕の実施状況についての記録の内容については説明しなかった。
(2)自ら売主となる新築住宅の売買において、重要事項の説明の時点で契約不適合責任の履行に関する責任保険の契約を締結する予定であることは説明したが、当該責任保険の概要については説明しなかった。
(3)宅地の売買の媒介において、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条の規定に基づく急傾斜地崩壊危険区域内にあることは説明したが、立木竹の伐採には都道府県知事の許可を受けなければならないことについては説明しなかった。
(4)建物の売買の媒介において、登記された権利の種類及び内容については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。

⇒正解(4)
1:維持修繕積立金については規約の内容、既に積み立てられた額、滞納額の3つを重要事項として説明することを要し、維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容についても説明することを要します。
2:措置の概要の説明も必要。
3:急傾斜地崩壊危険区域内での制限の説明も必要。
4:移転登記の申請時期は37条書面の記載事項ですが、重要事項として説明する必要はありません。



【問 37】 宅建業者Aが、売主Bと買主Cとの間の宅地の売買について媒介を行う場合において、宅建業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)Aが、宅建士をして、37条書面に記名押印させた場合には、37条書面の交付を、宅建士でないAの代表者や従業員が行ってもよい。
(2)公正証書によってなされる売買契約の場合には、当該公正証書に宅建士の記名押印がなくても、宅建業法第35条に規定する書面に宅建士の記名押印があれば、当該公正証書をもって37条書面に代えることができる。
(3)B及びCが宅建業者である場合には、37条書面において、引渡しの時期の記載を省略することができる。
(4)37条書面に記名押印する宅建士は、宅建業法第35条に規定する書面に記名押印した宅建士と同一の者でなければならない。

⇒正解(1)
1:37条書面を交付する者について特に規定はありません
2:公正証書を37条書面とする場合でも宅建士の記名押印は必要です。
4:宅建士であれば、35条書面に記名押印する者、説明をする者、37条書面に記名押印する者は別人でも構いません



【問 38】 宅建業者Aが、自ら売主となり、宅建業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅建業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)Bが、自ら指定したホテルのロビーで買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、その3日後、Aのモデルルームで契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することができる。
(2)Bは、テント張りの案内所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、契約を締結した。その5日後、代金の全部を支払い、翌日に宅地の引渡しを受けた。この場合、Bは売買契約を解除することができる。
(3)Bは、喫茶店で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、翌日、喫茶店で契約を締結した。その5日後、契約解除の書面をAに発送し、その3日後に到達した。この場合、Bは売買契約を解除することができない。
(4)Bは、自ら指定した知人の宅地建物取引業者C(CはAから当該宅地の売却についての代理又は媒介の依頼を受けていない。)の事務所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、翌日、Cの事務所で契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することはできない。

⇒正解(1)
1:買主からの申出であっても、買主の自宅や勤務地での申込みでない以上は解除ができます。自らの申出による指定で事務所等として扱われるのは自宅または勤務地のみです。
2:代金の全部を支払って引渡しも受けているのでクーリング・オフはできません。
3:クーリング・オフについて告げられた日から7日目に発しているので、到着が10日後でもクーリング・オフは認められます。
4:知人というだけで事務所等に該当せず、クーリング・オフの対象となります。



【問 39】 宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法及び宅建業法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

(1)当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を定めていない場合、損害賠償の請求額は売買代金の額を超えてはならない
(2)当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を売買代金の2割とし、違約金の額を売買代金の1割とする定めは、これらを合算した額が売買代金の3割を超えていないことから有効である。
(3)宅建業者Aが、当該売買契約の解除を行う場合は、Bに対して「手付の倍額を償還して、契約を解除する。」という意思表示をを書面で行うことのみをもって、契約を解除することができる。
(4)宅建業者Aは、当該売買契約の締結日ににBから手付金を受領し、翌日、Bから内金を受領した。その2日後、AがBに対して、手付の倍額を償還することにより契約解除の申出を行った場合、Bは、契約の履行に着手しているとしてこれを拒むことができる。

⇒正解(4)
2:損害賠償の予定額と違約金の額を合算して2/10を超える部分について無効です。
3:書面による意思表示だけでなく、現実の提供が必要です。
4:内金を払っているため「履行に着手」していることになり、契約解除を拒むことができます。



【問 40】 宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でないBとの間で宅地(代金2,000万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)宅建業者Aは、当該宅地の不適合についてAが担保の責任を負うための通知期間を当該宅地の引渡しの日から3年とする特約をすることができる。
(2)宅建業者Aは、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を300万円とし、かつ、違約金を300万円とする契約をすることができる。
(3)宅建業者Aは、Bの承諾がある場合においても、「Aが契約の履行に着手した後であっても、Bは手付を放棄して、当該売買契約を解除することができる」旨の特約をすることができない。
(4)当該宅地が、宅建業者Aの所有に属しない場合、Aは、当該宅地を取得する契約を締結し、その効力が発生している場合においても、当該宅地の引渡しを受けるまでは、Bとの間で売買契約を締結することができない。

⇒正解(1)
1:「通知期間を引渡しから2年以上」とする特約は有効です。
2:損害賠償の予定額と違約金を合算して400万円(2000万×2/10)を超える部分について無効となります。
3:買主に有利となるので有効です。
4:自己の所有に属さない宅地建物についても、取得する契約を締結済み、未完成物件で保全措置あり、の2つの例外の場合は自ら売主となる売買契約を締結することができます。



【問 41】 宅建業者Aが、自ら売主として宅建業者でない買主Bとの間で、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結するに当たり、宅建業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)が必要な場合における次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア 売買契約において、当該マンションの代金の額の10%に相当する額の中間金を支払う旨の定めをしたが、Aが保全措置を講じないことを理由に、Bが当該中間金を支払わないときは、Aは、Bの当該行為が債務不履行に当たるとして契約を解除することができる。
イ Aが受領した手付金の返還義務を連帯して保証することを委託する契約をAとAの代表取締役との間であらかじめ締結したときは、Aは、当該マンションの代金の額の20%に相当する額を手付金として受領することができる。
ウ Aが受領した手付金の返還債務のうち、保全措置を講じる必要があるとされた額を超えた部分についてのみ保証することを内容とする保証委託契約をAと銀行との間であらかじめ締結したときは、Aは、この額を超える額の手付金を受領することができる。
エ 手付金の受領後遅滞なく保全措置を講じる予定である旨を、AがあらかじめBに対して説明したときは、Aは、保全措置を講じることなく当該マンションの代金の額の10%に相当する額を手付金として受領することができる。

⇒正解(4) 難しくはありませんが、全部誤りという意地悪問題。
ア:保全措置が必要なケースで、保全措置が行われないことにより買主が中間金の支払いを拒んでも債務不履行とはなりません。
イ:代表取締役の連帯保証は保全措置とは呼べません。
ウ:保全措置は手付金等の全額について講じる必要があります。
エ:手付金の受領後遅滞なくではなく、保全措置を講じた後でなければ受領してはなりません。



【問 42】 宅建業者(消費税課税事業者)の媒介により建物の賃貸借契約が成立した場合における次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、借賃及び権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)には、消費税相当額を含まないものとする。

(1)依頼者と宅建業者との間であらかじめ報酬の額を定めていなかったときは、当該依頼者は宅建業者に対して国土交通大臣の定めた報酬の限度額を報酬として支払わなければならない。
(2)宅建業者は、国土交通大臣の定める限度額を超えて報酬を受領してはならないが、相手方が好意で支払う謝金は、この限度額とは別に受領することができる。
(3)宅建業者が居住用建物の貸主及び借主の双方から媒介の依頼を受けるに当たって借主から承諾を得ていなければ、借主から借賃の1.1月分の報酬を受領することはできない。
(4)宅建業者が居住用建物以外の建物の貸借の媒介を行う場合において、権利金の授受があるときは、当該宅地建物取引業者が受領できる報酬額は、借賃の1.1月分又は権利金の額を売買代金の額とみなして算出した金額のいずれか低い方の額を上限としなければならない。

⇒正解(3)
1:必ずしも上限額を支払う必要はありません。
2:報酬と別に宅建業者が受け取ることができるのは、特別の広告費と遠方への現地調査費用のみです。
3:依頼者の一方から取れる報酬額は、その依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃1ヶ月分の2分の1以下しか受け取ることができません。
4:いずれか低い方ではなく、借賃基準と権利金基準のどちらを選ぶこともできます。



【問 43】 宅建業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)宅建業者が保証協会の社員となる前に、当該宅建業者と宅建業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。
(2)保証協会の社員である宅建業者と宅建業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けると共に、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。
(3)保証協会から還付充当金を納付すべきことの通知を受けた社員は、その通知を受けた日から1月以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
(4)保証協会は、新たに宅建業者がその社員として加入しようとするときは、あらかじめ、その旨を宅建業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。

⇒正解(1)
1:社員が社員となる前にした取引に関する債権についても還付請求が認められます
2:還付請求をするのは保証協会ではなく供託所に対してです。
3:1ヶ月以内ではなく、2週間以内です。
4:あらかじめではなく、事後報告で、社員となった旨を直ちに免許権者に報告します。



【問 44】 宅建業法の規定に基づく監督処分に関する次の記述うち、正しいものはどれか。

(1)国土交通大臣は、宅建業者A(甲県知事免許)に対し、宅建業の適正な運営を確保するため必要な勧告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に通知しなければならない。
(2)甲県知事は、乙県知事の登録を受けている宅建士に対し、甲県の区域内において宅建士として行う事務に関し不正な行為をしたことを理由として指示処分をしようとするときは、あらかじめ、乙県知事に協議しなければならない。
(3)宅建業者A(甲県知事免許)が、乙県の区域内における業務に関し乙県知事から指示処分を受けたときは、甲県に備えられる宅建業者名簿には、当該指示の年月日及び内容が記載される。
(4)甲県知事は、宅建業者B(国土交通大臣免許)に対し、甲県の区域内における業務に関し取引の関係者に損害を与えたことを理由として指示処分をしたときは、その旨を甲県の公報により公告しなければならない。

⇒正解(3)
1:勧告や指導、助言をすることはできますが、免許権者に通知する必要はありません
2:事前通知は不要で、指示処分をした後に遅滞なく免許権者に通知します。
3:宅建業者名簿には、監督処分の年月日および内容が記載されます。
4:指示処分が公告されることはありません



【問 45】 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結(以下この問において「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(令和2年の法改正により「瑕疵」→「不適合」となりましたが、当規定では瑕疵の定義を明記することで瑕疵という文言が存置されています)

(1)宅建業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引き渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負う。
(2)自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、宅建業者でない買主に対して供託所の所在地等について記載した書面の交付及び説明を、新築住宅を引き渡すまでに行えばよい。
(3)宅建業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする場合においても、資力確保措置を講ずる義務を負う。
(4)自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に引き渡した宅建業者は、基準日ごとに、当該基準日に係る資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

⇒正解(4)
1:買主が宅建業者である場合に資力確保措置は不要です。
2:引渡すまでではなく、売買契約締結までに交付説明を行います。
3:資力確保措置が必要なのは、宅建業者が新築住宅の売主となる場合のみで、売買の媒介で資力確保措置は不要です。



【問 46】 独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が行う証券化支援事業(買取型)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)証券化支援事業(買取型)において、機構による買取りの対象となる貸付債権には、中古住宅の購入のための貸付債権も含まれる。
(2)証券化支援事業(買取型)において、銀行、保険会社、農業協同組合、信用金庫、信用組合などが貸し付けた住宅ローンの債権を買い取ることができる。
(3)証券化支援事業(買取型)の住宅ローンの金利は全期間固定金利が適用され、どの取扱金融機関に申し込んでも必ず同一の金利となる。
(4)証券化支援事業(買取型)において、機構は買い取った住宅ローン債権を担保としてMBS(資産担保証券)を発行することにより、債券市場(投資家)から資金を調達する。

⇒正解(3)
3:機構の証券化支援事業(買取型)は取扱金融機関により金利が異なります。



【問 47】 宅建業者が行う広告等に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)路地状部分のみで道路に接する土地を取引する場合、その路地状部分の面積が当該土地面積の50%以上を占めていなければ、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示せずに表示してもよい。
(2)不動産物件について表示する場合、当該物件の近隣に、現に利用できるデパートやスーパーマーケット等の商業施設が存在することを表示する場合、当該施設までの徒歩所要時間を明示すれば足り、道路距離は明示せずに表示してもよい。
(3)傾斜地を含むことにより当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合は、原則として、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示しなければならないが、マンションについては、これを明示せずに表示してもよい。
(4)温泉法による温泉が付いたマンションであることを表示する場合、それが温泉に加温したものである場合であっても、その旨は明示せずに表示してもよい。

⇒正解(3) 得点源の不当景表法で奇問が出ましたね…。
1:30%以上を占めるときは明示することを要します。
2:商業施設へは、徒歩所要時間+道路距離の明示が必要です。



【問 48】 宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)平成20年度法人企業統計年鑑(財務省、平成21年9月公表)によれば、平成20年度における不動産業の経常利益は約2兆9,200億円となっており、2年連続増加となった。
(2)住宅着工統計(国土交通省、平成22年1月公表)によれば、平成21年の分譲住宅の新設住宅着工戸数は、前年比43.7%減で、そのうち、マンション、一戸建住宅とも前年に比べ減少した。
(3)平成22年版土地白書(平成22年6月公表)によれば、平成21年中の全国の土地取引件数は、売買による所有権の移転登記の件数で見ると、117.9万件となっており、前年に比べ増加した。
(4)平成22年地価公示(平成22年3月公表)によれば、平成21年の1年間の地下の下落率は、三大都市圏の方が地方圏より小さく、かつ、全圏域において商業地の方が住宅地よりも小さい。

⇒正解(3) いつもの易しい統計問題。



【問 49】 土地に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

(1)地すべり地の多くは、地すべり地形と呼ばれる独特の地形を呈し、棚田などの水田として利用されることがある。
(2)谷出口に広がる扇状地は、地盤は堅固でないが、土石流災害に対して安全であることが多い。
(3)土石流は、流域内で豪雨に伴う斜面崩壊の危険性が大きい場所で起こりやすい。
(4)断層地形は、直線状の谷など、地形が急変する地点が連続して存在するといった特徴が見られることが多い。

⇒正解(2)
2:扇状地は水はけがよく宅地に適していますが、土石流災害に対しては注意が必要です。



【問 50】 建築物の構造と材料に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

(1)常温において鉄筋と普通コンクリートの熱膨張率は、ほぼ等しい。
(2)コンクリートの引張強度は、圧縮強度より大きい。
(3)木材の強度は、含水率が大きい状態のほうが小さくなる。
(4)集成材は、単板などを積層したもので、大規模な木造建築物に使用される。

⇒正解(2)
2:コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度です。


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