とても役立つ年度別の解説付き宅建試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら平成14年(2002年)の通し問題を見ていきましょう。
- 平成14年(2002年)宅建試験問題と解説
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- 平成14年(2002年)宅建試験問題
- 1.権利関係の問題 問1~15
2.宅建業法の問題 問30~45
3.法令制限の問題 問16~25
4.税その他の問題 問26~29
5.税その他の問題 問46~50
【問1】AがBの欺罔行為によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Aは、Bが欺罔行為をしたことを、Cが知っているときでないと、売買契約の取消しをすることができない。
2.AがCに所有権移転登記を済ませ、CがAに代金を完済したとき後、詐欺による有効な取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。
3.Aは、詐欺に気が付いていたが、契約に基づき、異議を留めることなく所有権移転登記手続をし、代金を請求していた場合、詐欺による取消しをすることはできない。
4.Cが当該建物を、詐欺について善意のDに転売して所有権移転登記を済ませても、Aは詐欺による取り消しをして、Dから建物の返還を求めることができる。
⇒正解(4)
3:所有権移転登記手続を行い、代金を請求することは法定追認となります。
4:詐欺による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができません。
【問2】AがBの代理人としてCとの間で、B所有の土地の売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Bは、Aに対してCとの間の売買契約を委任したが、Aが、DをCと勘違いした要素の錯誤によってDとの間で契約した場合、Aに重過失がなければ、この契約は取り消すことができる。(改題)
2.Bが、AにB所有土地を担保として、借金をすることしか頼んでいない場合、CがAに土地売却の代理権があると信じ、それに正当の事由があっても、BC間に売買契約は成立しない。
3.Bは未成年者であっても、Aが成年に達した者であれば、Bの法定代理人の同意又は許可を得ることなく、Aに売買の代理権を与えて、Cとの間で土地の売買契約を締結することができ、この契約を取消すことはできない。
4.AがBに無断でCと売買契約をしたが、Bがそれを知らないでDに売却して移転登記をした後でも、BがAの行為を追認すれば、DはCに所有権移転登記取得を対抗できなくなる。
⇒正解(1)
2:相手方に権限があると信ずべき正当事由があれば、表見代理が成立し、売買契約が成立します。
3:未成年者が法定代理人の同意や許可を得ていない以上、制限行為能力を理由に契約を取り消すことができます。
4:二重譲渡による対抗関係となり、登記を備えているDが優先します。
【問3】売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。
2.Bが建物占有中に、地震によって玄関のドアが大破したので修繕し、その費用を負担した場合でも、BはCに対してその負担額の償還を請求することはできない。
3.Bは、占有中の建物の一部をDに使用させ賃料を受領した場合、その受領額をCに償還しなければならない。
4.Cが暴力によって、Bから建物の占有を奪った場合、BはCに占有回収の訴えを提起できるが、CはBに対抗できる所有権があるので占有回収の訴えについては敗訴することはない。
⇒正解(3)細かい問題なので参考程度に。
1:指図による占有移転は有効です。
2:占有者Bが必要費を支出した場合、回復者Cから償還させることができます。
3:悪意の占有者は果実を償還しなければなりません。
4:Cが自己の所有権を暴力的に回復することは許されず、占有権を有しているBの占有回収の訴えによって敗訴することもあり得ます。
【問4】Aは、自己所有の甲土地の一部につき、通行目的で、隣地乙土地の便益に供する通行地役権設定契約(地役権の付従性について別段の定めはない。)を、乙土地所有者Bと締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
1.この通行地役権の設定登記をしないまま、Aが、甲土地をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した場合、Cは、通路として継続的に使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、通行地役権があることを知っていたときでも、Bに対して、常にこの通行地役権を否定できる。
2.この通行地役権の設定登記を行った後、Bが、乙土地をDに譲渡し、乙土地の所有権移転登記を経由した場合、Dは、この通行地役権が自己に移転したことをAに対して主張できる。
3.Bは、この通行地役権を、乙土地と分離して、単独で第三者に売却することができる。
4.Bが、契約で認められた部分ではない甲土地の部分を、継続かつ表現の形で、乙土地の通行の便益のために利用していた場合でも、契約で認められていない部分については、通行地役権を時効取得することはできない。
⇒正解(2)
1:譲受人が対抗問題における第三者にあたらない場合もあり、常に通行地役権を否定できるわけではありません。
3:要役地と分離して通行地役権を譲り渡すことはできません。
4:契約で定められていない部分でも、継続かつ表現されたものであれば、時効取得可能です。
【問5】Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
1.Cは、Bの承諾が書面によるものであれば、確定日付を得ていなくても、この質権設定を、B以外の第三者に対しても対抗することができる。
2.CのAに対する利息請求権は、常に満期となった最後の2年分についてのみ、この質権の被担保債権となる。
3.CのAに対する債権の弁済期の前に、この敷金返還請求権の弁済期が到来した場合は、Cは、Bに対し、当該敷金を供託するよう請求できる。
4.CのAに対する債権の弁済期が到来した場合、Cは、Bに対し、Bがこの質権設定を承諾したことを根拠に、この敷金返還請求権の弁済期の前に、当該敷金を直ちにCに交付するよう請求できる。
⇒正解(3)捨て問題なので深追い禁物。
1:B(第三債務者)の承諾が確定日付ある証書によるものでなければ、質権設定をB以外の第三者に対抗することはできません。
2:抵当権と異なり、質権の利息請求権に最後の2年分という制限はありません。
4:質権者は、質権の目的債権を直接取り立てることができますが、敷金返還請求権の弁済期以降に限られます。
【問6】Aは、Bに対する貸付金債権の担保のために、当該貸付金債権額にほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し、その旨の登記をした。その後、Bはこの土地上に乙建物を築造し、自己所有とした。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
1.Aは、Bに対し、乙建物の築造行為は、甲土地に対するAの抵当権を侵害する行為であるとして、乙建物の収去を求めることができる。
2.Bが、甲土地及び乙建物の双方につき、Cのために抵当権を設定して、その旨の登記をした後(甲土地についてはAの後順位)、Aの抵当権が実行されるとき、乙建物のために法定地上権が成立する。
3.Bが、乙建物築造後、甲土地についてのみ、Dのために抵当権を設定して、その旨の登記をした場合(甲土地についてはAの後順位)、Aの抵当権及び被担保債権が存続している状態で、Dの抵当権が実行されるとき、乙建物のために法定地上権が成立する。
4.Aは,乙建物に抵当権を設定していなくても,甲土地とともに乙建物を競売することができるが,優先弁済権は甲土地の代金についてのみ行使できる。
⇒正解(4)
1:抵当権設定者は、自由に使用収益をすることができます。
2:抵当権設定当時に更地であれば、その後に建物が築造されたとしても法定地上権は成立しません。
3:先順位抵当権の設定当時には更地で、後順位抵当権の設定時には建物が建築されていた場合、後順位抵当権者の申立てにより競売がなされたとしても法定地上権は成立しません。
4:抵当権設定後に建物が築造された場合、抵当権者は土地とともに当該建物を競売することができますが、優先権は土地の代価についてのみとなります。
【問7】AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているのはどれか。
1.賠償請求を受けたBは、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
2.Bが、Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を斟酌することができる。
3.裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。
4.Aは、賠償請求に際して、Bの履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額の主張・立証をする必要はない。
⇒正解(3)
3:損害賠償額の予定がある場合、原則として裁判所はその額を増減することができませんが、そもそもの合意が公序良俗違反であれば無効となるので、減額することが可能となります。改正民法により、損害賠償額の予定があっても裁判所はその額を増減できるようになった点に注意。
4:債権者は債務不履行があったことを主張・立証すれば足り、債務者は損害の有無や多少を問わず、予定賠償額を支払わなければなりません。
【問8】Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として1,000万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1.Aは、この売買契約を解除せず、Bに対し、残代金の支払を請求し続けることができる。
2.Aは、この売買契約を解除するとともに、Bに対し、売買契約締結後解除されるまでの土地の値下がりによる損害を理由として、賠償請求できる。
3.Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合で、Cがやはり土地の値下がりを理由としてBに代金の支払をしないとき、Bはこれを理由として、AB間の売買契約を解除することはできない。
4.Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合、Aは、AB間の売買契約を解除しても、Cのこの土地を取得する権利を害することはできない。
⇒正解(4)
1:解除権とは、債権者の権利であって義務ではありません。
4:解除によって第三者の権利を害することはできませんが、第三者が権利を主張するには登記が必要となります。
【問9】AがBに建物を売却し、代金受領と引換えに建物を引き渡し後に、Bがこの建物に隠れた瑕疵があることを発見したが、売主の瑕疵担保責任についての特約はない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1.Bは、この瑕疵がAの責めに帰すべき事由により生じたものであることを証明した場合に限り、この瑕疵に基づき行使できる権利を主張できる。
2.Bは、この売買契約を解除できない場合でも、この瑕疵により受けた損害につき、Aに対し賠償請求できる。
3.Bが、Aに対し、この瑕疵に基づき行使できる権利は、Bが瑕疵を知った時から1年以内に行使しなければならない。
4.Bは、この瑕疵があるために、この売買契約を締結した目的を達することができない場合に限り、この売買契約を解除できる。
⇒正解(1)改正民法により、売主の担保責任は債務不履行責任として統一されています。
1:瑕疵担保責任は無過失責任です。買主は、売主の帰責事由を証明しなくても契約不適合責任を追及することができます(損害賠償請求は売主の帰責事由が必要)
2:契約解除ができるのは目的を達成できない場合のみですが、不適合が軽微な場合は解除できませんが、損害賠償請求をすることはできます。
3:不適合を知ったときから1年以内に通知します。
4:出題時は正しい肢でしたが、不適合さえあれば、それが軽微でない限り解除が可能となります。
【問10】Aが、A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、A及びBは宅地建物取引業者ではないものとする。
1.不動産のような高価な財産の売買を委任する場合には、AはBに対して委任状を交付しないと、委任契約は成立しない。
2.Bは、委任契約をする際、有償の合意をしない限り、報酬の請求をすることができないが、委任事務のために使った費用とその利息は、Aに請求することができる。
3.Bが当該物件の価格の調査など善良なる管理者の注意義務を怠ったため、不動産売買についてAに損害が生じたとしても、報酬の合意をしていない以上、AはBに対して賠償の請求をすることができない。
4.委任はいつでも解除することができるから、有償の合意があり、売買契約成立寸前にAが理由なく解除してBに不利益を与えたときでも、BはAに対して損害賠償を請求することはできない。
⇒正解(2)
1:法律行為を相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって成立します(委任状は不要)。
3:無償委任でも善管注意義務が必要です。
4:当事者はいつでも解除できますが、これにより不利益が生じたときは損害賠償を請求することができます。
【問11】Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、A及びCの事業の執行につき、共同してEに対し不法行為をし、A、B、C及びDが、Eに対し損害賠償を負担した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Aは、Eに対するBとDの加害割合が6対4である場合は、Eの損害全額の賠償請求に対して、損害の6割に相当する金額について賠償の支払をする責任を負う。
2.Aが、自己の負担割合分を超えて、Eに対し損害を賠償したときは、その超える部分につき、Cに対し、Cの負担部分の限度で求償することができる。
3.Aは、Eに対し損害賠償債務を負担したことに基づき損害を被った場合は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、Bに対し、損害の賠償又は求償の請求をすることができる。
4.Dが、自己の負担部分を超えて、Eに対し損害を賠償したときは、その超える部分につき、Aに対し、Aの負担部分の限度で求償することができる。
⇒正解(1)
1:加害割合ではなく、加害者の全員が被害者の損害全額を賠償すべき義務を負います。
2:使用者の一方が自己の負担部分を超えて損害を賠償した場合、他方の使用者に対して、その使用者の負担部分の割合で超過部分について求償することができます。
【問12】相続の承認及び放棄に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.相続の放棄をする場合、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
2.相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
3.相続人が、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月(家庭裁判所が期間の伸長をした場合は当該期間)以内に、限定承認又は放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされる。
4.被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
⇒正解(4)
4:相続放棄をした者の子に代襲相続は認められません。
【問13】Aが、平成4年8月、Bに土地を賃貸し、Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.AB間の借地契約が、公正証書により10年の事業専用の目的で締結された場合には、Bは建物買取請求権を有しない。
2.建物買取請求権は、契約終了の理由を問わず、Bの債務不履行を原因とする契約終了の場合にも、BはAに対して建物の買取りを請求することができる。
3.BがAの承諾を得て土地をCに転貸し、建物を譲渡した場合、AB間、BC間の契約が、ともに期間満了し更新がなければ、CはAに対し直接建物買取請求権を有する。
4.Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると、その所有権は直ちにBからAに移転するが、BはAが代金を支払うまで、建物の引渡しを拒むことができる。
⇒正解(2)
1:事業用定期借地権について建物買取請求権は認めらません。
2:賃借人の債務不履行によって契約が終了した場合に建物買取請求権は認められません。
3:転借人は直接賃貸人に対する建物買取請求権を有します。
4:代金の支払いと建物の引渡しは同時履行の関係に立ちます。
【問14】建物賃貸借契約(以下、この問において「契約」という。)の終了に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.期間の定めのある建物賃貸借において、賃貸人が、期間満了の1年前から6月前までの間に、更新しない旨の通知を出すのを失念したときは、賃貸人に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合でも、契約は期間満了により終了しない。
2.期間の定めのある建物賃貸借において、賃貸人が、期間満了の10月前に更新しない旨の通知を出したときで、その通知に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合は、期間満了後、賃貸人が使用を継続していることについて、賃貸人が異議を述べなくても、契約は期間満了により終了する。
3.期間の定めのある契約が法定更新された場合、その後の契約は従前と同一条件となり、従前と同一の期間の定めのある賃貸借契約となる。
4.期間の定めのない契約において、賃貸人が、解約の申入れをしたときで、その通知に借地借家法第28条に定める正当事由がある場合は、解約の申入れの日から3月を経過した日に、契約は終了する。
⇒正解(1)
1:期間の定めのある建物賃貸借において、賃貸人から更新を拒絶するには、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に更新しない旨の通知をすること、更新についての正当事由の両方が必要となります。
2:期間満了後も賃借人が使用を継続する場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ契約は更新したものとみなされます。
3:期間の定めのある賃貸借契約が法定更新された場合、その後の契約は期間の定めのない賃貸借とされます。
4:期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人が正当事由ある解約の申入れをした場合、契約は申入れの日から6ヶ月を経過したときに終了します。
【問15】不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.法改正(登記の申請方法)
2.委任による登記申請の代理権は、本人の死亡によって消滅する。
3.登記の申請は、登記権利者及び登記義務者が共同してするのが原則であるが、相続による登記は、登記権利者のみで申請できる。
4.登記権利者及び登記義務者が共同して申請することを要する登記について、登記義務者が申請に協力しない場合には、登記権利者が登記義務者に対し登記手続を求める旨の判決を得れば、その登記義務者の申請は要しない。
⇒正解(2)
2:委任による登記申請の代理権は、本人の死亡によって終了しません。民法上の委任は本人の死亡により終了するので注意。
【問16】国土利用計画法第23条の届出 (以下、この問において「事後届出」という。) 及び同法第27条の7の届出 (以下、この問において「事前届出」という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、地方自治法に基づく指定都市の特例については考慮しないものとする。
1.Aが所有する市街化区域内の面積3,000平方メートルの土地をBに売却する契約を締結するため事後届出を行う場合で、Bが契約締結日から起算して2週間以内に事後届出を行わなかったとき、Bは6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
2.Cが所有する監視区域内の面積 10 ha の土地をDに売却する契約を締結しようとして事前届出を行った場合で、届出の日から起算して2週間後に都道府県知事より勧告をしない旨の通知を受けたとき、C及びDはその届出に係る契約を締結することができる。
3.Eが所有する都市計画区域外の面積 5,000 平方メートルの土地をFが賃借し、その対価として権利金を支払う契約がEF間で締結された場合、Fは契約締結日から起算して2週間以内に事後届出を行う必要がある。
4.Gが行った事後届出に係る土地の利用目的について、都道府県知事が必要な変更をすべきことを勧告した場合で、Gがその勧告に従わなかったときは、その旨及びその勧告の内容を公表されることがある。
⇒正解(3)
1:市街化区域内では、2,000㎡以上の土地取引で届出が必要となります。
3:都市計画区域外では、10,000㎡以上の土地取引で届出が必要となります。
【問17】都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全される必要がある区域であり、2以上の都府県にまたがって指定されてもよい。
2.都市計画は、都市計画区域内において定められるものであるが、道路や公園などの都市施設については、特に必要があるときは当該都市計画区域外においても定めることができる。
3.市街化区域は、既に市街地を形成している区域であり、市街化調整区域は、おおむね10年以内に市街化を図る予定の区域及び市街化を抑制すべき区域である。
4.無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を進めるため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分することができるが、すべての都市計画区域において区分する必要はない。
⇒正解(3)
1:2以上の都府県にまたがって指定されてもよく、この場合は国土交通大臣が指定する点にも少し注意。
2:都市計画のうち、都市施設については都市計画区域外でも定めることができます。
3:市街化区域とは、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に市街化を図る予定の区域で、市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域となります。
4:市街化区域と市街化調整区域の区分(=区域区分)は、必要がなければする必要はありません。
【問18】都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.用途地域のうち、第一種低層住居専用地域については、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため、都市計画に少なくとも建築物の容積率、建蔽率及び高さの限度を定めなければならない。
2.高度地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、少なくとも建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度を定めなければならない。
3.特別用途地区は、文教地区、観光地区などの11類型の総称であり、主として用途地域による用途規制を強化したり、緩和することにより当該地区の特性にふさわしい特別の目的の実現を図るものである。
4.風致地区は、市街地の美観を維持するため定める地区であり、地区内における建築物の建築や宅地の造成、木竹の伐採などの行為については地方公共団体の規則で規制することができる。
⇒正解(1)正解肢は易しめですが・・難問の部類ですね。
2:高度地区とは、用途地域内において市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区をいいます。本肢は高度利用地区の説明です。
3:規制内容は地方公共団体の条例で地域の実情に即して定められ、11類型に限定されません。
4:風致地区とは、市街地の美観の維持ではなく、都市の風致を維持するため定める地区で、規則ではなく条例で規制します。ダブルで誤り。
【問19】都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為であれば、常に開発許可は不要である。
2.市街化区域内において、農業の用に供する建築物の用に供する目的で行う開発行為であれば、常に開発許可は不要である。
3.準都市計画区域内において、都市計画事業に当たる民間事業者が行う 3,000 平方メートルの住宅団地建設の為の開発行為であれば、常に開発許可は不要である。
4.都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、都市計画事業に当たらない民間事業者が行う 5,000平方メートルの住宅団地建設のための開発行為であれば、開発許可は必要である。
⇒正解(3)
12:市街化区域以外では、農業を営む者の居住用建築物や農業用建築物の建築を目的とする開発行為は許可不要となりますが、市街化区域内でこの例外は適用されません。
3:公共事業の施行として行う開発行為は許可不要となります。
4:都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内では、10,000㎡以上の開発行為について開発許可が必要となります。
【問20】建築基準法第48条に規定する用途規制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
1.第一種低層住宅専用地域内では、小学校は建築できるが、中学校は建築できない。
2.第一種住居地域内では、ホテル (床面積 3,000 平方メートル以下) は建築できるが、映画館は建築できない。
3.近隣商業地域内では、カラオケボックスは建築できるが、料理店は建築できない。
4.工業地域内では、住宅は建築できるが、病院は建築できない。
⇒正解(1)
1:第一種低層住居専用地域内では、小・中・高校を建築できます。
【問21】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.建築確認を申請しようとする建築主は、あらかじめ、当該確認に係る建築物の所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得ておかなければならない。
2.建築主は、工事を完了した場合においては、工事が完了した日から3日以内に到達するように、建築主事に文書をもって届け出なければならない。
3.文化財保護法の規定によって重要文化財に指定された建築物であっても、建築基準法は適用される。
4.建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
⇒正解(4)
1:消防長または消防署長の同意を得るのは、建築主ではなく、建築主事または指定確認検査機関です。
2:3日以内に届出ではなく、工事完了日から4日以内に建築主事に到達するように申請しなければなりません。法律全般で多く見られる発信主義とは異なる点なので要注意。
3:文化財保護法の規定によって国宝や重要文化財などに指定または仮指定された建築物は、建築基準法が適用されません。
【問22】土地区画整理法事業の仮換地の指定に関する次の記述のうち、土地区画整理法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.施工者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。
2.仮換地となるべき土地について質権や抵当権を有する者があるときは、これらの者に仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。
3.土地区画整理組合が仮換地を指定した場合において、当該処分によって使用し又は収益することができる者のなくなった従前の宅地については、換地処分の公告がある日までは、当該宅地の存する市町村がこれを管理する。
4.土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
⇒正解(1)
2:質権、地上権、永小作権、賃借権など土地の使用収益権を有する者には通知しなければなりませんが、抵当権者には通知する義務はありません。
3:仮換地の指定により使用収益することができる者のなくなった従前の宅地については、施行者が管理します(本肢では土地区画整理組合)。
4:総会もしくはその部会または総代会の同意を得なければならず、土地区画整理審議会の意見を聴く必要はありません。
【問23】農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあるとき、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。
2.採草放牧地の所有者がその土地に500 平方メートルの農業用施設を建設する場合、農地法第4条の許可を受けなければならない。
3.建設業者が、工事完了後農地に復元して返還する条件で、市街化調整区域内の農地を6カ月間資材置場として借り受けた場合、農地法第5条の許可を受ける必要はない。
4.都道府県知事は、農地法第5条の許可を要する転用について、その許可を受けずに転用を行った者に対して、原状回復を命ずることができる。
⇒正解(4)
1:市街化区域内の農地転用は、農業委員会への届出で足ります。
2:採草放牧地の転用で農地法4条の許可は不要です。
3:一時的な転用目的でも農地法5条の許可は必要です。
【問24】次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.道路法によれば、道路に水管、下水道管、ガス管を設置し、継続して道路を使用する者は、原則として道路管理者の許可を受けなければならない。
2.宅地造成及び特定盛土等規制法によれば、宅地造成等工事規制区域内において、公共施設用地を宅地又は農地等に転用する者は、宅地造成等に関する工事を行わない場合でも、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
3.都市計画法によれば、都市計画事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
4.河川法によれば、河川保全区域内において、土地の堀さく、盛土又は切土を行う者は、原則として河川管理者の許可を受けなければならない。
⇒正解(2)
2:許可ではなく届出で足ります。
【問25】次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律によれば、土砂災害特別警戒区域内において都市計画法上の一定の開発行為をしようとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならない。
2.海岸法によれば、海岸保全区域内において土石の採取などの行為をしようとする者は、原則として海岸管理者の許可を受けなければならない。
3.都市緑地保全法によれば、緑地保全地区内で建築物の新築、改築等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
4.急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によれば、急傾斜地崩壊危険区域内において水を放流し、又は停滞させる等の行為をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。
⇒正解(1)
1:土砂災害特別警戒区域内では、都道府県知事の許可となります。
【問26】租税特別措置法第36条の6の特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.譲渡資産とされる家屋については、居住の用に供しているもの、又は居住の用に供されなくなった日から同日以後5年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものであることが、適用条件となる。
2.譲渡資産とされる家屋については、その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が10年を超えるもののうち国内にあるものであることが、適用要件とされる。
3.買換え資産とされる家屋については、譲渡資産の譲渡をした日からその譲渡をした日の属する年の翌年12月31日までの間に取得することが、適用要件とされている。
4.買換え資産とされる家屋については、その床面積のうち自己が居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上500平方メートル以下のものであることが、適用要件とされる。
⇒正解(2)
1:居住の用に供しているもの、または居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものが適用条件とされます。
3:譲渡資産の譲渡をした年の前年の1月1日から、その譲渡の日の属する年(一定の場合には翌年)の12月31日までの間に取得することが適用要件とされています。
4:床面積のうち、自己が居住の用に供する部分の床面積が50㎡以上であることが適用要件とされています。
【問27】不動産登記に係る登録免許税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率は、移転の原因にかかわらず一律である。
2.土地の売買に係る登録免許税の課税標準は、売買契約書に記載されたその土地の実際の取引価格である。
3.土地の所有権の移転登記に係る登録免許税の納期限は、登記を受ける時である。
4.土地の売買に係る登録免許税の納税義務は、土地を取得したものにはなく、土地を譲渡した者にある。
⇒正解(3)
1:売買や相続など、所有権移転原因により税率は異なります。
2:実際の取引価格ではなく、固定資産課税台帳登録価額が課税標準となります。
3:登録免許税の納税義務者は、不動産登記を受ける者(=権利者・義務者の双方)となります。
【問28】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続 (固定資産評価基準)は、総務大臣が定めることとされている。
2.200平方メートル以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、価格の1/2の額とする特例措置が講じられている。
3.固定資産税の納税者は、固定資産課税台帳に登録された事項に不服がある場合には、固定資産評価審査委員会に対し登録事項のすべてについて審査の申出をすることができる。
4.固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月のそれぞれ末日であり、市町村がこれと異なる納期を定めることはできない。
⇒正解(1)
2:200㎡以下の住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、価格の1/6となります。
3:審査の申出ができるのは、固定資産課税台帳に記載された価格についてのみです。
4:特別な事情があれば、異なる納期を定めることもできます。
【問29】地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。
2.地価公示は、土地鑑定委員会が、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士又は不動産鑑定士補の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、標準地の正常な価格を判定し、これを公示するものである。
3.標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に地上権がある場合には、その地上権が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。
4.標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して行われる。
⇒正解(3)
1:公示された価格を指標として取引を行うよう努めなければなりません。努力義務で足り、「取引を行わなければならない」と出題されたら誤りですので注意してください。
3:当該土地に建物その他の定着物がある場合や、地上権その他使用収益を制限する権利が存する場合、これらの定着物または権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいいます。
【問30】A (個人) の宅建業法の免許 (以下この問において「免許」という) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.Aが、競売により取得した複数の宅地を、宅建業者に媒介を依頼し売却する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。
2.Aが、土地区画整理事業により造成された甲市所有の宅地を、甲市の代理として売却する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。
3.Aが、組合方式による住宅の建築という名目で組合参加者を募り、A自らは組合員となることなく、当該組合員による住宅の建築のため、宅地の購入の媒介を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。
4.Aが、賃貸物件の複数の所有者から一括して借上げ、賃借人に自らまたは宅建業者に媒介を依頼し賃貸する行為を繰り返し行う場合、Aは免許を必要としない。
⇒正解(4)
1:自ら売主として複数の宅地を繰り返し売却する行為は、宅建業に該当します。
2:甲市が自ら売主として売却する場合は免許不要ですが、市を代理するAは免許が必要です。
3:宅地購入の媒介を繰り返す行為は、宅建業に該当します。組合方式云々は関係ありません。
4:自ら貸借は宅建業に該当しません。
【問31】宅建士と宅地建物取引士証 (以下この問において「宅建士証」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。
1.Aは、専任の宅建士として従事していた宅建業者B社を退職し、宅建業者C社に専任の宅建士として従事することとなり、B社は宅建業者名簿登載事項の変更の届出をAの退職から半年後に、C社はAの就任から10日後に当該届出を行った。
2.Dは、宅建業者が業務に監視展示会を実施する場所であって、宅地又は建物の売買の契約を締結する国土交通省令で定める場所 (業務に従事する者11名) における唯一の専任の宅建士である。
3.Eは、自らが有する宅建士証の有効期間が満了して半年になるが、宅建士資格登録をしている都道府県知事が指定する講習を受講したので、当該宅建士証の更新の申請をせず、宅建士としてすべき事務を行っている。
4.Fは、宅建士として宅地の売買に係る宅建業法第37条の書面の交付を買主に対して行い、その際、買主から宅建士証の提示を求められたが、宅建業法35条の重要事項の説明を行う際に提示していたので、これを拒んだ。
⇒正解(2)
1:変更の届出の期限は30日以内なので、B社は宅建業法に違反します。
2:従業者1/5以上の割合で宅建士を置かなければならないのは事務所のみで、契約を締結する展示会場等では1名以上の宅建士を置けば問題ありません。
3:講習を受講した上で、更新手続きも必要です。
4:重要事項の説明時とは別に、取引関係者から請求があったときは宅建士証を提示しなければなりません。
【問32】宅建業者Aが行う広告に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aが宅地または建物の売買に関する広告をする場合、自己所有の物件で自ら契約の当事者となる場合においては、取引態様の別を記載する必要はない。
2.宅建業者Aが県知事からその業務の全部の停止を命ぜられた期間中であっても、当該停止処分が行われる前に印刷した広告の配布活動のみは認められている。
3.宅建業者Aは、土地付き建物の売買に係る広告に際し、建築基準法第6条第1項の建築確認の申請中であれば、「建築確認申請中のため、建築確認を受けるまでは、売買契約はできません」と表示すれば広告をすることができる。
4.宅建業者Aは、その業務に関する広告について著しく事実に相違する表示を行った場合、取引の成立に至らなくとも、懲役又は罰金に処せられることがある。
⇒正解(4)
1:自ら売主であると取引態様の別を明示します。
3:建築確認の申請中に、その旨を表示して広告をすることはできません。
【問33】Aは、宅地の売買契約の解除に伴い、売主である宅建業者B(国土交通大臣免許) に対して手付金の返還請求権を有し、媒介業者C (甲県知事免許) に対しては媒介報酬の返還請求権を有する。しかし、B、Cいずれも請求に応じない。Bは営業保証金を供託所に供託しており、Cは宅建業保証協会に加入していた。この場合、宅建業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1.Aは、その権利を実行するため、Bに関しては営業保証金の還付を、Cに関しては弁済業務保証金の還付を、同時に供託所に申し立てることができる。
2.Aは、営業保証金についてBに関する権利を実行する場合は、債権額、債権発生の原因たる事実等を記載した一定の様式による書面の提出が必要である。
3.Aは、弁済業務保証金についてCに関する権利を実行する場合は、宅建業保証協会の認証を受けなければならない。
4.Aの権利実行により、還付がなされた場合は、Bは国土交通大臣から通知を受けてから、Cは甲県知事から通知を受けてから、それぞれ2週間以内に不足額を供託しなければならない。
⇒正解(4)少し細かい問題。正しい記述の1~3も頭の片隅に。
4:Bは国土交通大臣から通知を受けてから2週間以内に不足額を供託し、Cは保証協会から通知を受けてから2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければなりません。
【問34】宅建業者Aが行う宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この問において「媒介契約」という。) に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業法第34条の2に規定する依頼者 (以下この問において「依頼者」 という。)とは、宅建業者でなて者をいい、同条の規定は、宅建業者相互間の媒介契約については適用されない。
2.Aが依頼者と専任媒介契約を締結したときは、Aは宅建業法第4条の2に規定する契約内容を記載した書面を依頼者に交付しなければならないが、一般媒介契約を締結したときは、当該書面の交付をしなくてもよい。
3.専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができず、3月より長い期間を定めたときは、その期間は3月とされるが、当該有効期間は、依頼者の申出があれば、更新の時から3月を超えない範囲で更新してもよい。
4.Aが依頼者に対して業務の処理状況を20日に1回以上報告することを定める専任媒介契約が締結された場合であっても、依頼者の同意が得られているのであるから、当該契約は無効とはならない。
⇒正解(3)
1:媒介契約に関する規定は、宅建業者間でも適用されます。
2:一般、専任を問わず、媒介契約を締結したときは遅滞なく書面を作成し、依頼者に交付しなければなりません。尚、2022年法改正により依頼者の承諾を得て電子交付も可能となっています。
4:専任媒介契約は2週間に1回以上報告する義務があり、依頼者に不利な特約は同意があっても無効です。
【問35】宅建士資格登録 (以下この問において「登録」という。) 又は宅建士に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.甲県知事の登録を受けている宅建士が、乙県に住所を移転し、丙県知事免許を受けている宅建業者に勤務先を変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。
2.宅建士が取締役をしている宅建業者が、不正の手段により宅建業の免許を受けたとして、その免許を取り消されるに至った場合、当該宅建士はその登録を消除される。
3.宅建士が勤務している宅建業者が、宅建業に関し不正な行為をして業務停止処分を受けた場合、当該宅建士は速やかに、宅建士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。
4.宅建士が破産者となり、自ら登録の消除を申請した場合、復権を得てから5年を経過しなければ、新たに登録をすることはできない。
⇒正解(2)
1:登録の移転は、他の都道府県に所在する宅建業者の事務所に従事するときに任意で行います。住所移転で登録の移転はできず、本肢では、丙県知事に対して登録の移転を申請することができます。
3:宅建業者が業務停止処分を受けても、勤務している宅建士が宅建士証を提出する必要はありません。宅建士が事務禁止処分を受けた場合は、速やかに宅建士証を提出します。
4:5年を待たず、復権を得れば直ちに登録を受けることができます。
【問36】宅建業法 に規定する「事務所」に関する次の記述のうち、法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.「事務所」とは、本店又は支店やその他の政令で定めるものを指すものであるが、宅建業を行わず他の兼業業務のみを行っている支店は「事務所」に含まれない。
2.新たに宅建業の免許を受けようとする者は、免許を受ける前に営業保証金を主たる「事務所」のもよりの供託所に供託しなければならない。
3.宅建業者は、その「事務所」だけでなく国土交通省令で定める場所ごとに一定の専任の宅建士を置かなければならないが、これに抵触することとなった場合は、2週間以内に必要な措置を執らなければならない。
4.宅建業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、当該宅建業者の「事務所」において契約の申込み及び締結をした買主は、宅建業法37条の2の規定による売買契約の解除をすることはできない。
⇒正解(2)
2:免許を受け、営業を開始する前に営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。
4:宅建業法37条の2の規定による売買契約の解除=クーリング・オフ。
【問37】宅建業者Aが行う宅建業法第35条の重要事項の説明に関する次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。
1.宅建業者Aは、建物 (建築工事完了前) の売買の契約を行うに際し、建物の完成時における主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造についての図面を渡したのみで、当該図面の説明はしなかった。
2.宅建業者Aは、マンションの分譲を行うに際し、当該マンションの管理規約案に「分譲業者であるAは当該マンションの未販売住戸の修繕積立金を負担しなくてもよい」とする規定があったが、これについては説明しなかった。
3.宅建業者Aは、中古マンションの売買の媒介を行うに際し、当該マンション修繕の実施状況について、当該マンションの管理組合及び管理業者に確認したところ、修繕の実施状況の記録が保存されていなかったため、購入者にこの旨説明し、実施状況については説明しなかった。
4.宅建業者Aは、建物の売買の契約を行うに際し、当該建物は住宅の品質確保の促進等に関する法律の住宅性能表示評価を受けた新築住宅であったが、その旨説明しなかった。
⇒正解(3)
1:未完成の建物売買において、工事完了時の形状、構造、主要構造部、内装外装の形状・仕上げ、設備の設置・構造について、図面を交付して説明しなければなりません。
2:区分所有建物の売買において、修繕積立金や管理費など建物所有者が負担しなければならない費用に関して、特定の者のみ減免する旨の規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければなりません。
3:区分所有建物の売買において、建物の維持修繕の実施状況が記録されているときはその内容を説明することを要しますが、記録がない場合には説明する必要がありません。
4:建物売買において、当該建物が住宅品確法の住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨を説明しなければなりません。
【問38】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業法35条に規定する重要事項を記載した書面には、説明した宅建士Aが記名押印したが、宅建業法第37条に規定する書面には、Aが不在であったため、宅建士でない従事者Bが、Aの記名押印を行った。
2.宅建業法第37条に規定する書面は、宅地又は建物の取引に係る契約書とは本来別個のものであるので、必ず取引の契約書とは別に当該書面を作成し、交付しなければならない。
3.宅建業法第35条の重要事項説明のうち、宅建業者の相手方等の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して国土交通省令で定められている事項は、宅地又は建物の賃借に係る事項であり、売買に係るものは含まれていない。
4.宅建業法第35条に規定する重要事項を記載した書面には、説明した宅建士Cが記名押印したが、宅建業法第37条に規定する書面には、Cが急病で入院したため、専任の宅建士Dが自ら記名押印した。
⇒正解(4)
1:35条・37条書面には、宅建士自らの記名押印が必要です。
2:必要事項が記載してあれば、契約書に記載しても構いません。2022年法改正により、契約当事者の承諾を得て電子交付も可能となっています。
3:国土交通省令で定められている事項には、売買に係るものも含まれます。
4:宅建士でさえあれば、35条書面と37条書面で記名押印する宅建士が同一である必要はありません。
【問39】宅建業者Aに対する監督処分に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aが、宅建業法の業務に関して、建築基準法の規定に違反して罰金に処せられた場合、これをもって業務停止処分を受けることはない。
2.宅建業者Aは、自ら貸主となり、借主との間でオフィスビルの一室の賃貸借契約を締結した業務において、賃貸借契約書は当該借主に対して交付したが、重要事項の説明を行わなかった場合、これをもって指示処分を受けることはない。
3.都道府県知事は、宅建業者Aに対し、業務停止処分をしようとするときは、聴聞を行わなければならないが、指示処分をするときは、聴聞を行う必要はない。
4.宅建業者Aの取締役が宅建業の業務に関するものではないが、脱税し、所得税法に違反したとして罰金刑に処せられた場合、Aは指示処分を受けることがある。
⇒正解(2)
1:宅建業務に関して宅建業法以外の法令に違反した場合でも、業務停止処分を受けることがあります。
2:自ら貸主なので、そもそも宅建業に該当しません。
3:指示処分でも、監督処分を行うには聴聞を行う必要があります。
4:宅建業務に関しない行為については、監督処分の対象とはなりません。1番と比較。
【問40】宅建業者Aが、自ら売主となって宅建業者でない買主Bと建物 (完成物件) を売買する場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.宅建業者Aは、Bの承諾を得ている場合は、契約自由の原則に則り、購入代金の額の2/10を超える額の手付を受領できる。
2.Bが手付を支払った後、代金の一部を支払った場合は、宅建業者Aは、手付の倍額を償還することによる契約解除はできない。
3.宅建業者AがBから受領した手付が代金の額の1/10を超え、かつ、1,000 万円を超える場合、Aは、いかなる場合も手付金等の保全措置を行わなければならない。
4.宅建業者Aは、Bの債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の予定や違約金を契約条項に定めることができるが、これらの合計額が代金の額の2/10を超える場合は、Bに不利になるので全額無効である。
⇒正解(2)
1:買主の承諾を得ても、買主に不利な特約は無効です。
3:完成物件なので手付が代金額の1/10を超えるか、1,000万円を超える場合には保全措置を行う必要がありますが、所有権移転の登記がされた場合には、手付金等の保全措置を講ずる必要はなくなります。
4:全額無効ではなく、2/10を超える部分について無効となります。
【問41】宅建業者Aが、自ら売主となり、宅地又は建物を売買する場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.買主Bとの売買契約において、物件が競売で取得した中古住宅であるため、現状有姿とし契約不適合責任の期間を 「引渡しから半年まで」 と定めた契約書の条項は有効である。
2.買主Cとの未完成物件の売買契約において、手付金等を受領する場合、保証委託契約による保全措置の対象は、代金の額の5/100を超え、かつ、この金額が1,000万円を超える部分である。
3.買主Dとの未完成物件の売買において、宅建業法第41条に規定する手付金等の保全措置が必要であるにもかかわらず、Aが当該措置を講じない場合は、Dは、手付金等を支払わないことができる。
4.買主Eとの割賦販売契約において、「Eが割賦金の支払を40日以上遅滞した場合は、催告なしに契約の解除又は支払時期の到来していない割賦金の支払を請求することができる。」と定めた契約書の条項は有効である。
⇒正解(3)
1:「通知期間を引渡しの日から2年以上」とする特約以外に買主に不利なものは無効となり、民法の原則通り、「不適合の事実を知ったときより1年(以内に通知)」となります。
2:手付金等の保全措置の対象は、受領する手付金等の全額となります。
4:30日以上の期間を定めてその支払いを書面で催告し、その期間内に買主の義務が履行されない場合に、契約解除や弁済期未到来の割賦金の支払いを請求することができます。
【問42】宅建業者A (甲県知事免許) が、売主である宅建業者B (甲県知事免許) から、120戸の分譲マンションの販売代理を一括して受け、当該マンションの所在する場所以外の場所にモデルルームを設けて、売買契約の申込みを受ける場合、宅建業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。なお、当該マンション及びモデルルームは甲県に所在するものとする。
1.宅建業者Aは、モデルルームに自己の標識を掲示する必要があるが、宅建業者Bは、その必要はない。
2.宅建業者Aは、マンションの所在する場所に自己の標識を掲示する必要があるが、宅建業者Bは、その必要はない。
3.宅建業者Aは、モデルルームの場所について、甲県知事に届け出る必要があるが、宅建業者Bはその必要はない。
4.宅建業者Aは、モデルルームに成年者である専任の宅建士を置く必要があるが、宅建業者Bはその必要はない。
⇒正解(2)
2:物件所在地には建物分譲の売主である宅建業者Bの標識を掲示し、宅建業者Aの標識は必要ありません。
【問43】宅建業保証協会 (以下「保証協会」という。) に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.保証協会の社員は、宅建業者に限られる。
2.保証協会は、民法第34条に規定する財団法人でなければならない。
3.一の保証協会の社員が、同時に他の保証協会の社員となっても差し支えない。
4.保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から2週間以内に弁済業務保証金を供託しなければならない。
⇒正解(1)簡単すぎて何か裏があるのではと思ってしまう問題。
2:保証協会は、一般社団法人でなければなりません。
3:保証協会の社員は、重ねて他の保証協会の社員となることはできません。
4:弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から1週間以内に弁済業務保証金を供託しなければなりません。
【問44】次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.営業保証金の供託は、金銭のみならず、一定の有価証券をもって行うこともできるが、営業保証金の不足額の供託は、金銭により行わなければならない。
2.宅建業者が廃業届を提出し、免許の効力を失った場合であっても、その者は廃業前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされる。
3.宅建業者 (国土交通大臣免許) が、宅建業法第50条2項の規定に基づき業務を行う場所の届出を行う場合、その所在地を管轄する都道府県知事を経由しなくても直接国土交通大臣に対して行うことができる。
4.宅建業者 (甲県知事免許) が、乙県内で宅建業を営んでいる場合、乙県知事は、取引の業務について必要な報告を求めることができるが、当該宅建業者の事務所に立ち入り、帳簿の検査をすることはできない。
⇒正解(2)
1:営業保証金の供託は、金銭や一定の有価証券をもって行うことができ、不足額についても同様です。
3:国土交通大臣免許の宅建業者が業務を行う場所の届出を行う場合、その所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に届け出ます。
4:報告を求めるだけでなく、事務所立ち入り帳簿の検査をすることもできます。
【問45】宅建業者Aが自ら売主として締結した建物の売買契約について、買主が宅建業法第37条の2の規定に基づき売買契約の解除をする場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.宅建業者でない買主Bは、建物の物件の説明を自宅で受ける申し出を行い、自宅でこの説明を受け、即座に買受けを申し込んだ。後日、勤務先の近くのホテルのロビーで売買契約を締結した場合、Bは売買契約の解除はできない。
2.宅建業者でない買主Cは、建物の物件の説明をAの事務所で受け、翌日、出張先から電話で買受けを申し込んだ。後日、勤務先の近くの喫茶店で売買契約を締結した場合、Cは売買契約の解除はできない。
3.宅建業者である買主Dは、建物の物件の説明をAの事務所で受けた。後日、Aの事務所近くの喫茶店で買受けを申し込むとともに売買契約を締結した場合、Dは売買契約の解除はできる。
4.宅建業者でない買主Eから売買契約の解除があった場合で、この契約の解除が法的要件を満たし、かつ、Aが手付金を受領しているとき、Aは契約に要した費用を手付金から控除して返還することができる。
⇒正解(1)
2:電話での申込みは事務所等以外の場所における買受けの申込みにあたり、クーリング・オフが適用されます。
3:宅建業者間取引において、クーリング・オフの適用はありません。
4:クーリング・オフによる解除が行われた場合、宅建業者は受領した手付金その他の金銭を返還しなければならず、そこから費用を差し引くことはできません。
【問46】法改正により削除(住宅金融公庫法)
【問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品及び不当表示防止法 (不動産の表示に関する公正競争規約を含む。) の規定によれば、正しいものはどれか。
1.販売代理を受けた宅地及び建物の広告を行う場合、自らが調査した周辺地域における当該物件と同程度の物件の平均的な価格を「市価」として当該物件の販売価格に併記してもよい。
2.現在の最寄駅よりも近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して、新駅を表示してもよい。
3.新聞折込み広告で分譲マンションの販売広告を行う場合、すべての住宅について一個当たりの表示が困難なときは、価格については最低価格及び最高価格のみを表示し、管理費については契約時に説明を行えば、不当表示となるおそれはない。
4.高圧線下にある宅地を販売するための広告を行ったところ、当該宅地が高圧線下に所在する旨の表示がされていなかったが、意図的に表示しなかったものではないことが判明した場合には、不当表示となるおそれはない。
⇒正解(2)
1:自らが調査した周辺地域における同程度物件の平均的な価格を市価として併記することはできません。
3:住宅分譲の広告においてすべての住戸の価格を示すことが困難であるときは、1戸当たりの最低価格、最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する住戸の戸数を表示することができます。管理費について、すべての住宅の管理費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができます。
4:高圧電線については、土地の全部または一部が高圧電線路下にあるときは、その旨及びそのおおむねの面積を表示することを要し、非表示が意図的でなくても不当表示とされるおそれがあります。
【問48】宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.平成14年地価公示(平成14年3月公表)によれば、平成13年1年間の全国の地価の状況を概観すると、住宅地・商業地とも下落幅が拡大した。
2.建築着工統計(国土交通省)によれば、平成13年の新設住宅着工戸数は、前年比4.6パーセント減で、そのうち、持家、貸家、分譲住宅とも前年に比べ減少した。
3.平成13年版土地白書(平成13年6月公表)によれば、平成11年の宅地供給量は全国で8,400haとなっており、前年に比べ増加した。
4.平成13年度国土交通白書(平成14年3月公表)によれば、平成13年3月末現在における宅建業者数は約15万業者となっており、前年度に比べ増加した。
⇒正解(1)出題傾向だけ掴み、試験年の統計情報を覚えましょう。
【問49】土地に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土層からなるときは、軟弱地盤である可能性が高い。
2.宅地予定地周辺の擁壁や側溝、道路等にひび割れが見られる場合、地すべりが活動している可能性が高い。
3.河川近傍の低平地で盛り土を施した古い家屋が周辺に多いのは、洪水常習地帯である可能性が高い。
4.丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が強い。
⇒正解(4)
4:液状化現象は、粒径のそろった砂地盤で地下水位が高く、地表から浅い地域で発生しやすく、丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土の地盤であれば、液状化する可能性は低くなります。
【問50】建築物の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。
2.鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面にできる限り、近づけて設けるのがよい。
3.免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパー (油の粘性を利用して振動や衝撃を和らげる装置) が使用される。
4.鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。
⇒正解(3)
1:木造建築物で、圧縮力を負担する筋かいには木材を使用しなければなりませんが、引張り力を負担する筋かいには木材または鉄筋を使用することができます。
2:鉄筋をコンクリートの表面に近づけると中性化が進行して早く錆びてしまうので、適切な厚さを保つようにします。
4:鉄骨造では、溶接の他に高力ボルト接合やリベット結合も認められています。
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