- 平成24年の宅建試験法改正情報
平成24年(2012年)の宅建試験で出題される法改正情報をお送りします。
重要な法改正もありますが、複雑なものはないのでパパッと覚えてしまってください。宅建本試験に出題される可能性のある箇所を見ていきます。文末の★(最高5)は重要度です。
■権利関係の法改正
・今までは1人だけだった未成年後見人ですが、複数の未成年後見人の選任が可能となりました(法人も可)。未成年後見人が複数いるときは共同して権限を行使し、第三者の意思表示は、その1人にすれば足ります。(★★★★)
■宅建業法の法改正
・法人が未成年後見人になれるようになったことに伴い、未成年者の法定代理人が法人の場合、その役員の中に欠格事由に該当する者がいるときは、その未成年者は免許を受けることができなくなりました。(★★★★★)
・重要事項の説明対象に、宅地建物が津波災害警戒区域内にあるときはその旨という規定が加わりました。(★★)
・宅建業者が、クーリング・オフの適用がある場所で契約の締結等を行ったにも関わらず、相手方に対してクーリング・オフをしない旨の合意を取り付ける行為は許されません。よって、相手方がその合意に応じたとしてもクーリング・オフが適用されます。(★★★)
■法令上の制限の法改正
・三大都市圏、指定都市等の都市計画区域内の用途地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区に関する都市計画は都道府県が定めるとされていましたが、都市計画区域内の用途地域、特例容積率適用地区、高層住居誘導地区に関する都市計画は市町村が定めることになりました。(★★★)
・都道府県が、①国の利害に重大な関係がある一定の都市計画、または②大都市およびその周辺の都市に係る都市計画を決定しようとする場合、あらかじめ国土交通大臣に協議し、その同意が必要でしたが、②が削除され、国土交通大臣に協議し同意が必要なのは①のみとなりました。(★★)
・市町村が都市計画を決定しようとする場合、あらかじめ都道府県知事に協議し、その同意が必要でしたが、市は知事との協議のみでよくなりました。町村は従来通り、知事に協議してその同意が必要です。(★★★★)令和3年法改正により、町村も協議のみで足りることとなりました!
・市街地開発事業等予定区域、都市計画施設の区域または市街地開発事業の施行区域内、都市計画事業の事業地において、一定の建築行為等をしようとする者は都道府県知事(または指定都市等の長)の許可が必要でしたが、都道府県知事(市の区域内では市長)の許可となりました。(★★)
・農地法3条の許可権者は、農業委員会または例外として都道府県知事がありましたが、例外がなくなり、すべて農業委員会に統一されました。(★★★★★)
・土地区画整理法で、事業計画の認可の公告の日から換地処分の公告の日までの間に、一定の建築行為等をしようとする者は都道府県知事(または指定都市等の長)の許可が必要でしたが、都道府県知事(市の区域内で個人、組合、区画整理会社、市が施行する場合は市長)の許可となりました。(★★★)
・大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法、流通業務市街地の整備に関する法律、都市再開発法、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律、都市緑地法・特別緑地保全地区の一定の行為に関する許可権者が、都道府県知事(市の区域内では市長)の許可となりました。(★★)
■税その他の法改正
・土地売買による所有権移転登記の登録免許税が1000分の15に。(★★)
・土地所有権の信託登記の登録免許税が1000分の3に。(★)
・特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例で、適用対象となる譲渡資産の額が2億円以下から1億5,000万円以下に。(★)
・平成24年に居住した場合の住宅ローン控除について、年末残高限度額3,000万円、控除率1%、10年間での最大控除額は300万円となります。(★)
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