2008年(平成20年)の宅建改正情報

平成20年の宅建試験法改正情報

平成20年(2008年)の宅建試験で出題される法改正情報をお送りします。

それほど大きな改正はありませんでしたが、宅建本試験で出題されてもおかしくない改正がちょこちょこあります。数年前までは改正箇所は翌年以降に出題されることが多かったのですが、近年、改正→即出題という傾向が見られます。

今年は本当に簡単なちょっとした改正ばかりでしたので、出題されれば得点源です。絶対に落とさないよう、「あ、改正箇所だ!」と気がつくようにしておいてください。★は重要度で、最高★5つです!


借地借家法(権利関係)の法改正(★★★★★)

事業の用に供する建物の所有を目的とする場合、存続期間を10年以上20年以下とする借地権の設定をすることができる ⇒ 改正により、事業用定期借地権は10年以上50年未満に変更されました。存続期間の上限が「20年以下」→「50年未満」に引き上げです。要注意です。公正証書によって行うという点はそのままですが、重要ですのでついでに覚えておいてください。

また、少し細かいですが、存続期間が30年以上50年未満の定期借地権については、貸主と借主の間で「契約の更新および建物の構造による存続期間の延長はなく、建物買取請求をしないこととする特約」を定めることができるという点も覚えておいて損はないかもしれません。


重要事項の説明(宅建業法)の法改正(★★)

宅建業者が信託受益権の売主となる場合(宅建業者が委託者であるときに限る)、信託受益権の売買の相手方に対して重要事項の説明が義務付けられました。昨年に続いて重要事項が追加されました。重要度は低いと思いますが、簡単ですので覚えておいてください。ちなみに、宅地や建物を信託銀行等に信託することによって取得した、その資産から発生する経済的利益(家賃収入など)を受け取る権利を信託受益権といいます。


自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結制限の法改正(★★★)

宅建業法33条の2:宅建業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合は、この限りでない。条文を引用してみましたが、この「次の各号の一」に出てくる「国土交通省令で定めるとき」(施行規則)に追加事項がありました。

施行規則15条の6第4号:当該宅地又は建物について、当該宅建業者が買主となる売買契約その他の契約であって当該宅地または建物の所有権を当該宅建業者が指定する者(当該宅建業者を含む場合に限る)に移転することを約するものを締結しているとき。というわけです。…いまいち意味が分かりませんね。

つまり、A(宅地建物所有者)- B(宅建業者)- C(一般消費者)といたとして、AB間の売買契約の際にBがCに所有権を移転することを約束していた場合、BとCの売買契約を認めるということです。


開発許可の法改正(★★★★★)

今まで開発許可不要とされていたもののうち、いくつかが開発許可必要となりました。開発許可が必要となったもの ⇒医療施設、社会福祉施設、幼稚園、小学校、中学校、高校

これは要注意ですね。

逆に、今まで通り開発許可が不要なものもチェックしておいてください。 ⇒ 図書館、博物館、公民館、鉄道施設など

また、国や都道府県等が行う開発行為も開発許可が必要となりました。ただしこの場合は、国の機関または都道府県等と都道府県知事の協議によって開発許可があったものとみなされます。都道府県知事と協議する、ここ重要です。


用途規制の法改正(★★★★)

近隣商業地域でも、客席の床面積200㎡以上の映画館、劇場等を建築できるようになりました。(今までは200㎡未満のみ)

第二種住居地域、準住居地域、工業地域、非線引き都市計画区域内の用途地域の定められていない区域において床面積10,000㎡超の大規模集客施設を建築するには、特定行政庁の許可が必要となりました。(近隣商業地域、商業地域、準工業地域は許可不要で建築可)


建築確認の法改正(★★★★★)

大規模建築物について建築確認の申請があった場合、受理した日から35日以内に確認済証が交付されることになりました。(改正前は21日)

どちらかというと一般建築物の「7日」の方が元々出題可能性は高いのですが、建築確認自体が毎年1問は出題されますので、これを機に出題されるかもしれません。「大規模建築物」の確認済証は「35日」、要チェックです。

また、少し細かいですが、「建築主事は、一定の建築物の計画が、構造耐力の基準に適合するかどうかを審査するときは、都道府県知事の構造計算適合性判定を求めなければならない」という新しい条文も覚えておいて損はないかもしれません。都道府県知事は、構造計算適合性判定を求められた日から14日以内(交付ができない合理的な理由があるときは35日以内まで延長可)にその結果を記載した通知書を建築主事 (または指定確認検査機関)に交付しなければなりません。

更に細かいですが、都道府県知事は、「指定構造計算適合性判定機関」に構造計算適合性判定の全部または一部を行わせることもできます。…ここまでは出ませんかね。

以上、平成20年の宅建試験に出題されてもおかしくない法改正箇所をピックアップしてみました。


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