宅建業法のひっかけ問題:宅建業者が、不動産の売買や貸借などの手助けをする「媒介契約と代理契約」のひっかけ問題を見ていきます。尚、代理=媒介と置き換えて問題ありません。前提知識は「かんたん宅建業法」媒介契約と代理契約をご参照ください。 1週間、2週間、3ヶ月、5日、7日という数字に着目し、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の違いをしっかり区別しておいてください。
- 宅建ひっかけ問題!媒介契約
【問1】ー
【問2】宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却依頼を受け、Bと一般媒介契約を締結した場合、その有効期間を6ヶ月とすることができる。
【問3】宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合、その有効期間を6ヶ月としたときは、当該媒介契約は無効となる。
【問4】宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合、「Aは10日に1回の割合で口頭によりBに業務処理状況を報告する」とする特約は無効である。
【問5】ー
【問6】宅建業者Aが、Bの所有する宅地の売却依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合、Aによる指定流通機構への登録は、契約の日から休業日を除き7日以内にしなければならない。
【問7】ー
【問8】ー
【問9】ー
【問10】標準媒介契約約款を採用して既存住宅の売買の媒介契約を締結したが、建物状況調査を実施する者のあっせんが無い場合、その理由を記入しなければならない。
【問11】宅建業者Aが、Bの所有する建物の貸借依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合、Aは、媒介契約書面を作成する必要はない。
【問12】ー
媒介も簡単ですね。ちょっとひっかけてみたくても定番問題ばかりで難問になりません。仕方ないので解説の補足を少し細かくしてみました。何度か読み返してみてください。
【1】ー
【2…〇】一般媒介契約に有効期間の制限はありません(期間の制限はありませんが、期間を定める必要はあるという点に注意)。また、更新についても制限はなく、自動更新も可能です。定期的に報告を行う必要もなく「売却の相手方が見つかったら初めて報告をする」といった特約も有効となります。
【3…×】専任媒介契約の有効期間は3ヶ月以内に限定され、これ以上長い期間を定めても3ヶ月に短縮されます。更新も3ヶ月以内で自動更新は認められず、契約終了時に依頼者からの申出によってのみ更新することができます。3ヶ月より長い期間を定めると3ヶ月に短縮されるのであって、媒介契約自体が無効であったり、期間の定めのない契約となるなどのひっかけ問題に注意してください。
【4…×】専任媒介契約の報告は「2週間に1回以上」であれば、10日に1回でも有効です。3週間に1回などとする特約は無効となります。この特約が無効となるだけで、媒介契約自体が無効となるわけではありませんので注意。尚、報告は宅建士が書面でする必要はなく、従業者による口頭でもメールでも構いません。また、申込みがあったときは遅滞なく報告する必要があります。
【5】ー
【6…〇】相手方を探すため、国土交通大臣の指定する流通機構(レインズ)へ依頼された物件の登録を行う必要がありますが、専属でない専任媒介契約の場合は7日以内(休業日を除く)、専属専任媒介契約の場合は5日以内(休業日を除く)に登録ですね。尚、一般媒介契約でも義務ではありませんが指定流通機構への登録は可能ですので、登録することはできないと出題されたら誤りとなります。登録をする場合に〇日以内という制限もありません。登録を要する(専属)専任媒介契約で登録を怠った場合は指示処分の対象となりますが、未登録による直接の罰則はありません。またレインズ登録時に交付される登録済証は、遅滞なく依頼者に交付する必要があります(依頼者の承諾を得て電子交付も可)。
【7】ー
【8】ー
【9】ー
【10…〇】標準媒介契約約款を採用して既存住宅の売買の媒介契約を締結した場合、建物状況調査を実施する者のあっせんを「無」とするときは、「所有者があっせんを希望していないため」「既に建物状況調査が実施されているため」といった理由を記入します。
【11…〇】媒介契約書面を作成する必要があるのは、売買または交換の媒介のみで、貸借の媒介の場合に媒介契約書面の作成は必要ありません。依頼者の承諾を得て電子交付も可能で、媒介契約書面に記名押印して交付するのは宅建士である必要はない(=従業者でOK)という点にも注意。不動産取引の電子化に伴い35条書面や37条書面に押印は不要となりましたが、媒介契約書面には変わらず押印が必要となります。
【12】ー
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