用途制限で押さえる宅建過去問

宅建過去問:「用途制限」の重要過去問を見ていきます。住宅地は住宅地として、商業地は商業地として、工業地は工業地として、それぞれに立地できる建築物を選別することが健全な都市を形成するために必要です。ここはもう単純な暗記です。全てを覚えるのは大変ですが、出題されるものは大体決まっていますので、頻出事項を確実に押さえておき、新しい問題が出たら消去法で対処するのが賢明です。

用途制限の宅建過去問

建築物の用途制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。(2000年の宅建過去問 問-23)

【問】病院は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。

病院は、第一第二低層住専、田園住居、工業・工業専用地域内において建築することができません。よって誤りです。

【問】老人ホームは、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。

老人ホームは、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができます。よって正しい肢となります。

【問】図書館は、すべての用途地域内において建築することができる。

図書館や美術館は、工業専用地域内において建築することができません。よって誤りです。

【問】大学は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。

大学や高等専門学校等は、第一第二低層住専、田園住居、工業・工業専用地域内において建築することができません。よって誤りです。


建築物の用途制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。(1995年の宅建過去問 問-22)

【問】第一種低層住居専用地域内においては、保育所を建築することができない。

保育所(幼保連携型認定こども園)は、すべての用途地域内において建築することができます。よって誤りです。他にすべての用途地域内で建築できる建築物として、1.宗教施設(神社や教会)2.近隣公共施設(派出所や公衆電話ボックス)3.医療衛生施設(診療所や公衆浴場)を覚えておいてください。

【問】第二種中高層住居専用地域内においては、水泳場を建築することができる。

水泳場やボーリング場は、第一第二低層住専、田園住居、第一第二中高層住専、工業専用地域内において建築することはできません。よって誤りです。

【問】近隣商業地域内においては、床面積の合計が100㎡の料理店を建築することができる。

料理店を建築することができるのは、商業地域と準工業地域内においてのみです。面積の大小も関係ありません。よって誤りです。用途制限で出てくる「料理店」とは街に溢れる「飲食店」ではなく、高級料亭や夜の香りがするお店をイメージしてください。飲食店は、第一低層住専と工業専用地域以外で建築することができます(厳密には超小規模で住宅と兼用ならば第一低層住専も建築可能)。


建築基準法第48条に規定する用途規制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。(2002年の宅建過去問 問-20)

【問】第一種低層住宅専用地域内では、小学校は建築できるが、中学校は建築できない。

幼稚園や小中高校は、工業地域、工業専用地域以外の用途地域内において建築することができます。よって、中学校は建築できないとする本肢は誤りです。

【問】第一種住居地域内では、ホテル (床面積3,000㎡以下) は建築できるが、映画館は建築できない。

第一種住居地域内では、床面積の合計が3,000㎡以下のホテルは建築することができますが、映画館は建築できません。よって正しい肢となります。

【問】工業地域内では、住宅は建築できるが、病院は建築できない。

工業地域内では、住宅は建築することができますが、病院は建築できません。よって正しい肢となります。尚、住宅は工業専用地域以外の用途地域内において建築することができます。


建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、用途地域以外の地域地区等の指定及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。(2008年の宅建過去問 問-21)

【問】店舗の用途に供する建築物で当該用途に供する部分の床面積の合計が20,000㎡であるものは、準工業地域においては建築することができるが、工業地域においては建築することができない。

店舗、飲食等の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が10,000㎡を超えるものは、準工業地域においては建築することができますが、工業地域においては建築することができません。よって正しい肢となります。

【問】第一種住居地域において、カラオケボックスで当該用途に供する部分の床面積の合計が 500㎡であるものは建築することができる。

第一種住居地域においては、面積にかかわらずカラオケボックスを建築することはできません。よって誤りです。住居系では、第二種住居地域、準住居地域内においてのみカラオケボックスを建築することができます(商業系、工業系ではすべて建築可)。


建築物の用途規制に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域地区等の指定及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。(2010年の宅建過去問 問-19)

【問】建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において、当該敷地の過半が工業地域内であるときは、共同住宅を建築することができる。

建築物の敷地が用途制限の異なる複数の地域にまたがる場合、その建築物または敷地の全部について、敷地の過半の属する地域の規定が適用されます。共同住宅は、工業地域では建築することができますが、工業専用地域では建築することができません。本肢は過半が工業地域ですので、共同住宅を建築することができます。よって正しい肢となります。

【問】準住居地域内においては、原動機を使用する自動車修理工場で作業場の床面積の合計が150㎡を超えないものを建築することができる。

準住居地域内においては、作業場の床面積の合計が150㎡を超えない原動機を使用する自動車修理工場を建築することができます。よって正しい肢となります。

【問】近隣商業地域内において映画館を建築する場合は、客席の部分の床面積の合計が200㎡未満となるようにしなければならない。

近隣商業地域、商業地域、準工業地域内においては、客席の床面積にかかわらず映画館を建築することができます。よって誤りです。200㎡未満にする必要があるのは準住居地域の場合です。


建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2014年の宅建過去問 問-18)

【問】学校を新築しようとする場合には、法第48条の規定による用途制限に適合するとともに、都市計画により敷地の位置が決定されていなければ新築することができない。

都市計画により敷地の位置が決定されていなければ新築することができないのは、卸売市場、火葬場、ゴミ焼却場等の特殊建築物です。よって誤りです。

【問】特別用途地区内においては、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。

特別用途地区(当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るために用途地域内においてのみ定めることができる地区)内における建築物の建築の制限・禁止について、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て条例で用途制限を緩和することができます。よって正しい肢となります。名称が紛らわしい特定用途制限地域(市街化調整区域を除く用途地域が定められていない区域で、制限すべき建築物等の用途を定める地域)としっかり区別しておいてください。


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