詐欺と強迫で押さえる宅建過去問

宅建過去問:「詐欺と強迫」の重要過去問を見ていきます。丸々1問という可能性は低いですが、以下のような肢がちょこちょこと出題されています。繰り返し出題されており重要ですので、確実にマスターしておいてください。

詐欺と強迫の宅建過去問

A所有の土地が、AからB、BからCへと売り渡され、移転登記も完了している。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。(1989年の宅建過去問 問-3)

【問】Aは、Bにだまされて土地を売ったので、その売買契約を取り消した場合、そのことを善意無過失のCに対し対抗することができる。

Aは当該契約を取り消すことができるが、詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗することはできません。改正民法により無過失まで要求されるようになった点に注意。よって誤りです。

【問】Aは、Bに強迫されて土地を売ったので、その売買契約を取り消した場合、そのことを善意のCに対し対抗することができる。

詐欺の場合と違って、強迫による取消しは善意の第三者に対しても取消しを対抗することができます。よって正しい肢となります。


A所有の土地につき、AとBとの間で売買契約を締結し、Bが当該土地につき第三者との間で売買契約を締結していない場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。(2004年の宅建過去問 問-1)

【問】Aが、Cの詐欺によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの詐欺をBが知っているか否かにかかわらず、Aは売買契約を取り消すことはできない。

第三者が詐欺をした場合、相手方が詐欺の事実を知り、または知ることができたときに限って、詐欺による意思表示をした者は意思表示を取り消すことができます。よって誤りです。

【問】Aが、Cの強迫によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの強迫をBが知らなければ、Aは売買契約を取り消すことができない。

第三者の強迫の場合、相手方の善意悪意を問わず、表意者は常に取り消すことができます。よって誤りです。尚、第三者の詐欺や強迫により土地売買契約が取り消された場合、買主の登記抹消義務と売主の代金返還義務は同時履行の関係となります。


Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。(1998年の宅建過去問 問-7)

【問】AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが、その取消しをもって、Bからその取消し前に当該土地を買い受けた善意のDには対抗できない。

強迫による意思表示は取り消すことができ、取り消された行為は初めから無効とみなされます。その取消し前に現れた第三者に対抗でき、第三者の善意悪意を問いません。よって誤りです。


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