宅建まちがい探し:制限行為能力者

宅建まちがい探し:権利関係のスタートです!まずは「制限行為能力者」のまちがい探しを見ていきます。空欄の問題を含む完全版は、宅建インプリご注文者様への付属となっています(1問ごとに問題の下に解説を置き、より見やすく、より覚えやすくなっています)。

宅建まちがい探し!制限行為能力者

(2025年1月11日のメルマガより)

宅建業法、法令制限、税その他とお送りしてきましたが、今年の権利関係で宅建まちがい探しも完結です。

そして以前にもお伝えした通り、難易度が高めの権利関係は昨年までの宅建業法等よりも深入りせず簡潔にお送りします。宅建業法等の勉強がある程度終わり、権利関係の勉強を始めるときにスムーズに入っていける状態へ皆さんを持っていきます

他科目と並行して進めても苦にならないよう、簡潔に重要点をお伝えして権利関係の全体像を掴んでいただきますのでついてきてください。

では、まずは第1回『制限行為能力者』についてお送りします。

制限行為能力者とは、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人…自分一人では判断能力が不十分な者のことですね。より詳しい解説は「分かりやすい民法解説」をご参照ください。

以下、「全て誤り=×」の問題となります。

どこに『違和感』があるか瞬時に見抜ける状態に持っていきましょう!


【問1】父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。

【問2】ー

【問3】意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。

【問4】ー

【問5】成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合には、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない。

【問6】成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない。

【問7】ー

【問8】ー


制限行為能力者の宅建試験問題
とりあえずこんなところですかね。
これだけ知っておけば本格的な勉強を始めたときに肉付けがラクになるはずです。

以下、解答です。


1:法的な権利義務の主体となる能力や資格=権利能力は出生と同時に取得します。よって乳児であっても不動産を所有することができますちなみにまだお母さんのお腹の中にいる状態(胎児)であっても相続、遺贈、不法行為に対する損害賠償請求については権利能力が認められます。間違いキーワードは「不動産を所有することができない」となります。

2:ー

3:自分のした法律行為の結果を判断できる能力=意思能力を欠いた状態での意思表示は無効です。無効は無効であり、初めから効力が発生していない状態となります。上記2番のように取消可能なのか、本肢のようにそもそも無効なのかはしっかり区別しておいてください1~3番をまとめると、権利能力のない者が法律行為を行うことは現実的に有り得ず、行為能力のない者が行った法律行為は取消し可能、意思能力のない者が行った法律行為は無効となります。キーワードは「取消しの時点から将来に向かって無効」となります。

4:ー

5:成年被後見人が行った法律行為は、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」を除き取り消すことができます。保護者(成年後見人)に同意権もありません。この唯一単独で行うことができる行為も頻出問題ですので確実に覚えておいてくださいちなみに4番の未成年後見人は家庭裁判所が選任する他、遺言でも指定されますが、 成年後見人は必ず家庭裁判所が職権で選任します。これも余裕があれば押さえておいてください。キーワードは「贈与を受ける契約」となります。

6:被保佐人や被補助人と比べて重度に事理弁識能力を欠く成年被後見人に許される行為は日用品の購入その他日常生活に関する行為のみで、その保護者である成年後見人は大きな権限を持っていますが、さすがに成年被後見人に代わって「居住用不動産を処分」することは自由にできず、家庭裁判所の許可を得る必要がありますそしてこの居住用財産の処分には売却・賃貸・賃貸借の解除・抵当権の設定などが含まれます。ここもよく出題されますねキーワードは「建物を売却」となります。

7:ー

8:ー


以上、このような感じで権利関係についてお送りしていきます。

覚えては忘れ、覚えては忘れを繰り返してマスターする暗記科目である宅建業法、法令制限、税その他と異なり、権利関係は理解をすることで忘れにくい科目と言えます。

また実生活に馴染みもあり、実生活にも役立ち、勉強していて面白い科目とも言えます。

宅建試験で頭二つ三つ抜けて難しい権利関係でもしっかり得点を稼ぎ、宅建合格を勝ち取りましょう!


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