宅建まちがい探し(不動産登記法)

宅建まちがい探し:今回は「不動産登記法」のまちがい探し問題を見ていきます。民法のまちがい探しも終わり、残すは民法以外の権利関係科目である不動産登記法、区分所有法、借地借家法の3つとなります。出題は約束されていますので、確実に1点をいただいておきましょう。

宅建まちがい探し:不動産登記法

【問1】所有権移転の登記は権利部の甲区に記録され、所有権移転の登記の抹消は権利部の乙区に記録される。

【問2】土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に所有権の移転登記を申請しなければならない。

【問3】ー

【問4】ー

【問5】ー

【問6】所有権の登記のない土地と所有権の登記のある土地であっても、それらの合筆の登記を申請することができる。

【問7】ー

【問8】抵当権の設定の登記の申請は、被担保債権の債権者が登記権利者、債務者が登記義務者となって行わなければならない。

【問9】ー

【問10】表題登記がされていない区分建物を建築者から取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならない。

【問11】区分建物の敷地権について表題部に最初に登記するときは、敷地権の目的たる土地の登記記録の表題部に敷地権である旨の登記がされる。

【問12】敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得ることなく、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができる。

【問13】ー

【問14】ー

【問15】抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合、その本登記について登記上利害関係を有する第三者があるときは、その者の承諾を得なければ当該本登記を申請することができない。

【問16】ー

【問17】登記事項証明書の交付を請求する場合、書面で作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。


不動産登記法の宅建試験問題
確実に1問が出題されるだけあってちょっと張り切ってしまいました。
しかし主要問題は網羅しておきましたので、意地悪な難問でなければこれで1点を確保できるはずです。

以下、解説(全て×)です!


1:権利部は甲区と乙区に区分され、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録し、乙区には抵当権や賃借権など所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録します。よって所有権の抹消登記も甲区に記録され、間違いキーワードは「乙区」となります。尚、登記できる権利は①所有権、②地上権、③永小作権、④地役権、⑤先取特権、⑥質権、⑦抵当権、⑧賃借権、⑨配偶者居住権、⑩採石権であり、占有権や留置権などは登記不可となります。

2:新たに生じた土地または表題登記がない土地の所有権を取得した者であれば、その所有権の取得日から1ヶ月以内に表題登記を申請しなければなりません(=表示に関する登記)。単に所有権を取得しただけの者であれば登記の期間制限はなく、登記の申請義務すらありません(前ページでお伝えしましたが、法改正により相続による取得は3年の期間制限ができた点に注意)。最初に存在を示す登記は必要ですが、その後の登記とは対抗要件にすぎないということですね。キーワードは「1月以内に移転登記」となります。尚、表題登記は職権登記も可能となっています(権利登記は職権不可)。

3:ー

4:ー

5:ー

6:①相互に接続していない土地、②地目が相互に異なる土地、③所有権の登記名義人または表題部所有者が相互に異なる土地、④所有権の登記のない土地と所有権の登記のある土地などは合筆登記をすることができません。キーワードは「所有権の登記のない土地と所有権の登記のある土地」となります。尚、上記5番の抵当権や地上権などが設定されていても可能な分筆登記と異なり、所有権以外の権利登記がある土地は合筆登記不可となります(例外として地役権のない土地と承役地の合筆登記は可能)。

7:ー

8:登記の申請は、原則として登記権利者と登記義務者による共同申請により行われます。そして抵当権の設定登記は、権利者=抵当権者(被担保債権の債権者)で、義務者=抵当権設定者(目的不動産の所有者)となり、物上保証人の可能性もありますので登記義務者が債務者とは限りませんちょっと意地悪な問題で、キーワードは「債務者が登記義務者」となります。尚、表示に関する登記は単独申請となり、権利に関する登記でも単独申請となる例外として、①登記名義人の氏名や住所の変更(更正)登記、②所有権保存登記、③相続や合併による権利移転登記、④収用による所有権移転登記、⑤判決による登記(確認判決は×)、⑥信託に関する登記あたりを押さえておいてください。また令和5年の法改正により相続人に対する遺贈契約日から10年を経過した買戻し登記の抹消も単独申請が可能となった点に注意です。

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10:区分建物の表題登記は一棟の建物と他の区分建物を併せて申請する一括申請方式が採用され、表題登記の申請義務を負うのは原始取得者(マンションを建てた建築者)のみとなります。表題登記がない「区分建物以外」の建物の所有権を取得した者は、その所有権取得日から1ヶ月以内に表題登記を申請しなければならない点と比較しておいてください。区分建物の表題登記=原始取得者(新築した建物を取得した者)、区分建物以外の表題登記=原始取得者or表題登記がない建物を取得した者ですね。よってキーワードは「区分建物を建築者から取得した者」となります。尚、区分建物においては原始取得者の一般承継人も表題登記を申請することができますが、その場合の表題部所有者は被承継人となる点に少し注意です。

11:区分建物の敷地権について表題部に最初に登記する場合、登記官が職権により敷地権の目的たる土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権である旨の登記を行いますつまり敷地権が所有権であれば甲区、地上権等であれば乙区ということですね。キーワードは「表題部」となります。区分建物が規約による共用部分である旨の登記は表題部にされる点と比較しておいてください。

12:所有権の保存登記は、①表題部所有者(その相続人その他の一般承継人)、②所有権を有することが確定判決で確認された者、③収用により所有権を取得した者がすることができますが、これに加えて④区分建物の場合は表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記が可能となります。これは頻出問題ですので必ず覚えておいてください。そして少し細かいのですが、その建物が敷地権付き区分建物であるときは、敷地権の登記名義人の承諾が必要となります。頻出問題の少し深入りとしてここまで押さえておきましょう。キーワードは「敷地権付き」となります。

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15:所有権に関する仮登記に基づく本登記を申請する場合、登記上の利害関係を有する第三者の承諾を得る必要があります利害関係者の承諾が必要なのは、所有権に関する仮登記だけです。抵当権の仮登記など所有権以外の本登記で承諾を受ける必要はありません。ここ超重要です。キーワードは「抵当権設定の仮登記」となります。

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17:登記事項証明書は窓口・郵送・電子情報処理組織により請求できますが、その交付は書面に限られますキーワードは「電磁的記録」となります。尚、登記事項証明書は正当理由なく誰でも請求することができその附属書類である土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図も誰でも閲覧可能ですが、これ以外の書類(申請書等)は正当理由がある部分のみ閲覧可能となります。


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