とても役立つ年度別の解説付き宅建試験問題です。宅地建物取引業法=宅建業法などスッキリ略し、解説も要点だけに絞っています。要点を一気にチェックしながら平成17年(2005年)の通し問題を見ていきましょう。
- 平成17年(2005年)宅建試験問題と解説
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- 平成17年(2005年)宅建試験問題
- 1.権利関係の問題 問1~16
2.宅建業法の問題 問30~45
3.法令制限の問題 問17~25
4.税その他の問題 問26~29
5.税その他の問題 問46~50
【問1】自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当初から無効である。
2 買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる。
3 買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。
4買主Eが婚姻している未成年者であり、当該婚姻がEの父母の一方の同意を得られないままになされたものである場合には、Eは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。
⇒正解(3) ズバリ正解肢が分かる人は少ないと思いますが、消去法で取れる少し難問ですね。
1:当初から無効ではなく、取り消すことができます。
2:取り消すまでもなく、当初から無効です。
4:父母の一方の同意があれば婚姻は有効となるので、成年擬制により未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことはできません。男女共に婚姻年齢が18歳となり、成年擬制がなくなったことで成立しない問題です。
【問2】AがBに対し土地の売却の意思表示をしたが、その意思表示は錯誤によるものであった。この場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 錯誤が、売却の意思表示の内容の重要な部分に関するものであり、法律行為の重要な錯誤と認められる場合であっても、この売却の意思表示が取消事由となることはない。
2 錯誤が、売却の意思表示をなすについての動機に関するものであり、それを当該意思表示の内容としてAがBに対して表示した場合であっても、この売却の意思表示が取消事由となることはない。
3 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が取消事由となる場合、意思表示者であるAに重い過失があるときは、Aは自らその取消しを主張することができない。
4 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が取消事由となる場合、意思表示者であるAがその錯誤を認めていないときは、Bはこの売却の意思表示の取消しを主張できる。
⇒正解(3)
13:重要な錯誤は原則として取消事由ですが、表意者に重大な過失があれば取消しを主張することはできません。
2:動機を明示ないし黙示的に表示した場合は重要な錯誤となり得ます。
4:改正民法により無効から取消事由となったことで、錯誤取消の取消権者は、表意者、その代理人または承継人のみとなります。
【問3】買主Aは、Bの代理人Cとの間でB所有の甲地の売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア CがBの代理人であることをAに告げていなくても、Aがその旨を知っていれば、当該売買契約によりAは甲地を取得することができる。
イ Bが従前Cに与えていた代理権が消滅した後であっても、Aが代理権の消滅について善意無過失であれば、当該売買契約によりAは甲地を取得することができる。
ウ CがBから何らの代理権を与えられていない場合であっても、当該売買契約の締結後に、Bが当該売買契約をAに対して追認すれば、Aは甲地を取得することができる。
⇒正解(3) 全て正しい記述。権利関係の個数問題は易しいですね。
【問4】Aが有する権利の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aが有する所有権は、取得のときから20年間行使しなかった場合、時効により消滅する。
2 AのBに対する債権を被担保債権として、AがB所有の土地に抵当権を有している場合、被担保債権が時効により消滅するか否かにかかわらず、設定時から10年が経過すれば、抵当権はBに対しては時効により消滅する。
3 AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。
4 AのDに対する債権について、Dが消滅時効の完成後にAに対して債務を承認した場合には、Dが時効完成の事実を知らなかったとしても、Dは完成した消滅時効を援用することはできない。
⇒正解(4)
1:所有権が消滅時効にかかることはありません。
2:付従性により、被担保債権が時効消滅しているのに抵当権だけが存続するということはありません。
3:時効消滅した債権が相殺適状にあった場合、消滅した債権を自働債権として相殺することができます。
4:債務の承認により時効は更新され、債務を承認したにも関わらず「やっぱり時効を援用する!」と言うことは、信義則に反しトラブルの元となります。時効が進行していたことを知らなかったとしても同様です。
【問5】物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象となる目的物について、その払渡し又は引渡しの前に他の債権者よりも先に差し押さえるものとする。
1 不動産の売買により生じた債権を有する者は先取特権を有し、当該不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
2 抵当権者は、抵当権を設定している不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
3 抵当権者は、抵当権を設定している建物が火災により焼失した場合、当該建物に火災保険が付されていれば、火災保険金に物上代位することができる。
4 不動産に留置権を有する者は、目的物が金銭債権に転じた場合には、当該金銭に物上代位することができる。
⇒正解(4)
4:留置権とは、「物を留置」することにより相手の履行を促す権利であって、金銭に物上代位することはできません。
【問6】BはAに対して自己所有の甲建物に平成15年4月1日に抵当権を設定し、Aは同日付でその旨の登記をした。Aと甲建物の賃借人との関係に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Bは、平成15年2月1日に甲建物をCに期間4年の約定で賃貸し、同日付で引き渡していた。Cは、この賃貸借をAに対抗できる。
2 法改正(経過措置)
3 法改正(経過措置)
4 Bは、平成16年12月1日に甲建物をFに期間2年の約定で賃貸し、同日付で引き渡していた。Fは、この賃貸借をAに対抗できる。
⇒正解(4)
4:賃借権の登記をし、当該登記前に登記済みの抵当権者の同意を得て、その同意の登記をした場合のみ、抵当権者に対抗できます。
【問7】Aは、土地所有者Bから土地を賃借し、その土地上に建物を所有してCに賃借している。AのBに対する借賃の支払債務に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Cは、借賃の支払債務に関して法律上の利害関係を有しないので、Aの意思に反して、債務を弁済することはできない。
2 Aが、Bの代理人と称して借賃の請求をしてきた無権限者に対し債務を弁済した場合、その者に弁済受領権限があるかのような外観があり、Aがその権限があることについて善意、かつ、無過失であるときは、その弁済は有効である。
3 Aが、当該借賃を額面とするA振出しに係る小切手 (銀行振出しではないもの) をBに提供した場合、債務の本旨に従った適法な弁済の提供となる。
4 Aは、特段の理由がなくても、借賃の支払債務の弁済に代えて、Bのために弁済の目的物を供託し、その債務を免れることができる。
⇒正解(2)
1:賃借人Cは思い切り利害関係人ですね。利害関係人は、債務者の意思に反して弁済をすることができます。
3:銀行の振出小切手等の場合は債務の本旨に従った提供となりますが、個人振出しの小切手では債務の本旨に従った提供とはなりません。
4:供託ができるのは、特段の理由がある場合(債権者の受取拒否など)に限られます。
【問8】Aは、自己所有の甲地をBに売却し、代金を受領して引渡しを終えたが、AからBに対する所有権移転登記はまだ行われていない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Aの死亡によりCが単独相続し、甲地について相続を原因とするAからCへの所有権移転登記がなされた場合、Bは、自らへの登記をしていないので、甲地の所有権をCに対抗できない。
2 Aの死亡によりCが単独相続し、甲地について相続を原因とするAからCへのの所有権移転登記がなされた後、CがDに対して甲地を売却しその旨の所有権登記がなされた場合、Bは、自らへの登記をしていないので、甲地の所有権をDに対抗できない。
3 AB間の売買契約をBから解除できる事由があるときで、Bが死亡し、EとFが1/2ずつ共同相続した場合、E単独ではこの契約を解除することはできず、Fと共同で行わなければならない。
4 AB間の売買契約をAから解除できる事由があるときで、Bが死亡し、EとFが1/2ずつ共同相続した場合、Aがこの契約を解除するには、EとFの全員に対して行わなければならない。
⇒正解(1)
12:売主=単独相続人として、BとCは対抗関係とならず、当事者同士の関係のままとなります。そしてCと売買契約を締結したDとは、登記の先後で決まる対抗関係となります。
34:相続人による解除権の行使は、共同相続人全員で行う必要があります。売主からの解除権の行使も、共同相続人全員に対して行う必要があります。
【問9】売買契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 買主が、売主以外の第三者の所有物であることを知りつつ売買契約を締結し、売主が売却した当該目的物の所有権を取得して買主に移転することができない場合には、買主は売買契約の解除はできるが、損害賠償請求はできない。
2 売主が、買主の代金不払を理由として売買契約を解除した場合には、売買契約はさかのぼって消滅するので、売主は買主に対して損害賠償請求はできない。
3 買主が、抵当権が存在していることを知りつつ不動産の売買契約を締結し、当該抵当権の行使によって買主が所有権を失った場合には、買主は、売買契約の解除はできるが、売主に対して損害賠償請求はできない。
4 買主が、売主に対して手付金を支払っていた場合には、売主は、自らが売買契約の履行に着手するまでは、買主が履行に着手していても、手付金の倍額を買主に支払うことによって、売買契約を解除することができる。
⇒正解(1)
1:売主の担保責任は、改正民法により債務不履行責任として統一されました。他人物売買において、買主は契約解除に加えて損害賠償請求もすることができます。
3:売主の担保責任は、改正民法により債務不履行責任として統一されました。善意でも悪意でも契約解除と損害賠償請求をすることができます。
4:自らではなく、相手方が履行に着手していないときに限り、解約手付により契約を解除することができます。
【問10】Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bが死亡した場合、使用貸借契約は当然に終了する。
2 Aがこの建物をCに売却し、その旨の所有権移転登記を行った場合でも、Aによる売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたときは、Bは使用貸借契約をCに対抗できる。
3 Bは、Aの承諾がなければ、この建物の一部を、第三者に転貸して使用収益させることはできない。
4 適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な時間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することはできる。
⇒正解(2)
1:使用貸借は借主の死亡により消滅します(賃貸借は相続の対象である点と比較)。
2:使用貸借に対抗要件という概念はありません(賃貸借は登記や引渡しにより対抗可)。
3:貸主の承諾がなければ、使用貸借の借主は、第三者に借用物の使用収益させることができません。
【問11】Aは、所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者Bに請け負わせたが、Bの工事によりこの塀は瑕疵がある状態となった。Aがその後この塀を含む家屋全部をCに賃貸し、Cが占有使用しているときに、この瑕疵により塀が崩れ、脇に駐車中のD所有の車を既存させた。A、B及びCは、この瑕疵があることを過失なく知らない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていれば、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。
2 Bは、瑕疵を作り出したことに故意又は過失がなければ、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。
3 Cは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていれば、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。
4 Dが、車の破損による損害賠償責任請求権を、損害及び加害者を知ったときから3年間行使しなかったときは、この請求権は時効により消滅する。
⇒正解(1)
13:必要な注意をしていた占有者は責任を免れることができますが、工作物の所有者は無過失責任です。
【問12】遺言及び遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 自筆証書による遺言をする場合、証人二人以上の立会いが必要である。
2 自筆証書による遺言書を保管している者が、相続の開始後、これを家庭裁判所に提出してその検認を経ることを怠り、そのままその遺言が執行された場合、その遺言書の効力は失われる。
3 適法な遺言をした者が、その後更に適法な遺言をした場合、前の遺言のうち後の遺言と抵触する部分は、後の遺言により取り消したものとみなされる。
4 法定相続人が配偶者Aと子Bだけである場合、Aに全財産を相続させるとの適法な遺言がなされた場合、Bは遺留分権利者とならない。
⇒正解(3)
1:自筆証書遺言に証人は必要ありません(公正証書遺言は証人二人以上の立会いが必要)。
2:検認は必要ですが、検認を怠っても遺言は無効とはなりません。(令和2年7月10日以降、法務局に自筆証書遺言の保管を依頼する場合は検認不要となった点にも注意)
4:これが認められなければ、遺留分制度とは何なのかという話になりますね。
【問13】借地人Aがは、平成15年9月1日に甲地所有者Bと締結した建物所有を目的とする甲地賃貸借契約に基づいてAが甲地上に所有している建物と甲地の借地権とを第三者Cに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 甲地上のA所有の建物が登記されている場合には、AがCと当該建物を譲渡する旨の合意をすれば、Bの承諾の有無にかかわらず、CはBに対して甲地の借地権を主張できる。
2 Aが借地権をCに対して譲渡するに当たり、Bに不利になるおそれがないにもかかわらず、Bが借地権の譲渡をしない場合には、AはBの承諾に代わる許可を与えるように裁判所に申し立てることができる。
3 Aが借地上の建物をDに賃貸している場合には、AはあらかじめDの同意を得ておかなければ、借地権を譲渡することはできない。
4 AB間の借地契約が専ら事業の用に供する建物 (居住の用に供するものを除く。) の所有を目的とし、かつ、存続期間を20年とする借地契約である場合には、AはBの承諾の有無にかかわらず、借地権をCに対して譲渡することができ、CはBに対して甲地の借地権を主張できる。
⇒正解(2)
1:借地権の譲渡にあたり、Bの承諾がある場合のみ対抗可。
3:Dが賃借権を主張したいなら登記をしておけばよく、借地権の譲渡にDの承諾は不要です。
4:定期借地権の譲渡も、通常の借地権と同じく借地権設定者の承諾が必要です。
【問14】建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 共用部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の所有とすることができる。
2 専有部分であっても、規約で定めることにより、敷地利用権と分離して処分することができる。
3 構造上区分所有者全員の共用に供されるべき建物の部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の専有部分とすることができる。
4 区分所有者の共有に属さない敷地であっても、規約で定めることにより、区分所有者の団体の管理の対象とすることができる。
⇒正解(3)
3:構造上区分所有者全員の共用に供されるべき建物の部分(=階段や廊下などの法定供用部分)を専有部分とすることはできません。規約供用部分ならば規約により専有部分とすることが可能です。
【問15】動産の賃貸借契約と建物の賃貸借契約 (借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。) に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 動産の賃貸借契約は、当事者の合意があれば書面により契約を締結しなくても効力を生じるが、建物の賃貸借契約は、書面により契約を締結しなければ無効である。
2 賃貸人は賃借人との間で別段の合意をしない限り、動産の賃貸借契約の賃貸人は、賃貸借の使用収益に必要な修繕を行う義務を負うが、建物の賃貸借契約の賃貸人は、そのような修繕を行う義務を負わない。
3 動産の賃貸借契約は、賃貸人と賃借人が合意して契約期間を6月と定めればそのとおり効力を有するが、建物の賃貸借契約は、賃貸人と賃借人が合意して契約期間を6月と定めても期間を定めていない契約とみなされる。
4 契約期間を定めた場合、賃借人は、動産の賃貸借契約である場合は期間内に解約を行う権利を留保することができるが、建物の賃貸借契約である場合は当該権利を留保することはできない。
⇒正解(3)
1:動産も不動産も、口頭で合意すれば賃貸借契約が成立します(定期建物賃貸借や取壊し予定建物ならば書面必要)。
2:動産も不動産も、賃貸人は必要な修繕義務を負います。
3:動産賃貸借に最短期間の定めはなく、1年未満を契約期間とする建物賃貸借は期間の定めがないものとみなされます。
4:動産も不動産も、契約期間を定めていても解約を行う権利を留保することができます。
【問16】不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 登記の申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続きをすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
3 登記名義人の氏名で若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
4 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記の有無にかかわらず、現在の所有権の登記名義人が単独で申請できる。
⇒正解(4) 正解肢が細かいですが、正しい3肢が易しめなので消去法でなんとか。
4:所有権登記の抹消は、所有権移転登記がない場合に限り単独申請が可能です。
【問17】国士利用計画法第23条の届出 (以下この問において 「事後届出」 という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Aが、市街化区域において、Bの所有する面積3,000平方メートルの土地を一定の計画に基づき1,500平方メートルずつ順次購入した場合、Aは事後届出を行う必要はない。
2 Cは、市街化調整区域において、Dの所有する面積8,000平方メートルの土地を民事調停法に基づく調停により取得し、その後当該土地をEに売却したが、この場合、CとEはいずれも事後届出を行う必要はない。
3 甲県が所有する土地計画区域外に所在する面積12,000平方メートルの土地について、10,000平方メートルをFに、2,000平方メートルをGに売却する契約を、甲県がそれぞれF、Gと締結した場合、F、Gのいずれも事後届出を行う必要はない。
4 事後届出に係る土地の利用目的について、乙県知事から勧告を受けたHが勧告に従わなかった場合、乙県知事は、当該届出に係る土地売買の契約を無効にすることができる。
⇒正解(3) 正解肢が基本中の基本ですね。
1:複数回に分けて購入しても、合計で市街化区域内における事後届出対象となる2000㎡以上となれば届出が必要です。
2:民事調停法に基づく調停により取得したCは届出不要ですが、市街化調整区域内で5000㎡以上の土地を購入したEは事後届出を行う必要があります。
3:当事者の一方または双方が国や地方公共団体等であれば事後届出は不要です。
4:勧告内容を公表することができるだけで、契約を無効とはできません。
【問18】次に掲げる開発行為のうち、開発行為の規模によっては、実施に当たりあらかじめ都市計画法の開発許可を受けなければならない場合があるものはどれか。
1 市街化区域内において行う、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
2 都市再開発法第50条の2第3項の再開発会社が市街地再開発事業の施行として行う開発行為
3 車庫の建築の用に供する目的で行う開発行為
4 博物館の建築の用に供する目的で行う開発行為
⇒正解(1)
1:農林漁業用の建築物やそれらに従事する者の居住の用に供する建築物について開発許可が不要となるのは、市街化区域以外の区域に限られます。
2:市街地再開発事業の施行として行う開発行為について、開発許可は不要です。
3:車庫や物置等に開発許可は不要です。
4:「公益上必要な一定の建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物」は開発許可不要です。
【問19】都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 区域区分は、都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときに、都市計画に定める市街化区域と市街化調整区域との区分をいう。
2 準都市計画区域は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の住居その他の建築物の建築又はその敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる一定の区域で、そのまま土地利用を整除することなく放置すれば、将来における都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる区域をいう。
3 再開発等促進区は、地区計画について土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域をいう。
4 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途を適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域等において定められる地区をいう。
⇒正解(4)
1:区域区分とは、都市計画区域について必要があるときに定める市街化区域と市街化調整区域の区分です(三大都市圏または政令指令都市を含む都市計画では区域区分を必ず定める)。
4:高層住居誘導地区は、第1種・第2種住居地域などにおいて定められ、〇〇専用地域では設定されません。
【問20】都市計画法33条に規定する開発許可の基準のうち、主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為に対して適用のあるものは、次のうちどれか。
1 予定建築物等の敷地に接する道路の幅員についての基準
2 開発区域に設置しなければならな公園、緑地又は広場についての基準
3 排水施設の構造及び能力についての基準
4 開発許可の申請者の資力及び信用についての基準
⇒正解(3)
3番以外は、主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為(=自己用外または自己の業務用)に適用されます。
【問21】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 2階建てで延べ面積が100平方メートルの鉄骨造の建築物を建築する場合、構造計算は必要としない。
2 5階建てで延べ面積が1,000平方メートルの共同住宅の所有者は、当該共同住宅の敷地、構造及び建築設備について、定期的に一級建築士等に調査させなければならず、調査を担当した一級建築士等は、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
3 特定行政庁は、建築基準法等施行令第9条に規定する建築基準法関係規定である都市計画法第29条に違反した建築物について、当該建築物の所有者に対して、違反を是正するための措置を命ずることができる。
4 便所には、採光及び換気のため直接外気に接する窓を設けなければならないが、水洗便所で、これに代わる設備をした場合においては、必ずしも設ける必要はない。
⇒正解(4) 細かい肢が並んでいますが、常識判断で取れる問題。
1:2以上の階数or延べ面積200㎡超の木造以外建築物は、構造計算が必要となります。
2:定期的な調査報告が必要ですが、報告を要するのは所有者や管理者です。
3:建築基準法関係規定であっても都市計画法第29条は、是正措置対象となる建築基準法令の規定には該当しません。
4:換気扇はあるけど窓がない水洗便所なんて、いくらでも見たことがありますよね。
【問22】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 建築物の容積率の制限は、都市計画において定められた数値によるものと、建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値によるものがあるが、前面道路の幅員が12m未満である場合には、当該建築物の容積率は、都市計画において定められた容積率以下でなければならない。
2 建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値による容積率の制限について、前面道路が二つ以上ある場合には、それぞれの前面道路の幅員に応じて容積率を算定し、そのうち最も低い数値となる。
3 建築物の敷地が都市計画に定められた計画道路 (建築基準法第42条1項第4号に該当するものを除く。) に接する場合において、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、当該計画道路を前面道路とみなして容積率を算定する。
4 用途地域の指定のない区域内に存する建築物の容積率は、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し、都市計画において定められた数値以下でなければならない。
⇒正解(3) 正解肢は易しめですが、細かい問題が続きますね…。
1:前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、都市計画において定められた数値と、建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値の両方を充たす必要があります。
2:幅員が最大の道路を基準として計算します。
4:特定行政庁が土地利用の状況等を考慮して区分し、都道府県都市計画審議会の議を経て定める数値以下でなければなりません。
【問23】土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 土地区画整理組合が総会の決議により解散しようとする場合において、その組合に借入金があるときは、その解散についてその債権者の同意を得なければならない。
2 土地区画整理組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、当該組合に対する債権を有する参加組合員以外の組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができる。
3 換地処分の公告があった場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされるため、従前の宅地について存した抵当権は、換地の上に存続する。
4 公共施設の用に供している宅地に対しては、換地計画において、その位置、地積等に特別の考慮を払い、換地を定めることができる。
⇒正解(2)
2:組合に対する債権を有する組合員は、賦課金の納付について相殺をもって対抗することはできません。
【問24】宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあっては、その長をいうものとする。
1 国土交通大臣は、都道府県知事の申出に基づき、宅地造成等に伴い災害が生ずるおそれの著しい市街地及び市街地となろうとする土地の区域を宅地造成等工事規制区域として指定することができる。
2 宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事は、擁壁、排水施設又は消防の用に供する貯水施設の設置その他宅地造成等に伴う災害の発生を防止するため必要な措置が講じられたものでなければならない。
3 工事主は、宅地造成及び特定盛土等規制法第8条第1項の許可を受けた宅地造成等に関する工事を完了した場合、都道府県知事の検査を受けなければならないが、その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない。
4 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地で、宅地造成等に伴う災害の防止のたる必要な擁壁が設置されていないため、これを放置するときは宅地造成等に伴う災害の発生のおそれが著しいものがある場合、一定の限度のもとに当該土地の所有者以外の者に対しても擁壁の設置のための工事を行うことを命ずることができる。
⇒正解(4)
1:国土交通大臣ではなく、都道府県知事が指定します。
2:消防の用に供する貯水施設は不要です。
3:前段は正しい記述ですが、後段~その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない、という規定は存在しません。
4:所有者、管理者、占有者に対して、擁壁の設置を命ずることができます。
【問25】農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 農地を一時的に資材置場に転用する場合は、いかなる場合であってもあらかじめ農業委員会に届出をすれば、農地法第4条第1項又は同法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
2 市街化区域内の農地を耕作の目的に供するために取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
3 農業者が山林原野を取得して、農地として造成する場合、農地法第3条第1項の許可を受ける必要がある。
4 農業者が自ら居住している住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、自己所有の農地に抵当権を設定する場合、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
⇒正解(4)
12:4条5条許可が農業委員会への届出で足りるのは、農地が市街化区域内にある場合のみです。この市街化区域内の例外は3条許可には適用されません。
3:山林原野は農地に該当しません。
【問26】所得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 譲渡所得とは資産の譲渡による所得をいうので、個人の宅建業者が販売の目的で所有している土地を譲渡した場合には、譲渡所得として課税される。
2 建物等の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額がその土地の価額の5/10に相当する金額を超える場合には、譲渡所得として課税される。
3 譲渡所得の基因となる資産をその譲渡の時における価額の1/2に満たない金額で個人に対して譲渡した場合には、その譲渡の時における価額に相当する金額によりその資産の譲渡があったものとみなされる。
4 個人が所有期間5年以内の固定資産を譲渡した場合には、譲渡益から譲渡所得の特別控除額を差し引いた後の譲渡所得の金額の1/2相当額が課税標準とされる。
⇒正解(2)
1:事業所得です。
34:うーん、、無視!
【問27】印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 「時価3,000万円の土地を贈与する。」旨を記載した契約書について、印紙税の課税標準となる当該契約書の契約金額は、3,000万円である。
2 一の契約書に土地の譲渡契約 (譲渡金額3,000万円) と建物の建築請負契約 (請負金額2,000万円) をそれぞれ記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の契約金額は、5,000万円である。
3 A社の発行する 「土地の賃貸借契約に係る権利金として、B社振出しの平成17年4月1日付No.1234の手形を受領した。」 旨が記載された領収書は、記載金額のない売上代金に係る有価証券の受取書として印紙税が課される。
4 A社の発行する 「建物の譲渡契約に係る手付金として、500万円を受領した。」 旨が記載された領収書は、記載金額500万円の売上代金に係る金銭の受取書として印紙税が課される。
⇒正解(4)
1:贈与契約書は、記載金額がないもの(=200円)として扱われます。
2:異なる種類の契約に関する複数の記載金額がある場合、大きいものが記載金額となります(同じ種類の契約に関する複数の記載金額がある場合は、合計額が記載金額)。
3:権利金の額が記載金額となります。
【問28】固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 質権者は、その土地についての使用収益の実質を有していることから、登記簿にその質権が登記されている場合には、固定資産税が課される。
2 納税義務者又はその同意を受けた者以外の者は、固定資産税課税台帳の記載事項の証明書の交付を受けることはできない。
3 固定資産税を既に全納した者が、年度の途中において土地の譲渡を行った場合には、その所有の月数に応じて税額の還付を受けることができる。
4 新築された住宅に対して課される固定資産税については、新たに課されることとなった年度から4年度分に限り、1/2相当額を固定資産税額から減額される。
⇒正解(1)
1:所有者以外でも、質権者や所有者が所在不明のときの使用者等に固定資産税が課税されます。
2:同意なしに、借地人や借家人も交付を受けることができます。
3:還付は行われず、譲受人と調整します。
4:新築住宅について、課税開始から3年度分に限り1/2相当額が減額されます。
【問29】不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
1 不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であり、正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。
2 資産の流動化に関する法律に基づく評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合は、正常価格ではなく、特定価格として求めなければならない。
3 取引事例比較法における取引事例は、地域要因の比較を不要とするため、近隣地域に存する不動産に係るもののうちから選択しなければならない。
4 収益価格を求める方法には、直接還元法とDCF (Discounted Cash Flow) 法とがあるが、不動産の証券化に係る鑑定評価で毎期の見通し等について詳細な説明が求められる場合には、DCF法の適用を原則とする。
⇒正解(3)
3:近隣地域に存する不動産に係るもののうちからではなく、原則として、近隣地域または同一受給圏内の類似地域の存する不動産にかかるもののうちから選択します。
【問30】宅建業の免許 (以下この問において「免許」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Aの所有するオフィスビルを賃借しているBが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、AとBは免許を受ける必要はない。
2 建設業の許可を受けているCが、建築請負契約に付随して、不特定多数の者に建物の敷地の売買を反復継続してあっせんする場合、Cは免許を受ける必要はない。
3 Dが共有会員制のリゾートクラブ会員権 (宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの) の売買の媒介を不特定多数の者に反復継続して行う場合、Dは免許を受ける必要はない。
4 宅建業者であるE (個人) が死亡し、その相続人FがEの所有していた土地を20区画に区画割し、不特定多数の者に宅地として分譲する場合、Fは免許を受ける必要はない。
⇒正解(1)
1:自ら貸借は、転貸借も含めて宅建業に該当しません。
3:リゾートクラブ会員権の売買でも、実質的には所有権の売買ならば宅建業に該当します。
4:Eが死亡前に分譲の契約を締結していた場合は、当該取引が終了するまでは相続人が宅建業者とみなされる点と混同しないように。
【問31】宅建業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 宅建業者A社は、取締役が道路交通法に違反し、懲役1年執行猶予3年の刑に処せられたため、免許取消処分を受けた。Bが取締役を退任した後、A社は改めて免許申請をしてもBの執行猶予期間が経過するまで免許を受けることができない。
2 C社の取締役が刑法第198条 (贈賄) の罪により罰金の刑に処せられ、その執行を終えてから3年を経過した場合であっても、C社は免許を受けることができない。
3 D社の取締役が、刑法第204条 (傷害) の罪により懲役1年執行猶予2年の刑に処せられた場合、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく、かつ猶予期間の満了の日から5年を経過しなければ、D社は免許を受けることができない。
4 甲県知事の免許を受けているE社の取締役Fが、刑法第208条 (暴行) の罪により罰金の刑に処せられた場合、E社の免許は取り消される。
⇒正解(4)1:道路交通法違反でも禁錮刑以上なら免許欠格要件ですが、取締役Bは退任しているため、A社が改めて免許申請するのにBは関係ありません。
24:暴行、傷害、脅迫、背任、凶器準備集合罪等による罰金刑は免許欠格事由ですが、贈賄による罰金刑は免許欠格事由に該当しません。
3:執行猶予期間が満了すれば、その翌日から免許を受けることができます。
【問32】宅建業法に規定する宅建士に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 都道府県知事は、その登録を受けている宅建士が、他人に自己の名義の使用を許し、その他人がその名義を使用して宅建士である旨の表示をしたとき、当該宅建士に対し、必要な指示をすることができる。
2 宅建業者は、10戸以上の一団の建物の分譲について案内所を設置して行う場合、その案内所において業務に従事する者の数に対する宅建士の数の割合が1/5以上の成年者である専任の宅建士を置かなければならない。
3 宅建業者の従業者である宅建士は、本人の同意がある場合を除き、正当な理由がある場合でも、宅建業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
4 宅建士Aは、甲県知事から事務の禁止の処分を受け、宅建士証を甲県知事に提出したが、禁止処分の期間が満了した場合は、返還の請求がなくても、甲県知事は、直ちに宅建士証をAに返還しなければならない。
⇒正解(1)
2:宅建士の設置を要する案内所に設置する宅建士の数は、従業者の数に関わらず1名で構いません(事務所に設置する宅建士は1/5以上)。
3:本人の同意以外にも、裁判の証人や相手方に真実を告げる必要がある場合など、正当理由と言える事例は存在します。
4:事務禁止処分を受けた宅建士は速やかに宅建士証を交付を受けた知事に提出し、処分期間が満了した場合、知事は宅建士の請求があったときに宅建士証を返還します。
【問33】宅建業者A (甲県知事免許) の営業保証金に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、甲県の区域内に新たに二つの支店を設け宅建業を営もうとする場合、額面金額1,000万円の地方債証券を供託して営業保証金に充てれば足りる。
2 家主Bは、居住用建物の賃貸の管理委託契約をAと締結していたが、Aが借主から収受した家賃を約束期日が過ぎてもBに支払わなかった。この場合、Bは、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
3 印刷業者Cは、Aが行う宅地建物の売買に関する広告の印刷依頼を受け、印刷物を作成し納品したが、AがCに対しその代金を支払わなかった。この場合、Cは、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
4 Aは、買主Dに対し、土地付建物の売買契約を締結する前に、営業保証金を供託した主たる事務所のもよりの供託所及びその所在地について説明するようにしなければならない。
⇒正解(4)
1:地方債証券1000万円=900万円相当なので100万円不足しています。
23:管理委託契約や印刷物の作成納品は、宅建業に関する取引とは言えません。
4:供託所等の説明は、宅建士が行う必要はなく書面によって行う必要もないという点に注意。
【問34】宅建業者Aが行う広告に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 宅建業者Aは、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、取引様態の別を明示しなければならないが、取引の相手方に対し、取引様態の別が明らかである場合は明示する必要はない。
2 宅建業者Aは、宅地造成工事規制区域内における宅地造成工事の許可が必要とされる場合において、当該宅地の売買に関する広告は、宅地造成等規制法第12条に規定する宅地造成工事の完了検査を受けた後でなければしてはならない。
3 宅建業者Aは、建物の売買の広告に当たり、当該建物の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした。当該建物に関する注文はなく、取引が成立しなかった場合であっても、Aは監督処分及び罰則の対象となる。
4 宅建業者Aは、建物の貸借の媒介に当たり、依頼者の依頼に基づいて広告をした。Aは報酬とは別に、依頼者に対しその広告料金を請求することができない。
⇒正解(3)
2:広告ができるのは工事完了検査後ではなく、宅地造成等規制法の許可後です。
4:依頼者からの依頼による広告費は、報酬と別に受領することができます。
【問35】宅建業者Aが自ら売主となって宅地建物の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反するものはどれか。なお、この問において、AとC以外の者は宅建業者ではないものとする。
1 Bの所有する宅地について、BとCが売買契約を締結し、所有権の移転登記がなされる前に、CはAに転売し、Aは更にDに転売した。
2 Aの所有する土地付建物について、Eが賃借していたが、Aは当該土地付建物を停止条件付でFに売却した。
3 Gの所有する宅地について、AはGとの売買契約の予約をし、Aは当該宅地をHに転売した。
4 I の所有する宅地について、Aは I と停止条件付で取得する売買契約を締結し、その条件が成就する前に当該物件についてJと売買契約を締結した。
⇒正解(4)2:EとFが対抗関係となるだけで、他人物売買でも何でもありませんね。
34:売買の予約(取得契約)が行われていれば、自己の所有に属する宅地となりますが、成就するか分からない停止条件付きでは自己の所有に属する宅地とはなりません。
【問36】宅建業者Aが、B所有の宅地の売却の媒介依頼を受け、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅建業法によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Bの申出により、契約の有効期間を6月と定めた専任媒介契約を締結した場合、その契約はすべて無効である。
イ AB間で専属専任媒介契約を締結した場合、AはBに対し、当該契約の業務の処理状況を2週間1回以上報告しなければならない。
ウ AB間で専属専任媒介契約を締結した場合、Bは、Aが探索した相手方以外の者と売買契約を締結することができない。
⇒正解(1) 正しいのはウのみ
ア:無効ではなく、専任媒介契約は3ヶ月となります。
イ:専属専任媒介契約は1週間に1回以上の報告が必要です。
ウ:専属専任媒介契約で、自己発見取引は許されません。
【問37】宅建業者が行う宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 宅地の売買の媒介において、当該宅地に係る移転登記の申請の予定時期については、説明しなくてもよい。
2 宅地の売買の媒介において、当該宅地が造成に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造並びに宅地に接する道路の構造及び幅員を説明しなければならない。
3 宅地の売買の媒介において、天災その他不可抗力による損害の負担を定めようする場合は、その内容を説明しなければならない。
4 宅地の貸借の媒介において、借地借家法第22条で定める定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。
⇒正解(3)
1:登記申請時期は、37条書面の必要的記載事項である点に注意。
3:天災その他不可抗力による損害の負担の定めは、37条書面の任意的記載事項である点に注意。
【問38】宅建業者がマンションの一室の貸借の媒介を行う場合、宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 当該マンションの管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名 (法人にあっては、その商号又は名称)、住所 (法人にあっては、その主たる事務所の所在地) 及び委託された業務の内容を説明しなければならない。
2 建築基準法に規定する容積率及び建蔽率に関する制限があるときは、その制限内容を説明しなければならない。
3 建物の区分所有法等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。
4 敷金の授受の定めがあるときは、その敷金の額、契約終了時の敷金の精算に関する事項及び金銭の保管方法を説明しなければならない。
⇒正解(3)
1:委託を受けている者の氏名や住所の説明は必要ですが、業務内容まで説明する必要はありません。
2:容積率・建蔽率は、売買と交換における重要説明事項で、貸借では説明不要す。
4:敷金の額、契約終了時の敷金の精算に関する事項の説明は必要ですが、金銭の保管方法まで説明する必要はありません。
【問39】売主A、買主Bの間の宅地の売買について宅建業者Cが媒介をした場合の次の記述のうち、宅建業法に違反しないものはどれか。
1 Cは、宅建士をして宅建業法第35条に基づく重要事項の説明 (以下この問において 「重要事項」 という。) を行わせたが、AとBの同意があったため、宅建業法第37条の規定に基づく契約内容を記載した書面 (以下この問において 「契約書面」 という。) を交付しなかった。
2 Cの従業者である宅建士がBに対して重要事項説明を行う際に、Bから請求がなかったので、宅建士証を提示せず重要事項説明を行った。
3 Cは、AとBの契約が成立したので、宅建士に記名押印させ、AとBに対して契約書面を交付したが、両者に対して書面に記載された事項を説明しなかった。
4 AとBどちらからも、早く契約したいとの意思表示があったため、Cは契約締結後に重要事項説明をする旨AとBの了解を得た後に契約を締結させ、契約書面を交付した。
⇒正解(3)
1:当事者双方の同意があっても、37条書面の交付を省略することはできません。
2:重要事項の説明の際は、相手方の請求がなくても宅建士証を提示することを要します。
4:当事者双方の同意があっても、契約締結後に重要事項の説明をすることはできません。
【問40】宅建業法 第37条の規定に基づく契約を証する書面 (以下この問において 「契約書面」 という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 居住用建物の賃貸借契約において、貸主と借主にそれぞれ別の宅建業者が媒介するときは、どちらか一方の宅建業者が契約書面を作成したとしても、契約書面の交付については双方の宅建業者がその義務を負う。
2 宅建業者が土地売買における売主の代理として契約書面を作成するに当たっては、専任でない宅建士が記名押印してもよい。
3 居住用建物の賃貸借契約において、貸主には代理の宅建業者Aが、借主には媒介の宅建業者Bがおり、Bが契約書面を作成したときは、借主及びAに契約書面を交付すればよい。
4 貸主である宅建業者Cが、宅建業者Dの媒介により借主と事業用建物の賃貸借契約を締結するに当たって、Dが作成・交付した契約書面に宅建業法第37条違反があった。この場合、Dのみが監督処分及び罰則の対象となる。
⇒正解(3)
2:宅建士でさえあれば、専任である必要はありません。
3:宅建業者Aに交付するのではなく、借主と貸主に交付します。
4:宅建業者Cは自ら貸借をしているだけなので、宅建業に該当しません。
【問41】宅建業者Aが自ら売主として宅建業者でない買主Bと土地付建物の売買契約を締結した場合における、宅建業法第37条の2の規定による売買契約の解除に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 BがAのモデルルームにおいて買受けの申込みをし、Bの自宅周辺の喫茶店で売買契約を締結した場合は、Bは売買契約を解除することができない。
2 BがAの事務所において買受けの申込をした場合は、売買契約を締結した場所がAの事務所であるか否かにかかわらず、Bは売買契約を解除することができない。
3 Bがホテルのロビーにおいて買受けの申込をし、当該場所において売買契約を締結した場合、既に当該土地付建物の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払った場合でも、Aが宅建業法第37条の2に規定する内容について書面で説明していないときは、Bは当該契約を解除することができる。
4 Bがレストランにおいて買受けの申込をし、当該場所において売買契約を締結した場合、Aが宅建業法第37条の2に規定する内容について書面で説明し、その説明の日から起算して8日を経過した場合は、Bは当該契約を解除することができない。
⇒正解(3)
3:代金の全額を支払い、宅地建物の引渡しを受けているため、他にどれだけクーリング・オフの適用要件に当てはまっていてもクーリング・オフはできません。
【問42】宅建業者Aが自ら売主として、宅建業者でないBに宅地 (造成工事完了済み) を分譲する場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。なお、当該宅地の分譲価額は4,000万円とする。
1 宅建業者Aは、手付金として400万円をBから受領したが、保全措置を講じなかった。
2 宅建業者Aは、手付金100万円をBから受領した後、中間金として600万円を受領したが、中間金600万円についてのみ保全措置を講じた。
3 宅建業者Aは、Bと「契約不適合責任を負うべき期間は、当該物件の売買契約を締結してから2年間とする」旨の特約を定めた。
4 宅建業者Aは、Bと「宅地に不適合があった場合でも、その不適合がAの責めに帰すものでないときは、Aは担保責任を負わない」旨の特約を定めた。
⇒正解(1)
1:工事完了済み物件で代金の10%も1000万円も超えていませんので、保全措置は不要です。
2:400万円を超えた時点で、手付金と中間金の両方、700万円について保全措置が必要となります。
34:通知期間を目的物の引渡しから2年以上とする例外だけが許され、これ以外の買主に不利な特約は無効です。
【問43】宅建業者Aが自ら売主としてマンション (販売価額 3,000万円) の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法及び宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 宅建業者Aは、宅建業者であるBとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,200万円とする特約を定めた。この特約は無効である。
2 宅建業者Aは、宅建業者でないCとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を1,200万円とする特約を定めることができる。
3 宅建業者Aは、宅建業者であるDとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額の定めをしなかった場合、実際に生じた損害額1,000万円を立証により請求することができる。
4 宅建業者Aは、宅建業者でないEとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を600万円、それとは別に違約金を600万円とする特約を定めた。これらの特約はすべて無効である。
⇒正解(3)
124:宅建業者間では2/10を超える損害賠償額の予定も有効ですが、買主が宅建業者でない場合は、2/10を超える部分について無効となります。
3:損害賠償の予定額を定めなかった場合、実際に生じた損害額を請求することができます(買主が宅建業者でなくても同様)。
【問44】宅建業者A (消費税納税事業者) が、B所有の居住用建物について、媒介により貸主Bと借主Cとの賃貸借契約を成立させた場合について、Aが受けることのできる報酬額について、誤っているものはどれか。なお、建物の1月分の借賃は9万円とする。
1 宅建業者Aは、BとCの承諾を得たときは、Bから99,000円、Cから99,000円を受領できる。
2 宅建業者Aは、Bの承諾を得たときは、Bのみから99,000円を受領できる。
3 宅建業者Aは、Bから49,500円、Cから49,500円を受領できる。
4 宅建業者Aは、Bの承諾を得たときは、Bから70,000円、Cから29,000円を受領できる。
⇒正解(1)
居住用建物の貸借における承諾=片方から半月分を超える報酬を受け取ることができるということで、承諾があっても双方からの合計額が1ヶ月分+消費税を超えることはできません。承諾があれば限度内で割合は自由となります。
【問45】宅建業者Aが宅建業保証協会 (以下この問において 「保証協会」 という。) に加入した場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 宅建業者Aが保証協会に加入する前に、Aと宅建業に関し取引をした者は、弁済業務保証金について弁済を受けることができない。
2 宅建業者Aは保証協会に加入した後に新たに事務所を開設したときは、その日から2週間以内に、営業保証金500万円を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
3 宅建業者Aがその一部の事務所を廃止したため、保証協会が弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは、保証協会は、弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨の公告を行う必要はない。
4 宅建業者Aが、保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しない場合、保証協会は納付すべき旨の催告をしなければならず、催告が到達した日から1月以内にAが納付しない場合は、Aは社員としての地位を失う。
⇒正解(3)
2:2週間以内に弁済業務保証金分担金30万円を保証協会に納付します。
3:一部の事務所を廃止したため弁済業務保証金分担金の返還を受ける場合、公告は必要ありません(一部の事務所を廃止したため営業保証金を取り戻す場合は公告が必要である点と比較)。
4:保証協会からの催告などなく、通知から2週間以内に還付充当金を納付しなかった時点で社員の地位を失います。
【問46】法改正により削除(住宅金融公庫法)
【問47】宅建業者が行う広告に関する次の記述のうち,不当景品類及び不当表示防止法 (不動産の表示に関する公正競争規約を含む。 ) の規定によれば、正しいものはどれか。
1 土地上に廃屋が存在する自己所有の土地を販売する場合、売買契約が成立した後に、売主である宅建業者自らが費用を負担して撤去する予定のときは、広告においては、廃屋が存在している旨を表示しなくてもよい。
2 新築分譲マンションを販売するに当たり、契約者全員が四つの選択肢の中から景品を選ぶことができる総付景品のキャンペーンを企画している場合、選択肢の一つを現金200万円とし、他の選択肢を海外旅行として実施することができる。
3 建売住宅を販売するに当たり、当該住宅の壁に遮音性能が優れている壁材を使用している場合、完成した住宅としての遮音性能を裏付ける試験結果やデータがなくても、広告において、住宅としての遮音性能が優れているかのような表示をすることが、不当表示に該当することはない。
4 取引しようとする物件の周辺に、現在工事中で、将来確実に利用できると認められるスーパーマーケットが存在する場合、整備予定時期及び物件からの道路距離を明らかにすることにより、広告において表示することができる。
⇒正解(4)
2:取引価額の1/10以下かつ100万円以下という上限を超えているため、違反行為となります。
【問48】宅地建物の統計に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 平成17年地価公示 (平成17年3月公表) によれば、平成16年の1年間、地価は、三大都市圏、地方圏とも下落率は縮小した。
2 平成15年度法人企業統計 (財務省) によれば、平成15年度の不動産業の売上高は約33兆6,000億円で、全産業の約3%を占めている。
3 建築着工統計 (国土交通省) によれば、平成16年の新設住宅着工戸数は約119万戸となり、対前年比前年比2.5%増で、4年連続の増加となった。
4 平成16年土地白書 (平成16年7月公表) によれば、国土面積の約85%を占める宅地・農用地及び森林・原野の所有主体別面積の割合は、平成14年度では、国公有地が約20%、私有地は約80%となっている。
⇒正解(1) 統計は受験年の情報を覚えて確実に取っておきましょう。
【問49】建物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 耐力壁と周囲の柱及びはりとの接合部は、その部分の存在応力を伝えることができるものとしなければならない。
2 コンクリートは、打上がりが均質で密実になり、かつ、必要な強度が得られるようにその調合を定めなければならない。
3 構造耐力上必要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から1m以内の部分には、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講ずるとともに、必要に応じて有効な防腐措置を講じなければならない。
4 筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行ったときは、この限りではない。
⇒正解(3)
3:「有効な防腐措置」を講ずるとともに、必要に応じて「虫による害を防ぐための措置」を講じます。すごく冷静に考えることができれば逆なのも納得ですが…。
【問50】造成された宅地及び擁壁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 盛土をする場合には、地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締め固める。
2 切土又は盛土したがけ面の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は練積み造とする。
3 擁壁の背面の排水をよくするために、耐水材料での水抜き穴を設け、その周辺には砂利等の透水層を設ける。
4 造成して平坦になった宅地では、一般に盛土部分に比べて切土部分で地盤沈下量が大きくなる。
⇒正解(4)
4:切土部分のほうが、盛土部分よりも安定しています。
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