- 平成28年の宅建士法改正情報
平成28年(2016年)の宅建試験で出題される法改正情報をお送りします。
今年の法改正で覚えてほしいものは農地法だけですが、念のため少しでも出題可能性のある細かい知識も紹介しておきます。それぞれの重要度を★印(最高5つ)で表しておきます。では、順番に見ていきましょう!
■権利関係の法改正
特になし
■宅建業法の法改正
重要事項の説明に1つだけ追加がありましたが、マイナーなので覚える必要はないでしょう。
■法令上の制限の法改正
・開発許可(★★)
土地に関する権利の移転等の許可に基づく処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する土地利用審査会の裁決を経た後でなければ提起することができない、という規定がなくなりました。これにより、開発許可を申請し不許可処分を受けた者は、開発審査会の裁決を経ることなく、いきなり裁判所に対して処分取消の訴えを提起することができるようになりました。
・用途制限(★)
近隣商業、工業地域内に建築できない建築物として規定されていたキャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールから、ダンスホールが削除されました。
・容積率(★★)
建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅または老人ホーム等の用途に供する部分の床面積については、その建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1まで、延べ面積に算入しない。老人ホームや福祉ホームなどについても、地下室の容積率の特例が適用されることになりました。
・建築確認(★)
構造計算適合性判定を要する建築物の場合、建築主は、構造計算適合性判定機関へ申請を行う。建築主事等を通して判定依頼を行っていた構造計算適合性判定を、建築主が直接申請することとなりました。
・農地法(★★★★★)
改正前:4条5条 → 都道府県知事の許可(面積4ヘクタール超は農林水産大臣の許可)
改正後:4条5条 →都道府県知事の許可に統一。ただし、農地または採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(=指定市町村)の区域内にあっては指定市町村の長の許可。
農地法4条5条の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定める事項を記載した申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。農業委員会は、当該申請書に意見を付して都道府県知事等に送付しなければならない。
農業委員会が意見を述べる場合、
30アールを超える農地の転用 → 原則として都道府県機構の意見が必要
30アール以下の農地の転用 → 必要があれば都道府県機構の意見を聴くことができる
また、指定市町村内にある指定市町村が、農地法4条5条の許可が必要となる行為をする場合、指定市町村と指定市町村長との協議が成立することをもって、4条5条の許可があったものとみなされます。
■税その他の法改正
・固定資産税(★★)
バリアフリー改修工事に係る固定資産税の減額措置の特例について、改修後の住宅床面積が50㎡以上であることという適用要件が追加されました。他はものすごく細かい知識と、特例の適用期限延長ばかりですね。今年の改正よりも、昨年の不動産鑑定評価基準の改正を押さえておきましょう。
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