宅建過去問:「弁済」の重要過去問を見ていきます。代表的な、最も一般的な債権消滅事由ですね。出題可能性は低いですが、とても簡単ですので、出題されたらラッキーということでササッと覚えてしまいましょう。
- 弁済の宅建過去問
■AのBからの借入金 100万円の弁済に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。(1993年の宅建過去問 問-6)
【問】Aの兄Cは、Aが反対しても、Bの承諾があれば、Bに弁済することができる。
利害関係を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済することはできず、誤りの肢となります。
【問】Aの保証人DがBに弁済した場合、Dは、Bの承諾がなくても、Bに代位することができる。
弁済について正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位するため、正しい肢となります。
【問】B名義の領収証をEが持参したので、AがEに弁済した場合において、Eに受領権限がなくても、Aが過失無くしてその事情を知らなかったときは、Aは、免責される。
弁済者が、善意無過失で受取証書の持参人に弁済した場合、その者が受領権限を有しない者であっても弁済は有効となります。よって正しい肢となります。
【問】Aは、弁済に当たり、Bに対して領収証を請求し、Bがこれを交付しないときは、その交付がなされるまで弁済を拒むことができる。
弁済者は、弁済受領者に対して受取証書の交付を請求することができ、受取証書が交付されるまで弁済を拒むことができます。よって正しい肢となります。尚、受取証書は電磁的記録により請求することもできます(弁済受領者に不相当な負担を課す場合は不可)。
■Aは、土地所有者Bから土地を賃借し、その土地上に建物を所有してCに賃貸している。AのBに対する借賃の支払債務に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(2005年の宅建過去問 問-7)
【問】Cは、借賃の支払債務に関して法律上の利害関係を有しないので、Aの意思に反して、債務を弁済することはできない。
借地上の建物賃借人は、借賃の支払債務に関して法律上の利害関係を有しています。よって債務者の意思に反しても弁済をすることができ、誤りの肢となります。
【問】Aが、当該借賃を額面とするA振出しに係る小切手(銀行振出しではないもの)をBに提供した場合、債務の本旨に従った適法な弁済の提供となる。
「銀行の自己宛小切手」や「銀行の支払保証のある小切手」など、支払いの確実であるもの、または特別な意思表示や慣習がない限り、同額の小切手を提供しても適法な弁済の提供とはなりません。よって誤りです。
【問】Aは、特段の理由がなくとも、借賃の支払債務の弁済に代えて、Bのために弁済の目的物を供託し、その債務を免れることができる。
弁済者が供託により債務を免れることができるのは、「債権者が弁済の受領を拒んだとき」「債権者が弁済を受領することができないとき」「弁済者が過失なく債権者を知ることができないとき」という理由が必要です。よって誤りです。
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