重要事項説明ー35条書面の宅建過去問

宅建過去問:「重要事項の説明(35条書面記載事項)」の重要過去問を見ていきます。宅建業者は、契約をするかどうかの判断材料として、購入者等に対して対象物件についての情報を知らせる必要があります。宅建士のメイン業務となり、毎年丸々2~3問の出題はざらで、ものすごく重要です。法改正で新しい説明事項もどんどん追加されており、過去問で出題されていないものもいくつかありますので、当HPかんたん宅建業法の「重要事項の説明」のページや「絶対役立つ宅建業法」もチェックしておいてください。

重要事項の説明-35条書面の宅建過去問

宅建業者Aが、宅建士Bをして、宅建業法第35条の規定に基づく重要事項の説明をさせる場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1986年の過去問 問-46)

【問】Bは説明の際、相手方が特に要求しなかったので、宅建士証を提示せず、また、交付する書面にも記名をしなかった。この場合、Bは、10万円以下の過料に処せられる。

宅建士は、重要事項の説明時には相手方から請求がなくても宅建士証を提示しなければならず、これに違反すると10万円以下の過料に処せられることがあります。よって正しい肢です。請求があったときの宅建士証や従業者証明書の提示義務違反に罰則はない点と比較。また、35条書面の作成や記名させる義務は宅建業者にありますので、宅建士を罰則対象とする後段は本肢の正誤とは無関係となりますね。

【問】Bが、専任の宅建士でなく、午前中だけパートタイムで雇われている宅建士である場合、Aは、Bをして説明させたとしても、重要事項の説明義務を果たしたことにはならない。

重要事項の説明は宅建士が行わなければなりませんが、専任である必要はありません。よって、重要事項の説明義務を果たしたことになり誤りとなります。

【問】Aは、当該売買、交換又は貸借の契約が成立してから遅滞なく、Bをして説明させなければならない。

重要事項の説明は、契約が成立するまでに35条書面を交付(契約相手方の承諾を得て電子交付も可)して行わなければなりません。よって誤りです。


宅建業者であるA及びBが、共同で宅地の売買の媒介をするため、協力して一の重要事項説明書(宅建業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面)を作成した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aの宅建士をa、Bの宅建士をbとする。(1998年の過去問 問-39)

【問】AとBは、a一人を代表として、宅地の買主に対し重要事項説明書を交付して重要事項について説明させることができる。

複数の宅建業者が共同して売買の媒介等を行う場合、一つの宅建業者が代表して説明をすることも認められています。よって正しい肢となります。

【問】AとBは、重要事項についてaとbに分担して説明させるときでも、aが単独で記名した重要事項説明書を交付させれば足りる。

分担して説明する場合は、宅建士ab両者の記名が必要です(2022年法改正により押印不要となった点に注意)。よって誤りです。

【問】重要事項説明書に記載された事項のうち、Aが調査及び記入を担当した事項の内容に誤りがあったとき、Aとともに、Bも指示処分を受けることがある。

1つの取引に複数の宅建業者が関与する場合、説明事項については共同して調査・説明する必要があります。よってAだけが担当した場合でも、Bも指示処分を受けることがあり正しい肢となります。


宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと土地付建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「重要事項説明書」とは、宅建業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面をいうものとする。(1999年の過去問 問-34)

【問】Bが、当該建物の近所に長年住んでおり、その建物に関する事項を熱知していると言っている場合、Aは、Bに対して重要事項説明書を交付すれば、重要事項の説明を行うことなく、売買契約を締結することができる。

契約の相手方が売買等の対象物件について熟知していたとしても、重要事項の説明を省略することはできません。よって誤りとなります。尚、契約の相手方が宅建業者である場合は35条書面の交付のみで足り、説明は不要となります。

【問】損害賠償額の予定及び違約金について、Bから提示された内容のとおりとする場合、Aは、重要事項説明書に記載してその内容を説明することなく、売買契約を締結することができる。

損害賠償の予定および違約金に関する事項は、重要事項として必ず説明しなければなりません。よって誤りです。

【問】Aが、遠隔地に住んでいるBの了承を得て、「Bが希望する時期に説明をする」旨の条件付きで重要事項説明書を郵送した場合で、Bから希望する時期を明示されないときでも、Aは、重要事項の説明を行った後に限り、売買契約を締結することができる。

いかなる場合でも、重要事項の説明は契約締結前に行わなければなりません。よって正しい肢となります。


宅建業者Aが、売主B、買主Cとする建物の売買の媒介をした場合に関する次の記述のうち、宅建業法の規定に違反しないものはどれか。(1997年の過去問 問-40)

【問】Aは、売買契約が成立するまでの間に、代金に関する融資のあっせんについて融資条件を説明したが、その融資が成立しないときの措置についてはCに説明しなかった。

重要事項の説明として、代金または交換差金に関する貸借のあっせん内容だけではなく、あっせんが成立しなかったときの措置も説明しなければなりません。よって宅建業法違反となります。

【問】Aは、建物の引渡しの時期についてBとCの合意が不確定であったので、売買契約が成立するまでの間に、当該事項をCに説明しなかった。

建物の引渡時期は、重要事項として説明する必要はありません(37条書面には記載する)。よって本肢は宅建業法違反とはなりません。

【問】Aは、契約の解除に関する事項について売買契約が成立するまでの間にCに説明しなかったが、そのことについて過失はあったものの故意はなかった。

重要事項の説明として、契約の解除に関する事項を説明しなければなりません。故意かどうか、過失の有無は関係ありません。よって宅建業法違反となります。


宅建業者が建物の貸借の媒介を行う場合の宅建業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(1998年の過去問 問-41)

【問】当該建物について建築基準法に基づき容積率又は建蔽率に関する制限があるときは、その概要について説明しなければならない。

建物の貸借の媒介・代理では、容積率や建蔽率の制限について説明する必要はありません。よって誤りです。売買・交換の媒介・代理、宅地の貸借の媒介・代理では説明しなければなりませんので注意です。

【問】敷金の授受の定めがあるときは、当該建物の借賃の額のほか、敷金の額及び授受の目的についても説明しなければならない。

敷金の額および授受の目的については説明しなければなりませんが、借賃の額は説明する必要はありません(37条書面記載事項)。よって誤りです。

【問】当該建物の貸借について、契約期間及び契約の更新に関する事項の定めがないときは、その旨説明しなければならない。

貸借契約において契約期間および契約の更新に関する事項は説明事項で、その定めがないときは「定めなし」と説明しなければなりません。よって正しい肢となります。


区分所有建物(建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である建物をいう。)の売買に際しての、宅建業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1990年の過去問 問-45)

【問】当該建物の管理が委託されているときは、その委託されている管理の内容を説明すれば足り、受託者の氏名及び住所を説明する必要はない。

区分所有建物について1棟の建物およびその敷地の管理が委託されている場合、重要事項の説明として、その委託を受けている者の氏名および住所等について説明しなければなりません。むしろ管理内容の説明は不要です。よって誤りとなります。

【問】通常の管理費用の額については、区分所有者が月々負担する経常的経費を説明すれば足り、計画的修繕積立金等については、規約等に定めがなく、その案も定まっていないときは、その説明の必要はない。

通常の管理費用の額については、区分所有者が月々負担する経常的経費を説明すれば足りますが、計画的修繕積立金等については規約等(案も含む)があるときに限って説明をする必要があります。よって正しい肢となります。

【問】共用部分に関する規約の定めについては、その定めがまだ案であるときは、その案を説明すれば足り、規約の定めを待つ必要はない。

共用部分については、現に成立している規約だけでなく案も含み、規約の案を説明すれば足ります。よって正しい肢となります。(貸借契約では説明する必要なし)

【問】建物の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがあるときは、その規約の内容を説明すれば足り、使用者の氏名及び住所を説明する必要はない。

建物の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、専用使用権が設定されている旨およびその内容を説明しなければなりませんが、使用者の氏名や住所まで説明する必要はありません。よって正しい肢です。


マンション(区分所有建物)の貸借の媒介をする場合に、宅建業法第35条の規定に基づき重要事項として必ず説明しなければならない事項は、次のうちどれか。(1996年の過去問 問-35)

【問】用途地域内における建築物の用途制限に関する事項の概要

用途地域内における建築物の用途制限に関する事項は説明事項ではありません

【問】私道に関する負担に関する事項

私道に関する負担に関する事項は説明事項ではありません

【問】敷金その他契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項

敷金その他契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項は、重要事項として説明しなければなりません。

【問】マンションの敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めの内容

貸借において、敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めの内容は説明事項ではありません。売買・交換の場合は説明が必要ですので注意です。


1棟の建物に属する区分所有建物の貸借の媒介を行う場合の宅建業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(1999年の過去問 問-41)

【問】台所、浴室、便所その他の当該区分所有建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。

貸借においても、台所、浴室、便所その他の当該区分所有建物の設備の整備状況について説明しなければなりません。よって正しい肢です。

【問】当該1棟の建物及びその敷地の管理がA(個人)に委託されている場合には、Aの氏名及び住所を説明しなければならない。

当該1棟の建物及びその敷地の管理が個人に委託されている場合には、その委託を受けている者の氏名及び住所、法人の場合は商号または名称、主たる事務所の所在地を説明しなければなりません。よって正しい肢です。更に賃貸住宅管理業者登録規定の登録を受けている管理者がいるときは、その登録番号も説明事項となります。


宅建業者が、マンションの一戸の賃貸借の媒介を行うに際し、宅建業法第35条の規定による重要事項の説明を行った。この場合、次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。(2001年の過去問 問-36)

【問】マンションの所有者についての登記名義人は説明したが、当該マンションに係る登記されている抵当権については説明しなかった。

所有者の登記名義人だけでなく、登記されている抵当権についても説明しなければなりません。よって宅建業法に違反します。


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