宅建過去問 抵当権 重要度 ★★★★★


今回は「抵当権」の過去問をお送りします。

覚えることも難問も多く、抵当権に割く時間で他の科目に力を入れるのも得策ですが、特に重要な過去問だけ紹介しておきます。最低限ここで紹介することを覚えておけば消去法で正解できる可能性も高くなります。ズバリ正解肢の可能性も十分にあります。では順番に見ていきましょう。

■Aは、BのCに対する金銭債権(利息付き)を担保するため、Aの所有地にBの抵当権を設定し、その登記をしたが、その後その土地をDに売却し、登記も移転した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。(1990-10)

【問】Bが抵当権を実行した場合、A、C及びDは、競買人になることができない。

不動産の
第三取得者であるDは自ら競売人となることができます。よって誤りです。

【問】Bは、抵当権の実行により、元本と最後の2年分の利息について、他の債権者に優先して弁済を受けることができる。

抵当権者は、利息について
満期となった最後の2年分のみ他の債権者に優先して弁済を受けることができます。よって正しい肢となります。


■Aは、BのCに対する債務を担保するため、Aの所有地にCの抵当権を設定し、その旨の登記も完了した後、建物を新築して、Dに対し当該土地建物を譲渡した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。(1992-6)

【問】Cは、抵当権を実行して、土地及び建物を共に競売し、建物の売却代金からも優先して弁済を受けることができる。

一括競売で抵当権者が優先弁済を受けられるのは
土地の売却代金についてのみです。よって誤りです。

【問】Dは、B及びCの反対の意思表示のないときは、Bの債務を弁済して、抵当権を消滅させることができる。

債権者と債務者に
反対の意思がない場合、第三者は債務を弁済して抵当権を消滅させることができます。よって正しい肢として出題されましたが、そもそも利害関係を有する抵当不動産の第三取得者Dは反対の意思表示に関係なく弁済することができます。解釈次第で誤りとも言えるグレーな問題ですが、B及びCの反対とありますので、債権者と債務者の間で「第三者が弁済をすることができない」という特約がなければ第三者が弁済できるという趣旨の問題だったのかもしれません。


■Aは、BからBの所有地を2,000万円で買い受けたが、当該土地には、CのDに対する1,000万円の債権を担保するため、Cの抵当権が設定され、その登記もされていた。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。(1990-6)

【問】Aは、契約の際Cの抵当権のあることを知らなくても、その理由だけでは、AB間の売買契約を解除することはできない。

買主は、抵当権の実行により
所有権を失った場合に限り、善意悪意にかかわらず契約を解除することができます。よって正しい肢となります。

【問】Aは、抵当権消滅請求することができ、その手続きが終わるまで、Bに対し、代金の支払いを拒むことができる。

抵当権消滅請求権者は、
代金支払拒絶権を有します。よって正しい肢となります。

【問】Cは、BのAに対する代金債権について、差押えをしなくても、他の債権者に優先して、1,000万円の弁済を受けることができる。

物上代位によって他の債権者に優先して弁済を受けるためには、代金債権を
払渡し前に差し押さえる必要があります。よって誤りです。


■Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。(1998-5)

【問】Aから抵当権付きの土地及び建物を買い取ったGは、Bの抵当権の実行に対しては、自ら競落する以外にそれらの所有権を保持する方法はない。

抵当不動産の第三取得者は、
自ら競落人となるほか、第三者弁済、代価弁済、抵当権消滅請求によって土地と建物の所有権を保持できます。よって誤りです。


■AはBから2,000万円を借り入れて土地とその上の建物を購入し、Bを抵当権者として当該土地及び建物に2,000万円を被担保債権とする抵当権を設定し、登記した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているのはどれか。(2010-5)

【問】AがBとは別にCから500万円を借り入れていた場合、Bとの抵当権設定契約がCとの抵当権設定契約より先であっても、Cを抵当権者とする抵当権設定登記の方がBを抵当権者とする抵当権設定登記より先であるときには、Cを抵当権者とする抵当権が第1順位となる。

抵当権の設定は
登記が対抗要件となります。よって正しい肢となります。

【問】当該建物に火災保険が付されていて、当該建物が火災によって焼失してしまった場合、Bの抵当権は、その火災保険契約に基づく損害保険金請求権に対しても行使することができる。

火災保険請求権も物上代位が可能です。よって正しい肢となります。


■法定地上権に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び判決文によれば、誤っているものはどれか。(2009-7)

(判決文)土地について1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより1番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しないものと解するのが相当である。

【問】土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

抵当権設定時に土地および建物の所有者が同一であるため、法定地上権が成立します。よって正しい肢となります。

【問】更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

抵当権者が建物の建築を承認していても、
更地に抵当権を設定しているため法定地上権は成立しません。よって正しい肢となります。

【問】土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていたとしても、2番抵当権設定時に土地と地上建物の所有者が同一人となれば、土地の抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

1番抵当権設定当時に土地と建物の所有者が異なるため、2番抵当権設定時に土地と建物の所有者が同一となっても法定地上権は成立しません。よって誤りです。

【問】土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

抵当権設定時に土地と建物の所有者が同一であるため、
建物の所有権移転登記がなされていなくても法定地上権が成立します。よって正しい肢となります。

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