宅建過去問 意思の不存在 重要度 ★★★★★


今回は心裡留保・通謀虚偽表示・錯誤の過去問を見ていきます。よく問われるところですので確実にマスターしておいてください。では順番に見ていきましょう!

■Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。(1998-7)

【問】Aが、自分の真意ではないと認識しながらBに対する売却の意思表示を行った場合で、BがそのAの真意を知っていたとき、Aは、売却の意思表示の無効を主張できる。

表意者が自分の真意ではないと認識しながら行った意思表示でも原則として有効(=冗談だったでは済まない)ですが、
相手方がそれを知っていたときには無効となります。友達に「100万円上げるよ!」→友達「どうせウソだろ…」=無効 よって正しい肢です。

【問】AのBに対する売却の意思表示につき法律行為の要素に錯誤があった場合、Aは、売却の意思表示の無効を主張できるが、Aに重大な過失があったときは無効を主張できない。

意思表示について法律行為の「
要素に錯誤」があった場合は無効を主張できます(善意の第三者にも主張可能←これ重要)が、表意者がその錯誤について重大な過失を有する場合は無効を主張することができません。よって正しい肢となります。


■A所有の甲土地についてのAB間の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(2007-1)

【問】Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく、Bもその旨を知っていた。この場合、Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば、AB間の売買契約は有効に成立する。

上でも説明した通り、心裡留保による意思表示は相手方が悪意の場合は無効となりますので、誤りです。補足として、
相手方に過失がある場合も無効ですのでご注意を。


■Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。(1993-3)

【問】AC間の契約は無効であるから、Aは、Dが善意であっても、Dに対し所有権を主張することができる。

AC間の契約は無効ですが、虚偽表示による無効は
善意の第三者に対抗することができません。よって誤りです。

【問】Dが善意であっても、Bが善意であれば、Bは、Dに対して売買契約の無効を主張することができる。

Bの善意悪意に関わらず、善意のDに無効を主張することはできず、誤りです。

【問】Dが善意であっても、Dが所有権移転の登記をしていないときは、Aは、Dに対し所有権を主張することができる。

善意の第三者の
登記の有無は関係なく、よって誤りの肢となります。

【問】Dがその土地をEに譲渡した場合、Eは、Dの善意悪意にかかわらず、Eが善意であれば、Aに対し所有権を主張することができる。

第三者から更に目的物を譲り受けた者(=転得者)を基準に考えるため、正しい肢となります。Dが悪意でもいいの?と考えるかもしれませんが、法律の落とし穴ですね。
善意のEを保護するわけです。悪用しないように!(笑)


■Aが、Bに住宅用地を売却した場合の錯誤に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。(2001-2)

【問】Bが、Aや媒介業者の説明をよく聞き、自分でもよく調べて、これなら住宅が建てられると信じて買ったが、地下に予見できない空洞(古い防空壕)があり、建築するためには著しく巨額の費用が必要であることが判明した場合、Bは、売買契約は錯誤によって無効であると主張できる。

錯誤無効を主張するには法律行為の要素に錯誤があることが必要ですが、予見できず「著しく巨額の費用が必要」(住宅建設のための費用は当該取引の重要部分)が必要となったため、法律行為の
要素に錯誤があったと言えます。また、業者の説明をよく聞き、自分でも調べているので重大な過失もなく、錯誤無効を主張でき正しい肢となります。

【問】売買契約に要素の錯誤があった場合は、Bに代金を貸し付けたCは、Bがその錯誤を認めず、無効を主張する意思がないときでも、Aに対し、Bに代位して、無効を主張することができる。

錯誤無効を主張できるのは、原則として
表意者のみです。よって表意者Bが無効を主張する意思がない以上、Cは無効を主張することはできず誤りの肢となります。

【問】Aが、今なら課税されないと信じていたが、これをBに話さないで売却した場合、後に課税されたとしても、Aは、この売買契約が錯誤によって無効であるとはいえない。

「動機の錯誤」の問題ですね。動機の錯誤は原則として無効とはならず、しかしその動機が
相手方に明示的黙示的を問わず表示された場合は錯誤が成立することがあります。この問題の場合ですが、Aに動機の錯誤は認められますが、そのことを相手方Bに示していません。よってAは錯誤無効を主張することはできず、正しい肢となります。

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